【急募】ここから助かる方法【死にそう】   作:ラグなロック

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待 た せ た な !(焼き土下座


ささやかな日常

「――――ター…………マスター」

 

体が揺すられる。

 

時刻は九時。

隆文はベッドから目を半分ほど開けて自分の体を揺すってくる存在を確認した。

 

水色の髪に赫い瞳。

 

ワルキューレ。ラーズグリーズ。

 

「……今、何時?」

「もう九時だよ。昨日九時に起こしてって言ってたでしょ?」

「ああ、そうか…………」

 

久々にベッドで寝れたからか。体が睡眠を手放したくないと眠気で抗ってくる。

が、流石にそうも言ってられない。

 

浴室に向かいシャワーを出す。

熱い湯を頭から被って寝惚けていた脳内が徐々に覚醒していく。

 

……今日は、ライダーとの話し合いか。

 

おそらくこちらが持っている情報を一方的に話すだけだろう。

普通の魔術師なら絶対にやらないであろう、愚行ともいえる行動。

 

しかしそうも言っていられない。

これからどんどん聖杯に脱落したサーヴァントたちの魂が入るのだ。

そうすれば聖杯は完成し、この世全ての悪(アンリマユ)が溢れてしまう。

 

だがこちらも浄化の手段は整っている。

 

ならばせめて聖杯完成の場所の指定くらいはこちらでやっておけるのではないか?

 

このまま原作通りなら問題ないが、潰せるルートは潰しておいた方がいい。

 

序にいうならライダーにこのままギルガメッシュを打倒するための協力を申し出たいところ。

 

……というより原作の他の連中はどうやってギルガメッシュを倒す気だったんだろう。

 

アーチャーの固有スキルに「単独行動」がある。

これはマスターを失ってもしばらく現界できるというもので、ギルガメッシュのランクはAランク。

 

マスター不在でも一週間は存在を続けられるほどだ。

 

無論戦闘になり魔力消費が多くなればその分削られるが、あの英雄王のことだ。要石代わりの宝具なりなんなり持っているに違いない。

そうなってくると、マスターを暗殺するという切嗣の方針が全く意味を為さなくなる。

 

唯一可能性がありそうなのはセイバーのもう一つの宝具である『全て遠き理想郷(アヴァロン)』を切嗣からセイバーに譲渡して正面突破という力技くらいだろう。

 

しかしそれだと切嗣が綺礼を突破できなくなる。

無論自分にも言峰綺礼の突破は不可能だということを理解している。

 

隆文の『魔術』が完成すればおそらくはいけるかもしれないが、未だ未完成なうえに調整も多い。

 

……残りの日数は只管自己鍛錬か。

 

詰め込めるだけ詰め込むしかないなと、

 

一通り体を洗い終わり、シャワーを閉じる。

 

「……まあなんにせよ。今はライダーとの会談だなあ」

「そうだよねえ。どうなるかな」

 

いつの間にか背後にラーズグリーズが立っていた。

 

 

 

 

 

■■■■■□□□□□

 

一般家庭における浴室の広さは精々二人がギリギリ入るくらいの大きさで設計されているだろう。

 

隆文の家は両親が――何をしているかはさておいて――それなりの稼ぎを得ているので、普通の浴室よりも広い。

だからラーズグリーズと隆文が洗い場にいても窮屈には感じられないほどの広さがある。

 

……いや待てそこじゃない。落ち着け俺。

 

ゆっくりを首だけを後ろに向ける。

 

「……濡れるぞ?」

「ちゃんと撥水の効果のあるルーンかけてるから大丈夫だよ?」

 

ほら、といって白衣が濡れていないことを証明する。

そうか、といって首を戻す。

 

……違う、そうじゃない……!

 

隆文はシャワーを浴びていた。つまり今。何も纏っていない状態。全裸なのだ。

 

そこに推定外見年齢十代後半の美少女が風呂場にコスプレも斯くやという服装でいる。

 

正直。今ほど両親が世界を飛び回る(自称)仕事をしていてくれて助かったと思った日はない。

まず間違いなく何か特殊なプレイの最中だと思われるだろう。

 

「……ラーズグリーズ。頼む。出てくれ」

「あれ。もう洗い終わっちゃった? 背中流してあげようとしてたのに」

「いやいいから! 頼むから今は外で待っててくれ!!」

「なんでそんな大声出してるの? 更年期って奴?」

「まだ当分先だが!?」

 

何時の時代の何の知識をインストールしてやがるんだってか聖杯は余計な知識を入れる前にその時代に即した一般常識を渡せ。

 

あくまで一般的な日本人男性の感性の隆文。

対して。神話の時代を生きていた戦乙女。

 

序に言うなら、彼女たちワルキューレはヴァルハラにてアインヘルヤルたちの世話係も兼任している。

こういったことは慣れているのだろう。

 

とはいえだ。

健全な精神をしている成人男性である隆文にとって、どう贔屓目に見ても美少女という評価しか下せないラーズグリーズが風呂場にいるというのは意識するなという方が無理である。

 

「……あのな。現代じゃ男の入浴中に女の子が入るのはよっぽど親密な関係じゃないとダメなんだよ」

主人(マスター)従者(サーヴァント)って結構親密だと思うよ?」

「ベクトルが違うな? そうじゃなくて……」

「あっ、大丈夫だよ。(ボク)らはこういうことも務めに入ってるから慣れてるし」

「そういうことを聞きたいんじゃないんだよ……!」

 

んー? と何が言いたいのか分からないといった風なラーズグリーズ。

 

……これがジェネレーションギャップか……!

 

多分違うな。

一先ず脱衣所から追い出す。

 

「ねーマスター。私気にしないから平気だよー?」

「俺が気にするっていうことを考えてくれるか?」

 

扉一枚隔てて声が聞こえる。

 

隆文は着替えながら話す。

 

「でも私らの時代の戦士たちは涙を流しながら喜んでいたよ?」

 

非モテの反応は全国全時代共通か。

神代の男たちに僅かながらの同情と多大なる軽蔑を送る。

 

「……ラーズグリーズ。現代の知識は聖杯からインストールされているんだよな?」

「……? そうだよ。それがどうしたの?」

「だったら現代に於いてこういうことが割と危ないってのもわかるよな?」

「でも犯罪じゃないなら大丈夫って言葉もあるでしょ?」

「何余計な知識をインストールさせてやがる聖杯ィ!!」

 

おそらく今でも盃の中で嗤いながらサムズアップでもしているであろう真っ黒黒助に追加の呪詛を送りながら叫ぶ。

 

とはいえここで現代の倫理観と己の自制心についての講釈をしたところで時間の無駄だろう。

 

着替え終わり、リビングに移動しながらラーズグリーズに話しかける。

 

「……まあそれは今後話し合うとして、だ。昼からライダーたちとの会合になる。もうアサシンたちに見つかっているが、出来得る限りの隠蔽はしておきたい。ラーズグリーズ。頼めるか?」

「うん。分かった」

 

そういうとラーズグリーズは何かを短く詠唱する。

 

……高速神言、じゃねえよな。

 

そんなスキルはなかったはずだ。

おそらくそれに近しい何かの魔術なのだろう。

 

二言三言終えると顔を上げる。

 

「はい。これで私たちは周りから別人に見えてるよ」

「認識を弄る結界、ってところか?」

 

そうだよー、と明るく笑う。

現代の魔術師でこれほどの結界を使えるものは極々少数だろう。加えてこれほどの短時間ともなれば実行できるものはいないと言っていい。

流石は神代を生きた存在というところか。

 

「で。これから向かうの?」

「ああ。こっちから誘っておいて遅れましたは無いだろ」

「結構遠い場所なんだ」

「いや? 歩きでも三十分あれば着くだろ」

 

じゃあなんで、とラーズグリーズは困惑する。

 

早くつくにしろ今から出るのであればそれはいくら何でも早すぎる。

一時間以上をこの外で待つのは自分はいいとしてもマスターである隆文は堪えるだろう。

 

それを指摘すると、隆文はあーといって目線を逸らす。

 

「……まあ。ぶっちゃけて言うとだ。ラーズグリーズ。君の服を買いに行きたい」

「うん…………うん?」

 

二度目の困惑。

 

服を見て買いに行きたいから早く出る。そう隆文は言った。

 

「あの……マスター? 今の私たちは誰から見ても普通の一般人なんだけど? 服買いに行く必要ある?」

「ある」

「その心は?」

 

そう訊ねると、隆文は再び目を逸らす。

 

「……マスター?」

「……あー、えっとだな。カーラやラーズグリーズのおかげで大分今余裕が出てきてるだろ?」

 

出てきたかなー?

確かに最初の頃に比べたら大分マシにはなったが。あくまでマシになった程度だ。

余裕が出てきたというのはおそらく心の方。精神的なもののことだろう。

 

「まあその……なんだ。余裕が出て来たってことは色々と別なことを考える余裕が出て来たってことでもあって、だな。ちょっと、お礼的なことも考えてな」

「お礼?」

「ああ。こっちに呼び出されてからずっと。俺カーラに何もしてあげられてなかったなって」

「うーん。多分というか普通に気にしてないと思うよ?」

 

俺が気にするんだよ。

 

カーラには礼を言えた。だが彼女のしてくれたことに何か報いることが出来たかと言われると否である。

 

「多分……カーラはマスターが生き残ることが何よりの礼だと思うけど?」

「だとしてもさ。こうしてラーズグリーズも協力してくれているし。カーラには出来なかったが、君には何かしてあげたい」

「それで服を買いに? 意味なくない?」

「いやある」

 

食い気味に隆文は言う。

ラーズグリーズは一瞬驚いたような顔をしたが、次の隆文の言葉待っている。

 

……しまった。

 

勢いで肯定してしまったが、実のところ明確な理由はない。

あるとすれば、彼女にも――束の間であっても――現代を謳歌してほしいという個人的な感情。

 

ふー、と長く息を吐いて思考を整える。

 

「……ラーズグリーズ。俺らはこれから何しに行く?」

「……? ライダー陣営との話し合いでしょ?」

「そう。だが助けてくれたとはいえ一応は聖杯を求めあう相手だ」

「そうだね」

「つまりは敵陣営との会合のようなものだ。そんな中に戦装束で行くやつがいるか?」

 

それを聞くとハッとしたような顔をするラーズグリーズ。

 

確かに会合を開くときは護衛を連れていくものだが如何にもな格好をしていくというのも相手に不必要な警戒を抱かせてしまう。

相手に付け入る隙を与えないのが話し合いの鉄則だ。

 

「向こうに余計な気を持たせない。こっちは話し合いにいくんだから戦闘の格好をしていくのはおかしいだろ?」

「じゃあそのために服を?」

「そう。謂わばこれは場に合わせた着替え――――現代風に言うならドレスコードって奴だ」

 

衝撃を受けた。そんな顔になるラーズグリーズ。

 

……確かに相手は現代のマスター。そしてサーヴァントはマケドニアの王。

 

伝承によると、イスカンダルは征服していった相手の土地の風習やらなんやらに感化されていったという話がある。

ならばこの時代。この国の様式を学び実践していてもおかしくない。というか性格的には十分あり得る。

 

ラーズグリーズは深く頷く。

 

……流石マスターだね。カーラが手を貸すのも頷ける。

 

「分かった。じゃあ早速行こうか」

「あ、ああ」

 

盛大な勘違いを起こしているラーズグリーズと、出まかせを信じてくれた相方に戸惑う隆文。

 

変なところですれ違いが起きているが奇跡的に成立している。

 

何の因果かそれは本来の第四次聖杯戦争のキャスター陣営に通じるものがあった。

 

 

 

 

 

■■■■■□□□□□

 

ライダーとの会合の前に、隆文たちは新都にあるショッピングモールに来ていた。

 

規模も大きく、当然ファッション関係の店も入っている。

 

ここでなら待ち合わせの場所も近いし、きっと気に入った服も見つかるだろう。

 

……が。隆文ここで痛恨のミス。

あまりにも当たり前で、しかし時代を考えればあり得てもおかしくない。そんな先入観が生んだ悲劇。

 

……下着、つけてなかったとはなあ……

 

流石に下着無しで服を着せるわけにもいかず、服の前に下着を買わねばということでランジェリーショップにいる。

 

だがほぼ女性しかおらず、僅かにいる男性も居心地が悪そうにしている。

 

「あ、別に下着無くてもいいよ? 服だけでいいわけなんだし」

「止めてくれ俺をそっちの性癖があるみたいに言うな」

 

気遣いのつもりなんだろうが周囲の視線が若干冷たくなった気がする。

 

針の筵という言葉が頭に浮かぶ。

 

とはいえ。現代で生きる上で下着は必須である。

だが流石に女性物のの下着には詳しくないので、近くの店員に任せることにした。

 

慣れているのか、すぐに了承しメジャーを取り出しつつフッティングルームにラーズグリーズと一緒に入っていく。

 

「はーいじゃあ測りますね――――うっわマジでデッケェ服の上からでも分かってたけど生で見ると凄いってかウエストほっそ肌(しっろ)芸術品かよ外の男はっ倒してモノにしてやろうかな」

 

全部聞こえてるんだが?

別の店員に話すとああと全てを理解した風に更衣室からその店員を呼び出して絞め落とした後別の店員に処理を任せ、引き続きラーズグリーズの方の対応に回った。いい空気吸ってんなここの店。

 

しばらくフッティングルームで着替えている間、隆文に店員が話しかけられる。

 

「お客様。よろしければ彼女様にこの冬の新色でもどうですか?」

 

といってすぐ隣にあるアパレルショップに目をやる。おそらく系列店なのだろう。

 

……まあどのみち買うつもりではいたけど。

 

商魂逞しいな。そう思いながらその店員にラーズグリーズに似合いそうな服を選んでもらう。

承知しましたというとそそくさと離れていく。

 

「ねーマスター。これどうかな?」

 

フッティングルームのカーテンが勢いよく開かれた。

 

 

 

 

 

■■■■■□□□□□

 

目を引くのは一面の雪原の如き白い肌。

 

そして清流を想起させるような長い空色の髪。

 

一面の雪景色を銀世界と評することもあるが、今のラーズグリーズはまさしく銀世界に舞い降りた天使のようだった。

 

加えて。店員の選んだ下着のセンスもよかった。

 

白と空色、そして赤い瞳の持ち味を損なわないように。そして控えめながらも主張するように、少し明るめのライムグリーンのものが着せられていた。

 

生来持っているそのしなやかな肢体と合わせてまるで一つの芸術品のようだった。

 

……やっぱ、デカいな。

 

胸の話だ。

 

豊かな双丘がブラジャーによって押し上げられ、さらに魅力を引き上げていた。

 

「マスター? どうしたの?」

 

突然の出来事にフリーズした己のマスターに疑問顔のラーズグリーズに問いかけられたことで再起動を果たす隆文。

 

そして瞬間。魔術回路を全力で励起させる。

一瞬、酷い乗り物酔いのような感覚が襲ったが無視し、カーテンを神速で閉める。

 

それと同時に、周囲の様子を探る。

 

幸い周りに人がおらず、社会的な死を迎えることは避けられたようだ。

 

「マスター? なんでいきなり閉めるの?」

 

カーテンの隙間から首だけ出して隆文に問う。

 

「ごめん。本当にごめん。だけど服を着てから出てくれるか?」

 

はーいという声がして首が引っ込んだ。

 

ふぅ、と隆文は一息つく。

 

「お待たせいたしました。いくつかお持ちいたしました」

「え、社会的な死ってパターンあるんですか?」

 

えっ? といった具合に疑問符を浮かべる店員。

その腕には何着かの女性物の服があった。

 

「あ、いえなんでもありません。ありがとうございます」

 

怪訝な顔をされたが、一瞬で営業スマイルに戻りカーテンの間からラーズグリーズに服を差し入れる。

 

……俺はあれか? この聖杯戦争中に試練をダース単位で受けなきゃならないのか?

 

なぜだろう。腹の底がキリキリと痛み出した。

ウェイバーよりも先に自分が胃薬が必要になるかもしれない。

 

と、後ろでカーテンが開く音が聞こえた。

 

……まさかまたデスチャンスが……!?

 

急いで後ろを振り返る。

 

 

 

 

 

■■■■■□□□□□

 

まず目に入ったのはボルドー色のコート。

ラーズグリーズの水色の髪と相反するが、そのコントラストが逆に彼女のクールな魅力を引き出している。

 

トップスはオフホワイトのリブタートルで、元々の華奢な身体が映える。

 

ボトムスにダークブルーのレザーミニを穿き、透け感のある黒タイツも合わせることで大人らしさが確立していた。

 

靴も選んでくれたのか、ダークグレーのブーツがそれを後押ししている。

 

……めっちゃ似合うな。

 

選んできた店員はというと、大仕事を終えたかのように満足気な表情で隆文を見る。

 

その眼からは「やれるだけのことはやったわ。あとは頑張んなさい」といったエールを感じた。余計なお世話だ。

 

「あ、マスター。ねえこれどう?」

 

そういってその場で一回転し、感想を求めてくるラーズグリーズ。

 

天真爛漫な少女のようにも大人びた女性が悪戯っぽくしているようにも見えるその風貌は間違いなく世の男性を虜にするだろう。

 

それを、前世今世含めて女性経験Zeroの隆文が惹かれないはずがなく、ラーズグリーズが出てきた瞬間に目を奪われていた。

 

「……マスター?」

 

返事がないことを不安に思ったのか、近づいて反応を見る。

慌てて我に返った隆文。

見ると店員が「はよしろ」と言わんばかりに首を掻っ切る仕草をしていた。しかも全員。ガラ悪すぎんだろ後でレビューで最低評価つけてやる。

 

澄んだ赤い瞳が隆文を見つめている。

 

理性というブレーキをかけて興奮を冷まし、隆文は言葉を紡ぐ。

 

「――――すっげぇエロい」

 

アクセルと踏み間違えた。

 

しまったと言ってから気づいた。

周りの店員や客、特に女性陣は氷点下の視線を向けてくるし。男性陣は男性陣で隆文の発言に一定の理解を示しながらもラーズグリーズのような美少女を侍らせている事実が邪魔をして、深く頷きながらも中指を立てるという中々に器用なことをしていた。

 

「え、エロい……?」

 

発言の意図が汲み取れなかったのか困惑しているラーズグリーズ。

すかさず隆文は弁明に走る。

 

「いや待て違うんだ。確かにエロスというのは下ネタに走られがちな単語ではあるが愛を意味する神様の名前だし普通に美の象徴としても扱われるだろう」

「いや他の神話(他所の事情)を言われても……?」

「つまりだな、その――――とてもよく似合ってる。可愛い」

 

言えたじゃねえか。

周囲からそんな声が聞こえてきそうだが、ラーズグリーズはにひひと満足気に笑う。

 

「さっ。それじゃあそろそろ行こっか。時間になっちゃうし」

「あー待て待て。会計が済んでないからちょっと待て」

 

隆文の手を引っ張り連れて行こうとするが慌てて隆文が会計を済ます。

 

財布の中身が大分軽くなった。

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