虎杖悠仁に成り代わった男の青春物語   作:ブルアカ大好き

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お待たせしました、七話目です。
…‥自分で始めたことですが、やはり二つ連載し続けるのはかなり負担がかかるなと思いました。しかしその反面、小説を書く息抜きに小説を書けるので、実質無限に小説が書けるようにもなりました。…‥まぁ実際は、疲れてそんなに長い時間書けないんですけどね!…‥毎日投稿してる人って本当に凄いと思います。それでは…‥

UA10000突破本当にありがとうございます!そして、お気に入り登録をしていただいている196人の方、しおりを登録していただいてる64人の方、評価していただいている14人の方、暖かい感想をくれた6人の方、この節目に、改めてお礼を言わせて下さい。
本当に、ありがとうございます!

それでは、どうぞ!

注:今回の話には、作者の独自解釈が含まれています。



七話 この世界の常識

「ユウジ、気をつけてね。ここら辺には、急に襲ってくる人がいるかもしれないから。」

 

「おう、分かった。」

 

俺達は今、拠点にしているところから少し離れた、サオリがミサキを拾った周辺に来ている。

 

理由は様々あるが、主な理由は『現状を把握』することである。

 

そう、俺は目が覚めてからずっとここで暮らしていたから、この場所がどういう場所なのかがまったく分からない。

 

二人はある程度知っていたが、より正確な情報が欲しいと思ったので、このような行動をすることを決めた。

 

「…‥ねぇ、わざわざ家周辺から離れて、ここら辺に来る意味ってなに?」

 

「そうだなぁ…‥情報が欲しいのと、あのままずっとあそこにいてもなにも進展しないと思ったからかな。…‥あと、ミサキが言ってたことも気になる。」

 

「…‥内乱のこと?」

 

「…‥おう。」

 

(今まで、おかしいとは思ってたんだ。どうしてこの場所はここまで廃れているのか…‥まさか、内乱が起きていたなんて…‥)

 

初めて聞いた時は本当に驚いた。まさか、この場所で内乱が起きていたとは…‥ただ、それなら様々なことの説明がつく。

 

あの子が異常な程に細かったのも、サオリやミサキが、明日を生きれるかどうかの生活をして、行き倒れたのも、全て。

 

(…‥なんでだ?なんで、争っているんだ?内乱が起きたということは、そこまでの事態になった理由があるはず…‥)

 

「…‥どうして仲間同士なのに、争うんだろう?」

 

「…‥多分、いろいろあるんだと思うよ。大人達の世界には。」

 

(…‥ほんと、二人共大人びてるよなぁ…‥)

 

「…‥なぁ、二人共。」

 

「ん?」

 

「何?」

 

「二人はさ…‥恨んだりしなかったのか?そんな大人達の勝手な争いに巻き込まれて、自分達が苦しんでいることに『理不尽だ!』って思わなかったのか?」

 

これは正直、俺が少しだけ思っていることだ。

 

だってそうだろ?俺達はなんにもしちゃいない、ただ、争いに巻き込まれているだけだ。

 

たとえどんな理由があっても、あの子のような子がいた時点で、それは正しいことじゃない。

 

「うーん…‥もしも私が、あの時、あのまま死んでいたらそう思ってたと思うし、今もその気持ちはあるけど…‥…‥これも、ユウジのおかげかな?今は、楽しいって気持ちの方が強いんだよね!」

 

「…‥うん。私もあそこでサオリに助けられなかったら、この世界をもっと恨んでいたと思う。…‥でも、二人が助けてくれた。絶望しかないと思ってた世界にも、まだ希望があるんだって思わせてくれた。…‥だから、今はもうあんまり恨んでない、かな?」

 

「…‥そっか。そっかぁ…‥」

 

(眩しいなぁ…‥まだ二人共こんなに小さいのに、ここまで真っ直ぐに生きれるなんて。…‥羨ましいと、少しだけ思うけどそれ以上に、嬉しいなぁ。)

 

「…‥だからさ、ユウジはもっと、胸を張っていいんだよ?」

 

「…‥え?」

 

「私は、ユウジにも救われた。ユウジと、サオリがいたおけで、私はこの世界に絶望せずにすんだ…‥そんなユウジが、自分のことを『大したことはしてない』みたいに思ってそうなのは、はっきり言ってムカつく。」

 

(そっか…‥俺はちゃんと、この二人のことを救えたんだ。俺がこの世界に生まれた意味は、ちゃんとあったんだ…‥)

 

ずっと分からなかった。どうして自分がこの世界に生まれたのか、どうして『虎杖悠仁』と成っているのか。

 

正直まだ、ちゃんとした答えが出せたわけじゃない。けど、それでも

 

俺は、人を救えたんだ。

 

「あれっ…‥なんで、泣いて…‥」

 

「…‥はぁ、やっぱり限界だったんじゃん。」

 

「!?私、ユウジを泣かせるようなこと言っちゃった?」

 

「違うよ、サオリ。…‥多分だけど、ユウジはずっと自分を追い込んでたんだと思う。知らない食べ物を真っ先に食べたり、私達に自分が少しでも危ないと思ったことはやらせなかったり…‥いわゆる自己犠牲が多かったのも全部、自分に価値が見出だせなかったんじゃないかな?…‥私と、似てるから分かるよ。…‥ほらユウジ、来な。」

 

「…‥ん?…‥!」

 

「私にはこれぐらいしか出来ないけど…‥今まで、よく頑張ったね。偉い偉い。」

 

「あっ!私もやる!ほらユウジ、頭撫でてあげるね~」

 

「…‥…‥…‥…‥ありがとう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…‥なんか、恥ずかしいところ見せちゃったな。」

 

「別に…‥ていうか、ユウジ私達よりも小さいでしょ?」

 

「うっ…‥まぁ、多分四歳くらい…‥なのかな?」

 

「…‥私、五歳。」

 

「私六歳!」

 

「ッスー…‥」

 

(なんか妙にお姉ちゃん感があるなとは思っていたけど…‥サオリ二個上だったの!?ミサキも一個上…‥…‥!?銃声!?)

 

「隠れろ!」

 

突如として、背後から無数の弾丸が放たれる。それを避けようとするが、音が聞こえてからでは遅かった。大部分は回避出来たが、一発の弾丸が虎杖悠仁の腕を襲った。

 

(っ!掠った!めちゃくちゃ痛ってぇ!でも俺はいい。二人は…‥はっ!?)

 

赤血操術で傷の部分の止血を行いながら、彼が見たのは

 

「痛てて…‥」

 

「…‥やっぱり、こっちに来るんじゃなかったかも…‥どうする?今こっちにはなにも武器がない。はっきり言って不利だよ。」

 

弾丸が当たってるにもかかわらず、痛がっているそぶりのみで特に苦しんでいるわけでも、血が出ているわけでもない

 

いつも通りの、二人だった。

 

「大丈夫なのか!?弾丸が当たってるんだぞ!?」

 

「?うん。」

 

「確かにちょっと痛むけど…‥そこまで過剰に反応する程じゃないよ。」

 

(どういうことだ!?俺は掠っただけで血が出るっていうのに…‥)

 

状況が上手く飲み込めず混乱するが、今はそのことを気にしている場合ではないと、弾丸が放たれた方角を崩れた家の陰から探す。

 

(いた!数は…‥3人くらいか?)

 

「意外と近いね…‥逃げられるかな?」

 

「この距離だと、ちょっと難しいかも。」

 

「…‥戦うしか、ない?」

 

「…‥…‥あぁ。ここまで近いとなると、逃げているところを邪魔される。…‥やるしか、ないな。」

 

(どうする?向こうには銃がある。近接戦ならまだしも、この距離じゃ蜂の巣になって終わりだ。なにか…‥せめて、飛び道具でもあれば…‥)

 

一縷の望みに賭け周囲を見渡すと、地面に手頃なサイズの石ころが落ちているのが確認出来た。

 

(!これだ!)

 

「二人共聞いてくれ、俺に作戦がある。」

 

「分かった…‥ユウジ、なんで左腕を隠してるの?」

 

「…‥待って、さっきの弾丸ってもしかして…‥‥ちょっと見せて。」

 

「…‥鋭いな、ミサキは。」

 

(…‥なんとか止血は終わったけど…‥見せて大丈夫か?かなりグロいことになってるんだけど…‥)

 

「…‥さっさと見せて!」

 

「あぁ!無理やり引っ張らないで!」

 

「!?なんでこんなことになってるの!?」

 

「…‥っ!?ユウジっ、血が、血が出て…‥」

 

(やっぱりもう少し治るまで見せないんだった!)

 

「大丈夫だから!確かに端から見たらやばいかもしれないけど、思ってるより痛くないから!」

 

「…‥なんで?なんでユウジだけ、弾丸でここまで傷を負うの?私達は痛くても、こんなにならないのに…‥どうして?」

 

「…‥分からない。俺からしたら、ミサキ達が銃で撃たれてその程度で済んでる方が不思議でならないし…‥」

 

「…‥!ねぇミサキ、ユウジの『ヘイロー』って見える?」

 

「?…‥…‥!ほんとだ、ヘイローがない。」

 

「ヘイロー?なにそれ?」

 

「私達の頭の上にさ、なんか、光ってる輪っかが見えない?」

 

「言われてみれば…‥輪っかっていうより、なんか星みたいに見える気もするけど…‥」

 

「!もしかして、私のヘイローの形が分かるの!?」

 

「どういうこと?」

 

「ミサキ、私のヘイローってどう見えてる?」

 

「…‥光の輪っか。」

 

「だよね。私もミサキのヘイローはそういうふうに見えるし。…‥でも、ユウジにはどう見えてるの?」

 

「青色で、真ん中に小さい輪っかがあって、その中心に二つの十字が重なってる…‥みたいな感じ?」

 

「合ってる!やったぁ!私以外にも、私のヘイローの形が分かる人がいるなんて!」

 

「…‥サオリ、さっきの話はどうしたの?」

 

「あっ…‥ごほん。それで思ったんだけど、私達が銃で撃たれても大丈夫なのは、ヘイローがあるおかげなんじゃないかって。」

 

「確かに…‥というか、言われてみればそうとしか考えられない。よく分かったな、サオリ。…‥ありがとう、助かったよ。」

 

「…‥そうなると、ユウジは絶対に守らないといけない。…‥よく、今まで生きてこれたね。」

 

「あはは…‥よし、作戦を伝えるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…‥分かったけど、そんなこと本当に出来るの?」

 

「ああ、俺を信じてくれ。」

 

「この石をとにかくたくさん投げればいいんだね?」

 

「おう。…‥いくぞ!」

 

今回の作戦はこうだ。まず、俺が呪力を込めた石を二人にあるだけ投げてもらう。そして、それに注意が向いている内に俺が横から奇襲し、全員を倒す。…‥分かってる、これがだいぶ無茶な作戦ってことは。でも、俺にはこれぐらいしか思いつかなかった。

 

(あの二人…‥すごいエイムいいな?銃と打ち合ってるのにほとんど怯んでないし…‥)

 

俺も、数個ほど呪力を込めた石を持ってる。これを先にぶつけてから勝負を仕掛ければ、勝機はあるだろう。

 

(狙え…‥当てれなかったら終わりだと思うんだ…‥ここ!)

 

「ぐっ!?」

 

(よし!今しかチャンスはない、一気に決める!)

 

一人は先ほどの攻撃によりダウンしていたが、二人は以前として健在であり、二対一の状況が作られる。が、今はダウンしている一人も数秒もすれば復帰し、この勝負に勝つのは難しくなるだろう。

 

『二人は落とせない』と直感的に判断し、標的を一人に絞る。

 

「はぁ!」

 

今まで使用してきた、今まで修行してきた中でも最高と言える程滑らかに呪力を操作し、拳打の嵐で相手の銃を破壊。

 

続けて相手のみぞおち、左腕に拳打を打ち込み、姿勢が崩れたところに蹴りを入れ、完全にダウンさせる。

 

本来、ヘイローを持つ者がこの程度の攻撃で倒されることはない。しかしこの者たちは十分な栄養が得られておらず、通常のヘイロー持ちよりも弱体化していたことが、彼が勝てた要因の一つだろう。

 

(残り二人…‥ってまずい!銃口がこっちに…‥!)

 

油断をしていたわけではなかったが、『一人を相手にしてた』という必然的な隙を突かれ、背後に回られる。

 

(くっ…‥どうするどうする!?撃たれたら死ぬぞ!こうなったら撃たれた弾を手で触れて全部御廚子で切るか?いや、そんな離れ技出来るわけねぇ!やばいやばい!死…‥)

 

「!?」

 

(!…‥ありがとう!二人共!)

 

「うおぉぉ!」

 

あわや撃たれるかという時、視界外から飛んできた二つの石が相手の銃を落とした。

 

ここまででかなりの数の石を投げていたため、もう自身が呪力を込めた石はないと思った方がいいだろう。

 

(ここで決める!)

 

いきなり銃が落とされ混乱している内に、まず一人に超接近戦を仕掛ける。

 

相手は余り近接戦の経験がないのだろう、格闘戦に置いてはこちらに分があった。数発の拳打を攻撃の隙を突き急所に打ち込み、ダウンさせる。

 

残るもう一人は銃を拾おうとしていたため銃を足で蹴飛ばし、戸惑っているところに軽く呪力を飛ばす。

 

「ふぅ…‥なんとか勝てた…‥」

 

(初めて戦闘というものをしたけど…‥人を殴った感触は一生忘れらなさそうだ…‥)

 

「しっかし、なんでいきなり襲ってきたんだ?なにかしたわけでもないのに…‥」

 

(まぁいい。とにかく、今はこの子達が目を覚ます前にここを離れよう。)

 

「ユウジ!無事?」

 

「…‥どこも怪我してないよね?」

 

「あぁ、二人のおかげで助かったよ。ありがとう。」

 

「…‥早く帰ろう、ユウジの傷の手当てもしないとだし。」

 

「おう、俺もそうするつもりだった。でも別に、傷は大丈夫だぞ?放って置けば治るし。」

 

「なに言ってんの?…‥もしかしてそれも、呪力ってやつの力?」

 

二人には、作戦説明の時に呪力について話した。急にただ石を投げてって言っても信じてくれないだろうし…‥正直隠して置きたかったが、背に腹はかえられないというやつだ。

 

術式については赤血操術のみ言っていて、御廚子については隠すつもりだ。

 

この力は…‥この子達にも怖いだろうから。

 

「正確には違うけど…‥まぁそうだな。」

 

「それでも、安静にはさせるからね。」

 

「はい…‥」

 

「呪力って便利だねぇ…‥私達も使える?」

 

「…‥どうなんだろ?可能性は0じゃないと思うけど…‥俺も詳しく知ってるわけじゃないからなぁ…‥」

 

「…‥私はその力、嫌い。」

 

「え?」

 

「その力があるから、ユウジが無茶をする。それが使えたって私達と同じくらい頑丈になるわけじゃないのに…‥」

 

「…‥確かに。よく考えてみたら、今まで無茶してたのも全部この力のせいだもんね。」

 

(…‥なんか不味い空気になってきたぞ?)

 

「でも…‥これが、ユウジなんだよね。」

 

「うん。いっつも無茶ばっかりして私達を心配させるけど、それは全部私達のためを思った行動だもんね。」

 

「…‥サオリは私よりユウジと過ごした時間が長いから、その分多く心配を掛けさせられたんじゃない?」

 

「それに助けられてることの方が多いけど、気疲れはしたね…‥仕方ないことっていうのは分かってるけど、やっぱり心配しちゃうんだよね。」

 

「…‥なんかすみません。」

 

「別にいいよ、もう慣れてきたから。」

 

(…‥私がもっと、強くなればいいんだ。そうすれば、ユウジも無茶しなくできるし、ミサキのことも守れる。)

 

「…‥これ以上話すのは、家に帰ってからにしない?もうそろそろあの人達も目が覚めて追って来るかもしれないし…‥」

 

「そうだな。多少は離れたけど、直ぐに帰った方が安全だ。…‥よし、走るぞ!」

 

「えっ!?ちょ、ちょっと待って!」

 

「…‥ミサキ、やっぱり担ぐか?」

 

「…‥馬鹿にしないで、これでも体は動かせる!」

 

「おっ、元気になったな!その調子だぞ!」

 

「ユウジもミサキも速いなぁ…‥よし!私も全力で!」

 

「サオリも頑張れよ~!皆で家まで競争だ!」

 

(…‥今日は大切なことを知れた。今まで分からなかったこの世界について、ここが本質的にはどういう場所なのかについて…‥そして、銃が日常にあるということも。)

 

「…‥今までの修行じゃ足りない。もっと、強くならないと。」

 

今日の出来事を思い返し、新たな決意を固めながら、自分達の家に向かって足を動かすのだった。




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