桃井タロウは楽園行き 作:トナカイ
バトル&バトルな回です。リッター・メフィストフェレスは一推しのリッターなんや、最近出番少ないのだけど……
今節は今回と、次回を交えて次節へ行くかと思います。なにとぞお付き合いいただけると幸いです。
「はーはっはっは!」
笑い声が響く。ゼノオーガ=ギガロスの鉄槌が、ドンモモタロウに下される。
と、同時に、電子鬼の鬼険爪もタロウを狙った。二つの攻撃は一点で交差し、金属音と同時に、石畳を砕く破砕音があたりに響く。
さしものドンモモタロウといえど、あの攻撃を受けて無事なわけがあるまい! ドンモモタロウが血で真っ赤に染まっている様子を確信し、ルドルフは口の端を吊り上げ__「あまァい!」
「ぐげっ⁉」
「グニャッ⁉」
「甘い、甘いぞ! こんな程度では俺を倒すことなどできんッ!」
爪をドンブラスターで、棍棒をザングラソードで受け止めた、ドンモモタロウの姿が煙の中から現れて。かと思った次の瞬間、タロウが剣をぐるんと振り上げ、棍棒をカチあげた。どころかソレごとゼノオーガの体を空中にあげ、あろうことか道路の向こう側までぶん投げたのだ。
あまりのことに、ルドルフは口をあんぐりと開けた。
一方の電子鬼もまた、驚いたまま固まっていて。それをタロウはじろりと睨むや。
「__
ザングラソードの刃側面がクリーンヒット! 平手打ちよりもずっと強い衝撃が電子鬼を襲う。しかしそれはまだ序の口。殴られたことを意識するよりも早く、タロウはどこからか取り出した扇子を開き、それでもって電子鬼の両頬を、叩いて、叩いて、叩いて、叩いた。
「懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰懲罰
都合十四回、ゲシュタルト崩壊待ったなしの懲罰ラッシュである。
叩いた末には蹴りが待っていた。ヤクザキックをもらい、電子鬼は吹っ飛んで家屋にぶつかる。
そのままぐったりと倒れて動かなくなった。
「お前を元に戻すのは後だ!」
恐ろしやドンモモタロウ、もはや一瞥をくれることもなく電子鬼のことを思考から外し、今度はゼノオーガのほうを見る。
すでに立ち上がっていた彼は、怒りの咆哮をあげた。
「クソ! 毎度毎度邪魔しやがって!」
「ほう? あんた、この間戦ったやつか! 縁があるな! だが、全く成長していないのはどういうわけだ!」
「んだとぉ……⁉」
「目測が悪いと教えただろう。あれからまっっったく成長していない! やはり十五点だ!」
「てんめぇぇえええ! 叩き潰してやるッ!!!!」
棍棒を振りかぶるや、ドンモモタロウめがけ跳躍。
振り下ろす。対するドンモモタロウはそれを回避しようと飛びのくが__しかし彼の体は動かなかった。
「何っ__⁉」
真横から、棍棒がクリーンヒット。ドンモモタロウは見事に吹っ飛んで、地面を転がった。
ダメージは少ないようだ。すぐさま体勢を立て直す。そして足を一度持ち上げてみようとした。動かなかった。
足が地面を離れないのだ。
そうしている間にも、ゼノオーガが走り迫り「影だ!」
「お前の影に、ゼノシャドウがいる!」
「ほう……なるほどな!」
シグルドの声を受けるや、タロウはドンブラバックルからギアを一つ取り出した。青いアルターのギアとは異なる、赤いギア。
いつもならタロウの絵柄が描かれているそれには、別の戦士の顔が描かれている。それを迷うことなくドンブラスターにセット。そして、一気にスクラッチギアを回す!『__イヨォ~!』
『__DONDONDON! ドンブラコォ~!』
「アバターチェンジッ!」
『ゴセイジャァ~!』
「フンッ!」
ドンブラスターを天高く掲げ、放つは銃弾一発。巨大な箱型の扉に、その弾丸がカギとなり、開いて現れるは赤いギア。それがドンモモタロウの体に降りて包み込む。彼の真っ赤な全身が、さらに真っ赤な姿に変わった。
天使のような翼が現れ、彼の体を白と赤の光で包み込む。
現れたるは、竜の仮面。竜の牙がマスクとなった、真っ赤な仮面だ。
黒い下半身を純白のスーツに染めたるその姿は、どこか神々しい美しさを伴っていた。胸に描かれた翼のごとき文様が、その姿を、天使のものだと物語っている。
桃井タロウは、ドンモモタロウからまた別の姿へ__新たなアバターにチェンジしたのだ!
『__ゴセイジャァ~! イヨッ、天装戦隊ッ!』
「アッ、嵐のスカイックゥ__パワァーッ!!」
歌舞伎のように見栄を切り、どこからともなく取り出すはモアイの如きテンソウダー。『ガッチャ!』と口を開けば、そこにカードを一枚セット。天に向けて、口を閉じれば!
『アウトブレイク! スカイック・パワー!』
ゼノオーガの攻撃が当たる寸前、ドンモモタロウだった戦士の体が風に変わった。棍棒は空振りタロウの影に隠れていたゼノシャドウの顔面にクリーンヒットする。「ぐへぇ⁉」
対するタロウは風の姿から元に戻り、ゼノオーガたちの背後に腕を組んで仁王立ち。またまたどこからか取り出した、というか何枚持ってるのかもわからないような、エンブレムのある扇子で風を仰ぎつつ笑っている。
「やはり甘いな! 奥の手というのはここぞという時まで取っておくものだ!」
「なん、なんだその姿は⁉」
「見ての通り__嵐のスカイックパワーだ!」
そんなことでわかるかこちとら知らないんだぞ! シグルドとルドルフの心境は、この時だけ完全一致した。
タロウは説明をしなかったが……しかし、知るものは知るだろう、この赤い竜の仮面の戦士を。
再びテンソウダーを操作し『サモン! スカイックソード!』と、赤い剣を呼び出したその姿を。
彼こそは三十四番目に数えられる、天使によって構成されたスーパー戦隊のリーダー。未熟ながらも類まれな戦闘センスと、持てる使命への責任、そして何物にも負けない勇気で、三つの悪ともう一つの正義に立ち向かったもの。
彼こそは天装戦隊ゴセイジャーの、ドラゴンヘッダーに選ばれし護星天使__ゴセイレッドである!
「はーはっはっは! どうしたどうしたどうしたァ!!」
スカイックソードとザングラソードを縦横無尽に振りかざし、敵を切って切って切りまくる。
凄まじい乱舞の前にもはや敵はなかった。
「今のうちか……!」
そんな彼の活躍を見ながら、シグルドは何とか立ち上がった。未だ胸は痛むが、回復薬のおかげか傷の方は少しずつ治りつつある。
「賢者、これ!」
イーシャが手渡したのは境界門だった。先ほどゼノシャドウの手の中にあったものだが、どうやら奴が、タロウの攻撃を受けた際に取り落としたらしい。
「ああ。ありがとう、イーシャ。……よし」
礼を言いつつそれを受けとり、深呼吸。再び、それに魔力を流していく。
「っ、させんぞ!」
電撃がルドルフの手のひらから迸った。空気を切り裂き、矢のようにシグルドに向かう稲妻……だが、そこに立ちはだかるは、主人のため刃を振るう淫魔と馬人。電撃は防がれ、そしてシグルドはその
「……宛転たる
境界門が、シグルドの手を離れ、クルクルと回転し輝き始める。彼女の周りの世界は歪み、再び放たれた稲妻をも空へと逸らしてみせた。
「そこにあってそこになく、何者でもあり何者でもない、界神ネメシスよ……絢爛の扉を開き、狂乱の波を鎮め、我が漆黒の天命に__喝采をもたらせッ!」
周り出す境界門が映し出すは、幾つもの世界の泡。
あらゆる
シグルドは伸ばした。自らの手を。この場所に、新たなる力を……新たなる友を呼び寄せるために。
「有り得ざる
伸ばし、掴んだ。アウローラたちの世界に向けて。
シグルドは見た。その、彼女の白い翼を。桃色に靡く、その麗しい髪を。引っ張る瞬間、脳裏によぎるはいくつもの情景。きっとそれは、彼女の__スラフニール女王の記憶なのだろう。
「汝、時と世界の狭間を揺蕩う者よ! 境界門ネメシスとの契約に基づき、我らを導く風となれッ!」
故にそう告げた。かつては無理だったとしても、今ならば。今この世界に来たるお前ならば……新たなる風を紡げるのだと。
その声に応えたのか、彼女は__
♢ ♢ ♢
シルヴェールは自らの銃を、エスティーカ・ロウと呼んだ。決意したレオーネの隣に立ち、この武器が如何なるものかをかいつまんで話した。
「えと、つまり……」
「うん」
「騎士団が来る前に、こいつを片付けちゃおう、ってこと?」
「そういうことさ」
エスティーカ・ロウを撃ち放ち、シルヴェールは続ける。敵の体にサーペントファングの牙が巻きつき、ギャリギャリと音を立て肉を食い破った。
「これ以上こいつに、街を破壊させるわけにはいかない。しかし騎士団はあくまで軍、手助けには時間がかかる。二つのことを考えないといけないっていうのは、戦う者の辛いところだ」
「でも、一人で大丈夫なわけ? ボクは変身できないしさ……君一人に任せることになってしまうかもしれないけど」
「そうはならない。君は彼がお墨付きをつけるくらいには強いのだしね」
だから大丈夫だと、シルヴェールは言った。
着地、近場の柱にレイピアを突き刺し、テコの要領とエデンズエナジーの力で吹っ飛ばす。回転した柱は、見事ヴァルカンワームの頭に突き刺さった。
「GAOOOOOMMMMM!?!?」
「__だったら、今だよ! シルヴェールッ!」
「ああ。切り札を切らせてもらおう」
そう告げ、彼女はエスティーカ・ロウの純白の銃身を__空に掲げた。
瞬間……
♢ ♢ ♢
「__広がれ、清き光よ」
「__呪われし瞳に宿るは、憎悪の魂」
空に広がる二つの光。お互いに食い合うことはない。
聖なる力と魔の力、お互いにお互いを敵と見る力同士……然れどその源は、神たるものが持つ正義の力なのだから。
それを二つの世界、それぞれで力を与えた神々は、わかっていたのだ。
混じり合い空は紫苑に染まり、果たしてそれまで日の落ちかけていたというのに、まるで朝焼けのように青白く輝く。
そして一度……天に稲光と、雷音が轟けば。
「厚き雲を貫きて、雷光よ……剣となれっ!」
「禍々しき血に込められしは、悪意の音色」
片や剣を手に、その全てを純白の翼に乗せる。
片や赤きヘテロクロミアを爛々と光らせ、背から湧き出た白腕に身を委ねる。神代の時、恐るべき百手巨人にも似た、無数の白い腕はしかし、翼のように蠢いて、レオーネも、シルヴェールも守ろうと、伸びゆく。
それは白き翼を持つロード・リッターとて同じこと。再度放たれたいく筋もの電光も、ドンモモタロウめがけ放たれたゼノオーガの棍棒さえも、まとめて吹いて飛ばす嵐の如き風の乙女。
二人は完成しようとする我が身に宿る、最後の祝詞を唱え上げる。
「剣は大樹となり、大樹は想いを抱く。しかし、なべて世に想いなからましかば……我が風と、光とが……始まりとすッ!」
「悔恨の炎に焼かれし鎖よ……諦観の風に腐りし枷よ……! 今こそ我が肉体を解き放てッ!」
「「エデンズフォース……」」
「「__オーバーロォォォオオオドッ!!!」」
二つの光は収縮し、二つの天使を形作る。
片や、六枚羽。夕日に照らされた雲のように薄紅に輝くその翼。青と白、そして力の源たる赤き結晶。
そのすべてを魔力の光によって輝かせ、リッターとしての装いたる純白のバトルドレスを身にまとう彼女は、エメラルド色の瞳を見開き、全てを見据えた。
「__鼓動を、感じます。あの方の、息吹の鼓動を……!」
指揮棒のようなその剣を引き抜く。風と雷のほとばしる、魔力の籠るその刃は、彼女に力をもたらせし
「ありがとうございます、賢者様……
頷き返す。新たなるエデンズリッターは、それに笑みを浮かべ、背を向けた。
「てめぇ……新手のリッターか! なにもんだァ!!」
そして目の前の邪悪に__ジロリと自らに目を向けたゼノオーガに、芯の通った声と言葉でもって、告げるのだ!
「私は、セレナ……ただのセレナ。もはや王でもない一人の民草……しかしこの身に宿るのは、王としての力、民を導く風の息吹ッ! 我が名は、リッター・ロード・イブリースッ!! この世界を蝕む邪悪の炎は……我が風をもって消し去りましょう!!」
__そして、
リッター・イブリースの誕生を肌で感じながら……レオーネは、彼女を見ていた。
イブリース、セレナ・スラフニールの聖なる魔力を感じながら、その闇のような、光のような力をすぐそばで感じるのは……あまりにも不思議な感覚で。
しかし、なぜだか、悪くはないと思えた。
目の前で、シルヴェールは大地に刃を突き立て、エスティーカ・ロウの銃身を撫でている。
彼女の背から伸び、羽のようにはためき、そしてその肢体を抱きしめる白い腕が、共に銃身をつかんだ。それはまるで、母が幼子に料理の手ほどきをするかのような、優しい手つきで。
レオーネは直感的に、その腕が彼女の__シルヴェールの母のそれなのだと、そう感じた。
「真白きカイナよ__翼となりて我を守護せよッ! 私は、シルヴェール……
エデンズリッター・ロード・メフィストフェレスッ!!」
宣言とともに放たれた魔力に、大気が震えた。
そのあまりの強さに、ヴァルカンワームも震えて唸る。
その様子を見てなのか、それとも沈みゆく太陽の存在を知ってか……
「ああ__いいね。いい、月夜が来るよ」
真っ赤に染まったその瞳を……ヴァルカンワームへと向けた。
「このまま狂ってしまうほどの、ね__」
♢ ♢ ♢
「さぁ、激しく踊りましょうっ!」
風が唸る。細身の刀身からは考えられないほどの剣圧が嵐のようにほとばしり、ゼノオーガの体を幾度も切り裂いた。
ゼノオーガは咆哮を上げ、その攻撃に耐え抜くや、棍棒を振り下ろす。セレナの細腕では、いかにリッターとなっているといえど、受けきれないほどの猛撃である。だが、セレナは一歩も引くことなくその攻撃を見据え__
「おおおらああああぁぁぁっ!!!!」
ガッ___イイィィィンッ!!
「ッ……なっ⁉」
「少々……手荒な踊りですね? もう少し、相手を顧みたほうが良いのでは?」
攻撃は、アーロンの刃に受け止められていた。なぜ受け止められた⁉ と驚きのままに見れば、その刀身に輝けるエデンズエナジーの輝きが見える。それは風のように渦巻いていて、その回転を一気に加速させるや、こん棒を空の彼方へと飛ばして見せた。
これぞ魔法国家スラフニール国王の神業__あらゆる武器を轟剣と変える、
「今です、イーシャ!」
「まっかせて!」
声と同時に一瞬で接敵。自らの武器を吹き飛ばされ、無防備なゼノオーガにイーシャが迫る。
ケンタウロスの膂力と、セレナの掲げた魔叡剣の輝きを宿したイーシャの長槍は、流星のごとく、ゼノオーガを貫いた!
「コメットォ__シュゥーートッ!!!!」
「グガッ……ガガ、ガアァッ!?」
まさしく、乾坤一擲の一撃! ゼノオーガの体がバウンドし、吹き飛んだ。
セレナは「よくやりました」とうなづくや、アーロンを天空に掲げる。その切っ先にエナジーがほとばしり、渦を巻き始めたのを、立ち上がったゼノオーガは確かに見た。その威力が自分にとって絶望的なものであるとも理解した。
「く、くそっ……おい! ルドルフッ! 俺を助けろ、助けやがれェッ!!」
吠える。ゼノシャドウさえいれば、ゼノオーガとて逃走は容易。早く自分を逃がせと、ただ生き残りたいがために叫ぶ。
だが、その言葉は届かなかった。彼の醜態をもはや笑うこともなく見据え、ルドルフはゼノシャドウに指示を出していたのだ。
「ふん……所詮は爵位を剥奪された落ち目の魔物。この程度だったか」
そう言い残し、彼はゼノシャドウとともに消えた。
それを端の目で見て、ゼノオーガ=ギガロスは自分が切り捨てられたことにようやく気が付いた。
「そ、そんな……くそ、くそくそくそォ! チキッショオオめがアアアッ!!!!!」
そんな哀れな敵を見据え。
果たしてセレナは、手を抜くこともなく。天に掲げた大渦を、ゼノオーガに向けた。
「世に華の満ちしこと__これ幸いなるかな。暴れ唸る荒神の化身がごとく、いま……天に咲き誇れ!」
意識を割かれ、もはや吠えて暴れるしか能のないゼノオーガに、その風の刃が一気に食い込んだ!
「__アーク・ヴォーテックスッ!!!」
ゼノオーガはもはや悲鳴すら上げられず、体をバラバラに切り刻まれてゆく。
火山の噴火のごとく轟く風の魔力の大爆発。
「う、ぎいいいいああああああああッッッ!?!?」
それが、戦いの場の一角を包み込んだ時__ゼノオーガはもはや、その存在をこの世から消していた。
それを見て、息を吐き、地に降りて。
セレナは、この世界で掴んだ最初の一勝を……その
「私たちの……勝ち、ですね!」
♢ ♢ ♢
「GAAAAOOOOOMMMMM!!!!」
山のごとき炎の大蛇は、恐れを抱きながらも勇敢であった。もちろん奴は渦虫であり、そのような思考回路は持ち合わせていない劣等の魔族である。だが、それでも、目の前に佇む圧倒的に
だが、それが蛮勇なのも……また、明らかであった。
「GAOOOO……GA!?」
その、人一人など瞬く間に飲み込むことのできるような大口が、シルヴェールの目の前で止まって動かない。
彼女の背から生えた純白の腕たちが、蠢きながらその突進を止めているのだ。シルヴェールが何か指示を出すこともなく、自動で動くらしいそれらは、幾つかで手のひらを重ねるや、エデンズエナジーのこもった一撃を繰り出す。
それは、敵の巨体をも転がすほどの、掌底であった。
吹き飛びのけぞった敵を見たのち、シルヴェールは背後を振り返り、叫んだ。
「レオーネ! 合わせてくれる?」
「わ、分かった! 任せてよッ!」
傍に並び立ち、構える。レイピアに、エデンズエナジーの輝きを収束する。
凄まじい勢いで渦を巻く輝き。未だ変身体への覚醒に至らずとも、芯の強さを胸に秘めたレオーネの魂が宿ったかのように、レイピアは天に輝いた。
そしてまた、その隣で。レイピアの光と交わりながら、輝くのは……エスティーカ・ロウの銃身。サーペントファングだった剣__今や、エンディーカ・ロウと呼ばれるようになった彼の剣には、闇のようなエネルギーが宿る。
果たしてどちらもエデンズエナジーの輝き。
もはやそれを見て、戦う気力が失せてしまったのか。
ヴァルカンワームは踵を返し、何とか逃げようと巨体をうごめかせる。だが、二人の光は、それよりも早く放たれる!
「貫けッ!! ジャスティィス__ペネトレェーーーションッ!!!」
レイピアから放たれる極光。
「いざ、輝ける蝕へと誘わんッ! ルミナァーーースッ! エクリプスッ!!!」
二つの光、それすらも飲み込む膨大な闇。
同時に放たれたそれらは必滅の一撃となり、ヴァルカンワームを飲み込んだ。
「GIGIGIGIGAAAAAAAOOOOO!?!?!?」
二つの力が引き起こした恐るべき破壊は、ヴァルカンワーム以外のすべてを残し、爆ぜて消え去る。
もはや戦いの後以外、奴の痕跡は残っていない。
二人は、隣の友人と。
「やったね、シルヴェール」
「ああ。ありがとう、レオーネ」
コン、と、手を合わせるのだった。
♢ ♢ ♢
「
ブブブブーーーン!!!
『パァリィタァイムッ!!! スーパー!
「さあ、祭り収めだッ!!!」
ドンブラスター、ザングラソード。交差しあった二つの武器のはざまで、響き渡る高らかな音色。
立ち上がった電子鬼は、その刃を見て取り、本能的に理解した。
その刃を受ければ、自分という存在が問答無用に断ち切られ、消えてしまうことを。
「ニャッ……ニャアアアッ⁉」
だからこそ逃げた。捕まってたまるかと、踵を返して逃げ出した。
だがそれを逃がすドンモモタロウではない。
浄化の光が収束しつつあるザングラソードを逆手にもち、跳躍。背にはためく護星天使の翼は、リッター・イブリースの力で吹き荒れた風に乗り、一瞬にして電子鬼へと迫る。
「一代桃達……」
『必殺奥義ィ__』
集まったレインボーフラッシュが今、世界を覆いつくすように今__解放される!
「センタイ斬ッ!!!」
そうして噴き出た七色の波が、大地でうねるや、電子鬼を瞬く間に切り裂いた!!
『__レジェ!
ンドッ!
斬ッ__!』
「トラノコモ、ダセズ、ジマイニャアアアアアアッ!?!?!?!?」
ドッ__ガアアアアアアンッッ!!!!
天までも届く、大爆発!
電子鬼の中にいたミャーマーオはばったりと倒れ、目を回していた。
それを見届け、天に昇った月を見る。
腰に手を当て呵々大笑。響き渡るは笑い声。
見栄を切っては高笑い……
「はぁーはっはっはァ! あっ、大勝利ィ!!」
そうして見上げた空には……満点の白星が輝いていた。
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・きょうかいもんが ひかりかがやく!
・シグルドは セレナ・スラフニールをくりだした!
・セレナの つばさが おおしくはためく!
*コマンド*
たたかう
とつけんじゅつ
せいれいまほう
まもる
せいひつのちから ←