───時は少し遡る
この気配……どうやら任務は成功した様子ですね。
「な、なんだよあっちから感じるこの呪力量は……!」
「こんなの伏黒が出せる訳ない! 虎杖!」
どうやら天蓋さんが領域を展開した様子……そこまで手強い相手だったとも思えませんが、まあ何かしらの事情があったのでしょう。
「お前ら! どけ!」
「どけと言われてどくバカが何処にいますか。天蓋さんの元へは行かせません」
「天蓋……それがあの狐の名前かよ?」
「虎杖……多分それ九尾の狐。てか先生授業で言ってたじゃない」
「そ、そうだっけ……?」
「殺さないと言っているのだから、貴方たちが大人しく待っていればそれで事は済むのです!」
「そうだぁぁ、毒も効いて痛いだろぉぉお」
「無事でいてくれよ…伏黒!」
「あんたらも時間稼ぎばっかしてないでさっさとかかってきなさいよ!」
「釘崎! ここまでして攻撃してこないなら、アイツら俺たちを殺さないんじゃなくて殺せないんだ! 無理やり突破した方が速え!」
「そのようね……!」
「どうやら、本気で来るようです。血塗、気を引き締めなさい」
「応!」
……といっても、どうやら実力は私たちの方が上の様子。逃げ回るだけなら不可はない。そして、私たちを無視して天蓋さんの元に向かおうとしたら──
「蝕燗腐術 極の番 『翅王』!」
すぐさま背中にこれを当てる。成程、この時間稼ぎの戦いは私たちに向いているようですね……ただ、なぜ止まらない? 毒性を弱めているとはいえ、激しい激痛。女を庇ってもう何度も男は毒を受けている。そろそろ動けなくなっていないとおかしいのだが……
「釘崎!アレ触れると絶対やばい!少し引こう!」
「…追いなさい、血塗」
「あぁ、兄者あ!」
周りをグルグルと回りながら逃げる呪術師。追いかける血塗。私は翅王で、隙を見て脚や腕を狙い四肢から動けなくさせていく……それで上手く、事は進んでいた。
「やばっ!」
女の脚に私の翅王が当たりはしなかったものの、ひっかかったことで転倒した。そして、その隙を見逃さずに血塗が女を組み伏せる。男が反対方向から救援に来るが、それは私が向かえ打った。
気づいていなかった。この位置は女と血塗の二人から見て背中が丸見えだと。
組み伏せられながらもぐちゃぐちゃに暴れ、転がり、血塗と同じタイミングで顔を挙げ、目の前には私の背中が───
「うわっ」
「あ"」
みっ、
みっ、
みっ、
見たなァ──────!!!!?
「バチ殺し!!」
気絶ぐらいは覚悟してもらいます!
「蝕燗腐術 「朽」!」
───
「私との相性、最悪だよ!」
───
痛みだけでは、虎杖悠仁は止まらない!
───
「兄者……」
───
気づいた時には、術式を解いていた
「血塗…!『翅王』!」
───
背後からの攻撃には気づいていない瀬戸際の集中
釘崎の中にまだ毒は残っている、だが術式が解け晴れた痛みでより深く意識は研ぎ澄まされていく
その先で爆ぜる1/1000000の火花
───
釘崎に翅王が当たる前に眼前の敵を仕留める
"誠心"虎杖悠仁の本領
禪院真希を凌ぐ身体能力、格闘センス
そこに与えられた呪いの力
彼は黒い火花に愛されている
───
『『黒閃』』
───
虎杖悠仁の拳は樹を数十本薙ぎ倒し、釘崎野薔薇の釘は地面を刺し砕いた。
「消えた!?」
「コッチもよ!」
「おっとぉ……あーぶないタイミングだったねえ、二人とも」
「天蓋、さん……」
「俺が助けなかったら、多分今死んでたねぇ……壊相、血塗、指は回収した。帰ろう」
「はい」
「わがっだ」
「させるかっ……!」
「釘崎! 伏黒の安否確認が先だ……!」
「大丈夫。殺してないよ、怪我もしてない。それじゃ、また会えると良いね……宿儺様の器」
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(五話までを全てある程度書き直しました。書き直し前の名残が残っていて多少設定や描写のズレがあるかもしれません。直すので見つけ次第誤字報告とかお願いします)(2026/06/27)