虎杖悠仁に成り代わった男の青春物語   作:ブルアカ大好き

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投稿ペースを少しでも速くしたいですが、いかんせん執筆スピードが遅い…‥これからも気長に待っていただけると嬉しいです。
(今日は偶々筆が速かっただけです)

それでは、どうぞ!


十三話 変わりゆくアリウス

「…‥みんな、これなに?」

 

皆で外に出ていた帰り。家に着くかといったところで、アツコが突然口を開いた。

 

「…‥四角い…‥箱?」

 

「食べ物じゃなさそうですね…‥」

 

「あぁ…‥知ってる。これ、カメラって言うらしいよ。」

 

「ミサキ、よく知ってたな。」

 

「写真を撮る機械ってことしか知らないから、どうやって使うのか分からないけど…‥」

 

「大丈夫だ、俺が使い方を知ってる。…‥せっかくだし、皆で写真を撮ろっか!」

 

 

 

 

 

 

「ほらほら、皆並んで~」

 

「ユウジは、はいらないの?」

 

「そうすると撮る人がいなくなるし…‥」

 

「…‥皆で撮るって言ってるのに、ユウジがいないのは嫌だ。」

 

「サオリまで…‥いや待てよ、タイマー機能があれば…‥あった!よし、ここに置いて…‥」

 

タイマーをセットして、家族の元へと向かう。サオリとアツコの肩の上に手を置き、満面の笑顔をカメラへと向ける。…‥サオリの肩は自身より少し高いため、手を伸ばす。

 

「…‥あっ」

 

パシャ

 

手を伸ばしたためにバランスを崩してしまい、先ほどまで完璧だったシャッターチャンスがなくなってしまう。

 

「ごめん、あと一枚しか撮れなかったのに…‥」

 

「…‥いや、良いんじゃない?」

 

ミサキは写真を手に取りながら、笑顔でそう言う。

 

「…‥うん、良い写真だと思う。」

 

「え、えへへ…‥皆さん、良い笑顔です。」

 

「ふふっ…‥ユウジ、おもしろいね。」

 

「ほんとに大丈夫か?」

 

ミサキが持っている写真を、皆が覗いている隙間に顔を入れ、覗く。

 

「…‥ははっ!…‥うん、これでいいと思う。」

 

その写真には

 

ミサキがユウジ達の方を見て少し驚いている顔と

 

ヒヨリがサオリにくっつきながら、カメラに対しぎこちない笑顔を向けているところと

 

サオリがアツコとユウジを腕に抱いて、楽しそうな笑顔をカメラに向けているところと

 

アツコが前に花畑から持ってきていた花を持って、満面の笑顔をカメラに向けているところと

 

バランスを崩して、慌てているユウジの顔が写っていた。

 

そしてこれが

 

 

最後の、平穏だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…‥怖いです…‥」

 

「…‥」

 

「ゆうじ…‥」

 

「大丈夫だ。絶対に、大丈夫だから。」

 

「皆、大丈夫だからね。」

 

写真を撮った日からいくらか経った頃。日が沈み、夜も深まるかという時間。全員が就寝しようとしていたところ、突然大きな爆発音が聞こえてきた。

 

それは現在も止まることを知らず、争いがより苛烈になっていっているのが嫌でも分からされる。

 

アツコ、ミサキ、ヒヨリの三人は怯えきってしまい、今はユウジとサオリの懐の間で身を寄せ合っている。

 

中でもミサキは大きな音が特に苦手なようで、最早喋る余裕が失くなる程に怯えてしまっている。

 

(いつかはこのレベルの争いが起きると思って、帳をこの家を包むように降ろしておいて本当に良かった…‥これなら直接ここまでこない限り違和感にも気づかず、遠隔攻撃の餌食になることはない。ただ…‥)

 

(この三人のメンタルが心配だ。それにサオリも気丈に振る舞ってはいるけど、さっきから体が震えている…‥)

 

「…‥サオリ、無理しなくても、いいんだぞ?」

 

三人には聞こえないレベルの声量でサオリに語りかける。

 

「大丈夫…‥私は、皆を守らないと…‥」

 

「それでサオリが苦しんでたら、意味がない。…‥分かった。じゃあせめて、手を握っていようか。」

 

「あ…‥」

 

「気づいてなかったかもしれないけど、さっきから手、震えてたぞ。…‥こうしてれば、少しは安心出来るだろ?」

 

三人にはバレぬようひっそりとサオリの手を掴み、微笑みかける。

 

サオリは安心出来たのか、先ほどよりはいくらか楽そうな顔をして、静かに頷いた。

 

そうして、夜は明けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…‥結局、一睡も出来なかったな…‥」

 

(皆はなんとか眠れたようで良かった…‥少しだけ、外の様子を見てみるか。)

 

疲れた目を擦りながら、外へと足を進める。

 

「この辺りに被害はなさそうだけど…‥」

 

家の周辺を見渡し、昨日と変わりがないことを確認する。

 

ならばもっと遠くだろうと、今度は少し高い位置から眺めてみる。

 

「っ!?」

 

(焦土だ…‥地面がまだ燃えている…‥)

 

アツコを連れて帰った方角を見ると、ただでさえ荒れていた土地が、最早再起不可能な状態になっていた。

 

地面は抉れ、少量でも残っていた木々は完全に消え失せ、生物の気配を微塵も感じられない。

 

(ここから距離があるのが唯一の救いか…‥)

 

「…‥食糧をある程度集めておいて良かった。しばらくの間は、家から出ない方が良さそうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから大体、一ヶ月程経ったかな?

 

今のところは特に問題なく過ごせていて、もうそろそろ外に出てもいいかな?といった感じだ。…‥というか、食糧が尽きかけてるからどっちにしろ外に行かないといけない。

 

「まだそとにでちゃだめなの?」

 

「アツコ…‥ごめんな、もう少し待ってくれ。」

 

「…‥うん。」

 

「…‥アツコおいで、抱っこしてあげる。」

 

アツコは好奇心旺盛で活発な子だ。今の状況は本人にとって、あまり好ましくないだろう。

 

サオリはこの一ヶ月の間、皆の精神的支柱になってくれていた。あの子自体のメンタルも心配だが、今のサオリなら大丈夫だろう。

 

ミサキとヒヨリは、最近よく抱き合って寝ている。

 

この前に相談を受けたことからミサキが寝れるかどうか心配していたが、どうやらヒヨリを抱いて寝ると安眠出来るらしく、最近は悪夢を見ることもないそうだ。

 

…‥最近は銃声もめっきり聞こえなくなってきたし、もうそろそろ皆を外に出しても…‥

 

(っ!?)

 

「サオリ!皆を頼む!」

 

「え?ど、どうしたの!?」

 

突如として(おぞ)ましい気配が出現し、全身の細胞の一つ一つが震えるのを感じた。

 

兵器の(たぐ)いかと一瞬疑ったが、そんなレベルではない圧倒的な恐怖を身に感じたため、その可能性の一切を排除する。

 

(いや!落ち着け…‥帳がある以上、ここが狙われることはない。)

 

家を、家族を見えない脅威から守る為、外に出る。

 

(なんだこの大量の足音は!…‥まさか、バレたのか?俺の帳が、不完全だったのか?)

 

「なにやら妙な術がかかっていて手こずりましたが、(ようや)く見つけました…‥ここに、『ロイヤルブラッド』がいますね。」

 

「!」

 

虎杖悠仁の目に入ったもの。それは

 

目が6つ程あるバケモノとしか形容できない存在と、その存在が引き連れている多数の兵士の姿だった。

 




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