虎杖悠仁に成り代わった男の青春物語   作:ブルアカ大好き

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今回は私にとって、ある意味挑戦の回となります。この回を作った理由は様々ありますが一番の理由は、『こういうことはある』と確信出来たからです。では…‥

先日確認した時、初めて検索に載せていただけたこと、とても嬉しかったです!これからも頑張ります!

それでは、どうぞ!

注:今回はオリキャラが出ます。(というか、オリキャラ視点から始まります。)


二十三話 確かな『変化』

私は、どうすれば良かったのだろうか?

 

ただここに生まれただけなのに…‥なんで、こんなに苦しい思いをしなくちゃならないんだろう?

 

『怒られない』ためにって、体を無理矢理動かし続けても、成績が良くなるわけじゃない。…私が、傷つかないわけじゃない。

 

誰かに助けて欲しい…‥それこそ、今よりもっと小さかった時に見た絵本の『王子様』みたいな人が現れて、私をここから解放して欲しい…‥

 

…‥あぁ、目覚めたくない。まだ、起きるか起きないかのこの感覚を味わっていたい…‥

 

「…‥ま、無理だよね。」

 

(今日もまた、始まってしまう。)

 

「はぁ…‥もう、疲れたよ。」

 

まるで湿った布のように重たい体を引きずり、部屋を後にする。

 

廊下をとぼとぼと、ゆっくり歩いていると、最近少しだけ話す子が見えた。

 

確か教官には…‥No.42って呼ばれてたっけ?

 

「あっ…‥おはよう。」

 

「…‥おはよう。」

 

「…‥今日は、何するって言ってた?」

 

「今日は戦術の座学の後、『射撃』訓練って言ってたよ。」

 

その言葉を聞いた途端、元々無かった私のやる気は地の底を突き抜けた。

 

「射撃…‥射撃ね。」

 

多分この気持ちは、顔に出ているだろう。

 

「あはは…‥しょうがないよ。そもそもあの人達は私達を戦わせたいんだし…‥」

 

「私、自分に戦いって向いてないと思うんだよね。座学の方がよっぽど向いてる。」

 

「わ、私だって座学の方が好きだし…‥」

 

「「はぁ…‥」」

 

思わずもう一度ため息をつくと、見事にシンクロした。

 

「…‥まぁ、怒られないくらいに頑張ろう?」

 

「そうだね。また、叩かれたくないもんね…‥」

 

「…‥痛いのは、もう嫌。」

 

「「…‥」」

 

あの酷い出来事を、お互いに思い出してしまったのだろう。それ以上言葉は出てこず、無言のまま指定された場所へと進む。

 

足を動かしながら、隣に目をやる。

 

(思えば、この子と仲良くなったのも『指導』を一緒に受けてからだもんなぁ…‥)

 

思い出したくもない。ただただ叩かれ、怒鳴られ、理不尽に怒りだけをぶつけられたあの時間を。

 

…正直な話、最近は少し慣れてきてしまった。もう疲れたのだ、私は。抗うのも抵抗するのも、結局は無駄に終わると知ってしまったから。

 

そんな事を考えていると、目的地へとたどり着いた。

 

目の前にあるドアを開き、中へと入る。

 

「…‥じゃ、また。」

 

「…‥うん。」

 

席は互いに離れているため別れ、自身の席へと向かう。

 

座って待っていると程なくして、教官が入ってきた。

 

「全員揃っているな?それでは、朝のルーティーンを始める。」

 

「「「「はい!」」」」

 

その言葉を皮切りに全員が席を立ち、ある『教義』を唱え始めた。

 

「「「「vanitas_vanitatum_et_omnia_vanitas。全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものである!」」」」

 

「よし、後三回言ったら座れ。全員が言い終わったら今日の授業を始める。」

 

(毎回思うけど、これ意味ある?叫ぶの疲れるし…‥でもまぁ)

 

(言ってる内容は、理解できる。)

 

教官にバレないよう周りと合わせ3回復唱し、座る。

 

始まった授業に集中しながら、ふと窓の外に目を向ける。

 

(…‥荒れてる。命の気配がどこにもない、まさに荒野。)

 

(一回くらい綺麗な景色っていうの、見てみたいな。)

 

(…‥いけない、授業に集中しないと。)

 

今日の授業は…‥というかいつもやってることだけど、戦術および武器の扱い方を学ぶ時間。それと、『マダム』がいかに崇高な存在かっていうのを説明される時間がある。

 

…‥崇高ってなんだっけ?確か、偉大な存在とか高尚?な存在とか、そんな感じの意味だったと思うけど…‥

 

まぁとにかく、今はそんな時間だ。

 

(正直今日みたいな日より、たまにある算数とかの時間の方が好きだなぁ…‥そもそも私、戦いたくないし。)

 

結局授業にはあまり集中できないまま、昼休憩の時間となった。

 

教室で配られる配給にはいくつか種類があり(といっても、おそらく数年前の余り物を出しているだけだろうが。)、それがこの日々の数少ない楽しみだ。

 

人によって食事に差が出るためしばしば言い合いが起きるが、大抵は奪い合いに発展し、勝った方が総取りとなる。…‥私はあんなバカな真似はしない。いくら自分が好き物がなかったからって、食べる物が無くなれば本末転倒だ。

 

机に乗せられた少ない食事を手に抱え、彼女の下へと向かう。

 

…‥食事は、誰かと一緒にした方が楽しいからね。

 

「…‥や。」

 

「あっ…‥お疲れ様です。」

 

「そっちこそお疲れ様。…‥今日の配給は?」

 

「いつも通り何の代わり映えもありませんよ…保存食と、軍用レーションです。」

 

「私は当たりがあった。見て、甘いゼリー。」

 

「…‥羨ましい。」

 

「よかったら、ちょっとあげようか?」

 

「いいんですか?」

 

「うん。誰かさんみたいに喧嘩するより、平和に終わる方がいいでしょ?」

 

「…‥私、そんなに乱暴じゃないです。」

 

「知ってる。」

 

「…‥ありがたく、受け取ります。」

 

そんな風に話ながら食べた食料は、いつもより少しだけおいしかった。

 

「…‥ふぅ。じゃ、もうそろそろ行かないと。」

 

「そうですね…‥」

 

まだ空腹感を覚えるお腹から意識を反らし、次の訓練場へと移動する。

 

「気が重い…‥」

 

朝もそうであったがそれ以上に足が動かず、引きずるように歩く。

 

「でもちゃんとしないと、またあんなことになっちゃいます。」

 

「そうなんだけどさぁ…‥」

 

「「はぁ…‥」」

 

「ふふっ…‥朝もやったね、このやり取り。」

 

どこか既視感を覚える会話に、思わず微笑が漏れる

 

「通りで見覚えがあると思いました…‥」

 

話ながら歩いていると、いつの間にか目の前に扉があった。

 

「…とりあえず、ほどほどに頑張ろっか。」

 

「はい。」

 

扉を開け、中へと入る。

 

部屋の中には多種多様な銃が並んではいるが、各々指定された武器を使うように指示されている。つまり、好きな武器を使うことはできないのだ。

 

(アサルトライフルそんなに好みじゃないんだよねぇ…‥適正はあるらしいけど、私はハンドガンとかスナイパーライフルとかの方が使いたいなぁ…‥)

 

渋々アサルトライフルを手に持ち、教官が来るのを待つ。

 

「全員、銃は持っているな?」

 

「「「はい!」」」

 

「よし。ではこれより、屋外での戦闘訓練を行う。隊列を乱さず付いてこい!」

 

「「「はっ!」」」

 

一見ただの移動に見えるが、ここからすでに訓練は始まっている。

 

恐らく陰から別の教官が見張っているのだろう。少しでも隊列を乱したら

 

「そこ!何をしている!」

 

後ろに目でも付いているのだろうか?ほんの少し行進が遅れただけだというのに、私に目掛けて一発の弾丸が放たれた。

 

こんな風にミスをするたび、射撃されるのだ。

 

「っ…‥すいません。」

 

(余計な事考えてるんじゃなかった…‥)

 

周囲からは『あなたがミスをするのはいい。だが、自分がミスをする要因になったら許さない。』という思いが伝わってくるような厳しい視線が向けられる。そこに、私のことを心配してくれるような優しい人は存在しない。

 

(やっぱり、孤独だ。)

 

撃たれた足の痛みに耐えながら、必死にミスをしないよう歩く。

 

(やっと着いた…‥)

 

自分の中でのハプニングがありながらも、訓練は滞りなく始まった。

 

現在行われているのは4VS4の模擬戦で、私はアサルトライフルという武器の都合上中衛だ。

 

他の場所でも戦闘が始まったのだろう、至るところから銃声が鳴り響き、周囲からは火薬の匂いが漂ってくる。

 

勉強したとおりに、一つ一つの動作を確認しながら戦闘を進めていく。

 

遮蔽に隠れるタイミング、手榴弾を使うタイミング、弾を無駄にしないよう正確に相手を撃つ。今回の教官の重点はこんなところだろうか?ならばこの三点を意識していれば、怒られることはないだろう。

 

「よいしょ…‥っと。」

 

相手のリロードのタイミングを見計らい、手榴弾を投げ込む。それは上手くいったらしく、小さい悲鳴が聞こえた。

 

前衛の味方と足並みを合わせ、前進する。今回の模擬戦の勝利条件は『どちらか全員が戦闘不能になること』のため、相手には悪いが勝たせてもらおう。…‥そうじゃないと、『指導』を受けるのは私達になっちゃうから。

 

「…‥」

 

味方とアイコンタクトを取り『こっちは私一人で十分だから、向こうのカバーに行って。』と暗に伝える。味方は頷き、今人数不利の状況である向こうのカバーへと向かった。

 

(ここで外したら駄目。よく狙って…‥狙っ、て…‥)

 

照準はしっかりと敵を捉えていたが手が震えていて、銃身がブレている。

 

この状況で銃を撃ったとしても、命中するはずがない。

 

呼吸を止め、精神を落ち着かせる。

 

相手が自分の味方と合流するまでの僅かな時間。手榴弾で生み出したチャンスを、無駄にするわけにはいかない。

 

「今!」

 

ブレが収まった一瞬を狙い、引き金を引く。だが自身が精神統一にかけた時間は、相手が冷静になるには十分な時間だったのだろう。数発は命中したが、遮蔽に隠れられてしまった。

 

(くそ!やらかした!教官は…‥)

 

焦りながら教官を見ると、今にも怒り出しそうな雰囲気を醸し出していた。

 

(やばいやばい!せめてこの相手には勝たなくちゃ!)

 

今咄嗟に思い付いた策を実行するため、手榴弾のトリガーを引く。そしてその手榴弾を持ちながら、駆け出す。

 

相手は当然私の突進の隙を逃さず、遮蔽に身を隠くしながら引き金を引く。

 

銃弾の嵐に身を晒されるが構わず突撃し、超至近距離で手榴弾を食らわせることに成功する。だが自爆特攻であったため、自身も多大なるダメージを負ってしまう。

 

(はぁ…‥はぁ…‥痛いけど、これで怒られずに済む…‥あ、そういえば。)

 

相手のヘイローが消えたことを確認し、安堵する。しかし味方がまだ戦っていることを思い出し、直ぐにカバーへと向かう。

 

だが私が辿り着いた時には既に決着はついており、結果として3VS0で私達の勝利となった。

 

「…‥お疲れ様。」

 

「…‥別に。」

 

せめてもの労いの言葉をかけるが、素っ気ない対応をされ、多少の寂しさを感じてしまう。

 

(でも良かった。これで『指導』は免れ…‥)

 

「何を終わったような雰囲気を出している?」

 

そう思ったのも束の間、後ろから威圧感を感じる声が放たれた。

 

「!?…‥わ、私ですか?」

 

自分ではないと思いたかったが、どう考えても自身に声をかけているとしか思えず、恐る恐るそう聞き返す。

 

「そうだ。貴様先ほど、絶好の機会であったにもかかわらずそれを逃したな?その後の機転はまぁ及第点だったが、あれを物に出来ないとは兵士失格だ。」

 

(あぁ、この流れは…‥)

 

「『指導』が必要とまでは言わないが、仕置きはしておこう。」

 

(…‥…‥頑張るんじゃ、なかった。)

 

自身に向かってくる鞭を、最早防御することもせずに受け入れようと、失意に満ちながら目を閉じる。

 

だが何時までたっても、痛みが襲ってこない。

 

恐る恐る目を開けると

 

そこには、自身を守るように立っている人影が見えた。

 

「…‥」

 

私はその日、『王子様』に出会った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様は…‥あの方の実験台か。こんなことをして、ただで済むと思うのか?」

 

「…‥そっちこそ、余裕ぶっこいてていいのか?」

 

「なに?」

 

ユウジがそう言うと、教官の背後からサオリとアズサが彼の隣へと到着し、銃を教官に向ける。

 

「!…‥スクワッド。」

 

確かに以前であれば、三人がかりでやっと勝負になった程にレベルの差があっただろう。だが今は違う。ベアトリーチェの過酷の訓練をこなしている彼らにとって、最早教官一人など

 

取るに足らない存在になっていた。

 

今のこの三人に勝ちたいのであれば、教官が10人程は必要だろう。

 

「…‥本当に、戦るか?」

 

『退け』と、暗にそう伝える。だがそれは、彼女の精神を逆撫でしたに過ぎなかった。

 

「生意気なぁ!」

 

苛立ちを隠し切れない様子で、彼女は怒鳴った。

 

「ひっ…‥」

 

その怒声に、庇われているアリウス生は小さく悲鳴を上げる。

 

「!お前…‥」

 

鞭ではなく銃を構え、今のアリウス生からすれば驚くべきスピードで四人へと襲いかかる。

 

だが直ぐ様サオリとアズサが迎撃し、彼女は多大なるダメージを負ってしまう。しかしそれでも意地で向かってくる彼女に相対するは『実験台』、虎杖ユウジ。

 

まず足に蹴りを入れ体制を崩し、間髪入れずにみぞおちへ拳を叩き込む。

 

「ぐぅっ!…‥この程度でやられてたまるかぁ!」

 

その攻撃さえも耐えきり、尚も彼を倒そうと銃を構える。

 

しかしそれを持つ手は撃ち抜かれ、銃が手元から弾かれる。

 

「スクワッド!」

 

彼は、その隙を逃さない。

 

左手を右手に添え極限の集中状態へと移行し、呪力は拳に集まっていく。

 

その立ち姿は

 

『誠心』虎杖悠仁を彷彿とさせた。

 

銃で撃たれた反動によりがら空きとなった体に

 

「歯ぁ食いしばれ!」

 

彼の渾身の一撃が炸裂した。

 

彼女は吹っ飛ばされ、地面へと転がる。

 

「ぐ…‥お、覚えていろ!この事はベアトリーチェ様に伝えるからな!」

 

そんな捨て台詞を残し、教官と呼ばれていた彼女は去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(居ても立ってもいられなくて飛び出したけど…‥この『帳』、いつまでもつかな?)

 

奴がなぜか席を外し、少し休憩している途中。ふと外を見たら、教官に詰められている子が見えた。ここでは珍しい光景ではないが、目の前で起きている事を見過ごすことはできず、気づけば駆け出していた。

 

万が一覗かれた場合を考慮して『帳』を張ってから出てきたが、即興のため自分でもどれほど持つか分からない。

 

「…‥お前、大丈夫か?」

 

俺の後ろで怯えている少女に、そう声をかける。

 

「あっ、そ、その…‥はい。助けてくれて、ありがとうございます。」

 

少女は少し戸惑いながらも、しっかりとお辞儀をしてお礼の言葉を口にする。

 

「災難だったな。…‥これからは気を付けろよ?いつでも私達が助けられるわけではないからな。」

 

少女に対しサオリは少し厳しめの口調で、そう忠告する。

 

「はい…‥そ、その!」

 

少女は少し落ち込んだような表情を見せた後、俺の顔を見ながら声を上げた。

 

「ん、俺か?」

 

「名前を…‥」

 

「虎杖ユウジ。そっちは?」

 

「しゅ、秋月カナデです!」

 

「秋月カナデ…‥秋を奏でる、か。いい名前だな。」

 

「!?そ、その…‥」

 

「…‥ユウジ、早く行こう。いくらベアトリーチェが席を外したからって、これ以上離れるのはまずい。」

 

今まで黙っていたアズサが急に口を開きながら俺の腕を引っ張り、自分のほうに寄せようとする。

 

「アズサの言う通りだ。ユウジの言っていた『誤魔化し』とやらも、長く保っていられるわけではないのだろう?」

 

サオリもアズサに同調し、妙に俺を急かしてくる。…‥確かに、ベアトリーチェが帰ってきた時にあの三人だけだったらまずいなんてもんじゃない。迂闊だった。

 

「それもそうだな。…‥カナデ!また会おうな!」

 

「は、はい!」

 

最後にカナデへ別れの挨拶をし、隔離訓練棟に向けて駆け出すのだった。

 

彼らが去った後、その場には静寂の時間が続いた。

 

なぜなら他の訓練生は呆然としていて、目の前で起こったことが未だに受け入れられていないからである。それもそうだろう。今まで教官に勝てた者は愚か逆らえた者すらいなかったというのに、スクワッドはその両方をやってのけたのだから。

 

最早カナデ以外のアリウス生は空気と化しており、先刻の会話に誰も口を挟まなかったのもこれが理由である。

 

数十人もの人間がその場に存在しているはずなのに一人取り残されたような気分で三人が走り去って行く後ろ姿を眺めながらも、彼女の視線は一人に集中していた。

 

(虎杖、ユウジ。…‥初めてだな、誰かに褒められたの。)

 

そう心の中で呟いた彼女の頬は、赤く染まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ベアトリーチェ様!反抗者です!今すぐに『指導』が必要な生徒が三人現れました!」

 

「そんなに慌てて…‥何があったのです?」

 

「はっ。私が適切な仕置きを行おうとしたところ、アリウススクワッドである虎杖ユウジ、錠前サオリ、白州アズサが乱入し、あまつさえこの私に攻撃を行ったため、一旦敗走したフリをして報告に来た次第です。」

 

「…‥おかしいですねぇ?私の目には、その三人は大人しく待機しているように見えるのですが?」

 

「!?そ、そんなはずありません!私は確かにあの者達にやられ…‥はっ!」

 

「…‥もしや貴女、自身の教育不足を私のせいにしようとしたのですか?スクワッドは確かに問題児を集めましたが、現在順調に心を折っていっています。後二人程心配な者はいますが、時間の問題でしょう。…‥虚偽報告をする無能などもう用済みです。私の手で、始末してさしあげましょう。」

 

「そ、そんな…‥お、お待ちください!私まだあなた様のお役に立てま!?」

 

彼女はその言葉を言いきる前に、ベアトリーチェに殺されてしまった。

 

「用済みだと、そう言ったではありませんか。…‥まぁ安心さない。近い内に、仲間もそちらへ送りますから。」

 

「さて…‥行きますか。」

 

(妙に脳が痛んできたので急遽休息を設けましたが、気のせいだったようですね。)

 

「しかしあんな戯れ言をこの私に向けて堂々と報告するとは……人選を間違えたかもしれませんねぇ。」

 

ベアトリーチェの脳は確実に、そして着実に、『変化』していっていた。




ベアトリーチェに起きた脳の変化は、あくまで微弱なものです。例えるのであれば『大海原に小石が一個落ちた』だけの、変化と呼べるか怪しいレベルのものです。…‥けれど、決して無視はできませんよね?

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