【完結】えっ、ここからでも入れる保険があるんですか???   作:らいらいてー

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今回もやりたい事を詰め込みました。

誤字脱字報告いつもありがとうございます、本当に助かってます。


白亜の殿堂に翻るは英霊達の旗(後編)

 旧国会議事堂に翻る旗を確認、オメガ達は上手くやったようだな。後は、俺の仕事をするだけだ。

 司令部周辺で発生した騒ぎを聞きつけてトウキョウに配備された防衛戦力がここに集結しつつあるようだ、だが、近くに配備された砲兵隊からの砲撃は来ていない事を察するに、司令塔を自分から潰すだけの覚悟は敵も決まってないらしい。

 

 時計を確認、迎えのミデアが来るまで残り二十分か、フナバシに設置された敵の防空メガ粒子砲に対する攻撃まで残り十分。

 どちらにせよ二十分プラスアルファ、核兵器の積み込み準備が終わるまでの間、俺はこの場所を奪還しにやってくる親衛隊の連中をお出迎えする必要があるという訳だな、この連邦軍塗装の陸戦型ザク一機で。

 

 この作戦を考えたカニンガン少将が目の前にいたらジト目で睨んでいた事だろうが、現在はプサン包囲戦を指揮中であるためささやかな抵抗を行う事すらできない。

 

 今回の作戦が終わったら回らない寿司奢らせてやる、もちろん俺だけじゃなくて部下たち全員にな。それだけの事はしてるはずだ。

 

『おい、親衛隊司令部に見たことが無い旗が翻ってるぞ!』『なんだあの旗……日の丸? 旧軍の軍旗がなぜここに!?』『どちらにせよ司令部は制圧されたと見るべきだな、奪還するぞ!』

 

 文字通りザビ家、もといギレンの私兵である親衛隊の連中がやってくるのを確認。

 ザク三機を先頭としてその後ろにマゼラアタック五両、装甲車が十両。迅速に持ちうる限りの戦力をここに投射して司令部を奪還するつもりらしい。

 ここで粘れば粘るほど宮城で『VIP』の奪還を行っている特殊作戦群が楽になる、勝負所だ、負ける訳にはいかない。

 

 トレーラーに鹵獲ザクと共に積み込まれていたシールドを右手でしっかりと握りしめて左手にヒートホークを構える。

 右手に構えたシールドは陸戦型ガンダムの物だ、つまりルナチタニウム製、いの一番に突っ込んできてザクマシンガンを構えて弾幕を張ってくる敵の攻撃などものともしない。

 

 ……陸戦型ガンダム送れって上に言ってるのにシールドだけ送って来たジャブローのモグラ共を一発ぶん殴りたいところだが、作戦立案から実行に至るまで数日ほどしか無かったためその間にシールドだけ送られてきただけマシだろう、多分。

 

『ザクマシンガンが効かない!? 近づいてきて……うわぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!?』

 

 ザクマシンガンの弾幕を盾で弾いてゆきながらスラスターを軽く吹かせて加速、一気に距離を詰める、120mm弾が盾によって弾かれて跳弾し、三権分立の時計塔を打ち砕いていくがそれに構う暇は無い。

 接敵してゆきながらコックピット部にヒートホークを振り下ろす、ミノフスキー粒子による混線によって敵パイロットの断末魔が響くが、あえて聞かなかったことにして、そのままこちらに砲塔を向けて来たマゼラアタックのうち一機にヒートホークを投擲。

 

 爆発音がした方向に視線は向けずに倒したばかりのザクからザクマシンガンを拾い上げて、敵の猛反撃を盾で受け止めていきつつシールドから僅かに身を乗り出して弾倉が空になるまで乱射、マゼラアタックと装甲車を爆散させていく。

 

 弾切れ、弾が切れてただの鉄の塊になったザクマシンガンをヒートホークを構えて肉薄して来た新たな陸戦型ザクへと投擲、狙い通りモノアイ部分に命中、動きが鈍る。

 

『悪いな、ギレンの兵隊共、死んでもらうぞ』

 

 動きが鈍った所にすかさず猛攻撃を受けて破損しながらも原形を保っているシールドで殴りつける、衝撃によって相手の体幹が崩れた所に胸部に拳を叩き込み転倒させる。

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! ジークジオ――』

 

 転倒した際にその場に落ちたヒートホークを拾い上げてコックピットに振り下ろす、敵の残存戦車も格闘戦の際の誤射を恐れてこちらに撃ってきてない。その躊躇が命取りだ。

 この局面だったら味方ごとこちらを狙い撃ちにするべきだが、親衛隊だけあって仲間意識が強いのだろうか? 少し悪いことをした気がするが容赦はしない。

 

 コックピットが破壊されて断末魔が響き、一つ目の悪魔から飛び散ったオイルが連邦の一つ目の悪鬼を濡らす。

 

『撃て、撃て! 少尉の仇を取れ!』『このっ……連邦の悪魔が! 死ねぇ!』『アースノイドの屑共がぁぁぁぁぁぁぁ!』

 

 仲間が殺されたことに激高したのか、周囲への被害など考えずに敵の戦車が主砲を向けてゆき、砲弾を放とうとしているのを確認。盾を構えてシールドで防ぐ、衝撃が走るがまだ盾は全損していない。

 横に向けて地面を蹴って加速、近くにいた親衛隊の歩兵が満載された装甲車を踏み潰す。ぐちゃりと嫌な音が響くが今は気にしない、地面を真っ赤に染めてゆきながらスラスターを吹かせて飛び上がり、シールドを投擲、第二射を放とうとしていたマゼラアタックを叩き潰す。

 

 飛び上がったこちらの着地の隙を狙おうとしている最後のザクを捕捉、先程鹵獲したヒートホークを敵の腕めがけて投擲、腕を切断。更にスラスターを吹かせて、手頃なビルを蹴って勢いをつけて敵へと突っ込む。落としたザクバズーカをもう片方の手で拾い上げようとしている地球を蹂躙した悪魔に膝蹴りを食らわせる。

 転倒を確認、敵機の腕を切断してコンクリートの地面に突き刺さっていたヒートホークを引き抜き、間髪入れずにコックピットに振り下ろしていく。

 撃破を確認。倒したザクが落としたザクバズーカを拾い上げて、装甲車から降りて展開しようとしていた歩兵の一団めがけて放つ。

 

 炸裂音、ギレンの親衛隊の命だったものによって永田町に真っ赤な花が咲いていく。

 

 倒した敵の武器を鹵獲して戦うこの戦法、どこかの小鬼狩りみたいだな、と思わないでもないが、実際この戦法は有用だ、特に少数で大量の敵を相手にするときは。

 

 ザクバズーカを投げ捨てて、盾を構えなおし、残存している敵戦車へとモノアイを向けてゆき、こう語りかけた。

 

『死にたい奴からかかってこい!』

 

 ミノフスキー粒子によって発生した混線によってこちらの声は通信機越しに向こうにも聞こえたようで、ひっ、と小さく悲鳴が聞こえたような気がした。

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

ニホンの文字通りの中心地だった永田町にギレンの私兵だったものが至る所に散らばる、かつて生命と呼ばれていたただの焼け焦げた物体を踏み潰してゆきながら、モノアイを周囲に向けて確認。

 

 司令部を奪還せんと迫ってきていた増援部隊の第一陣は壊滅したようだな。

 

 やはり戦争と言うのは良くないな、本当に。あたりに広がる惨状を見つつ心の底からそう思う。

 

 飛翔音。空を見上げる。沖合に展開していた『加賀』『赤城』『蒼龍』『飛龍』を主力としたジュノー級潜水艦から一斉に巡航ミサイルが放たれていく、目標は関東の防空の要であるフナバシに設置されたメガ粒子砲砲台だ。

 

 潜水艦として致命的である位置の露呈を覚悟して放たれた巡航ミサイルは空中で撃ち落とされていくが、それでも注意はあちらに向いた筈だ。

 元々はホッカイドウに設置されていた地球連邦軍の防空拠点だったものをこの場所に移設してジオン軍が独自の改良を施して防空の要としたものだ、あれのせいで今回の作戦には大規模な航空戦力の投入が出来なかった。

 

 同時にトウキョウの各所から爆発音、親衛隊の内通者の手筈通り対空兵器の一部を無力化してくれたらしい、後はお迎えの到着を待つばかりだな。

 

『地点A-6で爆発音!』『敵襲!? どこからだ!?』『即応班の一つが急行中です!』『あちらは即応班の連中に任せるしかないか、我々はあの悪鬼をやるぞ!』

 

 前方に敵影を確認。数はマゼラアタックが三両にマゼラトップ砲を装備したザクが二機。

 

 第一陣が壊滅した事によって相手も慎重になっているのか、旧外務省などのビルを盾にしつつ、こちらを包囲するように迫ってきているな。

 

 ふむ、マゼラアタック二両がこちらを挟み込もうとしている、でも動きが大げさすぎるな、これはこちらに回避行動を強要するためのブラフか。

 

 となると、本命は……。

 

『そこだな』

 

 旧総務省ビルへとよじ登り、マゼラトップ砲を構えていた敵の射線から逃れるように機動、砲撃を回避しながら、右から近づいてきたマゼラアタックの砲撃を盾で弾きつつ、そちらの方へと駆け出し思いっきり踏み潰して踏み台にしながら飛び上がる。

 

 無茶な機動のせいで色々とガタが来ているが気にはしない。そのまま旧外務省ビルへと飛び移って、ヒートホークを次弾を放とうとしていた敵機のコックピット部分へと投擲。

 狙い通りコックピットに命中、操縦者が殺傷されたことによってコントロールを失った敵機はそのままビルから地面めがけて堕ちてゆく。

 

 これで今日だけでザク五機。命が幾つあっても足りない冒険をしてるような気がするが今の所は生きている。

 

 ついでにまだ敵も残っている、弱音吐いてる場合じゃねぇな。

 

 旧外務省ビルから飛び降りる。旧国土交通省ビルを遮蔽にして国会議事堂前のこちらを狙い撃とうとしていた敵めがけて急降下、綺麗に顔面に蹴りを叩き込むことに成功、こちらはスラスターを吹かせて姿勢を制御してゆきながら着地。

 

 崩れ落ちたザクが落としたマゼラトップ砲と呼ばれる兵装を拾い上げて、何とか起き上がろうとしている敵の股間部を足蹴にしながらコックピット部に175mm砲弾を一発、確実に相手を仕留めるために二発叩き込んでゆく。

 

 ……ミノフスキー粒子による混線をかなり恨む、断末魔の悲鳴が聞こえて来た。今日の夜はよく寝れるか分からんな。

 

『准尉の仇ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!』

 

 こちらの側面へと回り込んできたマゼラアタックに今更ながら気が付く、咄嗟に盾を構えようとするがこれは間に合わないか!?

 

『大尉、お迎えに上がりましたよ!』

 

 すると、超低空飛行で飛んできたセイバーフィッシュ…ララァの機体から機関砲が放たれてゆき、こちらに砲弾を放とうとしていたマゼラアタックのコックピット部分を蜂の巣にしてパイロットを殺傷してゆく、今のは危なかったかもしれん。

 

『すまん、助かった! 手間をかけさせたな』『いいえ、大尉が無事で良かったです、遅れてすいません』

 

 『構わん、美しいお嬢さん方が迎えに来てくれた方が俺と国会議事堂のむさくるしい特殊作戦群の連中も喜ぶだろうさ』

 

 少し離れた場所からは無誘導爆弾が炸裂する音が聞こえてくる、恐らくはライラの機体だな。

 

 上手く、麻痺した対空網の合間をかいくぐってミデアを誘導してくれたようだ。空を見上げると、ミデア三機が国会議事堂前に到着するのを確認できた。

 

 同時に宮城の方からジオン軍から奪ったのだろうトラックが猛スピードで駆け抜けてゆき、着陸したミデアに『VIP』と共に乗り込んでゆく、『VIP』確保班からの通信を確認。

 

 『旧自衛隊のメンツは保った』との事だ、そいつは何より。

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミデアに特殊部隊の兵員と、対空砲を無力化してくれた親衛隊の協力者が乗り込んでゆく、ギレンの私兵だった連中だったがあいつらが居なかったら今回の作戦は成功しなかっただろう。

 

『こちらオメガ、核兵器の搬入完了まであと少しです! 大尉も引き上げの準備をしてください!』

 

『ああ、分かった、これより引き上げ……』

 

 と、言いかけた所でライラ機から緊急信号、どうやら敵のおかわりがやってきたようだな。

 

『大変だ大尉、青いのと一つ目のがマゼラアタックを引き連れてそっちに向かってきてる! 図書館の方角からだ! 今一機マゼラアタックはやっつけたけどこのままだとミデアが攻撃されちまうぞ、どうする!?』

 

 一瞬の間だけ逡巡、すぐに答えを出す。この局面で守るべきなのはミデアであり、残るべきなのは俺だな。

 

『ライラ中尉の機体とララァの機体はミデアを護衛しつつ準備ができたらすぐに出発を! 沖合で連邦海軍の残存が注意を引きつけてくれてはいるが、あの対空砲塔は脅威だ! 速やかに作戦空域を離脱しなければならない』

 

 ライラ中尉の息を飲む声が聞こえる、なぁに、そんなに心配するな。

 震えてしまいそうになる喉を押さえながら、努めてクールに振舞う、理想とするエースのように。そうとも、エースこそこういう時に不敵に笑うものだろう?

 

『ライラ中尉、頑張ってくれてるもんな。戻ったらめいっぱい褒めてやる! 信じろ!』『……! 分かった、信じる。だから無事に戻ってきてくれよ、大尉!』

 

 ミデアの護衛はライラ中尉とララァに任せながら、鹵獲したマゼラトップ砲を構えつつ地面を蹴って加速、敵が向かってきている方面へと向かう。

 

 建物の影から姿を現したマゼラアタックに脚部に搭載されている三連装ミサイルランチャーを発射。

 炸裂、撃破を確認。

 

『曹長のマゼラアタックがやられた!』『連邦め、ザクを使うなど……アースノイドには過ぎたる代物だ、身の程を知れっ!』『仲間の仇を取るぞ!』

 

 出会い頭にマゼラアタックを撃破した後に、そのまま酷使されてもうボロボロになった盾を構えて、敵戦車とザクの猛反撃を受け止めてゆく。

 目視で確認できる範囲ではザクが一機、そしてマゼラアタックが四両、ルナチタニウム製の盾を貫くだけの火力は持ってないようだが、塗装も剥げてボロボロになったこれに命を預け続けるのは無茶だな。

 

 盾に身を隠しながらマゼラトップ砲を構えて発砲、爆発音が響いた事から察するにマゼラアタックのうち一両は戦闘不能に追い込んだだろう。マゼラトップ砲をその場に投げ捨てる。

 

 相手の弾幕が途切れたのを見計らって、ボロボロになった盾をザクマシンガンを乱射していた巨人めがけて投擲、命を預けるはずの盾を投擲したことに意表を突かれた敵はモノアイ部分でまともに受けてしまって怯む。

 その隙を逃さない、ショルダータックルの構えになって加速、マゼラアタックが次弾を放つよりも先に吶喊、スパイクの部分を怯んだザクの胴体部に叩きつけて転倒させる。

 

 転倒させたザクがまだ握り締めているザクマシンガンを奪い取り、超至近距離でコックピットめがけて連射、沈黙を確認。

 

『中尉がやられたぁ!』『れ、連邦にこれほどのザクパイロットが居るのか!?』『後退、後退しろぉ!』

 

 敵のマゼラアタックに動揺が走るが、容赦はしない。鹵獲したザクマシンガンを構えなおして残った敵戦車めがけて引き金を引き弾幕を張り、敵車両を破壊していく。

 伊達にシミュレーターで何度もザクを動かしてない、モビルスーツの操縦も随分と手に馴染んだ。

 

 ま、それでもやっぱり俺は空の人間なんだが。

 

 ミデアには核兵器が搬入されたようで、今すぐにでも飛び去ろうとしている、早く向こうに合流しないとな。

 

『……って、そう簡単に逃してくれるはずないか!』

 

 物陰から飛び出して来た青い機体、確かグフだったかな? その機体の手に装着された特徴的なマシンガンが回避機動を取ろうとしていたこちらの機体のスパイクアーマーを撃ち抜いてゆく。

 

『大尉! 早く乗ってください!』『すぐに追いつく、早く空へと上がれ!』

 

 ミデアが空へと上がってゆくのを確認しつつ、覚悟を決める、この機体を少なくとも無力化しないと帰れなさそうだ。

 

 クラッカーの残数を確認。最悪、この機体は放棄して良いだろう、ならばやる事は一つだな。

 

『仲間の仇だ、死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』『悪いが死ぬつもりは無いんでな、お嬢さん!』

 

 グフを操ってるのは通信機越しにキャッチした声質的に女性か? 随分と殺意に満ち溢れてるな。ヒートサーベルと呼ばれる得物を構えながらザクとは段違いの機動性でこちらに向かってくる、これは追いつかれる。

 そう判断し、そのままあえて相手へと向かってゆく形になり、ヒートサーベルの一撃を左肩のシールド部分で受け止めてゆく。シールドが切り裂かれてゆき腕も斬りおとされるが、それでも斬撃はこちらのコックピットには届いていない。

 指に装着された機関砲がこちらのコックピットに向けられてゆくが、その手を残った腕で払いのけてゆき、切り札をその場に落とす。

 

『クラッカー!? 自爆する気か!?』

 

 咄嗟にグフが飛びのこうとするが、その足を踏みつけて逃しはしない、貴様だけはその機動力を奪わないと危険だ!

 

 クラッカーが起爆、凄まじい衝撃が走って三半規管が揺さぶられてゆく。両足が破損、敵も脚部を破損したようでその場に膝をついてゆき、爆発の衝撃によって信頼性が悪いのだろう指のマシンガンも破損している。

 

 生きてるのは運がいいな、本当に。コックピットのハッチを開き、ランドムーバーで空へと飛びあがる、既に空中にはこちらの指示通り積み荷と共に飛んでいるミデアの姿。

 

「待て! くっ、クソ! 栄光あるジオン軍が良いようにやられてしまうなんて!」

 

 敵のグフのコックピットが開き、まだあどけなさが残る女性士官が出てきて、拳銃を向けて来るが、既に拳銃の射程からは離れている。それに気が付きながらも拳銃をグフのパイロットが放ってゆくが、当然の事ながら当たることは無い。

 

「アースノイドの意地ってやつさ、侮れんだろう?」

 

 ……と、格好つけたのは良いが、ランドムーバーの推進剤の残量が心元無いな、こちらを回収するべくコンテナハッチを開いて待ってくれてるミデアまで距離が持つかどうか。

 

 あ、これ間に合わないわ。後ちょっとなのに推進剤切れそう。え、ここで俺死ぬの!?

 

「大尉、本当に無茶ばかりして! 命いくつあっても足りませんよこんなのっ」

 

「お前にだけは言われたくなかった!」

 

 オメガが身を乗り出して、そのゴリラ並みの腕力で痛いぐらいにこちらの腕を掴んでくれて引き上げてくれる、今回は味方に助けられたな。

 

 こうして、『VIP』と核兵器、ついでにムタグ中佐の身柄を確保し、俺達はナゴヤ飛行場まで退避することに成功した。

 

 それから暫くして、ムタグ中佐に変わって親衛隊の指揮系統を掌握したオカムラ大佐から七十二時間、捕虜交換のための停戦が提案されることになる。

 

 停戦の見返りとして、トウキョウを無血開城すると言う条件を聞き、ヤマシタ准将はその申し出を許可。

 

 こうして、親衛隊の陰謀は阻止される事となった。

 

 ニホンを巡る戦いが、最終局面を迎えつつあった。




因みにフナバシに設置された対空砲メガ粒子砲の名はジオン軍側はエクスキャリバーと呼んでるらしいですよ。
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