アンサラー 幻葬   作:月導

14 / 34
十一章~ここでは高貴なる決闘について語る~

夢雨が白鯨から逃げていた頃、無事バトラーとして雇われた夕夢はデルシネアと彼女の工房で頭を抱えていた。二つの事態で。

「デルシネア。」

「うん。早速これとはついてませんね。」

「設計のほうはまだいけますか?」

「こっちは楽しいからね。もうちょっと考えたら行けそう。」

「フーイーミに爆発機能とはとち狂っていますね。」

フーイーミとは以前デルシネアが制作した次元拡張を施したカバンである。

「温度を上下させられる技術があるんです。そんな素材に負担がかかる機構が存在するんです。爆発位、耐えきらせます!」

「温度と爆発には何の因果関係もないですよね?」

「でもそっちはいいんです!問題はこっちです!」

空の作業台に叩き付けられたのは文である。薄っぺらい誉め言葉や賛美の詩、過度に美化された送り主の英雄譚がこれでもかと書き込まれている。

「断ってもさらに送ってくるとは厄介ですね。」

虚無目で夕夢は天井を見上げる。同じ目をするデルシネアはもう一枚の紙を出す。

「交際を了承したら護衛を惜しまないなんてあったのに反論して夕夢がいるって言ったらこれを出されるなんてね。」

“決闘代理:セント協会”なんて書かれた書類をぴらぴらするデルシネア。

「どうする?別に断っても大丈夫だろうけど。」

「でも名が折れるもんだろ?ならその決闘、受けよう。」

「では返事の前にこのセント協会における決闘について説明するね。決闘とは互いの同意によって行われる物事の取り決めの為の試合。その代理人を請け負うのがこのセント協会の役割ね。決闘に使う武器はこの支部だとレイピアを用いるね。決闘の前に手袋を投げ名乗り一礼したら開始する。降参するか死亡するまで続く。決闘が終われば互いを湛え憂いなし。これくらいかな?」

「なるほど。」

「ですので。」

「空気が変わったね。」

デルシネアの手を叩く音に合わせエピゥール・ファンがドアを開けて出る。

「呼ばれてきたよ~。本日は、はいっ!」

以前披露した硬血術、亜流二式突剣を掲げつつ

「夕夢にレイピアの基本的な使い方を教えるよ。」

「ヒェッ!」

「あ、夕夢が泣いちゃった。」

「教育死刑拷問折檻…」

「なんか教わることにトラウマでもあるのかな?安心しな。割と動きは分かりやすいはずだ。…多分。」

「うっあうあうわぁーー!」

「まずは落ち着けよう。このままじゃかわいそうだし。」

地面に突っ伏す夕夢をデルシネアとエピゥールでつり橋のように抱えベットに寝かせるとすぐに落ち着いた。

「ごめん、取り乱した。」

「ダイジョブダイジョブ。さて、これを持って。」

起きた夕夢にエピゥールはレイピアを投げ渡す。

「私の硬血術だけど今は我慢して。動きを一通り見せるから出来そうなのからやってみよう。マイレイピアはま、後で考えよう。」

「ありがとう。」

「さ、庭に出よう。早速練習だ。」

「オネガイシマス。」

「(私も後学のために見物しよ。)」

 

「これはすごい。基礎的な突きだけでなく隙を出さぬ防御や回避、カウンターまで行けるとは。(感覚で真似しているのか?)次は実践的にやってみよう。」

「はいっ。」

「おぉ~。」

微笑ましい会話が中央街宮の中庭から聞こえる。…言うほど微笑ましいか?

「突かれたら流すか受ける!わずかな隙に差し込め!前進と後退を考えろ!」

「くぁwせdrftgyふじこlp!」

「壊れた!夕夢が壊れた!この血鬼!」

「血鬼だよ!」

…うん。微笑ましくない。

「起きな~。起きんかったらぶっ刺すぞ~。」

「……。」

「言ったよ~。棘流四式剣山(ブスリ)。」

エピゥールは自身の血液を地に幾ばくか流すと硬血術で剣山を作りだす。

「ヴォッ。」

「きゃーー!ではないか。エピゥール、この針山どかして。」

「はいはーい。」

デルシネアは融解する剣山から夕夢を引っ張り出すと寝かせる。

「エピゥール、傷を付けるのはまだ大丈夫だけど大きく損壊させるのは無しでお願い。面倒くさいことになるから。」

「オケオケ。」

「うぅーん。痛い。」

「あ、起きた。」

「調子はどうだい?」

「おかげさまだよ。」

「それじゃちょっと休んでまた再会だ。」

「うっわぁ。」

「エピゥール、夕夢が煙管を咥えていないけどどこにある?」

「ん、あれ?懐に仕舞ってもらったよ。」

「うんそれはまずいね。夕夢、まずは一服しな。」

夕夢の懐を弄り煙草と煙管を取り出すと点火し口元に持っていく。

「あれ、そういえばいつから煙草を吸うようになったんだい?」

「少し前からだね。でもどちらかというと吸入薬みたいなものだよ。」

「なんかの病?」

「そんなもん。」

「ほえ。」

「ごほっ!あー痛かった。」

「なんで生身で串刺しされて生きてるの?」

「それをやった本人が何言ってるの?」

夕夢は立ち上がりつつ紫煙を吐く。

「おー決まってる。」

「決まってるじゃないよ。出血しすぎて煙が抜けちまったよ。」

「あーえと…ごめんなさい。」

「この際自棄だ自棄。実践を続けよう。」

「吹っ切れたよこの人。…うん、ここまで来たら徹底的にやってやろう!」

「私は昼食と夜食持ってくるね~。」

この日は熱が上がり本当に深夜までかかってしまった。翌日、

「そうだ、ニヘルに頼んでレイピア作ってもらおう。ヤトシイの変形だと事故りそうだし」

夕夢は先日渡された決闘宣布の書類を手紙と共にニヘルに送る。入れ替わりでデルシネアがやってきて

「決闘の日、決まりました。確認お願いします。」

一枚の紙を渡してきた。

 

「初めまして。セント協会二課部長、カミーユと申します。」

丁寧なあいさつを出す青年は同時に手を差し出す。夕夢はその手を握り

「幻葬事務所所属かつデルシネア姫のバトラー、茜音坂夕夢です。」

と返答する。決して険悪ではない空気だったがそこに水を差す声が。

「フン、お前が茜音坂夕夢か。首輪どころか羽つきではないか。貴様のような混種にデルシネア姫の護衛などができるものか。」

「(もしもし雀猊、あいつは誰?うん噛ませ犬ね。名前?覚えなくていいでしょ。いや、決闘に代理を読んだ時点でその程度のやつでしょ?あんな偉そうな態度も嫌い。)」

「見物者も集まってきたようですね。ではそろそろ…始めますか。ヒューゴ殿、お下がりください。」

「ケッ。頼むぞカミーユ。なにせあんたを依頼するのに大金を積んだんだからな。」

そんな捨て台詞を吐きヒューゴといった男は見物者の中に入る。

「では改めて。我が名はカミーユ。そなたに決闘を申し入れる!」

手袋を投げ一礼するカミーユ。

「我が名は夕夢。そなたの申し入れ、受けて立つ!」

煙管を懐に仕舞い同じ動作をし腰にあるレイピアを抜く夕夢。先日にニヘルにお願いしたら届いたかなりの重量を持つ逸品である。

「決闘開始!」

デルシネアの声と同時に両者は動く。同時に金属の高音が響く。

「なんて圧ですかね。押し負けかねないですよ。」

カミーユは苦しそうな顔を浮かべる。

「ですが…」

刀身を斜めにそらし

「力押しとは、感心しないな。」

一瞬崩れた夕夢の体に連続で刺突を繰り出す。

「別に力押しではないさ。ちょっと重いだけだよ。」

すぐに体勢を立て直した夕夢は繰り出された刺突の一つ一つに自身も攻撃を重ねる。

「だとしたらなんて怪力何だい?更にその体幹もすばらしい!」

カミーユは素早く十メートル程後退すると切っ先を夕夢のに合わせる。

「スッ!」

それは呼吸音か押しのけられた空気の立てた音かは分からない。が、わかったことは異常な速度で夕夢に近づいたことだった。

「…。」

だがそんな光景、元より夕夢の目で捉えきれる。判断力もエピゥールの扱きによって鍛えられていた。だからこそ無言で冷静にその刺突を弾く。

「!?」

弾かれるとは思っていなかったのだろう。カミーユは驚きの表情を浮かべる。だがすぐに表情と体勢を戻す。次のコンマでは夕夢のレイピアが先程まで自身がいた地面に刺さっていた。

「恐ろしい速度の刺突ですね。ふふ、これだから決闘は楽しいのさ!」

「それはあなたの復帰力にも言えますよ。そして後半の言葉、同意できますね。」

「おい、カミーユ!何をしている?さっさとそいつを落とせ!」

「了解した。さて、続けようか。」

「そうだね。」

二人は勝敗関係なく互いの力量に感嘆をする。

 

「クソっ!」

悪態は部下と何人もの妻に囲まれるヒューゴである。

「俺のどこが気に食わないんだ?別に何かを強制する訳でもないしほかの嫁とも区別なく愛すると書いたのに。」

「それが気に食わないんですよ?」

疑問に答えるのはデルシネアである。

「おお、デルシネア姫よ。それとはなんだ?」

「あなたのその思想ですよ。自分の考えが間違っていないと思い込みあまつさえこちらに押し付ける。それが本当に息苦しくてつまらないんですよ。私は鳥かごの平穏よりも厳しい大空を飛びたいんです。私の飼い主など存在させません。いて欲しいのは共に空を飛ぶ仲間です。そして好きに生きいつか落ちるんだ。なのでお返しします。」

デルシネアは目の嗤わない笑顔で

「その首輪をね。」

と吐き捨て再び決闘を見に人混みの中にいるエピゥールの隣へ戻る。

「な、な、な!」

理解力の浅いヒューゴのあったかのような声。

「安心してくださいヒューゴ様!あのような世間知らずの箱入り娘、腹黒狸との探り合いを渡ってきたあなたには敵いませんよ!」

胡麻を擦る側近。だが

「あなたは何も言わないでください。」

妻の一人がそれを止める。この国の以前の王だった者の娘、ティピアである。ヒューゴの下に嫁ぐ前、デルシネアとはよく遊んでいた彼女は冷たい怒りを持っていた。

「立場の違う当時の私と対等に接してくれたのはデルシネアだけでした。私でさえ掴み切れぬ彼女のことをあなたが知ったかのように語らないでください。」

そして歩を進めるティピア。制止をしようとする側近を一瞥で留まらせる。

「世間話をしに行くだけです。邪魔しないでください。」

彼女の姿はそのまま人混みに紛れた。

「もしもし、デルシネア姫?」

「あなたはティピア?久しぶりだね。うん、本当に久しぶり!」

「うん、会えて本当にうれしい!」

「うんうん、君はやっぱ笑顔が似合うよ。あ、そうだ。最近できた友人を紹介するね。血鬼国ソルセドフ棘派代表 のエピゥール・ファンだよ。」

「ん、よろしく。」

「よろしく…ん?血鬼国?」

「そ、ソルセドフ棘派代表 のエピゥール・ファンだよ。デルシネアとは良い友人だよ。」

「えぇーーー!なんで血鬼の偉い人と友人なの!?」

「まぁ、成り行きと偶然かなぁ。あ、今カミーユと決闘中の茜音坂夕夢も私たちの友人だよ。」

「茜音坂夕夢ってとある界隈でフィジカルモンスターって呼ばれているあの夕夢?」

「それ知らない。」

「www面白www」

「エピゥールは笑わないの。」

「いや、映像が回ってたけど本当にそうだよ?」

「うん、リアルタイムで見た。確かに人外すぎるね。」

「生で見たの!?うらやましい!」

「でもそれも後で見せて。」

「お、おう。」

「そろそろ見物に戻ろ?」

「そうだね。ティピア、エピゥールと一緒に決闘を見守ろう?」

「お供させてもらうね。」

三人の少女は横並びに観戦を再開する。

 

カミーユと夕夢は息一つ上がっておらず決闘を楽しんでいた。だが夕夢は内心心配事があった。

「カミーユ、視線を感じないか?」

「いや、しないが。観客のものではないのかい?」

「いや、観客の視線が布で包む感覚がするとしたらこれは針が突き刺さる感覚だな。」

「本当は冗談だったりして。」

「きっとないだろう。獣はこの直感で生きるからね。」

「だとしても君は人だ。獣ではない。」

「知ってるかい?獣は狩人の言葉を聞かない。」

「私が狩人で君が獣か、自虐かね?」

「まだ私は狩られる側だ。だがいつか」

その先の言葉は途絶える。その身体ごと夕夢が砲弾のようにカミーユを押し倒す。彼のレイピアが身体に刺さることもお構いなしに。

「なzえ?」

カミーユの視界に映るのは全身に穴が開いた夕夢の笑顔だった。

「君はこれで死ぬ。人だから。でも私は死なない。獣だからね。」

そのまま夕夢の体が倒れる。

 

「あ、これは来るね。」

デルシネアは惨事の現場に向かい駆け出す。

「待って!危ないよ!」

エピゥールも後を追う。

「わ、私」

ティピアも書けようとしたが側近の者に止められる。

「離してください!」

懸命にもがき抜け出そうとするが

「ダメです。」

力は緩まない。それでもと力を入れると急に意識が落ちる。抵抗はできなかった。

「あれ?なんでみんな倒れ…まずい!」

理解をしたデルシネアは夕夢の懐から煙草を取り出し火をつけるとそっと吸い口を夕夢に咥えさせる。

「なんでタバコを吸わせているの!?今はまずいよ!」

背後の声に振り替えるとエピゥールが焦った顔をしていた。

「早く安静な」

「それはいらない。」

「どうして?」

エピゥールは理解が及ばないと顔に出していた。

「特訓の時には知っていただろうけど夕夢の自然治癒力は並外れている。この怪我もすぐ治るでしょうね。」

「でもそれが煙草と何の関係が」

「それは私が説明するさ。」

起き上がる黒色。

「やっぱ間に合わなかったね。」

「気にすることはない。ま、血が流れすぎたから吸い込んだ記憶がきれいさっぱり無くなってしまったよ。それで君がエピゥールか。私はスペカだ。」

起き上がったスペカの容姿は以前のような化け物のようなものではなく不気味な仮面は縁日で付けるお面のように額についており袈裟切りのように開く口は左腕に小さくなって移動している。それ以外はおおよそスペカの見た目である。

「なんか以前と比べてこう優し気なデザインですね。」

デルシネアの言葉にうなずいたスペカは話始める。

「以前から思うところはあったんだ。でもその前に。こっち。どこかで見たことある阿保面晒している少女を起こそう。」

ふらつきながら右手に握ったヤトシイをエピゥールの頭頂部に叩き付けるスペカ。

「これくらいでいいかな?」

「ったい!痛いよ!」

「済まない。雀猊から聞いた話の通りに事をしたんだが。」

「いえ、もう大丈夫です。薔薇を食べたのでもう痛みはないです。」

一輪の薔薇をカジカジしながらエピゥールは謝罪を止める。

「私からいい?なんで私たち以外が倒れているの?」

「そこから説明するか。雀猊、ま、私の人造のエゴイストの能力は自身を認識した者の意識を弄ることができる。あれ自体でなくこの体の血を見るだけでもその対象だ。落ち着きな。夕夢がこの体の主の時、能力の制御は雀猊のものだ。だが、その時に多量出血によってこの煙草が抜けすぎると制御が不安定になる。するとあら不思議、みーんな紅い幻覚を見続ける。だが重要なのはここからだ。著しい体の損傷か雀猊の機能が落ちると私が出てくる。その際に件の能力の制御権は私が引き継ぐ。だからみんなの意識は私の手のひらの上ってわけだ。で、周りの認識を誤魔化して会話するとかなり疲れるからみんなには紅い幻覚を見てもらって君らだけ起こしておいた。」

「長文解説感謝。でもエピゥールも起こしていたのは何で?」

「ん?夕夢が仲良くしていたからだ。」

「そ、そう。」

「なんか嬉しいな。」

「では夕夢が起きる前に。」

立ち上がったスペカは

「決闘を邪魔した下手人を狩ってくる。動くのは好きじゃないけどね。アルカナシフト“正義”相応しき報いを。」

スペカが跳躍した後、残された二人は

「このことは秘密に。」

「わかってる。夕夢には教えておこう。」

協定を結んだ。

 

「君か。私たちの決闘に水を差した救いようのない者は。」

スペカはへたり込みながら逃げようとする者を踏みつけている。

「裂けた弾丸が今も体を痛めているんだ。かなり殺意があるね。ここまでして彼を排除しようとしたのは何故だ?」

質問に答えを返さずなおも逃げようとする下手人。

「依頼者は目の上のたんこぶを排除しようと、お前は出された大金に目が眩んでか?」

びくりと動きが止まる。

「ドンピシャか。つまらない。罰は然るべきものから伝えてもらうぞ。」

再び逃げようとするその四肢を背中の銃器ごと撃ち抜く。

「ぐぁ!」

「やっと音を出したか。安心しろ、死ぬ時が来ただけだ。」

首根っこを掴むと元の居場所へ再び跳躍する。

 

「あ、帰ってきた。」

空に浮かぶ黒い点を捉えたデルシネアの言葉と一緒にスペカが着地する。

「あっもう時間か。デルシネア、エピゥール、今日のことは三人の秘密だ。」

言い残すと同時に髪は紅になる。それに伴い倒れていた決闘の見物者が起き始める。

「空ってこんなに青かったけ?」

「いまだに紅色が見える…。」

「ちゃんと解除してくれたようですね。」

安堵するデルシネア。

「よし、ハッピーエンド。じゃないね。とりあえずそいつの身柄を引き取ってもらおう。」

問題を片付けようとするエピゥール。

「何があったかあとで教えて。」

もはや慣れた夕夢。

「あの…」

そこへ気まずそうに話しかけるカミーユ。

「怪我のことでしたら心配ありません。すでに完治しています。」

「それは幸いです。ですがそれではありません。この決闘は」

頭を下げて

「私の負けです。」

「それはどうして?」

「私はあなたのおかげで今も五体満足です。これでまだ決闘を続ける方が私が許せません。」

「あなたがそう思うなら私もその気持ちに応えます。」

夕夢は右腕を差し出す。

「とても良い勝負でした。心からの感謝を。」

「私からも。貴女に幸があらんことを。」

二人は握手を交わす。

「み、認めないぞ!」

それを認めないのはヒューゴ一人である。

「ふぁw」

夕夢は滑稽な姿を見て笑う。

「何故笑う!」

「いや、以前戦った…あれ?誰だっけ?あ、そうかフェナシエといったね。そいつと同じ位の器みたいだから。とっても小さいよ?君のその度胸と同じ位にはね?」

「「www」」

ケラケラと嗤う夕夢、釣られて必死に笑いをかみ殺すデルシネアとエピゥール。

「もう勝負はついた。あなたは自分の家にお帰りください。それではさようなら。」

背を向けた三人はもう振り返ることなく部屋へと帰る。

「ぐぅ」

取り残されたヒューゴは出血するほど唇を噛むことしかできない。

「ぐぅの音は出たね。」

「賭けは私の勝ち。」

「悔しいなぁ。」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。