あのハイジャックから数日後。
「…ふがっ!」
朝っぱらから電話がかかってきた。
「誰だこんな時間に…。あ。」
その電話は、俺が連絡を待っていた相手だった。
「よう。お疲れさん。」
『おう、お疲れ様!朝っぱらからすまねぇな店長。』
「構わねぇよ、んで?例のやつは見つかったのか?」
『それなんだが…うちのシマで気絶しててな。今こっちで面倒を見てんだ。』
は?
「…あいつ墜落してたのかよ。」
『確かに飛行船は墜落してたな。』
「…はぁ。まぁ分かった。ありがとな、時間が空き次第そっちに向かうよ。」
『了解。もうすぐツール・ド・インフェルノだ。どうせだし、観光でもしてけよ!』
「分かった。それじゃ、またな。」
『おう!』
俺はそこで通話を切った。
「ふわあぁぁ…。ねっむ。」
「店長、朝だぞ!ご飯食べよう!」
そう言って、猫又が扉を開けてきた。
「…おう。」
二度寝したかった。
ご飯中
「え?店長、郊外に行くのか?」
「あぁ。前のハイジャック、ダルマが逃げ出しただろ?」
「その情報を走り屋のツテから聞いたんだよ。」
「へ〜…あ!郊外の走り屋なら、ビリーが走り屋のところで臨時で働いてるって聞いたぞ!」
お?
「そりゃまたなんでだ?」
俺が聞くと
「なんか、昔に世話になったから義理を立てて臨時の運転手をしてるって聞いたぞ!」
「今はピリついてて、市民じゃないととんでもなく並ぶからーって言ってたと思う!」
そう猫又は言って、魚を口に頬張った。
「なるほどねー…ちなみにその走り屋の名前とか分かるか?」
そう俺が聞くと、猫又は頬張った魚を飲み込んで
「確か、『カリュドーンの子』って言ってたぞ!」
カリュ…!?
「おいそれ、俺のツテと一緒だぞ!?」
「そうなのか?なら、ビリーに連絡して、一緒に行けばいいぞ!」
確かに…!
後でビリーに連絡しておくか。
「ありがとな、猫又。助かった!」
「お安い御用だぞ!」
…可愛いなぁやっぱ。
ふと俺は、リンの言葉を思い出した。
……娘、かぁ。確かに、猫又が娘なら最高だろうなぁ…。」
その時、猫又の動きが止まった。
そして、顔がどんどん赤くなっていく。
「な、え、あ…!」
?
「どうした?猫又。」
「は、恥ずかしいこと言うな!!」
「あぶねっ!」
猫又はいきなり叫んで、箸を投げつけて、机の下に隠れた。
箸は真っ直ぐ目に来るように投げられていた。
危ねぇよ!!
「…ん?恥ずかしいこと言うな???」
ま、まさか…!
「…俺、声出てた?」
俺がそう言うと机の下から目元だけだし、頷いた。
その動作で、俺も顔が赤くなるのが分かった。
「あっ、あっ、あっ…。」
そして、俺たち2人はしばらく動作が停止したのだった。
数十分後
「…で?気まずくなったからうちに来たの?」
「はい。」
「それさぁ、空が悪いじゃん。」
「はい…。」
「そもそも猫又は娘じゃなく…っと、これは言っちゃダメなやつだった。」
「はい?」
えっ何それ。
何それ!?
と、その時。
リンのところに電話が来た。
「もしもーし、どうしたの?」
「私もお兄ちゃんもいるよ、どうしたの?ビリー。」
「そんなに近くにいるなら、どうして店まで来なかったの?」
そう話して、通話は切れたようだった。
「車が通れないって…どうしてだろ?邪兎屋の車ならもう何回も店の裏に停めてるよね?」
「そうだね。まぁでも、大事な話があるって言うなら…リン、君が会いに行ってあげるしかないな。」
そう、アキラとリンが話している。
「あ、ビリーに会うなら俺も行きたいんだが。」
俺がそう言うと
「…まぁいいよ?空なら漏らすこともないだろうし。」
「行ってらっしゃい、2人とも。」
そうアキラに言われて、2人でビリーの所へ向かった。
『吟遊ニードル』路地裏
『よお店長!と、空?』
ビリーにそう疑問に思われた。
「あー、まぁ気にすんな。どうせ似たような案件だし。」
俺はビリーの後ろにあるトラックに刻まれたマークを見て、そう言った。
『そう…なのか?まぁ空は店長直属だからいいか…。』
「ビリー、邪兎屋辞めちゃったの!?そのトラックなに?『猪突猛進』とか書いてあるけど…それにそのボンプも。」
「おいおい、そんなわけねえだろ!俺は今の暮らしに満足してるし、ニコの親分が約束したボーナスだって、まだ1ディニーも貰ってねぇんだからな!」
そうビリーとリンは話す。
「ビリーは元々『カリュドーンの子』っつう走り屋にいてな。義理を立てて今臨時の運転手として働いてんだとさ。猫又情報。」
そう言って俺は真顔でピースした。
『そういうことだ。まぁこの話はまた今度しようぜ、店長。今はもっと大事な話があるんだ。』
「『カリュドーンの子』がダルマの情報を持ってるって話だろ?」
『そのとお…って、何で空が知ってんだよ!?』
ビリーにそう驚かれた。
「何でって、ツテがあるからだよ。」
俺がそう言うと
『…もう空の人脈には驚いてばかりだぜ…。』
「ほんとそうだよね…。」
と、2人に呆れられる。
ひっでぇや。
『っと、話が逸れちまった。それで、カリュドーンの子は俺たちがパールマンを探しているのを知ってる。独占情報を提供できると言ってるが…その代わり、『パエトーン』と、面と向かって協力の話し合いがしたいとさ。』
そうビリーが話した。
…そんな話一切聞かなかったけど…。新入りが交渉に応じてんのか?なかなかのやり手っぽいな…。
「つまり、その人たちはプロキシを探してるの?」
『直接は言わなかったけどよ、そういうことだと思うぜ。』
あー、ツール・ド・インフェルノがもうすぐだからなぁ。
そのためのキャロット制作とか諸々だろうな。
『店長、俺たちの代理訴訟にはパールマンが要る。けど店長たちは恩人だから、誰と手を組むかはそっち次第ってのが、ニコの親分の見解だ。』
『とにかく、俺はここ2、3日で奴らのボンプを強化してやったり、荷物を仕入れたりする。それが終わったら街を出て落ち合うてはずだが…。もし店長が会ってもいいって言うなら、そんときは俺と一緒に行こうぜ!』
と、ビリーが話した。
「あ、俺も一緒に行っていいか?お呼ばれされてんだわ。」
『空もか?いいけど…座席がねぇんだよな。』
「荷台でいいよ。無理言ってるのは自覚してる。」
『そうか?なら分かった。出発する時には連絡するぜ!』
「よろしく。」
俺とビリーはそう話し、俺たちは別れた。
さーてと…手土産の用意をしてやらんとな。
俺はブレイズウッドに持っていくためのメンテナンス器具を吟味し始めた。
数日後
「うわぁー!ひっろーい!」
『どうよ店長!郊外の景色も悪かねえだろ?ここを車でブッ飛ばすのは最高なんだぜ!』
そう話している2人。俺は荷台で寝っ転がっている。
ビリーが気を使ってある程度の用意をしてくれたから荷台にしてはすっごい快適。
そう思っていると
「うおっ!?」
いきなりトラックが空中に浮いた。
そして、エーテルの感覚がする。
ホロウに入った…!?
その時俺は頭を打った。
「うぅーん…はっ!」
俺は気絶していたのか、目を覚ます。
外で2人が話す声が聞こえる。
俺は刀で荷台の扉を斬って蹴破った。
「忘れてんじゃねぇよ!!!」
「『あ。』」
俺が怒鳴ると、2人がそう言ってきた。
「あ。じゃねぇ!何だ!?お前ら俺のことがそんなに憎いか!?」
俺が突っ込むと
『いやいや!そんなことは無いんだ!ただ、何故か頭の中からすっぽ抜けててよ…。』
…はぁ?んなことあるか?
まぁいいか…。
「とりあえず、データスタンドを立てに行くんだろ?さっさと行こうぜ…。」
俺は打ち付けた頭を撫でながら、データスタンドの取り付けに向かった。
データスタンド取り付け後
「ふぅ…これで終わりか?」
「うん!これで…!?」
そうリンが言いかけた時、奥から大きなエーテリアスがでてきた。
「お前ら、先に車行ってろ!」
俺はそいつに刀を向ける。
「そら、よっと!」
そして、顔らしきところに刀を刺す。
それに雄叫びを上げ、エーテリアスは俺を振り回す。
「おぉおぉおおおおおぉ!?」
そのまま振り回されているが…さすがにイラッときた。
「うざったいんだよ!」
俺はそのまま刀を刺した隣にuziを向けて鉛玉を撃ち込む。
そして、そのタイミングで顔を足場にして刀を抜く。
「来い!クソやろ…う?」
その時、バイクの音が聞こえた。
そして上から、バイクと、それに乗った人が降りてきた。
『アネゴぉ!』
「久しいな、ビリの字!で、こいつが伝説のプロキシか。それに、そっちのは…」
そうバイクに乗った女性…シーザーが言うとき、後ろから指鳴らしの音が聞こえ、エーテリアスにアッパーが決められた。
「パイセン、なまったっすね。」
そうビリーに向けて言う男。
ちゃんと使ってくれてるようで何より。
片方ないのは疑問だけど。
「それとそっちのは…」
そう男が言いかけた時、エーテリアスが雄叫びを上げた。
「話は後みたいだな。あとは任せろ。」
俺はいつも通り刀を炎纏化させて、エーテリアスの喉元にあるワームホールに刺した。
「狐火牙突…ってか?」
俺がそう言うと、エーテリアスは消滅した。
「そっちの!お前強いんだな!」
俺はそうシーザーに言われる。
「まーなー。お前もとんだ派手な登場するな。シーザー。」
「まーな!…って、なんでお前がオレ様の名前を?」
シーザーにそう聞かれる。
ま、流石に明かさない訳にも行かんか。
俺は付けていた半面を外し、シーザーに顔を見せる。
「ようシーザー。びっくりしたか?」
そう言って、笑って見せた。
「…はああああああああ!?!?!?」
シーザーはそう驚く。
「て、てんちょ、はぁ!?」
「ま、俺は裏の顔があったってことだよ。で?シーザー、お前どうしてここに?」
俺が聞くと
「あ、あぁ…妙な電話がかかってきたんだ。ビリの字たちがホロウに落っこちたって、若いにーちゃん声でよ。そりゃ、すげぇ剣幕だったぜ。」
あぁ、アキラか。
『おぉ、やっぱもう1人の店長か!』
「ま、ルーシーは詐欺じゃねぇかって疑ってたが…伝えてきた情報は正確だったし、ご丁寧に救助ルートの説明まであったからな。」
「これが伝説と呼ばれるプロキシのお手並みってわけか?まったく、見識が広まったぜ!」
そう豪快に笑うシーザー。
「で、そっちのガントレット装備のあんさんや。」
「?どうした?」
「片方、どこやった?」
俺が聞くとそいつは一気に顔を青くさせ
「あー…その、な?」
「…その表情からするに、無くしたんだな。もう片方いるか?ツール・ド・インフェルノには間に合わねぇが、作れ次第渡すぞ。」
俺がそう呆れた表情で言うと
「…いや、片方で十分だ。すまねぇ。」
そう謝ってきた。
そう話していると、後ろでバタリと音が聞こえた。
!!
「リン!っくそ!シーザー!案内しろ!早急に連れ出す!」
「あ、あぁ!分かった!乗れ!」
「いい!ルート教えろ!」
「はぁ!?き、基本真っ直ぐ道なりだ!」
「了解!」
俺はシーザーの言葉を聞き、エーテル燃料を飲む。
リンをお姫様抱っこして、一気にぶっ飛ばした。
さっさとホロウから出さねぇと…!!
シーザー視点
「…なぁ、ビリの字。店長って、何もんなんだ?」
『店長…あぁ、空のことか?あいつは、パエトーン直属のエージェントで俺たちの命の恩人だ!』
『あいつ、ほんとに強くてな!前白祇重工の方で重機を取り込んだデカブツを倒したってよ!』
ビリの字はそう言ってくる。
「そうか…店長、そんなに強かったんだな。」
オレ様は、少し変な気持ちになっちまった。
話してくれても良かったのによ。
「…パイセン。だとしてもバイクより早い速度で走り抜けるって、どうなってんすかあいつ。」
『…俺も分からん!』
…店長は、色々と隠してることが多そうだな…。
数時間後
空視点
とりあえず大急ぎでリンをホロウから脱出させ、ソファに寝かした。
その後、グローブの所有者とシーザーが帰ってきて、俺がカリュドーンの子の武具メンテナンスをしていると…
「な に こ れ 。」
リンの弔いという茶番が繰り広げられていた。
いやほんとなにこれ。
で、どうやらあのサイドテールのロリっ子がパエトーンを呼び寄せたやつっぽいな…?
そしてそれからしばらく経ち、収拾がついたところで、俺とリンはシーザーに状況を聞くこととなった。
隣にはさっきのサイドテールロリっ子が居る。
「まったく…こんなことになるとは思わなかったぜ、『パエトーン』。とんだアクシデントだ。結局2人ともおいでいただくことになっちまったなぁ。」
「さっきは脅かしてすまねぇ。ハハッ、そう強張んなって。おたくも、ビリの字とは同じ穴のムジナなんだろ?なら、オレらはダチだ。」
「そうそう、同じ穴のムジナ…」
「ねぇ空、これって褒めてる?」
リンはシーザーの言葉に返しながら俺に聞いてきた。
「…褒めてるぞ、シーザーはちょっと馬鹿なだけだ。」
「おい店長!馬鹿とはなんだ馬鹿とは!」
俺がリンに言うとそう文句を言ってきた。
「…じゃあシーザー。念には念を入れて行動を起こすことをなんて言う?」
「簡単だ!石橋を燃やして渡る、だろ!」
俺が聞くと、シーザーはそうトンチンカンな答えを出してきた。
「…な?リン。シーザーはちょっと馬鹿なんだよ。」
そう言うと、リンは頷いた。
「なっ…!合ってるだろ!」
「石橋を『叩いて』渡る、な?」
「燃やしたとて石橋じゃあなんの変化もねぇだろ…。」
俺がそう突っ込む。
「それで?なんかしらあるから呼んだんだろ?」
と、俺が言うと
「あ、あぁ…。ったく、店長がいるとみょーにリズム崩されるぜ。」
と言い、シーザーは咳払いをして
「改めて、ちゃんと自己紹介しとこう。オレらは『カリュドーンの子』。郊外の走り屋チームだ。そんでオレ様はここの首領、シーザー!」
「今日、お前らに来てもらったのは他でもねぇ。ビリの字から聞いてるとは思うが…カリュドーンの子はお前らの力を必要としてるんだ。」
「お前らがご執心のパールマンだが、やつの飛行船は墜落してぐちゃぐちゃだった。やつ自身はしぶとく生きちゃいるものの、結構重症でな。まだ意識は戻ってねぇ。」
「店長は聞いてた話だと思うがな。」
と、俺を見ながら言ってきた。
「そーらー?なんで言わなかったの!そんな重要なこと!」
そう言ってリンは俺の体を揺らす。
「おぅおぅおぅおぅやめ、やめてくれ、吐く…。」
「あ、ごめん。」
俺がそう言うと、リンは直ぐにやめてくれた。
「…はぁ、危なかった。で?なんで話さなかったのか、についてか?」
「簡単な事だ。その情報をダシに、シーザーたちはパエトーンを呼び寄せた。つまりはなんかしらパエトーンに頼らなきゃならない事態があるってことだろ?それこそツール・ド・インフェルノのナビゲーター…とかな?」
俺がそう言うと、サイドテールロリっ子が口を出した。
「…えぇ、その通りですわ。あの茶番を止めないなんて、鍛冶屋の方もアホなのかと思ってましたわ。」
俺はその口調と目、髪色からある行方不明の広告を思い出した。
「貴方様には負けるよ、モンテフィーノ家の家出したご令嬢。ルシアーナ・デ・モンテフィーノ嬢。」
俺がそう言い、恭しくお辞儀をすると
「なっ…!その名前で呼ぶんじゃありませんわ!」
「で?大体話は掴めたぞ?つまり、カリュドーンの子はツール・ド・インフェルノで勝つために、凄腕のプロキシを探してた。するとビリーからパエトーンの情報が入り、協力を依頼。その時ちょうどダルマ野郎…パールマンの事な?が落ちてきたから、それをダシに呼び寄せたってところか。」
俺がそう説明すると
「ねぇねぇ、さっきから出てるツール・ド・インフェルノって…なんなの?」
そうリンに聞かれた。
「オレ様から説明するぜ。ツール・ド・インフェルノってのはな…オレらのいる旧油田エリアの一大イベントだ。最強と言われる走り屋チームだけが参加できて、ホロウで真の強者を決めるために競い合うんだぜ!」
と、シーザーは全く分からない説明をした。
「シーザー?そんな説明じゃ、誰1人理解できませんことよ?」
「リン、ツール・ド・インフェルノってのはホロウの中に走り屋のメンツがオートバイで飛び込んで、旧油田エリアホロウの中にあるシンダーグローレイクっつう場所に火打石を投げ込んだチームの勝ちってイベントだ。…まぁ、言わずもがなめっちゃ危険。」
俺がそう説明するとルシアーナが頷いていた。
「そんな危ないチャレンジ、何か意味があってやってるの?」
「あるからやってるに決まってますわ。ツール・ド・インフェルノの目的は、定期的な石油資源の安全確保…石油は旧油田エリアの命ですもの。」
「まぁ当然…私たち走り屋にとって、ツール・ド・インフェルノにはもうひとつ、もっと重要な意味があるんですわ。」
「レースの勝者は、旧油田エリアにおける走り屋連盟の『覇者』たる地位に就けるんですの!」
そうルーシーは興奮した状態で言ってきた。
「そのとおりだ!パエトーン、覇者ってのはな…走り屋連盟でも最強って認められることなんだぜ。」
「今の覇者陣営は『トライアンフ』ってチームだ。」
「連中の大将張ってるおっさんが、もう何年もこの地位に居座ってやがる。オレ様はずっと前から、あいつとやり合ってみたいと思ってたんだ!」
そうシーザーも興奮状態で言ってくる。
あーもうこれ収集つかねぇ。
「つまり…カリュドーンの子は名誉のために戦ってるってこと?」
リンがそう言い出した。
ほーら勘違いした。
「おーっほっほっ…プロキシさん?そんな零点回答を吐き出してくるのは、あなたの目の前の単細胞だけで間に合っふぎゅっ!」
俺はルシアーナが言い切る前に頭にげんこつを叩き落とした。
ヘルメット?知らないね。衝撃は来るだろ?
「いったいですわね!何するんですの!?」
「なんにも知らねぇやつにする説明じゃねぇよばーか。」
「リン、説明し直すぞ?」
俺はルシアーナにそう言って、リンに向き直った。
「まず、このツール・ド・インフェルノの目的としては石油資源の安定確保、そして走り屋連盟の『覇者』決定戦の2つの意味がある。」
「そして、この覇者って地位は走り屋連盟の最強を意味するんだが…その地位に与えられている権限のひとつに、石油輸送ルートの割り当て権ってもんが手に入る。」
「まぁ極端な話、走り屋チームの利益を司る地位って訳だ。」
「ま、なんでこんな躍起になってるかは知らんが…まぁ大方輸送ルートの割り当てが気に食わねぇんだろ。」
「あとはまぁ…輸送ルートによっては、新エリー都を通るルートもあるだろうしな。ルシアーナお嬢様にとっては化粧品なんぞを買うためにもいいルートが欲しいんだろうさ。」
「シーザーは…まぁこんなんだからただただ最強になりたいだけだと思う。」
俺がそう説明しきると
「上等だ、かかってこい店長!さっきからオレ様のことをボロクソに言いやがって!」
「わざわざお嬢様と呼ぶんじゃありませんですの!シーザー、不本意ですが協力してこのクソ野郎をぶちのめしますわよ!」
「おう!」
そう言って2人して掛かってくるが…
「遅い。」
俺はそう言って2人をそのまま地面に叩きつけた。
それにライトやパイパー、バーニスが駆けつける。
「そうそう説明してなかったが…。」
「俺は『鍛冶屋 夜月』の店主、夜月 空であり…」
俺は刀を抜く。
「パエトーン直属エージェント、銀狐だ。」
「一応言っとくが…ライト、パイパー。お前らの武器は俺が作ってることを忘れんなよ?」
「脅すようで悪いが…俺はお前ら全員を一気に相手取っても勝てる。」
「伝説のプロキシ、そのエージェント舐めんじゃねぇよ。」
俺はそう言って殺気を飛ばす。
「…ま、俺が今キレたのは単純にこの2人の説明が気に食わなかったからだな。シーザーはともかく、ルシアーナ嬢はもうちょいまともな説明出来るようになりな。交渉なんぞはどうせあんたがやることになるんだから。」
そう言って俺は手を離した。
「シーザーも、覇者にはそれ相応の力が伴う。物理的な力だけじゃない。知恵という力もだ。それをしっかり理解しな。」
「俺は適当な屋根の上で寝てっから。リン、どうするかは任せた。ただ、少なくともこいつらは信用出来るぞ。そこは保証する。」
俺はそう言って適当な屋根に登って寝始めた。
夜中
「…全員寝たか。」
はぁ…最近、精神がおかしくなってる気がする。
明らかにイラつきがとんでもない。
「まぁ…十中八九、こいつのせいだわなぁ…。」
俺は腕にある数個のエーテル結晶に触れた。
明らかに侵蝕され始めてる。時折鎮静剤は打ってるが…あんまり効き目がないんだよな。
「…また消費しておくか。」
俺はそう呟いて、空へ跳んだ。
…やっぱり、筋力が上がってる。
上がりすぎな程に。
エーテルを流し込む。
加速する。
俺はその状態で、新エリー都とブレイズウッドを5往復ぐらいした。
…だが、それでも。
エーテル結晶が消えることは無かった。
あっ、ついでにトライアンフも偵察してきた。
ボスは3日後に帰ってくるらしいっすね。
次の日の夜
俺は目を覚ました。
「…夜かよ。」
まさか、1日中寝るとは思っちゃいなかったな…。
ふと下を見ると、ルシアーナとリンが話していた。
俺は上から聞き耳を立てる。
「ごめんあそばせ、プロキシさん。こんな夜分にお呼び立てして…。」
「単刀直入に言うと、追加の依頼があって参りましたの。それも、出来れば内密にして欲しいやつですわ。」
「どうして内緒にするの?」
「今はレースを控えた大事な時期。みんなをいたずらに動揺させるのは、私の本意じゃありませんことよ。」
「このところ、ホロウで行動するとやたらと被害に遭うこと…そちらも気づいているはずですわ。私たちにご執心な誰かがいるのは、火を見るよりも明らかですわね。」
「そこで、ベルラムとプルクラの正体を調査しましたの。公開されている限り、走り屋のリストには乗っていなかったのですけれど…私の予測では、十中八九トライアンフ絡みですわ。」
「私も同感。だってツール・ド・インフェルノは結局あんたたち2チームのタイマンだもんね。」
「私の読みでは、この件の背後に必ずルシウスがいるはずですわ!けれど、これといった情報を掴めていない以上、手出しができないのも事実…。」
「これでも私、連中が仕掛けてくることは想定済みでしたけれど、意表を突かれたと言わざるを得ませんわね。向こう側の持っている情報が、あまりにも正確すぎますわ!」
「毎度毎度絶好のタイミングで出鼻を挫いてきて…。こんなの、私たちの計画が筒抜けでもなければできないことでしてよ。おそらく街の誰かが、トライアンフにタレこんでやがるんですわ。」
「誰が怪しいか目星はついてるの?」
「まだですわ。ブレイズウッドは街全体が私たちの支持者と言っても過言ではありませんもの。まずは調査をする必要がありますわね。」
「そういうわけですから、ここへは前もって協力を打診しに来た次第ですわ。」
「安心して。その依頼『パエトーン』が預かった!ってね!」
「感謝しますわ。それとしつこいようですが、この件はくれぐれも内密に願いますわね。特にバーニスとシーザーには!」
「バーニスは隠し事が出来ませんし、シーザーに至っては…いえ、なんでもありませんわ。」
「ルーシーったら、なんだかんだシーザーのこと気にしてあげてるんだね。」
「は、はぁ!?何をおっしゃってるのかさっぱりですわ!」
「シーザーの預かり知らぬ事が多ければ、それだけ私に先手を打つチャンスがあるということでしてよ。」
「とにかく進展があれば連絡しますわ。ごきげんよう。」
「うん、おやすみ、ルーシー。」
そう言って2人は別れた。
ふーん…情報漏れ、裏切り者、進展待ち…
こっちでも調べますかね。
俺はそう考えて、次の日から動くことを決めた。
次の日
「カーサさん、おはようございます。」
俺は朝からカーサさんの元へ向かった。
「あぁおはよう。空さんは昨日お疲れみたいだったね。部屋、本当に貸さなくてよかったかい?」
「えぇ。問題ありませんよ。それに、念の為嫌がらせの警戒をしておかないと行けませんから。」
俺はそう言ってカーサさんと雑談をする。
「あ、そうそう…ひとつ思ったんですが…このサンフリント、ブレイズウッドの人口にしては作成量が多すぎませんか?何か理由でも?」
俺が聞くと
「あぁ…内緒にしておくれよ?」
そう言ってカーサさんは今の状況を俺に話してくれた。
…なるほど、ならこの中に…。
「カーサさん、この中身、漁っても問題ないですか?」
「あぁ…壊しさえしなければ問題ないよ、でもいきなりどうしたんだい?」
「ま、色々ありまして…」
そう言いながら俺はサンフリントが入った箱を漁る。
すると、中に盗聴器があった。
俺はそれのコードを切って、取り外した。
「…はっけーん。」
この分だと、全部に入ってそうだな。
「な、なんだい?それは。」
そうカーサさんに聞かれる。
「盗聴器ですよ。大方トライアンフが紛れ込ませたものでしょう。そして、カリュドーンの子の情報を流そうとした。」
弱みに付け込む…チンピラがやる手法だな。小汚い。
そうまでして覇者の地位が欲しいかよ。
「この分だと…全部の箱を確認してしまった方がいいかもしれませんね。ここ一つだけでカリュドーンの子の行動が全て流れるとは考えづらいですし。」
「これ、参考として渡すんで、町民全員で箱の確認をお願いします。」
「ただ…多分今日受け渡しの日になってますよね?なんで、今日までは取り除かず、明日になってから全て取り除きましょう。」
俺がそう言うと
「な、なんでだい?今日中に取り除いてしまった方が…!」
と、言ってきた。
「理由としては2つ。1つはトライアンフの雑魚共に盗聴器について気づかれたことを気取られないため。」
「もう1つは、これを覇者に提示する事で交渉するんですよ。」
「そうすることで、食料に関してもカリュドーンの子が持ち帰れるようになる、安定確保としては上等じゃないでしょうか?」
俺がそう説明すると
「確かに…。でも、カリュドーンの子への嫌がらせはどうするつもりだい?」
「そんなの、無視ですよ。あいつらならどうとでもします。」
「それとも、カーサさんはカリュドーンの子を信頼してないので?」
俺がそう揺すると
「そんなわけないじゃないか!」
と怒ってきた。
「なら大丈夫ですよ。」
「そんじゃ、盗聴器の件よろしくお願いします。ただ、それがトライアンフに聞こえないよう…なんかしらの隠語を使うように。」
「あぁ、もちろん。ありがとうね、空さん。」
そうカーサさんにお礼を言われた。
「そんな大層なことしてないですよ。じゃ、お願いします。」
そう言って俺は少し外出した。
次の日
昼頃、ルーシーとパイパー、リンが裏に集まっていた。
「おっ、プロキシだぁ。ルーシーになんか用かぁ?」
そうパイパーがのんびりとした声でリンに聞く。
「ううん、ぶらぶらしてるだけだよー。お構いなく〜。」
「おおっ、プロキシはやっぱり口が堅いぜぃ。これなら安心だぁ。」
「フフン、言いましたでしょ?秘密が守れて、咄嗟のことに対処出来なければ、プロキシとしてはおまんまの食い上げですわ。」
そうルシアーナ…ルーシーが言い出す。ま、確かにな。
「パイパーったら、私を試したんだね!」
「ごめんごめーん。これから重要なことを話すからさぁ。しかも、思ったより厄介なことになってそうで〜…。」
と、パイパーが言い出す。
ま、隠れて聞いてますか。
「プロキシさん、パイパーが疑わしいターゲットを見つけたんですの。彼女が詳しく話してくれますわ。」
と、ルーシーがパイパーに話を振り
「実はさぁ、あたしたちがここで野営を始めてから、なーんかおかしなことが起きてんだよなあ。」
「ブレイズウッドの町から工芸品が搬出されると、決まってその日の夜、町長のカーサが2、3時間街を離れるんだ。それも、ばっちり耐侵蝕装備を身につけてだぜぃ。」
「街に内通者がいるかもってルーシーから聞いてたからさぁ、あたし、寝付けないふりをして出かけようとしていたカーサと『偶然』鉢合わせたんだ。」
「そしたらあいつ…自分も寝付けないから気晴らしだ〜とか言って、そのまま家に戻ってったんだけど…」
「それから1時間経って、まーた抜き足差し足で町を出ていったんだぜぃ。」
と、パイパーが説明した。
あー。ゴリゴリ契約のやつだ。
さすがに弁明してやった方がいいんだよなぁ…。
「うーん、不自然だねぇ…。」
「はぁ…こんなの、悲報も悲報ですわ!」
ルーシーはそう言い出す。
「カーサとカリュドーンの子の交流は、私がメンバーになる以前からのものでしてよ。私たちがここを拠点にしているのも、そうして築かれた長年の信頼があってこそのものなのに。」
「それにシーザーは、カーサのことを実の姉のように慕ってますわ。本当に彼女が裏切り者だとして、そのことがあれの耳に入ったら…。」
と言って、ルーシーは身震いした。
「シーザー、ショックだろうね…。」
リンもそう悲しそうな顔を見せる。
「ですから、この件は内密に調査するしかないんですわ。最悪の予想が当たっていた場合でも、シーザーに気取られることなく解決すべきですわね。」
と、ルーシーは言い出した。
「ま、そんなことしなくたっていいんだけどな。」
俺はそう言って飛び降りた。
「「空(さん)!?」」
「…もっと厄介なことになった気がするぜぃ…。」
「よぉ、リン、ルーシー、パイパー。」
「結論から言うが、カーサは裏切りもんじゃねぇぞ。」
「後、この町に裏切りもんは居ない。」
俺がそう断言すると
「…貴方に、貴方になにがわかるって言うんですの!?」
と、怒ってくる。
「トライアンフの情報入手ルートだが。」
「そうだけどそうじゃありませんわ!そもそも、貴方だって今疑わしい人物に上がったのですわよ!?」
「そらそうだろうな。逆にこれで俺の事をまだ信頼してたら『お前交渉役降りろ』つってるわな。」
「まぁでもこっちにゃ物的証拠がある。」
「ほら、これ。何か分かるか?」
俺はそう言って盗聴器を見せた。
「これは…盗聴器!?」
「あぁ。しかもこいつは工芸品の箱に入ってやがった。」
「で、ここで大事なのがカーサの考えだが…」
「お前らはレースに必死で気づかなかったかもしれねぇが…この町の人数にしては、工芸品の作成量、多いんじゃねぇの?」
俺がそう言うと
「…言われてみれば、そうですわ。」
「これは、部外者じゃなきゃ分からなかったことだなぁ。」
「ま、そんな訳だからもしかしたらーと思って聞いて見りゃ、ビンゴ。トライアンフからの依頼で食糧と引替えに工芸品を作ってたとよ。」
「なっ…なんで、カーサはそれを…!」
「知るかよ、まぁでも…大方「レースに集中して欲しかった」とかじゃねぇのか?」
あの人優しいし。
「で、俺は数日中に、カーサとトライアンフの交渉現場に乗り込んで落とし前付けてもらうが…来るか?」
「当たり前ですわ。」
「あたしも行くぜぃ。」
「じゃ、夜カーサの追跡な。やるぞ。」
「「「おー!」」」
そうして荷物を搬出する夜になった。
「うっし、ホロウ侵入。」
『シーザーとバーニスは大丈夫そ?』
リンはそう俺らに聞いてくる。
「シーザーはもう寝てましたわ。あれでけっこう、ルーティンはかっちりしてる方ですのよ。」
「バーニスの方は俺が手を打っておいた。」
「丸1日スパーリングに付き合ってやったからな。もう起き上がる気力もないだろ。」
「流石に俺も堪えた。今日出会うエーテリアスには申し訳ないが、痛みなく消し去ってやるってのは無理な相談だ。」
「ま、そこは俺が叩き斬るから問題ねぇよ。」
俺がそう言うと
「頼もしいですわね、銀狐さん。」
「では参りましょう。この件は、私たち4人とプロキシさんだけで何とかしますわよ。」
そのルーシーの言葉で、俺たちは進軍を開始した。
まぁとは言っても今の俺にとってエーテリアスは雑魚でしかない。
楽々切り飛ばして、どんどん先へ進んで行った。
そしてカーサさんを追っていくと、少し大きめの広場に着いた。
「来たよ、言われた通りね。」
「誰か!いないの?」
カーサさんがそう呼びかけると
「約束を違えたな…」
と高圧的な声が聞こえた。
なるほど、実行犯はこいつ臭いな。
「1人でと言った…」
そう来る男にカーサさんは
「何言ってるの?約束のものを渡して!」
と言い返す。
そういうカーサさんに、男…いや、狼のシリオンは電線を斧と鉈を合わせたような武器でジップラインのように滑り降り、カーサさんの首元に寸止めした。
「それには相応の代償がいるな。いっそ…」
そう言って銃を構えてルーシー達のいる場所に撃ち込んだ。
「イノシシどもから取り立てるか。」
そういうシリオンの言葉に、カーサさんは後ろを見る。
そうそう、なんで俺がこんなに詳しく話せるのかって?
「そんな余裕があればな。」
俺はこいつの横にある荷物に隠れてたからだよ。
「なっ…貴様、一体誰だ?」
頭にuziを向けられたシリオンはそう言い出す。
「んー?そうだな…。こすい真似をする犬っころに引導を渡しに来た、狐だよ。」
俺はそう言ってそいつの腕を蹴り飛ばし武器を手放させ、そのまま掴んで握り潰した。
「なっ…!貴様…!」
そう言いながら銃を撃って来るシリオン。
だけど…
「ふあぁぁ。どこ見て撃ってんだ?てめぇはよ。」
俺はそう言って後ろから銃をつかみあげ、バレル部分を握り潰した。
「たかが人間に、負ける訳がっ」
「うぜぇんだよ。負け犬が。」
俺はそいつの腹にグーパンを叩き込み、回し上段蹴りで相手の頭を地面に沈めた。
さーてと。
「てことでカーサさん。さっさと物資回収しましょうか。ホロウ内で侵蝕起こったら大変でしょう?」
「あ、あぁ…というか、なんで…!」
「説明は後で。ほら、行きましょ。」
俺は犬の頭を掴み握って引きずった。
「ぐ、は、はなせ!クソ野郎が!」
「黙れや負け犬。」
俺はそいつが口を開く度、足に銃を撃ち込んだ。
「次喋ったら次は腕だぞ。」
そして殺気を飛ばす。するとそいつは完全に沈黙した。
「さ、行きましょうか。」
俺たちはそのまま先に進む。
すると物資の場所には
「シーザー…!」
シーザーが、物資の箱を開けて確認をしていた。
「シーザー、落ち着いて聞いて。その物資は」
「よせ。知ってる。」
ルーシーが話をしようとした時、シーザーはそれを止めた。
「これ以上物資をホロウに置いとけねぇ。」
「カーサ…全部持ってけ。」
シーザーはそう言い出す。
…誰から聞いた?
すると、奥から拍手をしながらおっさんが歩いてきた。
「覇者、ポンペイ…!」
ルーシーはそう言いながら身構えた。
へぇ…こいつが。
「久しいな。カリュドーンの子、シーザーよ。ビッグダディの傍にいた小娘が…部下を連れて俺の舞台に足をかけているとはな。」
そう言い出すおっさん。
「あーおっさん。そんなのどーでもいいんだわ。」
俺はそう言って犬を蹴り飛ばす。
「カリュドーンの子は、そこのクソ犬が町長カーサとの約束を違え、情報を抜かれ、様々な不利益を蒙った。クソ犬にはこちらから制裁を加えたが…長として、責任はとってもらおうか?」
俺はそう言って回収していた盗聴器を投げつけた。
「…説明をしろ。」
そうおっさんは冷や汗を流して言ってきた。
ギリギリメンツを保ってるみたいな状態だな。
「…今投げつけたのは、ブレイズウッドに持ち込まれていた工芸品。その材料箱に入っていた盗聴器だ。」
「そして、その材料箱はトライアンフからの持ち込み。」
「そして、ここ数日間、俺らが一緒に行動する限りで、トライアンフからの刺客や先回り、妨害が必ずあった。」
「ここまで言えばわかるよな?おっさん。」
俺が説明すると
「…あぁ。理解した。」
「モルス。聞いてはいたが…最近ブレイズウッドへの」
おっさんがそう言い出し、俺はそれを遮って
「あーあー、そういうの後でやってくれめんどくせぇ。」
「保証内容はなんだおっさん。」
「もし納得がいかなきゃ…てめぇら諸共全員殺すぞ。」
俺は本気の殺意を見せた。
それにおっさん以外は戦慄していた。
「…まさか、貴様のような若造が、そんな殺意を見せられるとはな。」
「最近、旧油田エリアに隣接する複数のエリアと提携の協議をした。」
「簡潔にまとめれば、その結果劣化したパイプラインの再建と、新しい輸送ルートの開拓を可能とした。」
「そのうちの3本をこれから半年間、カリュドーンの子の担当とする。」
「これで、文句は無いだろう?」
…なるほど、手に入れた利益を明け渡す、と。
俺がシーザーを見ると、シーザーはルーシーの方を見た。
ルーシーを見ると彼女は頷いた。
「うちの頭脳代表はそれでいいそうだ。」
「とは言っても…条件はあるだろ?予想するに新規開拓エリア…そこに存在する困窮した人々の手助けってとこか。」
「…相当に頭が切れるようだな。その通りだ。」
俺はそのおっさんの言葉に頷き、uziを下ろして、殺意を消した。
「分かった。ならこれで手打ちとしよう。」
「ただ、もうすぐツール・ド・インフェルノだ。」
「仮にこっちが勝った場合でも、この利益は変わらず得らせてもらうからな。」
「ふん。貴様も走り屋なら分かるだろう。それは覇者が決めることだ。」
「シーザー。次にまみえるのを、楽しみにしているぞ。」
そう言っておっさんは犬を抱えて帰って行った。
「さて、出るか。」
「いやそんな軽々しいもんじゃねぇよ店長!なんだよあの殺気は!?」
「貴方…まさか、人を殺したことありますの?」
「…後でな。とりあえずさっさと出よう。侵蝕が起こっちゃ叶わん。」
俺たちはそうしてホロウを出て、細かいことを次の日に話すことにした…。
次の日
「で、貴方。ほんとに人を殺したことはないんですのよね?」
「当たり前だ。そんなこと、する気も起きねぇよ。」
殺しかけたことはあるけど。
「じゃあ…あの殺気はなんなんですの?」
「…昔の話だよ。あまりに胸糞が悪い。また今度、機会があったら話してやる。」
俺はそう言ってはぐらかした。
「…」
シーザーは沈黙を続けている。
「シーザー?どうした?」
「え?あ、あぁ。なんでもないぜ!大丈夫だ!」
ふーん…まぁいいか。
「なんかあったら言えよ。」
「…あぁ。」
シーザーはそう絞り出すように答えた。
「とりあえず、お前らはツール・ド・インフェルノに向けて用意がいるだろ?しばらく俺の出る幕は無さそうだし、少し家に戻って、色々と処理をさせてもらうよ。」
俺はそう言ってブレイズウッドから出た。
…はぁ。
俺は腕を捲る。
そこには複数エーテル結晶、そしてそれを結ぶように、青緑色の線が走っていた。
…なんかしらの対策、考えとかねぇとな。
そして、俺は1度家に戻り色々なことを終わらせておく。
もし仮に…
侵蝕で俺が居なくなったとしても、なんとでもなるように。
数日後
ブレイズウッドに戻り、俺はアキラと共にリンのサポートについていた。
ツール・ド・インフェルノは3人という制限がある。どうにしたって、俺が加勢することは不可能だ。
だから今回はもし何かがあった時のため、ホロウ内での待機をしていた。
もちろん、H.D.D.を流用して、音声のみは俺の耳にも届くようにしている。
「さーてと、何も起きなきゃいいんだが…。」
『ツール・ド・インフェルノ、レーススタート!』
そう掛け声が上がり、一気にバイクの唸り声が聞こえ始めた。
さてと…追いかけますか!
俺はバイク程度のスピードを保ち、加速していく。
そしてしばらく進んでいると…
目の前がいきなり爆発し、崩落した。
「は!?」
俺は無理やりブレーキをかけて、そこに止まった。
おいおい嘘だろ、ここまでするかよトライアンフ…!
「ちっ…クソッタレ。」
『銀狐、何があったんだい!?』
俺がそう口に出すと、アキラが焦った口調でそう呼びかけた。
「目の前が爆発して崩落した。多分シーザーとリンが巻き込まれてる。」
匂いを嗅ぐと、どうも気分が良くなる。こりゃ…高純度エーテルだ。
「おそらく爆発は人為的なもの、俺は…シンダーグローレイクへ先回りする。ツール・ド・インフェルノの映像ドローンに異常がないか確認してくれ。」
『分かった、任せたよ、銀狐!』
そう言って俺は通話を切り、シンダーグローレイクへと大急ぎで向かった。
だが、あまりに高低差が酷い。ルートも分かりづらい。
結局俺が到着した時には、もうトライアンフのメンバーがたどり着いていた。
…十中八九、あの爆発はトライアンフだ。
だが、おっさんがそんなことをするとは思えん。少なくとも、実力は認めていたはずだ。
だとするならば…。
俺は陰に隠れてトライアンフの2人の話を聞いていた。
待てよ、2人?おかしいだろ?
…なるほどな、大方、あのクソ犬は監視役に付けられたか。
さて、グルか、暴走か…見極めさせてもらおうか。
「カリュドーンの子め。新入りを見込んで期待していたのだが…その新入りは参加してこず、なんとも退屈なレースだったな。」
「せっかく親分が目をかけてやっていたのに…シーザーめ、やる気がないにも程がありますね。」
…なるほど、爆発についてはおっさんは知らんようだな。
てなると、あの金髪の暴走か。
「フン。だが退屈も結構なことだ。少なくとも数年は、火の湖を心配しなくてもいいのだからな。」
そして、トライアンフの火打石が湖に落ちた時。
「なっ…!?」
そこから一気にエーテル結晶が出現した。
火打石は、エーテル結晶を砕くしろもんじゃなかったのか!?
「どういうことだ?エーテル結晶が大量に現れたぞ!?」
おっさんもそう驚く。
「『エーテル重合触媒』…遊離状態にあるエーテル粒子の結晶化を促す代物です。」
「都市の企業が、エーテルの生産量を増やすために開発した技術ですよ。この場所の特異な環境では、さぞ効果があるでしょうね。」
俺はその言葉を聞いた瞬間、ふっと意識が飛びそうになった。
疲れとかじゃない、快楽だ。
一気に、エーテルが流れ込んできた。
俺でも分かる、とんでもねぇ濃度だ…!?
「うぐっ…!?」
「ルシウス…貴様よくも…!」
そう言って、おっさんはルシウスに斬りかかった。
「ぐあっ…!」
そしてそれは、ルシウスの右頬に当たり、傷跡をつけた。
「おいおい、よくも僕の右頬に傷を増やしてくれたな。」
…救えねぇな。こいつは。
俺はゆっくりと近づき、刀を抜く。
「怪物め…これだけ侵蝕が進んでいて、まだこれだけのパワーがあるとは…!」
ルシウスはそう恨み節を吐く。
「貴様なんぞに期待していたとは…俺の目はとんだ節穴だったようだ。」
「都市のエーテル企業と結託することが…どんな結果をもたらすのか、貴様は…!?」
おっさんはそれに対して返している最中、俺の姿に気づいたようだった。
「やだなぁ親分…みんながみんなあんたみたく古臭い自由と仁義を信じてるなんて…まさか思っちゃいないよな?」
「弱者も、能無しも、もうとっくに時代から見捨てられてるんだよ!」
「エーテルの力さえあれば僕はリーダのいない郊外に新たな秩序を」
「うるっせぇよクソ野郎。」
俺は刀を炎纏化させ、腕を斬った。
「ぐあああああああああああぁぁぁ!!!!!!!」
「おっさん、大丈夫か?鎮静剤打つぞ。」
俺はすぐさまおっさんに持てるだけの鎮静剤を打ち込んだ。
俺が所持していたのは10本。
それだけを流し込めば、一度は落ち着くはずだ。
だが、早急に連れ出さねぇと…!!
「新…入り、お前、は、必ず…火打、石を…届け、させろ…!」
そう言っておっさんは気絶した。
「おっさん!おい、おっさん!!」
俺がそう叫んだ時、シーザー達が到着した。
「な、店長!?どうしてここに…!」
「話はあとだ!ルシウスが裏切った、火打石を投げ込まねぇと、時間が…!!うおっ!?」
その瞬間、おっさんから強いエーテルの風が吹き荒れた。
なっ…嘘、だろ!?
鎮静剤を、10本も打ち込んだんだぞ…!?
おっさんはその場でバイクと自身の体を持ち上げ…胸元にコアを出現させた。
そして、そこで大きなエーテル結晶の星となる。
「おっさん!」
俺が声を上げるが、それは届かない。
そこからは1つのバイクが飛び出してきた。
「用心しろ!」
ライトがそう呼びかけ、後ろで3人はバイクを避ける。
そしてバイクは星を中心にぐるぐると周り…星は爆発を起こした。
「うおっ…!?」
俺は少し吹き飛ばされたが、即座に受身をとり、シーザー達の前に立つ。
そしてその星を見れば…そこにはふたつの角を生やしたエーテリアスが立っていた。
そしてそのエーテリアスに付き従うように、バイクが近づき、そいつはバイクを掴んでまたがる。
「ちっ…クソッタレ!!」
俺はそこら中に蔓延しているエーテルを一気に吸い込む。
足に流して踏み込み、腕を切り離す。
「…な、避けられた!?」
が、それは当たらず、避けられてしまった。
「店長、変われ!」
俺はシーザーの声で後ろに引き、シーザーがバイクに剣を当てる。
すると、少しエーテル結晶が削れた。
「なるほど、まずは足からね…!」
俺は刀を納刀。また加速し今度はグーパンでバイクにヒビを入れた。
すると、エーテリアスは、バイクを加速させ、俺の体にぶち当てようとしてくる。
「当たるかよ!」
俺は回避して、uziをバイクに叩き込む。
大したダメージにはならんが、ないよりマシだ。
そして、さらに俺は踏み込んでグーパンを叩き込む。
するとバイクに一気にヒビが入り、エーテリアスは吹き飛んだ。
しかし、そいつはまだ諦めていないようで、バイクを吹かし、上に飛び上がる。
そして真っ逆さまに落ちてきた。
そして、その土煙が晴れた時…
そのエーテリアスは、刺々しい刃を持った剣を持っていた。
「!来る!」
俺は刀を抜き、突撃してきたエーテリアスの剣を弾く。そして弾丸を体に打ち込んだ。
しかし、その弾丸は全てそいつが拾ったガレキで防がれた。
そして、そのまま盾で殴られ、俺は後ろに吹き飛ぶ。
『銀狐、銀狐!』
そう、リンの呼びかける声が聞こえる。
また、これかよ…。あぁ?
…上等だ。やってやろうじゃんか。
俺はふらつきながら立ち上がる。
『銀狐、大丈…ダメ!』
リンは俺の手元を見て、すぐに止めにかかる。
「大丈夫だ。ちゃんと生き返ってやる。」
俺はエーテル燃料を飲んだ。
体に痛みが走る。
足に、腕に。結晶が生え始める。
「退け、お前ら。」
俺はそう言って、3人を押しのける。
「銀狐さ…!貴方、何を考えてますの!?」
「店長!そんな体で戦うなんて無茶だ!」
「銀狐、お前は下がってろ!」
そう3人からの声が聞こえる。
「…うるさい。黙ってろ。」
だが、俺はそれを無視した。
なんなら、突っ撥ねた。
そして、俺は構える。
居合の構え。
この一撃で、全てを終わらせる。
「九尾魂炎、一閃。」
俺は真紅に染った刀を振るい、エーテリアスを真っ二つに斬り、そのままそいつはシンダーグローレイクに溶けて行った。
そして、そいつが落ちたところにはエーテル結晶が生えた。
「っはぁ!!はぁ!はぁ…!はぁ…。」
俺は体を改めて見る。
その体には、侵蝕が進んだ証であるエーテル結晶が、いくつも服を破って生えていた。
「あーあ、まーた病院かよ。めんどくせぇ…。」
『銀狐、銀狐!?大丈夫、じゃないよね!?早く、病院に…!』
リンはそう言って、引きずって俺を連れていこうとする。
「待て、リン…まだ、終わっちゃいねぇだろ。」
『え?でも、シンダーグローレイクはもうあと数分で…。』
リンはそう言い出す。
「えぇ…皮肉なもんですわ。火打石があっても、この距離じゃ、どうにもなりませんわ。」
「石油が消えたら、ルシウスはここをどうすんだろうな…。よっと。」
そう言って、ライトが俺の事を担ぎ始める。
「ほら、さっさと病院に」
そう言いかけた時、バイクの吹かす音が聞こえた。
「火打石を届けるぜ!」
そう言って、シーザーがバイクを走らせ始めた。
「何?待てシーザー、あんたまさか…!」
「「こんの大バカ(野郎)!!」」
俺たち3人は一気に追いかけ始める。
「死にますわよ、正気ですの!?」
「おいシーザー!待ちやがれてめぇ!!」
俺は足に無理をかけてさらに加速する。
さらに強い痛みが走るが、そんなこと知ったこっちゃねぇ。
「シーザー!居場所なんて、いくらでも替えが利きますわ!!」
「あの馬鹿野郎…!!」
もういい、体のことなんぞ知ったこっちゃねぇ…!!!
「お前ら、そこをどけ!」
『空、ダメ!!!』
俺は追加でエーテル燃料を飲み干し、その全てを足に送る。
足にとんでもない激痛が走る。
今まで味わったことの無いような、地獄のような痛み。
「知ったこっちゃ…あるかあぁぁぁぁ!!!!!!」
俺はそう言って、シーザーと一緒に飛び込む。
「な、店長!?どうして!?」
「…てめぇは生き残んだよ、バーカ!」
俺は火打石を奪い取り、エーテルを腕に回す。
そして、シーザーを上に投げ飛ばした。
そしてその瞬間。
俺は火打石から手を離し、目を閉じた。
…我が生涯に、一遍の悔いなし。
そう思って俺は、溶岩に飛び込んだ…はずだった。
…おかしい。いつまで経っても、燃える感覚がない。
目を開けるとそこは、裂け目の中だった。
そして、前を見れば、そこには光と、シーザーのバイクがあった。
「…ははっ。伝承は、本当だったんだな。」
俺はシーザーのバイクに乗り込み、一気に吹かした。
「ちっとばかし、力貸せや!!」
「ぶっ…飛べ!!」
俺はそう言って、裂け目から脱出。
奥の広場に止まった。
『空!空!』
「おい店長!頼む、頼むから!!起きてくれ!!」
「銀狐さんを早く病院へ!!」
「急ぐぞ、お前ら!」
どんどんと、声が聞こえなくなっていく。
エーテルに侵されていく。
そして俺は意識を手放し、次に目を覚ましたのは…
「…知ってる天井。」
病院だった。
そして隣には猫又がいた。
「…トイレ。」
少し漏れそうになって、俺はどうにか布団から這出る。
そして俺は
「…マージか。」
そう呟いた。
俺の足に、多くの結晶が生えていた。
削ってくれたようで、足の形は保っているが…。
「…まぁいいか。」
俺は静かに立ち上がり、トイレへ向かう。
そして用を足し、鏡を見た時。
「…は?」
俺は、そう言うしか無かった。
「か、髪の毛先が、白色に…??」
今まで聞いたことがなかった。
エーテルの侵蝕で、髪の色が変わるなんて。
「これは…本格的に、まずいな。」
俺は部屋に戻る。
すると
「空!!」
猫又に飛び付かれた。
「うおぉ!?」
「こ、今度こそ死んじゃうかと思ったんだぞ…!?」
そう猫又に泣き付かれる。
「お、おう…すまんかったな。もう無理はしないようにするからよ…。」
なるべく。
「…絶対、店長無理するもん。」
「決めた。あたし、邪兎屋を抜ける。」
猫又はそう言い出した。
「…はい?」
「邪兎屋を抜けて、店長の補佐に就く。絶対に、逃がさないぞ。」
そう舌なめずりされた。
「…あー…終わったかもしれない。」
そして俺は…なし崩し的に猫又と付き合うことになった。
尚、邪兎屋は抜けず、そのまま臨時従業員として扱われることになったらしい。
退院後の夜
「…手が、震える。」
頭の中で声が聞こえる。
『殺せ、殺せ。悉くを切り刻め。』
そういう声が。
絶対に殺さねぇよ。
少なくとも、向かってくるやつ以外はな。
俺はいつも通り、エーテルを消費するため、また空へ跳んで行った。
…次の事件が、こんなことにならないことを祈るしかないな。
柳視点
「…まさか、そういう事だったとは。」
私は、浅羽隊員から渡された情報を見て、思わず頭を抱えていました。
これが本当であれば、私達は…。
「いえ、今考えてもしょうがありません。」
必ず、捕まえてみせます。
空さん…いえ、『パエトーン直属エージェント、銀狐』。
空がいる世界線のゼンゼロプレイヤー掲示板
01:カッコよすぎひん?
02:ほんそれ、なんなんあいつ。
03:美味しいところ全部かっさらってったぞ。
04:バグやでほんま。
05:でも最近、なんか無理してる感じがするぞ。
06:確かに、なんか性格まで変わってた。前まであんなに人殺しに積極的だったか?
07:わからん。元々降りかかる火の粉は問答無用で吹き飛ばしてたから…。
08:でもサラですら殺されなかったんだぞ?おかしいだろ。
09:侵蝕の影響が残ってるとかか?
10:ありそう。
11:敵落ちが現実味を帯びてきたんですが。
12:やめて怖い。
13:でも、空の性格上こういう事態にアキリンが巻き込まれれば必ず無理するんだよな。
14:自己犠牲の精神強スギィ。
15:次のストーリーが楽しみだわ。
16:ほんとに、頼むから、そんなことないようにして欲しい。
17:ところで話変わるけどエージェント秘話まだっすか。
18:それな。
19:早く過去が知りたいねん。
20:でも胸糞悪いんだろ…?俺聞きたくない。
21:聞くんだよ聞かないとか有り得んぞ。
22:嫌だああああああああああぁぁぁ
23:そういえば、PVに出てた陣営、もうあと1つじゃねぇか?
24:あ、そうだ。後ホロウ6課だけだ。
25:次のストーリーはホロウ6課ってこと?え、あのデカブツ斬り裂いたやつの話?
26:敵対したら終わりそう。
27:いやでも空ならわんちゃん。
28:ないだろ。
29:ないな。
30:あるわきゃねぇ。
31:…現実は非情なり。
キャラ紹介(性能含め)欲しい?
-
欲しいに決まってんだろ!?
-
キャラ設定だけ欲しいかなぁ。
-
性能だけ欲しいわ。
-
どっちも要らねぇよばーか。
-
そんなことよりらあめん食べたい(閲覧用)