少し投稿が遅くなってしまってごめんなさい!今後はこの位のペースで投稿したいと思っているので、今後も読んでいただけると幸いです。では改めて…‥
UA7000突破ありがとうございます!これからも頑張ります!
では、どうぞ!
あの後家の修復作業を中断し、サオリが抱えて来た子の救助体制を急いで整えた。しかし、万全な体制とはとても言い難い状況だ。
ここにはベッドもないし、熱を冷ませるような物もない。今は、俺の服の袖を少し切ってそれをタオル代わりにして額に当てている。
「苦しそうにしてる…‥大丈夫かな?」
「とりあえず呼吸は安定してるから…‥多分、今は眠っているだけだと思う。時期に目を覚ますと思うよ。」
(素人目で見るなら、多分風邪を引いているんだと思うけど…‥とにかく今の俺達に出来るのは、一般的な看病だけだな。)
「!良かった」
「目を覚ましたら、まずは食事を摂らせないと。顔色がいくらなんでも悪すぎる。」
「そうだね…‥」
生きるということは、苦しいことだ。
『生きている』というだけで常に空腹感に付きまとわれ、『誰かに傷つけられるかもしれない』という恐怖に怯えなくてはならない。
たとえ自分が『傷つける』側に立ったところで、なにかが満たされる訳でも、恐怖が消える訳でもない。
『幸せになりたい』と願っても、その願いはすぐに消え失せ、ただ虚無感が残るだけ。
『ならばいっそ』と自分の命を絶とうとしても、それが出来るほどの勇気は出ない。
あぁ…‥ならばなぜ、今私は…‥
「生きて…‥いるんだろう。」
死にたいと願っているというのに、それをせずに今も苦しんでいるのはなぜなんだろう?
自分の命を絶てばこの苦しみを味わうことはなくなるのに、今も生に縋っているのはなぜなんだろう?
生きる理由も、生きる意味もないというのに、なぜ私は今も生きようとしているんだろう?
「分からない…‥」
いくら考えても、自分が今生きている理由も、意味も分からない。
けど…‥あぁ…‥もう、考える必要も、苦しむこともない。
「もう…‥死ぬのかな…‥」
(力が出ない…‥さっきから体がおかしいと思ってたけど、いよいよ歩けなくなって来た…‥)
…‥あぁ…‥これでいいはずなのに…‥私はもう、死にたいはずなのに…‥もう、くるしみたくないのに…‥なんで、まだ…‥
「生きたいと…‥思ってるんだろう…‥」
「!?大丈夫!?」
(だれか…‥きた?あぁ…‥もう…‥…‥…‥)
「たす…‥…‥け…‥て…‥」
「!…‥分かった、絶対に助ける!」
「…‥…‥ん…‥…‥」
「!ユウジ!起きたよ!」
「良かった…‥はっ!まずは水だ水!その後になにか食べさせないと!」
「うん!」
今まで寝ていたのだろう。はっきりとしない意識の中額に少しの冷たさを感じながらも、二人の人間の声が段々とはっきり聞こえて来た。私は咄嗟に
「…‥誰?」
と、聞いてしまう。それを聞くと、二人共安心したような顔をしながら
「!俺は虎杖悠仁。それでこっちが…‥」
「錠前サオリ。よろしくね!」
自分の名前を教えてくれた。…‥錠前サオリ‥…虎杖ユウジ…‥
この時は思いもしなかった。後にこの二人と__
家族になるなんて
「よし、意識もはっきりとしているようで一安心だ。…‥あぁ、まだ体を動かそうとするなよ。少なくても一日は寝てないと、体調は悪くなる一方だぞ。」
「…‥分かった。」
「じゃあ今から水を飲ませるために体を起こすから、キツかったら言ってな。サオリ、頼む。」
「うん。優しくするから、力を抜いてね。」
「…‥うん。」
窒息させないよう最大限注意を払いながら、ゆっくりと、慎重に水を飲ませていく。
「…‥どうだ?苦しくないか?」
「…‥コク」
「よし…‥少しでも苦しいと感じたら、俺の腕を掴んでくれ。」
より一層慎重に、いつでも止められるように少し引き気味に飲ませていく。
「…‥‥ギュ」
「!大丈夫か?」
「うん…‥ありがとう。」
水を飲ませ終えると、顔色が少しだけ良くなっていた。しかしやはりと言うべきか、まだ体調は悪そうだ。
「今はあんまり良い物がないんだよな…‥とりあえず、これを食べててくれないか?」
そう言って、昨日採った果物らしき物を手渡す。
(…‥これだけじゃ足りないな。体調が悪い時は大抵うどんとかお粥を食べるけど…‥ここにそんなものないし…‥でも、かといってこれだけっていうのも…‥仕方がない。多少消化しずらいかもしれないが、今はとにかく栄養が必要だ。魚を捕りにいこう)
「…‥これ、果物?」
「うーん…‥多分そうだと思う。俺達が食っても大丈夫だったから…あっそういえば、まだ名前を知らないや。お前、なんていうんだ?」
「…‥
「ミサキっていうのか、良い名前だな。よろしく、ミサキ。」
「…‥よろしく。」
「じゃあ、ミサキはこれを食べて待っててくれ。俺は魚を捕って来るから。サオリ!ミサキのこと、頼んだぞ!」
「うん、分かった!」
「…‥えっと、サオリ?」
「!なに?ミサキ。」
「あの時、あなたが助けてくれたんだよね?」
私がユウジから渡された果物を食べ終わるのを見守っているサオリに、ずっと気になっていたことを聞いた。
「…‥うん。けど、助けたっていうのはちょっと違うかも。私はただ、ミサキをここまで運んだだけだから。その後のことは、ほとんどユウジがやったし。」
返ってきた答えはどこか否定的で、自分がしたことで私がどれだけ感謝しているか分かっていないようだった。…‥…‥まだ、言ってなかったな。
「けど、サオリがここまで運んでくれなかったら、今私は生きてなかったと思う。……‥……‥‥ありがとう、私を助けてくれて。」
「!どういたしまして!」
私がお礼を伝えると、サオリはすごく嬉しそうに笑ってそう答えた。
「…‥二人はさ、いつから一緒にいるの?」
少しの沈黙の後、少しだけ気になっていたことをサオリに聞いた。
「うーん…‥そんなに前からじゃないよ。出会ったのは最近かな。…‥まぁ、その日に一緒に暮らすことになったんだけど。」
「……すごいね。でも、そんなにすぐ信用したの?」
「うん。だって、私はユウジに命を救われたから。…‥ユウジがいなかったら、私はあそこで死んでたと思う。」
私の少し意地悪な質問に真っ直ぐと答えられ、サオリからユウジへの確かな信頼が感じられた。
「…‥そっか。」
「…‥ミサキ。ユウジのことを信用出来ないなら、それはそれでいいと思うよ。」
「!…‥ばれてた?」
私の少し素っ気ない返事の後、サオリに図星を突かれ、動揺しながらも返事をした。
…‥そうだ。私はまだユウジは愚か、サオリのことすら信用出来てない。…‥こんな自分が嫌になる。助けられたくせにその人たちを信用出来ないなんて、恩知らずもいいところだ。
「うん。だってミサキ、ユウジに出会う前の私にすごく似てるんだもん。きっと、あなたもたくさん辛いことがあったんでしょ?」
「…‥…‥…」
「…‥分かるよ、その気持ち。私も最初は『なんでこんなに優しくしてくれるんだろう』って思ってた。今までずっと、助けてくれる人なんていなかったのに…‥いやむしろ、傷つけられることの方が多かったのにって。」
「…‥…」
「きっとミサキは、人に優しくされるのが怖いんだと思う。優しくされても、それを素直に受けとれないんだと思うよ。」
「……」
サオリはそんな私に、優しく寄り添ってくれる。…‥けど、それでも私は…‥
「大丈夫。今はまだ怖いかもしれないけど「私は…‥」」
「私は…‥サオリも、少しだけ怖いよ。なんで、初めて会う私にここまで優しくしてくれるの?なんでこんなに、親切にしてくれるの?」
声を少しだけ震わせながら、今までずっと思っていた本心を口にした。
「それは…‥『人は助け合う』ものだから。」
「…‥それだけ?本当にそれだけで、自分達のなんの役にも立たないことをしたの?」
「うん。」
そう言って私を見つめる目はあまりにも真っ直ぐで、今も尚疑っている自分が馬鹿らしいと思える程に綺麗だった。
「…‥…‥これじゃ、疑ってる私が馬鹿みたい。…‥うん、疑ってごめん。信じるよ。サオリのことも、ユウジのことも。」
「…‥いいの?嬉しいけど…‥無理しなくていいんだよ?」
「大丈夫。もう、決めたから。」
そう言った私の顔は、きっと笑っていたと思う。
「サオリ~!すまん、ちょっと手伝ってくれないか?魚が思ったより捕れちゃって持ちきれな…‥危っぶね!落とすとこだった!」
先ほどの会話から少したち、雑談をしていると、外からユウジの声が聞こえてきた。
「!は~い、今行く!」
サオリはユウジに呼ばれ、ユウジを手伝いに行った。私はその後ろ姿を見つめながら
「…‥ほんと、お人好しな人たち。」
と、呟くのだった。
外で魚を焼いてから、家の中に持って来た。数が多かったので、数回に分担して運んだ。
「今日はいつもより数が捕れたんだ!ミサキの分もあったからちょうど良かったよ。」
「今日の魚…‥いつもとちょっと違うね?」
「おう。だけど、味はいつもより美味しかったぞ!」
「…‥もう食べたの?」
「うっ、そんな目で見ないでくれ…‥サオリと、なによりミサキになにかあったら不味いだろ?」
「…‥私たちのことを思ってくれてるのは嬉しいよ?でも、なにかあったらまずいのはユウジも一緒ってこと、忘れないでよ?」
「!…‥ありがとう。」
「ねっ、ねぇ。」
「ん?どうした?ミサキ。」
俺がいつも通りサオリに怒られていると、ミサキが魚を見つめながら声をかけて来た。
「これ…‥食べていいの?」
「!そうだった、待たせてごめんな。よし!食べよう!あっ、ミサキは俺が食べさせるから動くなよ。」
「…‥分かった。」
「あっユウジずるい!私が食べさせてあげたかったのに!」
「うーん…‥ミサキ、サオリでもいいか?」
「別に食べられるならどっちでもいいよ…‥」
「オッケー!じゃあサオリ、頼んだぞ。しっかりミサキのことを考えて、食べさせてくれ。」
「分かった!」
「よし、じゃあ…‥いただきます!」
「いただきます!」
「なに?それ…‥」
「これはな、これから食べる命に対しての感謝を表す言葉なんだ。…‥『たとえどんな時でも、自分達の腹をいっぱいにしてくれる食べ物に対しての敬意を忘れちゃならない。』って、俺は考えてる。」
「ふーん…‥」
「ミサキ!ほら、あーんってして!」
「ちょ、ちょっと!そんな急に食べさせないで…‥…‥!おいしい…‥」
「でしょ!」
「…‥良かった。二人とも、仲良くなったんだな。」
二人の距離がさっきより縮まっているのを見ると、俺がいない間になにかあったのだろう。目の前で行われている微笑ましい光景に、思わず笑みが溢れながらそう呟く。
「うん!」
「…‥まぁ、うん。」
俺の呟きが聞こえたのか、サオリは笑顔で、ミサキは少し悩んだ末にそう答えた。…‥これなら
(サオリの時と同じだ。俺はもう、あの子のような子供は見たくない。)
「…‥なぁミサキ、良かったらなんだけどさ…‥俺達と、一緒に暮らさないか?」
自分の中に確かな覚悟を持ってミサキにそう告げる。ミサキはそれを聞くと、驚いた顔をしてから
「!…‥逆に聞くけど、いいの?私なんてなんの役にも立たないと思うし…‥それに、体も弱いから迷惑かけると思うよ?」
と、自虐的な発言をする。俺が否定をしようとすると、それよりも速くサオリが口を開いた。
「そんなこと気にしなくていいよ!私は、ミサキと一緒に暮らしたい。…‥初めてなんだ、同じ女の子の友達が出来たの。」
サオリの言葉を聞いたミサキは、少しだけ悩んだ後
「…‥…‥分かった。これからよろしく、二人とも。」
どこか吹っ切れたような顔をして、そう言った。
「やったぁ!これからよろしくね、ミサキ!」
「よろしく、ミサキ。」
ご飯を食べ終え、サオリとミサキが寝静まった後、いつも通り修行をしていると、違和感に気づいた。
(…‥なんだ?いつもとどこか違う‥まるで、自分の中に異物が紛れているような…‥)
「とにかく、試してみるしかないか。」
手を地面に着け、今の自分にできる限りの呪力を放出してみる。すると
「!…‥…‥切れ、てる?」
まるでその部分に包丁を入れたかのように、地面が切断されていた。
「おいおい…‥まさかこれって…‥
御廚子とは、呪術廻戦の作中にて名実ともに"史上最強の術師"であった呪いの王"
「
しかも、解を極めた先には「世界を断つ斬撃」と呼ばれる防御不可の不可視の斬撃がある。
…‥これを習得出来れば、たとえどんな相手だろうと勝ててしまうだろう。
「…‥とにかく、誤発動しないよう今の内に制御できるようにしないと。…‥サオリやミサキを傷つける訳にはいかない。」
(今はこの程度しか切れないけど…‥これを鍛え続ければ大きな武器になる!…‥まぁ、これを人に使うことはないと思うけど)
「…‥あっ!これ、頑張ったら魚を捌けるようになるんじゃ…‥よし!頑張ろう!」
この後思った以上に制御が難航し、発動するしないを意識的に出来るようになったのは日が昇った後だった。
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