冥界の機械人が新エリー都に来るそうです   作:プティパット

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えー、皆さんお久しぶりです。

早速ですが質問や

どうすりゃここ数ヶ月書くのをサボっとった俺っちの命は助かるんや?


Chapter 001:猫の落とし物
[Episode 08] The Kitten (子猫)


 

 

Random_Play店内

 

 

V1は倉庫からビデオを取り、棚に置いてビデオを整理する。先輩である18号(トワ)からアドバイスと指示を出してもらっている

 

 

『なあ18号。このビデオはどのジャンルの棚に置けばいい?』

 

 

V1が18号に尋ねると、彼の声に気づいて「ンナ?」と言いながら振り向き、すぐに笑顔で答える

 

 

「ンナ。ンナナンナナナ!(それはアクションで。もう一つはドキュメンタリーの棚でお願い!)」

 

『りょーかい。……ん?』

 

 

V1はそう言いながらビデオの整理をしていると、天井のテレビが生中継で放送しているニュースに目を向ける。

 

 

『——して、パールマンが申し上げたいのは、ヴィジョンがこのプロジェクトに置いて決して不正なコスト削減を行っていないという事です。今回の爆破解体にはパールマン直々に向かい、最後の時間まで立ち会う予定でございます』

 

『あ-ああ、そうとも!市民の皆さんの安全のため、技術スタッフと共に列車で爆破エリアの監視に向かうつもりだ』

 

 

ニュースによると、パールマン率いるヴィジョンコーポレーションが共生ホロウ内部に繋がってしまった地下鉄を市民の安全のために他の企業よりも短期間、低コストで落札で爆破工事引き受けたという事らしい。…だがV1はそんなパールマンの言葉にきな臭さを感じていた

 

 

『………怪しい』

 

「ンナナ?ンナンナナ。ンナンナ(どうしたの、V1?そんな前アキラから借りた探偵映画の主人公みたいな目つきして)」

 

『気になったからこっそり借りたのになんで知ってんだよ。…まあいいか』

 

 

そう18号と雑談しながらビデオの整理を手早く済ませて、軽く身体をストレッチしていると店のドアが突然バタンと開き、猫耳と尻尾がついた少女早歩きでV1の方へと歩み寄ってくる。

 

 

『いらっしゃい、どんなビデオが————』

 

 

V1がそう言いかけると、その女の子は駆け足で裏部屋の扉へと向かおうとする。V1はそれに気づいて掴んで止めようとする…

 

 

『おい。この先は立ち入り禁止————』

 

 

だがその少女は猫のような体の柔らかさでV1の手をすり抜けるようにかわし、そのまま扉の方へと駆け足で向かう

 

 

「——邪魔!」

 

『あ゛ッ!おいテメッ——、待っ————!』

 

 

扉を開こうとした時に、アキラが先に開いてその女の子は驚きのあまりにバランスを崩して正面から床に転げ落ちる

 

 

 

「ふみゃっ——!?」

 

「…ん?」「えっ…?」 『——んぇ…?』

 

 

V1の声が聞こえてサポートしに来ようとした2人はその女の子が転ぶのをみて唖然とする。ソードマシンは倒れた音に起こされたのかスリープモードを解除して眠そうにしながら近づいて彼女をつつく

 

 

『ふぁあ〜。ちょっとキミー、大丈夫〜?キミのせいで起こされちゃったんだけどー』

 

「い-いたたた…は、鼻が…」

 

 

V1が頭を抱えながら近づくと、彼女は急に立ち上がってが2人見ていたニュースを見て画面に映っている彼に向かって指差し、声を上げる

 

 

「このだるまみたいなオッサンを信じちゃダメだ!こいつは嘘をついてる!……それよりもあんたたち、ドアを開けるならちゃんとニャーって声をかけて!すっ転んじゃったぞ…」

 

『今からニャーっつっても遅いと思うが…』

 

「とにかく、六分街で一番のビデオ屋にようこそ」

 

 

アキラがただにビデオ屋であるふりをしながら他の3人に目を合わせて合図する…3人は顔をチラリと見て同時に頷き、そしてリンが先に彼女に話しかける

 

 

「お客さんはどんなビデオを探してるの?新しいのだと、『7710と彼の猫』が入荷してるよ!」

 

『それ以外にも『レイダーズ/ホロウの秘宝』や『ラスト・フライト』みたいな色々なジャンルのビデオもあるぞ』

 

「それってどんな映画、面白いの——って、違う違う!こんなことしてる場合じゃないぞ!わかってる…あんた達は()()()()()()」!プロキシのあんたたちに依頼がしたいんだ!」

 

『あのねお客さん〜。僕らは見ての通り至って普通のビデオ屋なんだよ?そんな何でも解決できちゃう超一流エリートのプロキシ、パエトーンなんかじゃ断じて————』

 

 

ソードマシンがそう言いかけた時に『ガンッ』と鈍くて大きな音でV1の手によって無表情に近い表情で床に叩きつけられる。ソードマシンがピクピクと小さく痙攣しながら気絶すると、V1はすぐ立ち上がってにこりと笑顔で流す

 

 

『悪いな。今このスクラップ野郎が言ったことは忘れてくれ。俺たちは至って普通のビデオ屋だよ』

 

「ま-待って!もうだいぶネタバラシされた気がするけど。そんなに警戒しなくていい、あたしは()()!ニコに言われてあんたたちを探しにきた。悪いやつじゃ無いぞ!」

 

 

戦犯(ソードマシン)のせいでもう色々バレてしまった気がするが、3人は演技を続けて押し切ろうとする

 

 

「その方が誰かは、分かりかねます。店を間違われたのでは無いですか?」

 

「邪兎屋のニコだって!何でも屋の邪兎屋の社長!ほら、ニコのボンプだ!これで信じてくれたか?」

 

 

そう言って緑色で左目にバツ印が入ったボンプを掲げる。3人はそのボンプをよく見ると本当にニコのボンプだということが分かり、ようやく真剣な眼差しに入る

 

 

『確かに…こいつはニコがいつも持ってるボンプだ。どうする2人共?』

 

『ぼ-僕は————』

 

『スクラップは少し黙ってろ…な?』

 

『………ハイ』

 

 

 

ソードマシンは倒れたまま返事をして黙り込む。そして苦笑しながらリンが続ける

 

 

「あ-あはは。…それで、本当にニコがここに来るように呼んだの?ニコ達は今、どこにいるの?」

 

「さっきのニュースで言ってた()()()()()()()()エリアにいる!——あのおっさん。全員避難させたってニュースで言ってたけど、ホントはそうじゃないんだ」

 

 

それを聞いたV1は頭を抱えていた…理由はもちろん先程のニュースを見て案の定と言うところだ

 

 

『あいつらもう面倒ごとに巻き込まれてやがる……いくらなんでも早えっての』

 

「V1の意見には僕も同意見だ。…けどよりによってこんな時に、ヴィジョンの工事現場で一体何をしてたんだ?」

 

「探しものだ!…えっと、依頼したのはあたし!それに赤牙組がケチをつけてきて、もみくちゃになって…——とにかく人がぎゅうぎゅうで、魚の缶詰みたいだった!」

 

 

その説明を聞いていたV1はただ困惑した。例え方が曖昧すぎてV1にあまりピンと来なかったようだ

 

それを見かねたアキラが小さく咳払いをして苦笑しながら話す

 

 

「落ち着いてゆっくり話して。今の説明だとデパートの安売りにしか聞こえないよ」

 

 

そうアキラが告げると猫又はたじろぎながらも落ち着いてゆっくり話そうとする。…だがうまく説明ができずに言葉が詰まっているようだ

 

 

「えっと…その…ぐぅ、うまく説明できないぞ!…あ、そうだ——!」

 

 

そう言って猫又は横に置いてあるニコのボンプを持ち上げて3人に渡す

 

 

「この中にここ数日の視覚データが保存されてるはずだ!それを見れば——」

 

 

それに対してアキラは少しだけ残念そうな表情をして期待を裏切るように答える。

 

 

「残念だけど。ボンプ内部の視覚データをエクスポートするには所有者であるニコ自身がやるか、このボンプのメーカーであるマルセルグループに問い合わせるしかないんだ…だから僕たちにはどうにも——」

 

 

アキラがそう言いかけた時に突然部屋から「ビィーッ」という音がわざとらしく発せられて一同は困惑でしばらく黙り込む…そしてリンが恐る恐る先に口を開く

 

 

「い-今なにか変な音聞こえたような…」

 

「Fairy、…何かを伝えようとしているんだろうか?」

 

 

そうアキラが小さく呟くと、猫又がそれに反応してアキラに問いかける

 

 

「何か言ったか?ファーリー…?」

 

「あっ、いや…何でもない!」

 

 

そう誤魔化して咳払いをし、そのままアキラはFairyを呼んで彼女に問いかける

 

 

「……Fairy、ボンプの内部にあるデータを強制的に取り出す方法はない?」

 

 

アキラがそう言い終えた時にFairyはすぐに答える

 

 

「確認。指示の内容ですが、『ボンプ内部の視覚記録を出力する』ということで間違いありませんか?」

 

「にゃ?今、誰か喋ったような…他にも誰かいるのか?」

 

『ビデオ屋経営しながらプロキシとかいう裏稼業やってたら流石にキツいからな。コイツは新しくインストールしたPCアシスタントだ、細かいことは気にしないでくれ』

 

「——それで、Fairy…データは取り出せる?」

 

 

アキラがそう尋ねるとFairyは数秒もしないうちに確認をする、だがFairyはタダで教えてくれる気がなさそうだ

 

 

「ボンプ内部で直近数日間の視覚データを検索中、…データを出力する前に『自分がバカだった、もっと早くFairyを頼るべきだった』と仰ってください」

 

「……僕がバカだった、もっと早くFairyをシャットダウンするべきだった」

 

 

そんなFairyとアキラのやり取りを聞きながら猫又がV1に話しかける

 

 

「なんだかギスギスしてるけど、メーカーでもないのにボンプの視覚データを読み取れるなんて…すごい!ニコがあんたたちををあんなに信用してるのも頷けるぞ!」

 

『猫又…だっけか?今は褒めてる時間があるほど余裕なのか?」

 

「あ-ああ!そ-そうだった!今は褒めてる時間じゃなかった!時間がないから、早く内容を確認して!」

 

『そういう訳だ、アキラ。こいつには時間はないらしい……それと————』

 

 

V1がジトっとした目つきで倒れたまま反省しているソードマシンを見つめる。そのままV1は流れるようにしゃがみ込んでコンコンと叩く

 

 

『おい、起きろ。これに懲りたなら余計なことは言うなよ。』

 

『うう…分かったよぅ。でもさぁ!ボクを床に叩きつけるのは————』

 

『あ……?』

 

『ハイ、スミマセンナンデモアリマセン……』

 

『よろしい』

 

 

そんな横暴なV1にソードマシンは振り回される一方で、アキラ達はFairyにボンプの接続を始めていて。ボンプの視覚データに入っていた情報を取得して映像を再生した。

 

 

 

 

 


 

————————

————

——

 

 

 

「うぅ…猫を被ってる自分を見るのが、こんなにも恥ずかしいなんて…!」

 

『へえ、あの*~猫の効果音~*って鳴き声、わざとだったのか?』

 

「えっ!?い-いやいや!ネコのシリオンはみんなこんなか——…っていうかそもそもそこまで実際の猫みたいな鳴き声はしてない……にゃあ〜」

 

 

V1は場を和ませる為にそんなふざけたやりとりをしながら状況を一から整理することにした。

 

 

 

(まず一つ目、猫又がニコに依頼して彼女の家族の形見を探している。何度も1人で潜入して上手く手に入れられなかったが、おかげで赤牙組アジトの情報を山のように持ち合わせて邪兎屋の信頼を勝ち取った。…だがアンビーはそんな彼女を少し怪しんでいるようだった)

 

(二つ、アジトのアテは3つあり、偶然多発しているホロウ災害巻き込まれている。…中でも今ニコたちが潜入して迷い込んでいるのは。先ほどニュースで見たヴィジョンコーポレーションという会社が爆破解体を行おうとしている『デッドエンドホロウ』というかなり危険度の高いホロウの中にいるようだ。ニコ達は危険なホロウの中にいるかつ爆破エリア内にいて巻き込まれそうになっている。)

 

(最後に、デッドエンドホロウには要警戒エーテリアス、「デッドエンドブッチャー」という奴がいるらしい。特にコイツは強そうだ————()()()()。……おっといけねえ、ついそのエーテリアスについて考えちまった。とまぁ情報はこれくらいだな)

 

 

「————にしても、高い依頼金目当てでそんな危険度の高い依頼を受けたニコときたら……色々彼女には言いたいが、少なくとも助けにいかなきゃまずそうだな」

 

「うん……確かに急いだほうがいいかも。だって、もしかしたら——」

 

「マスター、ただいまニュースチャンネルにて、今回の依頼に関連ていると見られる情報が放送されています。お見逃しなく」

 

 

そうFairyが告げると画面にそのニュースチャンネルの映像が映し出される

 

 

『速報です。生中継でお送りいたします——まもなく、ヴィジョン最後の輸送列車が出発し、デッドエンドホロウへと入っていきます!』

 

『———情報によりますと、この無人列車は自動運転で爆破解体に使う最後の爆薬を運搬するようです!列車が到着次第、現場の監視拠点に控えているパールマンさんが指示を出して爆破解体を実施する予定です。』

 

『また、パールマンさんは爆破解体の準備が整った事を確認したらその場の技術スタッフと共に現場を離れるようです…』

 

 

それを見ていたアキラ一達は少し焦りながらもなんとか解決策を考えている

 

 

『これマズくない?ニコちゃんたち木っ端微塵ならない?』

 

「は-早くしないとホントにマズイぞ!ニコが埋立地の灰になっちゃう…!」

 

「でも、どうやって?みんなの前で列車を止めちゃったりなんかしちゃったら、その場で治安局に捕まるのがオチだよ」

 

「かと言って事態を通報してしまえば。ニコたちがホロウレイダーをやっていることもバレてしまう…」

 

 

そう3人が考えている時に、V1がとある一つの策を思いついて4人の話に割り込んで話す

 

 

『なあ、一つ提案があるんだが……ホロウの中に直接侵入して列車止めたほうが早くないか?』

 

「肯定。V1が提案したこちらの方法ならば、外から直接ホロウ内部の様子を探知ことは、マスターが使用していたH.D.Dシステム以外では不可能な為、捕縛されてしまう可能性は低いです」

 

「うん…今からデッドエンドホロウに潜入して、列車が必ず通る道を阻むことが出来れば…確かに理論上は可能だ」

 

「Fairy、列車の位置をリアルタイムで把握できる?」

 

「可能。目的車両までの安全ルートを計算しています」

 

「オッケー、今回は緊急事態だし、デッドエンドホロウで列車を止める方法を探そ!」

 

「んみゃ!」

 

 

それを聞いたV1は楽しみで堪らなかった。何せデッドエンドブッチャーとかいう強いエーテリアスと戦うことが出来ると。そう思っていたがそんな考え事をしているとリンに話しかけられる

 

 

「V1、もしかしなくてもデッドエンドブッチャーのこと考えてたでしょ」

 

『おっ、よく分かったな。顔に出てたか?』

 

「そりゃあね……けど——」

 

 

リンが心配そうな目つきをして俯く。その目で察したV1は数秒悩んだ末に名残惜しそうにしながら告げる

 

 

『はぁ。…分かったよ、要警戒エーテリアスとの接触は極力しない、約束する。…これでいいだろ?』

 

 

それを聞いたリンが顔をぱあっと明るくしながらV1の体にぎゅーっと抱きついた

 

 

「ありがと、V1!約束だよ!」

 

『ん、……分かった。だからガキみたいに抱きつくな。全く』

 

 

リンの突然の行動にV1は少し呆れながらも満更ではなさそうにリンの頭を撫でる。V1はなぜだか心から安心してしまった…彼がいた戦場や「地獄」では到底感じることは無かった気持ちだ。……前にアンビーの頭を撫でたときも似たような気持ちだったことをV1は不意に思い出した

 

 

『なあ、そろそろ離れてくれないか?』

 

「あ、うん!ごめんねV1、急に抱きついちゃって」

 

『別にいい、18号も似たようなことよくするからもう慣れたもん——————……?

 

 

ゾワァっと、突然背後から冷たい視線を感じて振り向くと。そこにはV1と抱きついているリンの事を目の笑っていない笑顔で見つめている。

 

 

「どうしたんだい?V1…ニコたちの状況が危ういかもしれない、急いだ方がいい」

 

「……あ-あぁ、そうするよ」

 

 

V1の本能が危険を感じ取ったのかすぐに部屋を猫又とイアス、ソードマシンと共に離れてデッドエンドホロウへと向かうのだった。

 

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