虎杖悠仁に成り代わった男の青春物語   作:ブルアカ大好き

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最近本当に調子がいいです。このペースを崩さず、続けていきたいです。

それでは、どうぞ!


十七話 覚悟

私は、強くないといけない。

 

私は、誰よりも強くならないといけない。

 

でないと…‥

 

なにも、守れないから。

 

成績が良くないと、皆が酷い目にあってしまう。

 

私だけが強かったとしても、皆が傷付くのなら意味がない。

 

だから私は

 

つよく、なくちゃいけない。

 

 

 

 

 

 

「ミサキ!何度も言っただろう!このパターンの時はその位置取りではなく、味方を援護出来る位置につけと!」

 

「…‥はい。」

 

「ヒヨリ。スナイパーは確かに前線にはいかないが、後ろに下がりすぎては孤立してしまい、敵にとって絶好の的になってしまう!適切な位置は厳しいようだが、その時々で判断するしかない。…‥大丈夫だ、私が教えよう。」

 

「あ、ありがとうございます…‥」

 

「アツコ!ドローンの使い所はそこじゃない!タンクは自身ではなく、仲間を守る役割を持っている。自分が傷付いた時ではなく、味方が傷付いた時に使うんだ。いいな!」

 

「…‥コク」

 

「…‥ふむ。」

 

 

 

 

 

 

「錠前サオリ、ちょっとこっちに来い。」

 

「…‥はい。」

 

「お前が面倒を見ている者は、皆その歳にしては優秀だ。その者達を指導出来ているお前は、今のアリウスの生徒の中で最も優秀だと言っていいだろう。」

 

「ありがたきお言葉です。」

 

「そこでだ…‥あの方は近々、優秀な者だけを集めた少数部隊…‥"アリウススクワッド"を作るらしい。私はそれに、お前達を推薦したいと思っている。」

 

「!…‥その部隊は、どのような役割をするのでしょうか?」

 

「あの方…‥これからは"マダム"と呼ぶことになるらしいが、アリウススクワッドとはマダム直属の部隊であり、主な任務はマダムからの指令で行われるそうだ。…‥つまり、マダムの護衛部隊のような役割を持っている部隊だな。」

 

「…‥そう、ですか。…‥そのような重要な役割が、私達などに務まるのでしょうか?」

 

「なに、心配する必要はない。私が見る限りでは、このアリウスにお前達以上の生徒はいないからな。」

 

「…‥分かりました。そのお話、引き受けましょう。」

 

「期待しているぞ。」

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…‥疲れました…‥」

 

「…‥サオリ、変わったね。」

 

「…‥コク」

 

「前と喋り方も違うし…‥まぁ、こんな環境なら性格ぐらい変わるか。」

 

「最近はユウジさんにも会えていませんし…‥サオリ姉さんが『大丈夫だ、お前達はなにも心配しなくていい』って言ってましたけど、やっぱり気になります…‥」

 

「…‥会いに行ってみる?幸い、今教官はサオリと話してるし、ユウジがいる場所は近いし。」

 

「!…‥コク!」

 

「…‥でも、バレたら…‥」

 

「処罰は免れないだろうね。…‥まぁ、少しなら大丈夫でしょ。最悪、一目見て帰ってくればいいし。…‥行くよ。」

 

ミサキの言葉に、二人は小さく頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「確か…‥こっちだったはず…‥」

 

「…‥…‥ぜだ!」

 

「…‥誰かが怒られていますね。可哀想そうですね…‥」

 

第二屋内訓練所の出入口の近くから、そっと聞き耳を立てる。

 

時間はあまりないため教官がいないことを期待していたが、指導していると分かったため、頃合いを見計らいユウジを一目見るだけに目標を変える。

 

「なぜ貴様はろくに銃が扱えないんだ!虎杖悠仁!」

 

「…‥すいません」

 

(((!?)))

 

「…‥ちょっと見過ごせないね。」

 

怒鳴られているのがユウジだと分かったため頃合いを見計らうのを止め、出入口から中の様子を確認する。

 

「近距離武器の扱いはてんで駄目!ならばと後方に回しても、ロケットランチャーもスナイパーも扱えない!いったい貴様にはなにが出来るんだ!?いくら実験体とはいえ、限度というものがある!」

 

「…‥…‥」

 

「なんとか言ったらどうだ!」

 

最早虎杖悠仁に対しての遠慮はなく、全霊の力を込めた拳で殴られる。

 

「っ…‥」

 

吹っ飛ばされるが、その攻撃を受けても虎杖悠仁はなにも言わず、ただ教官を睨み返すのみであった。

 

「…‥お前達もこうなりたくなかったら、真剣に訓練に励めよ。」

 

「「「はっ!」」」

 

この一部始終を見ていた三人は、その光景になんと言ったらいいのか分からなかった。

 

「…‥なにが『心配しなくていい』ですか…‥サオリ姉さん…‥」

 

「…‥帰ろう、そろそろあの二人の話も終わる。」

 

「…‥コク」

 

(サオリがあんなに私達に厳しくする訳が分かった。きっと、ああならないようにするためだったんだ。…‥私には、なにが出来るんだろう?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし…‥全員揃っているな?」

 

「…‥うん。」

 

「先ほど教官から話があった。どうやら近々、ベアトリーチェ…‥これからはマダムと呼ぶらしいが、そのマダムが『アリウススクワッド』と呼ばれる部隊を作るらしい。それに、私達を推薦するとも言っていた。」

 

「なにをする部隊なんですか?」

 

「…‥主な任務は、ベアトリーチェの護衛らしい。」

 

「…‥ユウジを傷つけた奴を守れって?」

 

「ミサキ!言葉には気を付けろ!どこで聞かれているか分からないんだぞ!?」

 

「…‥だって。」

 

「…‥しかたがないだろう、私達は従う他ないんだ。…‥これからはさらに訓練も激しくなるが、しっかりと励んでくれ。」

 

(…‥これで、いいんだ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…‥やっと終わりか…‥」

 

自室に戻り、床に横たわる。

 

(…‥いいんだ、これで。私がしっかりすれば、皆は苦しまない。)

 

(けど、それでも…‥)

 

(ユウジは…‥ユウジは、どうすればいい?)

 

(もしかしたら今この瞬間にも、実験はやっているのかもしれない。) 

 

(もし…‥もし明日、ユウジがいなかったら?)

 

(あぁ…‥あの平和な日々が懐かしい。皆でちょっと夜更かしして、下らない話で盛り上がれたあの時が、あの時間が。)

 

(今は…‥ただただ、孤独だ。)

 

「…‥会いたい、皆に。」

 

それは、漏れ出してしまった心からの本音。そして、今まで必死に堪えていた感情の吐露でもあった。

 

(下らない話をしたい。また、ユウジが作ってくれた料理が食べたい。また…‥皆で、一緒に寝たい。)

 

「…‥うぅっ…‥」

 

私は、強くならないといけない。

 

弱ければ、大切なものを失ってしまうから。

 

皆が、家族が、生きられるように。せめて、命の心配をしないでいいように。

 

ユウジから託されたものを、守るために。

 

…‥ユウジのことも、助けられるようになるために。

 

そのために

 

わたしは

 

つよく、なくちゃいけない。

 




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