SAN値ゼロから始める異世界召喚士ライフ 狂喜と混沌を呼ぶ召喚士   作:猫カイト

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鳴り始めた鐘と動き始めた時計の針は戻らない

鐘が鳴らされた。

これで良くか悪くか世界は大きく変わる。

何故ならこれは終わりへのカウントダウンの始まりなのだから

その音は小さく弱々しくて書き消されてしまいそうなのに何故か色んな者達へと届く。

 

漁村にも

 

「眠い……なんで今なのさ めんどくさい」

 

「そう言わずに巫女様。我々が待ち続けてきた悲願がついに叶うのですから。」

 

「悲願なんて私からしたらどうでもいい。もっと寝ていたい 」

 

「はぁ……あなたはいつもそうですよね 」

 

「絶望した?見放したくなった? それなら速く追放して

そうすればずっと寝ていられるんだから」

 

「そんなまさか!!こんな時にまでマイペースな貴方を放っておけないというか、おこがましいですが守りたいというか なぁ皆!」

 

「「おぉ!!」」

 

「こんな私を守りたいなんてほんとにオタク君はさぁ……いい迷惑」

 

「顔が赤いですぞ巫女様? 案外我々の事嫌いじゃなかったり?」

 

「うるさい白身フライにするぞ」

 

「それだけはご勘弁を」

 

彼女はため息をつき、また眠りに入る。

だが忘れるなかれ、眠っていても海は海、

生命の母と同時に破壊者であることを

すべてを飲み込んでしまうことを

 

 谷にも

 

「風が……ついに動き始めたか それにしてもヤツが唾をつけたアイツに初めて接触するのがアヤツとは……なんともまぁ……まぁこれも運命か……なら私も動かなければなるまい。だが動く?」

 

「キー」

 

「そうさなぁ、根本は変わらぬか 風任せ 運任せ」

 

「キー!!」

 

「うそうそ、今回ばかりは私もちゃんと動くさ

世界が終わらないために」

 

「キー」

 

「さて次にあうのは誰になるか……妹だけはないな……まったくアイツの寝不足は酷いからな どれだけ寝たら気が済むのか」

 

「キー?」

 

「随分楽しそうだって?そりゃあそうさ不謹慎だが家族にやりあえる数少ない機会だ  心が勝手に踊るさ まったく神は余計なものを渡してくれたものだ」

 

だが彼の顔は笑顔であった。

その笑顔は無邪気だが忘れることなかれ、

いくら子供のように無邪気でも嵐は嵐

嵐はすべてを破壊してしまうことを

 

 とある祭壇でも

 

「おぉ!!やっとあなた様がお目覚めになられましたか!!どれほど待っていたことか!!それに今日は私がこの世界に来てから783週の記念日!!なんたる運命か!!

やはりあなた様は最高の神です!!すぐに生け贄を携えあなた様に会いに行きます!! 

でもこんな私があなた様に会いに行ってもいいのでしょうか!?

え?そんな君が好き?なんと恥ずかしい!!だがだがだがだがだがたがだが……」

 

黒い服の存在の言葉は永遠と続く。

だがその言葉は支離滅裂

まるで混沌

だが何かへの愛はわかるだろう。

愛に言葉は要らぬというが言葉がなければ伝えられないのも人間という生き物だ。

 

「何故あなた様に初めてお会いしたのがヤツの眷属!!ヤツなのですか!?あんなチビ陰キャ眼鏡のどこがいいのですか!?これも試練なのでしょうが

この試練はあまりにも……いえ!これもあなた様の考えあってこそのもの。

だが我らが初めてあなた様にコンタクトをとるという盟約を守れなかったのも事実……なので!!」

 

そう言うと手前の扉が開き、一人の女が連れてこられる。

その女にはありとあらゆる傷がついている。

打撲

切り傷

刺し傷

エトセトラエトセトラ 

おそらくあらゆる拷問をしてきたのだろうとわかってしまう。

だが傷のなかでもわかりやすいやけどの跡はひとつもなかった。

 

「んー!!んー!!」

 

「こやつはヤツを信仰して炎の魔物を呼び出し使役した反逆の徒 あんな者を信仰するなどなんと罪深いことか あぁ、だが我々とあなたの愛でこの者は許される。

イアイア!!●●●●●●●●●!! 

イアイア!!●●●●●●●●●!!」

 

何かの干渉だろうか?彼が何を讃えているのかわからない

 

「「「イアイア!!●●●●●●●●●!!」」」

 

 

周りにはいつの間にか集まってきたローブの集団が反逆の徒と呼ばれた彼女の周りに集まってくる。

彼女はなんとか口の布をとることに成功する

 

 

「もうやめてください!! 私は誰も信仰なんてしていないんです!!本当なんですぅ!!なんでもしますからぁ!!足だって舐めます!!お金ならいくらでも奪ってきます!!いくらでも貴方達の敵を殺します!!なんでもしますからぁ……」

 

強い魔力を持つ彼女でも彼等の拷問には耐えられなかっただろう。

彼女は醜いレベルに命乞いをする。

生きたい 

その強い感情だけが彼女から感じ取られた。

もう彼女には信念や恥などいうものは存在しないのだろう。

だが忘れるな

 

「はぁ……冷めるわ もう黙れ」

 

中心にいた黒い服の存在は彼女の身体目掛けて刃物を振り下ろす。

 

そこにはもう彼女は存在なく、あるのはただの肉塊だけ。

 

「我々の信仰するあの御方は折れた弱いものなど求めぬ

まったく一級召喚士と聞いて期待したがこの程度とは……おい!速く次を見つけてこい!!」

 

さっきまで興奮して話しまくっていたのはどこへやら、

肉塊を冷静に床へと捨てる。

まるでそれは吸い終わった煙草のように踏みにじられる。

 

忘れるな 彼等は人ではない 闇なのだ。

だが闇にもルールはある

信念無くしたものはゴミなのだから

暗黒は全てを飲みこむが返すことはない。

ブラックホールなのだから……

 

 鐘は鳴らされた。

思想や、信仰する者は違えど動き始めたそれは驚異であることには変わりない。

だが何故か心踊るだろう?

それが人間という生き物なのだから

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