今日はGW最終日ということで、一気に二本投稿します。…‥どちらも辛いですが、どうか見ていってください。
それでは、どうぞ!
今日もまた厳しい訓練を行っている最中、教官から呼び出しがあった。
「戒野ミサキ、マダムからの呼び出しだ。直ちに向かうように。」
「…‥?はい。」
「失礼…‥します。」
「…‥よく来ましたね、戒野ミサキ。」
「あの…‥いったいなんのご用で…‥」
「なに…‥矯正ですよ。バレていないとでも思っていたんですか?あなたの問題行動に問題発言の数々…‥適切な処置が必要だと判断しました。」
「…‥…‥なにを、されるんですか?」
「そう怯えなくていいですよ。…‥素直に従えば、直ぐに終わりますから。付いて来なさい。」
言われるがままベアトリーチェの後を追っていくと、階段から地下へと潜っていった。そしてついた場所は
「…‥牢屋?」
「えぇ。…‥これからあなたの思考を正すために、少々手荒な手を使いますからね。」
「…‥まさか」
「さぁ、入りなさい。…‥最も、『入らない』という選択肢はないですけどね。」
ミサキが牢屋へ入ると、ベアトリーチェは一時的に姿を消した。『なにもされないのか?』と思ったのも束の間。ベアトリーチェは片手に一つの鞭を、もう片方の手に縄を持ち、再度現れた。
それから行われたのは、紛れもなく『拷問』だった。
「まずは、あなたのこれまでの罪への罰を与えないといけません。…‥あまり、騒がないでくださいね?うるさいので。」
ベアトリーチェはミサキを縄で縛りながらそう言い、まるで『これは正当な罰であり、私は正しい教育をしている』とでも思っていそうな顔をしながら、ミサキの背中へと鞭を振るった。
「ぐっ!?」
「まずは1発。…‥そうですね。後40発ほどすれば、罪の精算には十分でしょう。」
(これを…‥あと40回!?)
「やめて…‥ください。」
先ほどのショックをなんとか堪えながら、精一杯声を絞り出す。しかし
「そうはいきません、これは犯した罪の精算なのです。…‥恨むのであれば、過去の自分を恨むのですね。」
ベアトリーチェはその願いを聞き入れず、拷問は続いた。
そこから先は、もはや言葉では言い表せないほどに酷いものであった。
「…‥ぁ…‥うっ…‥」
「はい、これであなたの罪の精算は完了しました。…‥次は、もう二度とこのようなことをさせないために、あなたの思考を矯正します。」
「いいですか?この世界は虚しいものであり、意味などありません。しかしそんな世界の中で唯一意味があることが、私という偉大な大人に従い、駒となることなのです。…‥そんな大人の言うことに逆らっては、いけませんよね?…‥復唱なさい。『これからは大人の言うことに従い、マダムの駒となるために全力を尽くします』」
「…‥これから、は、大人の言うことに従い、マダムの、駒となるために、全力を、尽くします…‥」
「…‥vanitas_vanitatum_et_omnia_vanitas。この教義も、忘れてはなりませんよ。」
「はい…‥…‥…‥あの」
「なんですか?」
「これを…‥他の子にもするんですか?」
「…‥さぁ、どうですかね?ただ一つ言えるのは、『私はそこまで甘くない』ということだけです。」
「!…‥」
「自室に帰り、明日に備えなさい。…‥これからは、私に対して隠し事は出来ないと思いながら懸命に暮らしなさい。いいですね?」
「…‥はい。」
(意識がはっきりしない…‥気を抜いたら、直ぐに倒れそう…‥)
おぼつかない足取りで、自室へと足を進めていく。
(…‥あっ)
(自分の部屋に向かってたはずなのに…‥)
(ここは、ユウジの部屋だ。)
(…‥)
(もう少し止まっていた方がいいな…‥後10分したら、帳を張ろう。…‥ん?)
「…‥」
(ミサキ!?どうして…‥いや、今はそれよりも。)
(『闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』)
(よし…‥これで奴には、俺が大人しくしているところしか見えないはずだ。)
「…‥久しぶり、元気…‥いや、なにもされてな…‥!」
俺の言葉を遮るように、なにも言わず覆い被さられる。
「…‥」
「…‥どうした?」
「…‥私もう、分かんない。」
絞り出すように、今にも泣き出しそうな声で、ミサキは言葉を紡いでいく。
「やっぱり、こんな世界に希望なんて無かった。」
「…‥大人なんて、大っ嫌い。」
「自分達の理想ばっか言って、従わなかったら無理矢理言うことを聞かせようとする。」
「私達の気持ちなんて、これっぽっちも考えてない。」
「…‥いつ終わるの?この希望の見えない日々は。…‥ねぇ、教えてよ。」
「…‥」
俺は、なにも言えなかった。『なにかあったのか?』『いやそもそも、この生活自体この子達にとって相当な苦痛だろうから、限界がきてしまったのか?』そんなことが、頭を駆け巡っていた。
「ユウジでも、答えられないんだ。…‥ならもう、私は…‥」
「なんで、生きてるの?」
見ていられなかった。ミサキにこんなことを言わせておいて、なにも出来ない自分にどうしようもなく腹がたった。
けど、それでも。
俺は、今やれることをやるしかない。
今までの覆い被さられていた体制からそのまま、抱き寄せる。
「!」
「…‥ごめん、なんて言葉を使うつもりはない。」
ミサキの表情は見えないけれど、しっかりと伝わるように、俺の思いが届くように、耳元で言葉を紡ぐ。
「俺があの時負けたことが、全ての始まりだった。あの時勝てないにしてもそれ相応の強さを示せていれば、撤退していた可能性もあった。」
「…‥その事を今更なんて言ったって、償えるわけがない。」
「約束は出来ない。俺も、どうしたらこの地獄のような日々が終わるか検討がつかないから。…‥だからせめて、俺がこの日々を終わらせるまで…‥いや、違うか。俺が、先への希望を見せるまで」
「ミサキには、生きていて欲しい。」
「けど!けど…‥私はもう、なんのために生きたらいいのか分からない!」
…‥こんなことを、言いたくはなかった。こんな、ミサキを縛り付けるような事を口に出したくはなかった。
だけど
今の俺には、これしか思いつかない。
「俺のために、生きてくれ。」
「!」
「これは俺の我が儘だ。俺がミサキに生きていて欲しいから、俺が、まだミサキとこうやって話していたいから言ってる。」
「…‥お願いだ、ミサキ。」
「…‥」
少しとも永劫とも思える沈黙の後。ミサキは目に少しの涙を浮かべながら、その願いに対しての答えを言った。
「…‥いじわるだね。私をまだ、この世界に残すんだ。」
「…‥あぁ、そうさ。これは純粋な願いなんかじゃない。俺からミサキに対する」
「『
(…‥やっぱりあなたは、優しいね。自分の我が儘だって言って、私に押し付けないようにしてる。)
「…‥分かった、ユウジ。」
気づけば流れていた涙は止まっていて、自分の口角が少しだけ上がっているのが分かった。
「私はこれから、ユウジのために生きる。…‥だから」
「勝手にいなくなったら、許さないから。」
「あぁ、それは約束する。俺は必ず、ミサキを置いていかない。」
「…‥絶対、だから。」
「おう。」
「…‥今日は、さ。ここにいちゃ、ダメ?」
(…‥確かに見張りがもうそろそろ厳しくなる時間だし、完全消灯も近い。今日の内はここにいた方が安全か?いやでも、奴がどこから見ているか分からない以上、せめて帳が切れたら帰らせた方が…‥)
「…‥おねがい。」
(!…‥よし、縛りを結ぼう。『今日の夜の間だけ帳の効果を引き伸ばす変わりに、3日間帳と呪術の使用禁止する。』…‥出来た。)
「…‥分かった。じゃあ今日は、一緒に寝ようか。」
「…‥うん。」
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