SAN値ゼロから始める異世界召喚士ライフ 狂喜と混沌を呼ぶ召喚士 作:猫カイト
毎晩のように夢を見る
世界が炎に包まれる夢
その焔は冷たく青い。
悲鳴や助けを求める声が響き渡る。
その声の主を何度も助けようとしたが助けられない。
炎は消えず全てを焼き尽くす。
この炎はまるで地獄の炎のよう……
ならば自分は罪人なのか?
これはその罪人である自分をさばくための罰なのか?
神よ あなたは残酷だ。
だがこれが罰なら受け入れよう
神よ 許したまえ
神よ 我を罰したまえ
そう何度も願ってもその夢が終わることはない。
夢は最後があるのか?
いつまで続くのか?
そう考えていると毎回青い髪の少女の後ろ姿を見る。
彼女を捕まえようと近づくと
毎回シャンちゃんに起こされる。
それに触れてはいけないと言ってくれているのかもしれない。
訳を聞いてもシャンちゃんは
「ミー!」
としか言ってくれない。
案外意味はないのかもしれない。
シャンちゃんは赤ちゃんなんだし、時間で起こしているのかも?
……そう考えるのは短絡的か。
だが自分の本能がこれ以上考えるなと毎回警笛を鳴らすので考えるのを止めてしまう。
不思議だ……
「これでいいんでしょ?」
私は器具をおいて奴に確認する。
全く赤子の脳をいじるなんてそれほど重要なことなのか?
「えぇ 全く本当にあなたたちのこの技術だけには感心ですよ これがあるからあなた達を滅ぼさないと言っても過言ではない」
「我々の文化を舐めすぎです 我々は人間より何千年も……」
「いつ喋っていいって言ったのかな?滅ぼすよ☆」
「くっ」
コイツはいつもそうだ。
我々の技術だけを利用して我々にはこうやって弾圧をする。
弾圧には反乱がつきものだが、それを考えられるほど我々は馬鹿ではない。
力が違いすぎる。
コイツに逆らえば一族どころかこの星自体が滅ぼされるだろう。
だから我々は従うしかない。
だが抵抗の意思を捨てた訳ではない。
それを捨てれば我々は奴隷となってしまう。
記憶の処理はあえて完璧に行わず、記憶を消すのではなく鍵をかけた。
コイツが最悪と思うタイミングで鍵が開くようにインプットした。
嫌がらせレベルだがこれが我々に出来る唯一の抵抗だ。
少年にその嫌がらせを託すしか出来ない自分達が嫌になる。
どうか少年よ 強く生きろ
そして我々の事を語り継げ……そう思い我々の事も彼のあたまにインプットする。
「何してるのかな?」
気づかれたか
だがもう遅い
どうせ我々はこれが終われば消される運命
ならば少しでも我等の事を伝えよう
ミラ 貴様に指名は託したぞ
「まったく余計なことする種族 まぁこれでおさらばだしいい……」
我々を滅ぼすために彼女が力を貯めているその時、彼女の通信機が鳴り響く。
「チッ! もしもし? 何?今最高の瞬間だったんだけど 何?見つかった 思ったより速いねぇ ありがと そのまま監視続けて
残念だけど君達の希望?もう見つかったってさ!」
気づいていたのか!?
「そりゃあ読んでるよ!!君達は賢すぎて客に読みやすいよ 彼に何かさせるつもりだったけど逆に利用させてもらうね それじゃあバイバイ!」
ふっ、それも我々の想定内だと気づいていなかったのか?
やはり貴様達は遅れて……
その日一つの星が終わりを迎えた。
それが私の母星の記録