目標は、エタらせないことです!
一話 目覚め
突然だが、『呪術廻戦』という作品を知っているだろうか?呪術廻戦というのは、主人公の『虎杖悠仁』が『両面宿儺の指』という呪物を拾い、それを回収しに来た『伏黒恵』と出会うことから始まるダークファンタジーのことである。時に非情な現実を見せられ、心が折れたとしても、祖父の遺言である『人を助けろ』という言葉に従い続け、ついには『呪いの王』である両面宿儺を倒し、平和な日々を取り戻した…‥というところで完結した作品で、俺はこの呪術廻戦という物語に魅せられてしまった。特に主人公である虎杖悠仁の生き様に憧れ、尊敬している。ただ…‥
「尊敬しているのであって、本人になりたかった訳じゃ無かったんだけどなぁ…‥」
俺は今、水面に映っている四歳ぐらいの幼い『虎杖悠仁』の顔が、自分の顔であるという事実に困惑していた。
「でも、呪術廻戦の世界に来たという訳じゃなさそうだしなぁ…‥」
辺りを見渡すと、壊されてからあまり経っていなさそうなボロボロの家が並んでいて、人の気配も感じない。
「こんな場所絶対日本にないし…‥どうなってんだかまるでわからん…‥とりあえず、歩いてみるか。」
元の青年の体から幼児の体になったことで体のいたる所に違和感を感じながらも、なんとか立ち上がり先へと進んで行くが…‥
「行っても行っても、ボロボロの家と荒に荒れた地面しかねぇ。人は居ないのか…‥っ!」
誰か居ないのか?と人を探しながら歩いていると、まだそれほど時間の経っていなさそうな『自分と同じ位の子供の死体』を見つけた。
「うっ、酷い臭いがする。腐敗が進行している途中なのか?…‥異常なほどに細い、ろくに食べれていなかったんだろうな…‥今の俺とそんなに年も離れていないだろうに…‥せめて、死後は天国に行けてますように。」
目の前の、名前も知らない小さな少女のこの先が幸せでありますように。と、願いながら手を合わせ、祈る。
「…‥いつまでも感傷に浸ってる場合じゃないな。俺も早く食料を見つけないと…」
「目の前の少女が自分の末路かもしれない」という言葉を飲み込み、食料を探すため立ち上がる。
「いきなり知らない場所で虎杖悠仁の体で目覚めて、住む家も、食べる物も、着る服だって今着ているのしかない…どんだけ理不尽なんだ神様は…‥」
悲観はするが絶望はしない。こうなってしまった以上、なんとかして生きていかないといけない。だって…‥
この体の持ち主なら、こんな状況でも諦めたりはしないだろうから。
「…‥よし!俺はこれから虎杖悠仁として生きていこう。百折不撓とまではいかなくても、彼に恥じない生き方をしていくぞ!」
これは、なんの因果か虎杖悠仁の体を持ってしまった転生者の、時に誰かを救い、時に苦難に見舞われながらも、その苦難に立ち向かう____
青春物語である。
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