【完結】えっ、ここからでも入れる保険があるんですか???   作:らいらいてー

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誤字脱字報告今までありがとうございました。
今回でエピローグです。


UC0083年 連邦公共放送ジオン中央テレビ局合同企画『メビウスの軌跡』

「ピクトン隊長の事か、ああ、知っている。話せば長い。そう、数年前の話だ」

 

 画面に映し出されるのはノーマルスーツを身に付け大尉の階級章を付けた金色の髪が特徴的な女性、彼女は自身の事をライラと名乗った。

 かつては【ルナツーの狂犬】と恐れられたエースパイロット、メビウス隊の一人。

 

「知っているかい? エースってのは三つに分けられる。強さを求める奴、プライドに生きる奴、戦局を読める奴。この三つだ。あの人は……間違いなくエースだった」

 

 彼女の言葉で番組が始まる。

 

「あれは、ジオン軍が地球へと降下作戦を開始した日だった――」

 

 

 

 (場面が暗転、豪奢な装飾が施された室内が映し出される。執務室と思わしき部屋の椅子に、傍に護衛を控えさせながら座っている青年が一人)

 

「ダメ元でアポイントメントを取ったつもりなんですが、まさか快諾してくれると思いもしませんでした。取材を受けてくれてありがとうございます、ガルマ公王」

 

 元ジオン公国地球攻撃軍総司令 ガルマ・ザビ。

 正式に独立国となったジオン国の象徴的な存在にして、ザビ家の現当主。

 今は正式に妻として迎えたイセリナ嬢と共にサイド3で多忙な日々を送っていた。

 

「シャア、いや、キャスバルが一身上の都合で政治家を引退して隠居したせいで仕事が増えたのは確かだが、丁度彼の事を話したくてね」

 

(小さく苦笑いしながら、窓の外を眺めるガルマ公王)

 

「三年前、私はオオツで北米からの援軍を率いて彼と戦った。私も自慢ではないが腕には自信があったし、連れてきたドップ隊のパイロットも腕利き揃いだった。が、知っての通り彼相手には全滅したよ、一度は落としたんだがね」

 

(そう言いながら、彼の片羽を奪ったことによって父であるデギン前公王から受け取った勲章を机の中から取り出し、指で軽く撫でていく)

 

「今でも悔しくて仕方ないよ。でも、彼に撃墜されたおかげで今の私はあると思っている。驕りとか、侮りとか、そう言う若さ特有のものが無くなったからね。敗北を知ったお陰で今の私があるんだ」

 

 そう語る彼の顔には疲れは感じさせるものの、目には強い意志の光が宿っているように見えた。

 

「ああ、そうだ。もし彼と話すことがあったら、私からの伝言を伝えてくれ。……ジオンをもっとより良い国にする、だから時間が空いたら観光で来てくれって。私達は歓迎するとね」

 

 

 

 

(場面が暗転、ズムシティ内に存在する教会の内部が映し出される。牧師服を身に着けた男性がそこには立っていた)

 

「あの戦争で亡くなった人達の為に、私は今でもここで彼等の冥福を祈り続けています」

 

 元ジオン公国軍第十八飛行隊隊長、フランシス・ドミニコ大尉。

 かつては【クメールの嵐】と呼ばれた著名なエースパイロットは、今は軍から退役し神に仕える身となっていた。

 

「立派なのですね」

 

(小さく苦笑いして、何度か彼は頭を振り)

 

「弱い男なんですよ、私は。人を殺し、その罪の意識に耐えられずに信仰に逃げただけに過ぎません。死ねば楽になったかもしれませんが、それでも私は今でも生き続けてるのです」

 

(そう言いながら、彼は空を見上げて、昔を懐かしむように笑みを浮かべた)

 

「牧師になって争いの場から身を引いた私ですが、それでも彼との何度も繰り広げた空戦は思い出すと、胸が高鳴ってしまうんですよ。異次元のような戦闘機動、まさしくエースの完成形と言って良いでしょう。私も腕には自信はありましたが、結局彼には一度も勝てませんでした」

 

 今では一年戦争と呼ばれるようになった大戦において、総撃墜数三十一のエースパイロットは、今は平和への祈りを捧げるために武器から十字架に持ち替えたようだ。

 

「ああ、でも……そうですね、もしまた彼と会えたなら。今度は平和な宇宙を共に飛んでみたいですね」

 

 

 

(場面が暗転、真っ暗な部屋の中が映し出される。そこには顔にモザイクがかけられた女性と思わしき人がパイプ椅子に腰かけていた)

 

「ありがとうございます、インタビューを受けて頂いて。エフェメラ・ハント(仮名)さん」

 

 彼女の名はエフェメラ・ハント(仮名)。かつてジオン公国軍に所属し、様々な後ろ暗い戦闘に参加しながらも、高い力量で戦争を生き抜き、【円卓の戦い】を戦い抜いたエースの一人。

 

「戦争犯罪者としてインタビューするんじゃなくて、エースとしてインタビューしたいって言われたからね。プライバシーはしっかり保護してくれるんだろう?」

 

(声はボイスチェンジャーによって判別が不明になっていた)

 

「ええ、勿論です。彼について抱いた印象を聞かせて貰えたらなと」

 

「印象か、うーん……まぁ、実際に顔を合わせた事はあるけど、何と言うか戦闘機への異常な愛着除けば普通の奴だね。顔はまぁ悪くは無いんだけどね」

 

 今は戦争に巻き込まれたことによって失った故郷の復興事業に従事している彼女は、軍隊から距離を置き、市民として暮らしていた。

 

「戦闘機の操縦技術は恐らく世界トップクラスな癖にモビルスーツ戦でもあたしと互角に戦ってくるんだから、おっそろしい奴だよ。キリングマシーンみたいに機体の弱点を撃ち抜いて敵機を撃墜する戦い方をしてたからね」

 

 正面から戦う事になって生き残れたのは運が良かったんだろうなと、彼女は小さく呟いた。

 

「戦闘以外の場面ではかなり普通の奴だったからねぇ、でもああいう奴が戦争が無くなった後でも腐らず生きていけるんだろうね」

 

 

 

(場面が暗転、どこかの軍事基地の応接間が映し出される。宇宙要塞コンペイトウ基地応接間と言うテロップが画面の下に入った。応接間のソファには、眼鏡をかけた貫禄のある男性が座っている)

 

「まさかカニンガン大将にインタビューが出来るとは。レビル将軍、いえ、今はレビル首相ですね。彼と同じく戦争勝利の立役者として知られる英雄と直接話せるとはとても光栄に感じます」

 

 現地球連邦・ジオン国合同部隊【炬火(トーチ)】指揮官、ロドニー・カニンガン。

 先の大戦においてはカニンガン艦隊と呼ばれた艦隊を率い、数多の激戦を潜り抜けてきた英雄の一人。

 現在は対テロ特殊部隊である【炬火(トーチ)】を率い、反連邦、反ジオンを掲げる勢力との戦いを繰り広げている。

 

「ははは、買い被り過ぎですよ。私の無茶とも言える作戦を成功させてくれた現場の兵士達のお陰です」

 

 レビル首相の軍人時代の側近だった彼は鷹揚に笑みを浮かべて、少し嬉しそうな表情をしながら昔を懐かしむかのように語りだした。

 

「【ネレイド】が沈む寸前に駆けつけてくれた彼のお陰で、私は命拾いしました。そこから極東に派遣されて、極東を転戦していって……思えば地球での戦いでは彼に無茶させっぱなしだった気がしますね。申し訳ない事してしまったかもしれません」

 

(実際その通りだから返答に困るインタビューアー)

 

「ですが、そんな無茶な作戦を彼はやり遂げ続けてくれた。不可能を可能にする男でしたよ、彼は。誰もが認めるエースにして、連邦の至宝。空の王者と言う言葉は彼の為にある言葉でしょう。彼が居なかったら今の私もありませんでした。――彼の一番のファンは私だと思いますよ」

 

 

 

(場面が暗転。コンペイトウ基地の格納庫内であるというテロップが下に表示される。格納庫の通路では銀髪が特徴的な偉丈夫が立っていた)

 

「ガトー少佐、インタビューを受けてくれてありがとうございます」

 

 元宇宙攻撃軍第302哨戒中隊隊長。現ジオン国防軍少佐、アナベル・ガトー。

 ドズル・ザビに仕えていた著名なエースパイロットにして、現在は【炬火(トーチ)】の一員として対テロ戦争に参加している者の一人。

 

 彼と何度も矛を交え、彼でさえ結局勝ちきることが出来なかった男。

 

「いえ、丁度作戦も終わって休暇を貰った所ですので」

 

「作戦、と言うと。反連邦組織の掃討作戦ですか」

 

 【円卓の戦い】と呼ばれることになったズムシティ攻防戦において決起した反乱軍の生き残り達は各地に散らばり、反連邦、反ジオンを掲げてテロ闘争を挑むことになった。

 

 先年に起きたビッグ・ベン爆破未遂事件は記憶に新しいだろう。

 

「ええ。再建途中のコロニーをジャックして、地球に落とそうとしていた計画を立てていたようです。が、未然に阻止できましてね。シャ……キャス……いえ、今はクワトロでしたね。クワトロ大尉が我々に加わってくれたお陰です」

 

(クワトロってどう考えても偽名じゃね? と内心インタビュアーが思って微妙な間が空いて、話題を切り替えるようにこほん、とガトーは一つ咳払いをする)

 

「彼の話ですね。私も自慢ではないですがエースパイロットとしての自負がありましたが、結局私も彼に勝ち越すことは出来ませんでした。彼の戦いは、なんでしょうね。赤い彗星と呼ばれたシャア大佐と連邦の白い悪魔 アムロ・レイを足して三で割ったかのような戦いぶりなんですよね」

 

「と言うと?」

 

「デブリを活かしての加速、そしてその場にあるものを活かす柔軟性。ですが二人ほどの人知を超越した【何か】はありませんので、あくまで強さは常人の範疇にあると思います。トップクラスなのは間違いないでしょうけどね」

 

「なるほど、彼がニュータイプであると言う説を唱える人は多いですが、そうではないのですね」

 

(苦笑いするガトー少佐)

 

「彼曰く、ニュータイプなんてものはこの世に存在しないらしいですよ。それと、もし彼と会話する事があったら私からの言伝をお伝えください。――近いうちに決着を付けよう、とね」

 

 

 

(場面が暗転、画面越しに黒スーツ姿の男が映し出される。スーツ越しにも分かるほどに盛り上がった筋肉の量が特徴的だった)

 

『あー、すいませんね。対面で話すことが出来なくて。首相の護衛の為に離れるわけには行かないんですよね』

 

 元特殊作戦群隊員にして元メビウス隊パイロット、キリオ・ヤマザキ大尉。

 【円卓の戦い】において首魁であるバスク・オム元少佐を逮捕した功労者。戦傷によって一か月の入院を余儀なくされたが、その後は退院し、戦後はレビル首相直々に護衛として雇われることになった男。

 かつてジオン兵から【プレデター】として恐れられた男は、今は首相の護衛として世界中を飛び回る多忙な日々を送っていた。

 

『いえ、忙しい中インタビューに受けてくれてありがとうございます』

 

『ははは、丁度休憩時間でしてね。さて、ピクトン少佐の事ですよね。うーん、まぁ、戦いぶりについてはそれはもうとっても強かったですよ。でも危なっかしい人でしたね』

 

(内心お前が言うのかと思ったものの口には出さないようにしたせいで少し沈黙するインタビュアー)

 

『ただ、平時は面倒見のいい人でしたよ。気配りも出来る人でしたし、何と言うか立派な大人であろうとしてるか、そう振舞おうとしているような人でしたね。見た目年齢は二十歳ぐらいなんですけど精神的に成熟しすぎてて四十歳ぐらいの人に感じることは結構ありましたね』

 

(そう言いながら、どこか懐かしむような表情を浮かべるオメガと呼ばれた男)

 

『パイロットとして突然のスクランブルに備えて酒を飲むわけにはいかないので一緒にやっすいつまみでノンアルコールビールを飲んで無茶ぶりして来る司令部に愚痴を言いあったりしたり、筋トレに付き合って貰ったり、まぁ色々しましたね。辛い事も多かったですけど、彼やメビウス小隊の仲間たちとの思い出は辛い記憶以上に楽しい記憶が多いですね』

 

 

 

(場面が暗転。今度は事務室内の光景が映し出される。事務室のソファに座っている金髪ロングと軍服の上からでも分かる豊満な乳房が目立つ女性が少し緊張した面持ちでインタビューを受けていた)

 

「あはは、まさかボクがインタビューされるとは思いもしなかったのですよー」

 

 元メビウス隊オペレーター、フラン・イーン曹長。

 先の大戦においては宇宙に上がったメビウス隊を事務面、そして戦闘面の後方担当して支えた人物。

 現在も軍に所属し、【炬火(トーチ)】の実働部隊オペレーターとして、忙しい日々を送っている。

 

「いえ、貴女の視点から彼の事を教えて欲しいなと」

 

(彼女は顎に手を当てて、少し考えた後に口を開いた)

 

「そうですね。……ボクからすれば彼は命を救ってくれた英雄にして、何度ももうダメだーって戦況をひっくり返して来た王子様なのですよー。ずーっと彼の活躍を見てきましたけど空戦の素人でも分かるぐらい凄くて、目に焼き付いちゃったのです。脳が焼かれるってこういう事を言うんでしょうね、今でも愛してるのですよー」

 

(思わぬ惚気に顔には出さないものの内心苦悶の表情を浮かべてる様子で少しの沈黙が発生するインタビュアー)

 

「最初はエースである彼が好きなのかなーと思ってたんですけど、周りへの気配りも出来て、カニンガン艦隊のモビルスーツ部隊隊長としても休暇を返上して部下達の相談に乗ってあげたりとかしてましたからね。連邦軍内でも本当に珍しいぐらい、何と言うか普通にいい人でしたね」

 

「なるほど……よくその話は聞きますね。彼はいい人ではあったと。何と言うか、今回の企画にはジオンのテレビマンも参加してるんですが、【リボン付きの死神】の素顔を知って驚いてる人も多かったですよ。もっと良くも悪くも連邦軍らしい頭の固い厳格な人だと思ってる人は多かったようですね」

 

「あはは……。かなり柔軟な人でしたよ。敵であったジオンの人達も当時の国自体は憎んでいても、それはそれとして個人は個人と割り切れる人でしたから。言うのは簡単ですけど、ジオンにも連邦にもそういう人は結構少ないんじゃないかなーと思うのです」

 

 二年前に発生したマスドライバー基地占領未遂事件によって抑えられていたジオンへの憎しみは爆発寸前になり、連邦が内に抱えているジオンへの憎悪は表面化しかけた。

 幸いな事にマスドライバーから地球が攻撃される寸前で、ピクトン少佐が率いる連邦軍やジオン本国からの増援もあって阻止されたものの、連邦軍に死傷者が出て施設も打撃を受けることになった。

 両国の外交的努力と正式にガルマ公王が首相官邸に出向いて謝意を示し、国が損害賠償を支払った事によって何とか鎮静化したものの、憎悪の炎は市民の間でくすぶり続けている。

 

「憎しみは、時が解決してくれることを祈るしかないのですよー」

 

 

 

(場面が暗転、どこかの室内が映し出される。テロップで画面下にグリーン・ノア1●●区画と記された。室内に置かれたソファに褐色の肌が特徴的な女性が座っている)

 

(プルプル~と特徴的な声を上げながら部屋の中におやつまだー? と言いながら入って来た少女に冷蔵庫の中にあるわよ、と言った後に部屋に入らないようにしてね? と諭して退出させて、女性はこちらへと向き直った)

 

「すいません、お待たせしてしまって」

 

 元メビウス隊パイロット、ララァ・スン元少尉。

 アムロ・レイと並ぶほどの戦果を叩き出した伝説的なパイロットの一人にして、ニュータイプ。

 現在は孤児院を経営し、戦争孤児やジオン、連邦のニュータイプ実験によって産み出された子供たちを引き取り、平和に彼らと暮らしている。

 

「インドで私を助けてくれた時から、私の人生が始まったんだなと思います。誰かの求めに応じて、自分の無かった私にやりたい事を見つけるようにと隊長は何度も言ってくれましたから。色々な所を転戦していくうちに、戦争で家族を失った子供達を見たり、ニュータイプと言う存在のせいで人生を狂わされた人が居ると知りました」

 

 ニュータイプを戦争に利用するための研究は連邦、そしてジオン双方共に力を入れていた分野であったものの、現在は殆ど研究される事は無くなった。理由の一つとしては仮想敵が他国からテロリストに代わったからだろうか。

 それでも完全に無くなった訳ではなく、一部の狂った科学者によって研究され続けてるという噂も確かに存在している。

 

「なので、色々な子達が健やかに成長できるようにしたいなと思って孤児院を経営してます。お金は戦功報酬を元手に投資で色々と増やしてますからね」

 

「やりくり上手なんですね」

 

「セイラさんから投資のコツを学びましたからね」

 

 お陰で子供達を飢えさせずに済んでます、と語る彼女の表情はどこか誇らしげであった。

 

「さて、隊長の話ですか。隊長はそうですね、確かに強いんですけど……とても危なっかしい戦い方をする人でしたね。私含め、メビウス隊の面々が居なかったら死んでいたであろう場面は何個もありますし。そこが彼の魅力の一つなのかもしれませんが。女の子に優しくて勘違いさせがちの癖に、何処か守ってあげたくなる危うさもある人なんですよね」

 

(またも思わぬ惚気に顔には出さないものの内心苦悶の表情を浮かべるインタビュアー)

 

「今は前線から退いて、教導部隊の教官職についてくれてほっとしてます」

 

 

 

(場面が暗転。今度は戦闘直後で荒れ果てた廃コロニー内の一区画と、ノーマルスーツを身に付けた女性)

 

「まさか対テロ戦争の前線に取材にやってくる気合いの入ったブンヤが居るとは思いもしなかったよ」

 

 元メビウス隊パイロット、ライラ・ミラ・ライラ大尉。

 一年戦争時は十八歳の少女の身でありながら、数多の戦闘を潜り抜け続けてきた歴戦のエースパイロット。

 現在も軍に身を置き、【炬火(トーチ)】の一員として対テロ戦争に従事している。

 

 【円卓の戦い】で宇宙を漂う彼を救い出した女性。

 

「最初、隊長と出会った時はあまり印象に残らない人だなと思ったな。何と言うか良くも悪くも普通と言うか。でも、軌道上で降下部隊を襲撃した初陣で戦闘機動に魅せられて、何度も戦っていくうちに優しさに引き込まれて……まぁ、その、私もあの人に目を奪われた人の一人って訳だな」

 

(またまた思わぬ惚気に顔には出さないものの内心苦悶の表情を浮かべるインタビュアー)

 

「確かに強いんだけど本当に無茶ばかりする人で、何度も肝を冷やしたな。トウキョウでの戦いなんて鹵獲ザク一機で敵陣の真っただ中に飛び込んだんだぞ? 正気の人間ならやろうともしないよ。それでも生き残った、どんな地獄のような戦場でも生き残り続けた。私も何度も守って貰ったなぁ」

 

 トウキョウでの戦いは連邦とジオンの戦史教本にも載るほどの戦いであったものの、鹵獲した陸戦型ザクであまりにも現実離れした戦果を挙げたせいで実在が怪しまれていたが、彼女の反応から察するに本当のようだ。

 

「あの人を支えてやらないと、って何度も思ったね。……まぁあの人に近い女の子は皆そう思ったかもしれないけどな」

 

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 自分の特番を見るのってこんなにも恥ずかしいものだったんだなと思った。俺へのインタビューが始まった所でテレビの電源を切る。

 

 今はグリーン・ノア1基地教導部隊隊長でしかない俺にはあまりにもメンツが豪華すぎるだろ、これいる?

 

 同時に、通信端末にメールが入った事を知らせる通知音が三つ連続で鳴り響いた。

 

『そろそろ休暇を貰えるのでフランと一緒に会いに行くぞ』『楽しみにしておいてください、なのですよー』『私も近いうちにお家にお邪魔しますね?』

 

 あ、こいつら俺の事を分割統治()するつもりみたいだな。何とか理由つけて逃げる……のは難しそうだな、うん!

 

 えっ、ここからでも入れる保険があるんですか???




特殊部隊にはこの辺にボッシュ居ると思います。

シャアは本名を明かし、ガルマを政治家としての立場で暫く支えてましたが腹の探り合いに嫌気が差してダイクン派をまとめ上げて暴走しないようにと言い含めた後に隠遁しました。
隠遁するのと時を同じくして、クワトロと言う謎の人物も特殊部隊に参加してます。

アムロは現在はアナハイムで試作モビルスーツのテストパイロット兼技術者として普通に暮らしてると思います。

これにて完結です、皆さんご愛読ありがとうございました。その場の勢いで始めた割には色々な人に見て頂いて、感想も頂いてとても嬉しいです。

気が向いたらオメガ視点の少年を連れての逃避行や、水天の涙作戦の阻止についての描写をしたりしなかったりするかもしれません。気が向いたり需要があったら、ですが。
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