金欠系派遣死神ハルヒコくんと見える子ちゃん   作:SUN'S

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久しぶりに本棚のりんねくんを読み、どうしても書きたくなりました。


雨の中の外回り派遣業務です。

とある日の放課後。

 

私は突然の雨に襲われ、スカートの裾を絞り水気を払いながら次のバスを待っていた、そのときだった。ぼんやりと何かが私の近くに見え始まる。

 

「見える?見える?」

 

───と。

 

ゆらり、ゆらり、私の真横に現れたのは肥満体型の不定形じみた身体を揺さぶって私に話し掛けるバケモノを見てしまった。いや、

 

いきなり今見えるようになった(・・・・・・・・・・)

 

「(……怖っ…えっ、なに?…)」

 

「ねえ、見える?」

 

見える!

 

すごい見える!?

 

私の顔を覗き込んできたバケモノの視線から逃げようと次のバスが来ているのかを確かめるように車道に身を乗り出す。すると、今度は羽織と鎌を構えた男の子が憂鬱げに雨の中を歩いているのが見えた。

 

「はあ、ようやく見つけたぞ。お前が俗名『見えるか聞き込み男』だな。すでに悪霊化したお前に言えるのは、さっさと成仏して転生しろクソ野郎め」

 

サクッと私の近くに張りついていたバケモノを彼は鎌で切り裂き、真っ白な何かに変える。成仏しろ、とか、転生しろ、とか言ってたけど。

 

この子、なんなのだろう。

 

「あと悪いけど、十円あるか?」

 

「あ、はい」

 

スッと右手を差し出す彼に思わず応えてしまった事を後悔し、慌てて自分の口を押さえるように後ずさる。どうしよう、どうしよう!?多分、この子もさっきのバケモノみたいなのと同じだよね?

 

「お前、さては悪霊とおれを混同しとるな?」

 

その言葉に身体の震えが少しだけ止まる。

 

「あ、悪霊って、さっきのが?」

 

「あの『見えるか聞き込み男』は婦女子に語り掛けるタイプの悪霊だ。きっと生前は冴えない非モテの男だったんだろう。とても悲しいが」

 

「そう、なんだ」

 

「だから十円くれ」

 

そう言うと彼はまた右手を差し出してくる。恐る恐る財布を取り出して、十円を手渡すと満足げに彼は笑って「良かったな、お前のために婦女子があの世行きの金を工面してくれたぞ」と人魂に話し掛けた。

 

そのまま、どこかに消えた。

 

「なんだったんだろ」

 

ポツリと呟いた私の疑問に答える人は誰もおらず、ただ分かるのは私はとんでもなく怖くて面倒臭い悪霊化したバケモノが見える体質になったことだけ。

 

ふと足元に小さな紙を見つけた。

 

「……なにこれ?」

 

私の拾ったのら『外回り派遣死神ハルヒコ』と気だるそうな顔写真の貼り付いた紙もとい免許証。さっきの人が死神だったのかと驚きつつ、取り返しに来るのかな?なんて考えてしまい、この免許証を捨てられない。

 

そして、気になるなは十五歳という文字!

 

「私より年下なのに外回り派遣……」

 

なんだか少し可哀想に思えたのは、内緒だ。

 

 

 

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