俺だって異世界迷宮でハーレムしたい!   作:おるどばれい

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転移十日目


35 搬入と半入

 三人で出迎えた家具屋の店員たちを『鑑定』したところ《村人》《探索者》《戦士》《商人》のジョブだった。家の中は遮蔽セメント製だから大丈夫だろうとは思うけど、とはいえ『ワープ』のような例外も考えると中には入れたくない。

 ていうか土足禁止だし、靴脱がせてもちょっと汚足(おあし)が気になる。となると、搬入は自分たちでやるしかない。

 

 荷車はベッドで一台、ダイニングテーブルとチェストで一台、食器棚と箪笥で一台、ソファー二つで一台、後は椅子とローテーブルで一台だ。

 

 ちょっと待たせてしまうのは申し訳ないが、大きい物から降ろしていって空いた荷車から帰ってもらうことにする。

 

 最初はベッド。布団などを俺が運び、ベッドの骨組みを双子が軽々と持ち上げて二階へ運んでいく。マジですげぇ、ドワーフ族。

 

 ベッドを寝室に入れたら位置の微調整は後、すぐにダイニングテーブルを二人に運んでもらって、俺はチェストを二階へ。その後も食器棚や箪笥を双子が息の合った運搬でさくさくと運び入れ、俺は椅子やローテーブルなどの比較的軽い物をしこしこと運び入れていく。

 

「マジか、三十分もかかってない」

 

 自分たちで荷下ろしをしなくて済んだ上に思ったより早く終わったことを喜ぶ店員たちがホクホク顔で帰っていくのを見送って、ちょっと唖然。しかも搬入中に到着した水甕を運んできた運搬部隊からの物資もあっさりと風呂場に搬入してしまっての時間だ。

 

「お、お疲れ様でした。ご主人様」

「お、おう。ファンナもお疲れ」

「このまま家具の位置も決めちゃいませんか、ユータ様」

「そうだな、一階からやろうか。ていうか、二人ともその体格で凄い力だったな。戦闘とかで力があるのは知っていたけど、日常の中で見るとまた見え方が違って驚いたよ」

 

 俺が素直に驚嘆の意を示すと二人は顔を見合わせてくすくすと笑う。

 

「ド、ドワーフ族の中では私たちは普通でしたよ」

「あ、でも《鍛冶師》が二人のパーティーですから、その分の効果もあるかも知れません」

 

 あぁ、そうだった。今はダブル鍛冶師パーティーだから腕力中上昇が二つ、いや《英雄》があるから三つか。元々力持ちの種族に加えて中上昇が三つもあったら……ああなるか。もちろん俺にも同じだけ上昇がかかっているからこそ、三人掛けのソファーを一人で持ち運べたんだろうけど。ま、おかげで早く搬入できたし、後は位置調整だな。

 

「じゃあ、ダイニングテーブルはここだな。いや、キッチン台とはもう少し離そう。うん、そこでいい」

 

「椅子は均等に配置しておいて、食器棚はこっち側の壁に……そこだな。セリナ、買っておいた食器をひとまずしまっておいて」

 

「ソファーはこっちに向かい合うように置いて、間にローテーブルを……おぉ、いい感じ。ああ、これならソファーの区画には絨毯が欲しいな」

「絨毯は壁に掛けるのでは?」

 

 おっと、この世界ではそうだったか。でもせっかく土禁にしたんだからスリッパ代わりのサンダルを脱げる場所も欲しい。だからソファー回りとベッド周りには床に敷く絨毯を探したい。まあ、今はお金がないけど、オルトスがしっかり槍を売ってくれれば……あ、そういえばまだ融合してなかったわ。

 

「使い方はいろいろあっていいと思うよ。それに肌触りのいいのを敷けば裸足で乗ったときに気持ちいいと思うんだよね。今度、皇都で絨毯のお店を探していいのがないか見にいこう」

「は、裸足で……絨毯の上に? なんか凄そうです」

「ユータ様のいた国での風習ですか?」

「そうだねぇ、俺のいた国は家の中では土足厳禁で裸足とかスリッパっていうサンダルのようなもので過ごすのが当たり前だったから床の上に絨毯を敷くのは普通だったかな」

「そ、それならやってみたいです。絨毯、楽しみにしてます」

「私もやってみたいです」

「じゃあ、槍が売れたら絨毯を買いに行こうな。さ、後は二階だけだから落ち着く前に片付けてしまおう」

「「はい」」

 

 毎回、綺麗に揃う二人の返事を心地よく感じながら、さくっとベッドの位置を調節してベッドメーキング。そしてベッドの高さに合わせて買っておいた、上に物が置ける形のチェストをベッド脇に置けば全て搬入完了。ミッちゃんはここでベッドの使用感を確かめていたが……ここはぐっと我慢。転移してきてから十日、そろそろ日本出身者としては限界が近い。

 

「二人ともお疲れ様、これでいつでも引っ越しが出来る。けど、宿に帰る前にどうしてもやってみたいことがあるから、もう少し付き合ってくれ」

「もちろん、何でもおっしゃってください」

「ありがとう、じゃあ一階に移動しよう」

 

 二人を連れて一階に戻ると向かったのはもちろんお風呂場。さすがにもう頭からお湯をかぶりたくてしょうがない。一応濡れタオルとかで頭をごしごししてもらったりはしていたが、そうじゃないんだ! がっつりとまではいかなくともお湯に浸かりたいんです。

 

「お風呂を入れる」

 

 脱衣所ですべての防具を外し、サンダルも脱いで風呂場に入った俺は宣言した。

 

「お風呂を入れるとはどういう意味でしょう?」

 

 しかし、意味は通じなかった……

 そっか、湯船に浸かるなんてしたことない人に日本語的にお風呂を入れるとか言っても通じない。正確に、お風呂に入るため、ここにお湯を溜める、と言わないとな。

 

「そうなんですね、それで私たちは何を手伝えばいいでしょうか」

「へ? あ、えっと……応援?」

 

 セリナはお風呂を入れるという言葉の意味はすぐに理解してくれた。だけど、よく考えてみたら水甕を経由せずに直接浴槽の中にウォーターウォールを出せば手伝いはいらなかったかも知れない。実際に手伝ってもらうとすれば、MPが切れそうになったら迷宮に行くのを手伝ってもらうことになるか。でもそれも面倒くさいな。

 

「は、はい! 頑張ってくださいご主人様」

 

 うん、ファンナはいい子だ。

 

 さてやるか。今日のところはある程度の湯量で我慢する。宿の食事の時間もあるしのんびりしていられないからな。

 

 そこで面倒くさいを解消するための悪あがき、まずロッドとボーナス頭装備五を装備し、そしてMP回復速度二十倍をセット。ジョブをシックススジョブにして《魔法使い》、《英雄》、《商人》、《僧侶》、《薬草採取士》、《騎士》をセットする。ファーストジョブは《魔法使い》のレベルが《探索者》に追いついていたので《魔法使い》で大丈夫。もちろんアイテムボックスの中身は脱衣所に山になっているが今は知らん。これで、《魔法使い》のMP微上昇、《英雄》の知力とMPの中上昇、《商人》の知力小上昇、《僧侶》のMP微上昇、《薬草採取士》の知力小上昇、そして《騎士》の知力微上昇が発動する。更に双子のジョブを《僧侶》に変更。

 

 知力とMPを盛り盛りにして、さらにボーナス頭装備五!

 

ロスタム

知力上昇二倍  使用MP減少(中)  魔法効果増(中)  魔法耐性無視  ディレイ時間短縮

 

 これが現状、もっとも風呂汲みに適したセットリスト。これで一番小さく区切った浴槽にある程度までお湯を溜めてやるぜ。

 

 いっけぇ! ウォーターウォール!

 

 おぉ、なんだかいつもより大きい気がする。大きいということは水量が増えて、水量が増えれば魔法を使う回数も減る。それに小さく区切った浴槽は一般ご家庭の浴槽の二倍程度の広さ。効果時間の終わったウォーターウォールが浴槽内に落下すると一センチメートルほど水が溜まっている。

 

 ということは、五十回使えば五十センチメートル溜まるってことか。MP盛ったうえに使用MP減少(中)。そしてMP回復速度二十倍も付いていることだし、これなら勝つる!

 

 ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール、ウォーターウォール……

 

 いや、これマジでいけるかも。レベル的には原作ミッちゃんが初めて風呂を入れた時とほぼ同じだが、浴槽が原作の大たらいよりも容積が小さいことと、魔法特化の構成に極振りしたのが幸いしているかも知れない。さすがは経験者の設計だ。

 

 あとは、頑張って魔法を撃っている俺をファンナが応援しつつ、汗を拭いたり肩を揉んだりしてくれているのも効果的か? セリナは《僧侶》に変更していることを伝えたら、面白がってちょこちょこ俺に『手当て』をかけて遊んでいる。まあ、怪我はしてないんだが、気分的に癒されている感じはするから別にいいけど。

 

 そして水さえ溜めてしまえば、あとは浴槽の真ん中にファイヤーウォールを立てれば……おお、凄い。壁に接しているところは明らかにボコボコしているし、少し湯気も出ている。まだ周りの温度が低いからか激しく蒸発するようなことはないな。

 

 火壁が消えてから湯船に手を入れてかき回すが明らかにちょっとだけ温まっている。今の時期ならぬるめでも問題ないが、思ったより火力があるみたいだし今日はしっかりと温度を上げてしまおう。

 

 結局、十回程度ファイヤーウォールを立てたら十分な湯温が確保できた。魔法は想像以上に高火力だったらしい。さあ、あとは入浴するだけだ。残念ながら石鹸はまだ作ってないけど、心置きなくお湯を使えるだけで全然違う。

 

「待たせたな、二人とも。一回脱衣所に戻って服を脱いでいてくれ。俺は一度宿の部屋に跳んで荷物を持ってくる」

「あ、はい。私たちも入っていいのですか?」

「当たり前だ、むしろ一緒に入らないなんて選択肢は特殊な事情がない限りないぞ。じゃあ行ってくる」

 

 さも当然のようにセリナの意見を却下して、反論される前に『ワープ』を設定しなおして宿の部屋に跳ぶ。目的はタオルと着替えだが、持ってきた荷物のほとんどは家に運んでしまっていいだろう。ランプを一つ残しておけば十分? ていうかもう食事の時だけ戻って、寝るのはこっちでいい気もする。まあ『ワープ』があればどうとでもなるから後で考えよう。

 

 さくっと荷物を持って脱衣所に戻ると、服を脱ぎ終わったばかりの二人が、俺が戻ってきたことに気が付いて胸とあそこを手で隠していた。何度か体を重ねたとはいえ、まだ恥じらってくれるのはいいね。

 

「待たせたな、先に入って小さい桶にお湯を汲んでこのタオルを濡らしておいてくれ。俺も脱いだらすぐにいく」

「は、はい」

 

 ファンナが返事をして手を伸ばすが、眼鏡を外してしまっているからちょっと位置がずれている。俺はさりげなくファンナの手を取るとタオルを握らせてあげる。

 

「じゃあ、行こう。姉さん」

「う、うん。じゃあ待ってますね、ご主人様」

「おう」

 

 待っていると言われちゃあ待たすわけにはいかない。ささっと脱いで……あぁ、脱いだ物とかを入れる脱衣籠とか、着替えとかを置くための棚が必要か、これも後だな。

脱いだ服をちゃんと畳んで隅に置いてある二人はさすがだね。俺は我慢できないから脱ぎっぱなしにしちゃうけど。

 

「待たせた。じゃあ、ささっと体を流して湯船に入ろう」

「え、っと、はい?」

「まずはお湯を汲んだらざばっと体にかけるんだ、こうだ」

 

 俺は桶に汲んであったお湯を肩から掛ける。うあぁ、気持ちいぃ~。

 

「ほら、二人にも掛けてやる」

 

 贅沢なお湯の使い方に呆気に取られている二人に、湯船に入れてお湯を汲みなおした桶でお湯を掛けてやる。

 

「きゃ! あ……あったかい」

「き、気持ちいいですご主人様」

「そうだろう、そうだろう。というか、今日は体を拭くのは中でいいか」

 

 一応かけ湯はしたし、どうせ俺たちだけしか使わないお湯で、終わったら抜いてしまうからな。十日ぶりの風呂になんだかドキドキしながら足を入れ、ゆっくりと腰を下ろしていく。湯量は膝上くらいまでしか入れていないから半身浴状態だが、広さはあるので寝転がるように足を伸ばせばなんとか肩まで浸かれる。

 

「く、はぁぁぁ……最高だ」

 

 全身から染み渡ってくるお湯からの温度に異世界に来てから凝り固まっていたものが溶け出していくようだ。

 

「あっ、と。二人も俺の隣に入っておいで」

「は、はい」

「わかりました」

 

 俺の様子を見ていた二人が、ちょっとその目を好奇心に輝かせながらゆっくりと湯船に入ってくる。浴槽を跨ぐ姿が大変眼福。二人して俺に背を向けているから両側に可愛いお尻がぷりんとしている。ぜひ次回は逆向きでお願いしたい。

 

 そして、ゆっくりと浴槽に入った二人はおずおずと俺の隣に座って胸を押し付けるように両サイドから抱き着いてくる。

 

「あ……うぅん、こ、これは……」

「ご、ご主人様……はぁ、あん、これ、凄いです」

 

 こらこら胸を押し付けつつそんな声出したら、半デュランダルで耐えていた俺の子デュランダルが完全覚醒してしまうじゃないか。でも今は我慢、我慢。今はこの入浴を満喫する時間だ。

 

 しばし、三人で蕩けていると俺のデュランダルに気がついたセリナが、どうしますか?と目で問いかけてくるが、血を吐く思いでステイを指示。

 

「先に髪を洗おう。いずれ石鹸を作るつもりだけど、今は揉み洗いするだけでもいい。その後に体も拭いてしまおう。そうしたら宿でお湯を買う必要もないしな」

「そうですね、ではユータ様からやりましょう。姉さん、そこに寄りかかって足を伸ばして座って」

「え? こ、こう? セリちゃん」

「そうそう、ユータ様。姉さんの腿の上に肩を乗せる感じでいいですか?」

「なるほど、じゃあよろしく頼む」

 

 ファンナの太ももに肩を乗せて仰向けに寝れば、ファンナがちょっと微調整してくれれば首から上をちょうど水面くらいに持ってこれる。

 

「では、失礼します」

 

 頭の上側に移動したセリナが髪に何度もお湯を掛けて、俺の頭を揉みながら髪を洗ってくれる。あぁ、気持ちいい。しかも目を開ければ、ファンナの大きな双子山の裏側が見える。思わず空いている手で揉みっとしてしまう。

 

「あん! あ、あのご、ご主人様……力抜けちゃうとお顔が沈んじゃいますので」

 

 おっとそうだった。

 じゃあ交代したら俺の太ももを二人に貸してやろう。そうすれば髪を洗っている間は揉み放題だ。

 

 

 

 ……実に楽しいひと時だった。

 

 

 揉み放題作戦はいいアイデアだったのだが、位置関係的に俺のデュランダルが二人の顔や頭に……結局我慢できずに二人と開戦してしまって、危うく夕食を食べ損ねるところだった。入浴おそるべしである。しかも脱衣所に散乱したアイテムボックスの中身について二人に結構ガチめに怒られた。

 

 そんなこともあったが、今日は入浴でリラックスしたのと、いろいろ運動した疲労もあってか、あっさりと宿のベッドで眠りに落ちた。

 




挿絵という訳ではないですが、間取り図を作成したのであくまでイメージ程度でご参考にしてください。途中不都合が出たら修正も入るかも知れません。

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