俺だって異世界迷宮でハーレムしたい!   作:おるどばれい

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転移十日目


32 ベリル西迷宮2

 小走りで通路を移動しつつ、コボルトは見つけ次第ファイヤーボール一発で確殺。ドロップを拾ってさらに移動。一階層のコボルトは人気がないらしく、他の迷宮探索者と出会うこともなく二十回ほどの戦闘を経て、ようやくボス部屋を見つけた。

 

「お疲れ、なんとか早めにボス部屋が見つかってよかった」

 

 腕時計を見ると九時半、宿を出たのが九時ちょっと前くらいだったから三十分ちょっと。戦闘時間がほぼゼロでほとんどボス部屋探しをしていてこの時間。普通ならボス部屋を探すのに数日かかることもあることを考えれば悪くない。今回はドロップ集めもしたかったからもう少しかかったとしても別にいいけど、次の階層に用事があるなら入口から案内してもらった方が時間効率はいいんだろうな。

 

 ただ階層に案内してもらうために支払う銀貨を考えるとそう何度も案内を頼むのはもったいない。それならやっぱり地図があるクラタールでの探索だな。家からの距離は『ワープ』さんの前では関係ないけどね。

 

「コボルトのボスはコボルトケンプファーですが、コボルトのボスなのであまり強くないという話です」

 

 扉の前で息を整えていたらセリナがボスについて説明してくれる。俺も知っている情報ではあるが、きっと階層の情報を調べた時に合わせて確認してくれていたんだろうと思うと前向きに頑張ってくれているのが分かって嬉しい。

 

「了解、サクッと倒して何回か周回して砂糖を集めたら二階層で毒針集めに入ろう」

「わかりました。特に作戦はなくても大丈夫だと思います」

 

 セリナの言葉に従い細かい打ち合わせはせずにボス部屋に入るとコボルトケンプファーが現れ、剣を振りかぶって走ってくるが……

 

「お、遅いです」

 

 ファンナにすら言われる始末。本当にあっさりと双子にボコされ、俺の魔法でとどめを刺されコボルトスクロースを残して消えた。まあ、こんなものか。原作でも屈指の弱さを誇っていたコボルト種だからな。もっと上の階層で出てくればもう少し手応えがあるのだろうが、一階層だし。

 

「とりあず二階層に行ってからボス部屋前に戻る。入る前に近くに人はいなかったよな」

「は、はい。私の聞こえる範囲にはですけど」

 

 ファンナの可聴領域は俺たちより広いとはいえ、頼れるレベルじゃない。だけど、この階層の人気の無さを考えれば問題ないだろう。

 

 という訳でもはや作業と化した砂糖集めを五回ほど繰り返して二階層への探索へと移る。その間、一階層のボス部屋に訪れる人はいなかった。まあ、コボルトの結晶なしでのスキル付与が主流みたいだし、危険は少ないかも知れないがここでは採算が合わない。

 

 それは二階層でも同じで半分はコボルト。しかもここには毒持ちのニートアントが出て危険度が跳ね上がる。そのくせニートアントが落とす毒針も高く売れるものではないから結局ここでも人は少なそうだ。

 

「ご、ご主人様来ます」

「ニートアントは俺が水魔法で倒すから無理に近づくな。近づいてきたらファンナが槍で牽制してセリナは確実に反撃を受けないタイミングの時だけ攻撃。コボルトは無視していい」

「はい!」

 

 どうせコボルトはウォーターストームを使えば巻き込んで倒せる。だったらニートアントだけに集中して毒を受けないように注意したほうがいい。一応各自で毒消し丸を持ってはいるし、口移しでの投薬はシチュエーションとしては悪くないが、毒状態はかなり辛そうな描写だったから受けないようにしたい。

 

 そして出てきたのはニートアントが二体。最初の対戦としては一番いやな組み合わせだが、二階層ならボーナス頭装備で魔法底上げした俺の魔法で弱点の水属性攻撃をすれば一発か二発で倒せるはず。

 

 姿を見せたニートアントにウォーターストームを放ち、様子を見るが一発では沈まなかったらしく意外と素早い動きで距離を詰めてくるニートアント。だが、次発が撃てるようになるまでに距離を詰め切るまでではなさそうなので再度ウォーターストーム。あっさりと毒針を残して消えた。

 

「問題なさそうだな。じゃあドロップ集めながらボス部屋を探していこう。途中で毒針が集まったらコボルトに使ってみようと思う」

「問題ないのはユータ様が凄いからです」

「うんうん、ご主人様強いです」

「まあ、二階層だしな。多分俺たちの適正階層はもっと上の方だと思うし、引っ越しが終わった後にでもどの迷宮に入るかを検討しなくちゃな」

 

 双子たちと意思の確認を済ませると二階層の探索を進めていく。魔法はニートアントがいる場合だけ使うことにして、コボルトだけの時はなるべく武器で戦う。そのくらいのペースならあえてMP回復対策を取らなくてもMP回復速度五倍と消費MPが釣り合う。

 

 それに魔法だけで戦闘を片付けないことで双子の戦闘機会も増えて、どこかぎこちない動きが残っていたファンナの動きもだんだん良くなっているし、元から良かった二人の連携にも磨きがかかってきている。相手がコボルトではあるが魔物を倒したという事実の積み重ねが二人の自信になってくれているらしい。

 

 そんななか、ボス部屋を探しつつ戦闘を繰り返して毒針がある程度集まったところで、《暗殺者》取得のための毒針攻撃を試したところ俺が五本目を投げたところで成功し、双子は二人がかりで毒針を投げて、ファンナの七本目が成功したことで二人とも条件を満たした。

 

 コボルトが毒化したのはよく見たら色の変化で判断できたが、それよりもファンナがコボルトの呼吸音が変わったことを指摘してくれた。原作の猫娘ほどの精度はやはり期待できないが、呼吸が分かりやすいタイプの魔物相手なら状態異常の判断も出来そうだ。

 

 《暗殺者》の条件を満たしたところでジョブの確認をしてみたところ、いつの間にか《戦士》がレベル三十に到達していたようでジョブが三つも増えていた。

 

騎士 Lv1

効果 体力小上昇 知力微上昇 精神微上昇

スキル 防御 任命 インテリジェンスカード操作

 

賞金稼ぎ Lv1

効果 器用小上昇 腕力微上昇 MP微上昇

スキル 生死不問

 

暗殺者 Lv1

効果 知力小上昇 精神小上昇

スキル 状態異常確率アップ 状態異常耐性アップ

 

 《探索者》もレベルは三十になっていたが、《武器商人》とかを取得できていないのでこの辺りは書籍版準拠で《商人》のレベルも必要だと思われる。できれば早いうちに《遊び人》まで取得したいことを考えると、次は《商人》のレベルを上げて各種商人系ジョブの取得と《博徒》の条件を満たすために《盗賊》を上げていきたいところ。そうなると結晶化促進を諦めてジョブをシックスジョブまで上げた方がいいか。

 

キャラクター再設定1 詠唱省略3 鑑定1 MP回復速度三倍7

シックスジョブ31 獲得経験値二十倍63 必要経験値五分の一15

頭装備三7   合計128

 

長谷 悠太 男 18歳

探索者Lv30 英雄Lv26 魔法使いLv30 僧侶Lv30

盗賊Lv7 商人Lv1

装備 ロッド 三叉束髪紫金冠 硬革の鎧 硬革のグローブ 硬革の靴

 

 こんな感じか。戦士が外れて防御面は低下したけど商人に知力小上昇が付いていて魔法の威力が上がることで戦闘時間が減って被弾する機会を減らせるだろうから問題ない。本当なら僧侶は神官に変えておきたいところだけど、滝を探さないとだし三人パーティで低階層なら範囲回復はそこまで必要じゃないからおいおいか。

 

「ど、どうかしましたか、ご主人様」

「ん? あ、あぁ、ジョブのレベルが上がった関係でちょっと調整をしていたんだ。無事に《暗殺者》の条件も満たせたみたいだ。二人ともありがとう」

「いえ、たいしたことをしたわけではありませんから。このあとは予定通り上を目指しますか?」

 

 ジョブを変えたりしていて動きが止まっていたのを待っていてくれたらしい二人の頭をぽんぽんしながらセリナの言葉を検討する。当初の予定ではジョブ条件を達成したら四階層を目指して皮を集める予定だった。二階層は大分探索が進んでいるからもうすぐボス部屋が見つかる気がするが。

 

「今の時間は?」

「え、えっと……十時三十分? くらいです」

 

 ファンナがポーチに付けた腕時計を確認してくれた時間は十時半。午後には家具の搬入に備えて家に行って掃除なんかをしておきたい。次の階層はコラーゲンコーラルか……ゼラチンもいくつか持っておきたいな。

 

「よし、このまま二階層のボス部屋を探そう。三階層も戦いながらボス部屋を探すが、探索は十二時までにする。四階層まで行けなくても皮は確かクラタールの低層にミノが出てくる迷宮があったよな」

「はい、確かクラタールの北迷宮が一階層で、西迷宮が三階層でした」

 

 しっかりと情報を覚えてくれているセリナがすぐに回答を返してくれる。素晴らしい。

 

「そっちなら地図を買えるから階層を上げるのも楽だな。明日からはそっちを探索しよう」

「は、はい。頑張ります」

「じゃああと一時間くらい気を抜かずに行こう」

「「はい」」

 

 今の俺たちのレベルならこの階層での戦いはマージン取りすぎくらいなので、危なげなくこの後の探索も進み、三十分くらいでボス部屋を見つける。

 

「ボスのハントアントはニートアントが大きくなった感じのボスらしい。気を付けることはニートアントと変わらない。相手の攻撃は牙も爪も絶対に受けないこと。毒を受けた場合はすぐに誰かが毒消し丸を飲ませること。この二つだ」

 

 俺的には問題なく倒せると考えているが、さすがにボス戦ともなると緊張するのか二人は神妙な面持ちで頷く。

 

「大丈夫、この辺の敵に苦戦するような俺たちじゃないよ。さっきまでと同じようにやろう」

 

 努めて明るく軽くそう言ってボス部屋に入ると、部屋の奥にハントアントが出現する。

 

 うわぁ、ニートアントでも大きな虫は気持ち悪いのに更に大きくなると怖いわぁ。と言ってもやるしかないんだけどね。

 

「魔法を使っていく。射線に気を付けて横から頼む」

「わかりました」

「は、はい!」

 

 俺の後ろから入ってきていた二人が俺の声かけにしっかりとした返事をして左右に駆け出していくと同時に一発目のウォータボールをハントアントに叩き込む。ハントアントはキシキシと顎剣を軋ませつつ俺に向かって近づいてくるが、左に回ったファンナが槍で突くとその動きを止め、ファンナに威嚇行動を取り始める。

 

 そして、それを見たセリナが後ろから近づきハントアントの腹部に鋼鉄の剣を振り下ろす。おお、相変わらずのパワーだ。あれ一発で腹部が潰れないのが不思議で仕方がない。

 

「ありんこ! こっちだ! ウォーターボール!」

 

 双子の攻撃に激怒したのか突撃態勢に入ったハントアントに更に魔法を当てる。こうなればもう完全に型に嵌ったと言える。ハントアントは結局誰かに攻撃を加えようとする度にそれ以外の二人から攻撃を食らうことを続け静かに煙へと変わっていった。

 

「おし、お疲れ様。危なげなかったね」

「は、はい。私でもこんなに戦えるようになっていたんですね」

「そりゃそうだ、もう二人とも《鍛冶師》のレベルは十になっているしね」

「え? もうですか」

 

 ファンナの感想もセリナの驚きも当然だろう。二人は俺の獲得経験値二十倍に加えて双子の重複経験値でさらに二倍で成長している。

 

「今、二人は普通の人の四十倍で成長しているからね」

 

 え? セリナのジト目はいまさらじゃないかな。ちゃんと説明したよね? え、してなかった? そりゃすまん。そういえばボーナスポイント云々については説明していなかったか。

 

「えっと……その点については後でな」

 

 諦めたような溜息をついたセリナの肩を励ますように叩くと三階層へと抜ける。ちなみにドロップは蟻酸だった。何に使うのかは知らないがうちでは使わなそうなので売却予定ということにして周回もなし。

 

 そのまま三階層の探索を進めてコラーゲンコーラルもそれなりの数を倒せたのでゼラチンも確保。ただ、さすがに十二時までに四階層までは到達できなかったので皮での鍛冶は明日以降に持ち越しだな。それに今日はスキル結晶融合をお願いするつもりだし、そっちに集中してもらうという意味ではちょうどよかったかも。

 

「よし、今日の探索は終わりにして、新居の掃除と家具の受け入れのためにクラタールに行こう」

 

 二人は嬉しそうな表情で顔を見合わせると二人同時に元気な返事をしてくれた。

 

 

 

 

 

次のメンバーはどんな人?

  • メイラ 索敵 長身細見長髪クール美女
  • シェリア 索敵 細見陽気軽妙元気少女
  • ロシー タンク 大柄繊細暢気愛され系
  • トモエ 後衛 色白獣耳獣尾クール美女
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