SAN値ゼロから始める異世界召喚士ライフ 狂喜と混沌を呼ぶ召喚士   作:猫カイト

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入学式と生徒会長

どんな学園でも、入学式は変わらない。

新しい友達ができるか、どんな先生がいるか、先輩が怖くないか…。

そんなことに一喜一憂しながら、堅苦しい慣習や挨拶が過ぎていく。

でも今回は特に退屈だ。

理由は簡単――新入生代表挨拶を任されたからだ。

前なら喜んでやっていたかもしれない。だが、今回は違う。

選ばれた理由がわかるからだ。

あいつが目覚めないから、1つ下の私に白羽の矢が立った。

悔しいけど、私とあいつの実力差は明らかだ。

あいつは、先生の召喚獣とも渡り合えるほど強くて、知能も私と同じくらい。

私がトップだと思っている人たちがいるかもしれないが、それがどれだけ屈辱的か。

トップを目指していた私が、トップとして見られて苦しむ…。皮肉なことだ。

もし神がいるのなら、呪ってやりたい。

 

そのせいか、周りの新入生たちは誰も私に話しかけてこない。

もう、ぼっちコースが確定してしまった。

 

「テスト、テスト。聞こえてる?それなら入学式を始めるぞ」

ぼんやり考えていると、先生が声をかける。

堅苦しい来賓の挨拶を聞いていると、あくびがこぼれそうになる。

どうして入学式はこんなに退屈なんだろう。

でも、ついに校長先生の挨拶が始まる。

 

「堅苦しい挨拶が続いて退屈していたじゃろう?

もうすぐ終わるから安心せい。

だがその前に、大先輩から一言を。

友情を育て、共に成長しろ。

人間は一人では生きられぬ生き物。共に成長し、新たな翼を手に入れよ。」

 

新たな翼…

あいつより強くなれるだろうか。

わからない。でも、強くならなきゃ。

それが最強になるための唯一の方法だ。

 

「校長先生、ありがとうございました。次は生徒会長からの挨拶です。」

 

生徒会長の名前を聞いた瞬間、息を呑んだ。

生徒会長、それは学園内で最強の称号といっても過言ではない。

私も父や兄から、「最初に越えるべき壁は生徒会長だ」と教えられてきた。

一体どんな人物なんだろう。

 

「ジジイが言っていた教えなんてもう古い。私が言いたいのはただ一つだ。

強さを求めろ!知恵を求めろ!楽しさを求めろ!

ここには全てがある!」

 

予想していた生徒会長とは全く違っていた。

もっと厳格で怖い人かと思っていたけれど、実際は優しくて楽しい雰囲気の人だ。

その場で拍手が鳴り響き、彼女のすごさを感じた。

周りの生徒たちはみんな、彼女に拍手を送っている。

この学園を力で支配するのではなく、その人柄でまとめている…それがどれだけ難しいことか、少しだけわかる気がした。

 

そして、私のスピーチが待っている…。

入学式、ほんとうに嫌になる。

ラブ、本当に恨むからね…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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