冥界の機械人が新エリー都に来るそうです   作:プティパット

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遅れてすみませんでした……


[Episode 10] The Judge of Hell (地獄の審判)

 

デッドエンドホロウ、某所

 

 

『行き止まりだな』

 

『うひゃー、この車両完璧にボクらの行く道塞いでるね〜』

 

「プロキシ、あたしたち道を間違えてない?」

 

 

猫又、V1、そしてソードマシンはプロキシの二人の案内に従いながら列車を妨害するべく先を進んでいたところ、目の前には乱暴的に掴まれたあとがあり、まるで投げつけられたように本来渡るはずのルートの道をその列車は横切っていた。

 

 

[3人とも、君たちのルートは間違えてないよ。おおかた、エーテリアスが乱暴に車両を投げて偶然的にも道を塞いだんだろう]

 

「うみゃっ!おそろしい馬鹿力だ…」

 

 

そう猫又は小さく怯えながらその列車のあちこちをみる、そうしてプロキシは目的地は車両の向こう側だからなんとかしてこの場所を乗り越えたいという

 

 

「あたしだけならギリギリ下を潜っていけるけど、ボンプと一緒は無理。辺りも深い穴だらけだから回り込むこともできないぞ?」

 

『ソードマシンなら俺らを持ち上げてこの先へと進めるが…』

 

『それだったら多分いけると思うけど、ボクだけここに残されちゃうね〜。ボクとV1ならこの程度ぶっ壊し抜けるけど。…あのエーテリアスもいるし、極力隠密で行きたいよね〜』

 

 

 

「あ、あの、えっと…」

 

『!…誰だ!?』

 

「で-電車が喋ったぞ!?…しかも、可愛い女の子の声だった!」

 

「ええっ?」

 

「電車さん!私たち急いでるの。ちょっとだけでいいから、そこをどいてくれない?」

 

『電車さ〜ん、おねが〜い!』

 

 

猫又とソードマシンがふざけながらそう話すと、V1が二人を軽く叩いて真面目にやるようにと言う

 

 

『猫又、ソードマシン。お前らあまりふざけない方がいい。相手が誰かわからない以上はな』

 

「あの…皆さまはホロウ調査委員会の調査委員様ですか?」

 

[相手の名前を聞く前に、まずは自分から名乗るのが業界のルールだよ]

 

「えっ?そ、そうなんですか?ごめんなさい、そのようなルールを…存じ上げておりませんでした」

 

 

列車の奥にいる少女がリンの返答を信じ込んでしまい、そして自己紹介を始める

 

 

「えっと…私はカリン、家事代行会社の従業員です。星座は双子座、血液型はRH-、好きなことはお掃除です。市民ナンバーは——」

 

「そ-そこまで細かく紹介してくれなくても大丈夫だぞ…?」

 

『カリンちゃん…だっけ?どうしてそんなところにいるのさ?』

 

 

ソードマシンがカリンという少女にそう尋ねると、彼女はその質問に答える

 

 

「つ、ついさっき、危険なエーテリアスを避けて通ろうとしたんですが。同行していた皆さまとはぐれてしまったんです!」

 

「私は『キャロット』のデータを所持していなくて…調査員の方々なら、きっとホロウの脱出ルートをご存知ですよね?ど-どうか()()()も連れて行ってくれませんか?」

 

[待って、そこにもう一人誰かいるの?]

 

 

リンが「私たち」という言葉を聞いて、カリンの近くにもう一人誰かいると察し、そう尋ねると突然奥からまた別の声が車両の奥から話しかける

 

 

『うむ、それは余の事だ』

 

「うみゃっ!?…こ-今度は男の人だ、なんだか紳士的な口調がする!」

 

[えっと、あなたは…?]

 

『うむ、我が名は()()()()()。…主の右腕だった者だ』

 

[あ、えっとぉ…]

 

 

思ったよりもクセが強い人物だったのか少しだけ後ずさるが、ガブリエルはそのまま続ける

 

 

『して、長話をしている暇はないと思われる。我らも此処を抜け出したい故、どうにか手を貸してはくれぬだろうか?』

 

「ホロウに迷った一般市民、…となんかクセの強い人」

 

[僕が今疑問に思ってるのは、なぜ家事代行の人がこんな危険なホロウの中にいるのか…後はなぜあんなクセの強い人がいるのかも、そこがよく分からない]

 

『どうするの〜?あの子とクセの強い人助ける〜?』

 

 

だが問題は、助けたくても向こうに行けたらの話だ。道が塞がっていて助けられない、無理ならばすぐに引き返して自分たちの計画を進めるべきだ。でないと時間が間に合わなくなり、ニコたちが木っ端微塵になる未来しか見えないのだから

 

そう3人が話し合っていて悩んでいると、カリンが聞き耳を立てて聞いていたのか彼女から小さな提案を受ける

 

 

「あ、あの!勝手に聞き耳を立てちゃってすみません!…も-もし私が皆さまを招待できれば、そのまま調査員様に着いて行ってもよろしい、ということでしょうか?」

 

「にゃ?あたしたちがそっちに行く方法があるの?」

 

 

猫又がそう尋ねると、ガブリエルが代わりに答える、その声はなんだか苛立ちを感じて怒っているようにも感じた

 

 

『うむ、すぐに通れるようにしてやる。…余を()()呼ばわりしたこの借りも返さねばならぬ』

 

『げっ、聞こえてたのか〜。ごめんって、約束通りにちゃんとこの場所から出してあげるからさ〜』

 

『はっ、ほざけ。少し待っ––––『待て』…なんだ?』

 

 

さっきからずっと黙っていたV1がようやく言葉を発し、そして列車の前に立つ。リンたちはその行動に少し戸惑ったが、レンズの黄色い光が一段とギラリと光らせながらV1が続ける

 

 

『お前らをホロウから出すのは約束する、だがまずは俺の質問に答えてくれ。…特に野郎の方だ』

 

『……良いだろう』

 

[V1、どういうつもり?]

 

『………………』

 

 

V1は質問に答えずに黙りこみ、そして自分が問う事を奥にいるガブリエルという人物に問う

 

 

『一つ、お前は鎧を身につけているか』

 

『ああ、よく分かったな』

 

『二つ、2本の双剣を武器として扱っているか』

 

『………』

 

『三つ、お前は大天使のような姿をしていて、青色の翼と頭に輪っかのような物体が浮かんでいるな』

 

『………貴様、何者だ』

 

『最後に、––––テメェは俺と…青色の機械と戦ったことがあるだろ。ガブリエル

 

『––––––––ッ!…ふっ、ハハハッ!そうか!貴様かっ!』

 

 

ガブリエルがそう高笑いを上げると、V1の頭の真上に剣が2本刺さり、そしてまるでその場所にいるのを分かっているようにV1の周りを正確に剣で斬ってくり抜いた後、列車のプレートが蹴り飛ばされるがV1はすぐに察知して左腕のFeedbackerで弾き飛ばしながらも後ろに飛ばされる……埃と煙が舞う中で彼は現れる。

 

 

[みんな、気をつけて!]

 

「な-なんだコイツ…!?」

 

『V1はなんで構えないのさ!?』

 

 

V1はゆっくりと前に歩み寄って目の前のガブリエルを睨みながら皆を落ち着かせる。

 

 

『落ち着け、お前ら……コイツは俺が話をつける』

 

 

そう言いながらゆっくりとガブリエルの方へと歩くV1、ガブリエルは構えていた剣をゆっくり下げた後にV1をじっと見つめながら彼に話す

 

 

『よもやこのような場所で出逢うとはな、機械よ…知らぬ間に声を発せる様になったか?』

 

『まあ色々あってな。…プライド高き元大天使サマもなんだか元気そうで』

 

 

まるで友人に会ったくらいのテンションで会話を交わす二人に一同は困惑を隠せなかった。そしてリンがゆっくりと歩み寄って会話に割り込む

 

 

[えっと、V1とガブリエルさんは、知り合いなの?]

 

『まあな、そいつ(ソードマシン)と一緒だ』

 

[ああ、なるほどね……]

 

『して、機械よ。貴様はいつ、どうやってこの異界に迷い込んだ?』

 

 

ガブリエルがそうV1に聞くと、V1もそっくり同じ質問を返す

 

 

『それは俺が聞きたい。テメェどうやってこの世界に来た?…ソードマシンの奴と違って死んでねえはずだが』

 

『死だと?…余がそう簡単に死ぬと思っていたか、貴様』

 

 

ガブリエルがそう睨みながら答えると、すぐに溜め息をついて続ける

 

 

『まあ良い。…余が天国で聖議委員を皆殺しにした直後に、突然()()()()()()が現れたのだ。…何とも奇妙なものであったが、貴様と戦って以来体が疼いてしょうがなくてな、飛び込んでこの異界に入り込んだのだ……』

 

()()()()()()…だと?』

 

[緑色のポータルって確か、V1がこの世界に来る時に潜ったやつだよね?…前にアンビーから聞いたよ]

 

 

そう、そのポータルはかつてV1がこの世界に来る前に潜り、この世界に来るきっかけとなった緑のポータル。…ガブリエルの話を聞いてその特徴が一致していた。

 

 

『機械よ。察するに貴様もか?』

 

『あぁ、俺もそのポータルを潜って、この世界に来た…正直に言っちまうと、なんでアレが現れたのか、どういう訳で俺の前に現れたのかも見当が付かねえ。……だけど俺も好奇心と、強え奴が居る気配がしたから、あのポータルに入った』

 

『うぅむ、つまりは貴様も余と同じような理由でこの異界に…』

 

 

そう悩むガブリエルを横目に彼の背後から小柄のメイド服をきた女の子が現れる、物騒ではあるが丸鋸式のチェンソーを手に持っている。

 

 

「あ-あの……」

 

『ん?……あぁ、すまない。忘れていたがこの小さき娘が私を案内をしてくれた()()()だ』

 

「は-初めましてっ、調査員様!カリンですっ!!……先ほどからお話させていただいたのは、こちらのボンプ様だったのですか?あ、そのっ、ボンプ様のご身分を疑っているわけではなく…!」

 

『気にするな、コイツはその…ちょっと特殊なボンプってだけだ」

 

[……それにしても、ホントに家事代行会社?こんなに凄い武器を持ってるのに?]

 

 

リンがカリンに近づきながら彼女の武器を見つめる…その最中にカリンは自身が勤めていると言う家事代行会社の説明する。

 

 

「その…弊社は幅広い分野ビジネスを展開しておりまして、中にはホロウ関連のものもあるんです」

 

『時に調査員よ、汝らは先を急いでいるのだろう?…約束通りに私とカリンをこのホロウという奇妙な空間から連れ出してはくれぬだろうか?もちろん、汝らの助けにもなると私が誓おう』

 

「わ-私からも、お願いします!」

 

 

その言葉を聞いてV1とみんなが話し合う、と言っても、ガブリエルのおかげで目標地点へ迂回する必要もないので決断はすぐに決まった。

 

 

[無理なお願いでもないし]

 

『特にガブリエル君はかなり強力な戦力になるよ〜』

 

『決まりだな、プロキシもいいだろ?』

 

 

通信越しでアキラも肯定するように声をかけるが、一応注意もしておく。

 

 

[僕も賛成する。出口に連れて行くのは構わないけど、一人V1の知り合いであっても、一応見ず知らずの人だからね。お互い、隠した事情もあるだろうし]

 

 

その言葉を聞いた猫又はカリンとガブリエルの方へ振り返る

 

 

「カリンちゃん、ガブリエル。あたしたちについてきてもいいぞ!その代わり余計なお喋りはナシ。それでいい?」

 

『いいだろう、ただし汝らも余計な口出しはするなよ?』

 

『それじゃ、先を急ごうか。——っと』

 

 

先を急ごうと前に出ると既にエーテリアスが湧いて出てきた……それを見た全員が構え、その中でも1番前にいたV1の隣にガブリエルが浮遊して隣に立つ。

 

 

『その腕は衰えていないだろうな、まだ余との最後の決着が残っているであろう』

 

『……どいつもこいつも俺とのリベンジ戦が好きなもんだなぁ』

 

 

V1は銃を構え、ガブリエルは双剣を構えてお互い武器を前に突き出す。

 

 

『既に先客はいるが……期待して待ってるぜ』

 

『その言葉、忘れるでないぞ』

 

 

 

 

 

[V1……目的は忘れてないよね……?]

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