パエトーン直属エージェントの日常   作:Kei0503

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chapter02 ホロウの中心で…を叫んだ?

「おはよ〜店長!」

「おう、おはよう。」

 

今日も今日とて鍛冶屋を開く。

まぁその前に…。

 

「今日の朝ご飯はサバの塩焼きだぞ〜。」

「え!?やった〜!!」

 

と、喜ぶ猫又。

うーん。かわいい。

そう思いながら食卓の用意を進める。

 

「それじゃ…。」

「「いただきます。」」

 

俺と猫又は2人揃って手を合わせ、朝ご飯を食べる。

 

「うーん!やっぱり店長のご飯は美味しいぞ!」

「そうか?嬉しい限りだな。」

 

今の状況について話しておかないとな。

あのヴィジョン・コーポレーションの地下鉄事件から今日で1ヶ月。

猫又は家で働くようになって数日経った後に、家で暮らすことになった。

つまり…今いるのは俺の家。

猫又曰く「なにか邪兎屋の方で仕事が起きない限り常に鍛冶屋にいるから店長と暮らしたほうが楽」だそうだ。

…俺、男だと思われてないのかな。

まぁ、そういうことをする気はさらさらないんだけど。

 

「そういえば店長。気になってたんだけど。」

「ん?どうした?」

「店長って、ホロウ内ですごい速いスピードを出したりしてるよな?あれ、どうやってるんだ?」

「あー…。」

 

あれ、ねぇ…。

 

「先に言っとくと、猫又には絶対にできないぞ?」

「え!?なんで!?」

「俺の特異体質を利用したもんだからな、あれ…。」

 

俺はそう前置きをして話し始めた。

 

「猫又、お前ってホロウ内活動時間はどのぐらいだ?」

「あたし?あたしは…大体2時間ぐらいかな。」

「まぁ標準ぐらいか。」

「そういう店長は?」

「10年。」

 

俺がそう言うと、猫又は目をパチパチさせて

 

「あたし聞き間違えた?店長のホロウ内活動時間って…。」

「10年だな。なんにも聞き間違えちゃいねぇぞ。」

「あと、俺はエーテルエネルギーを蓄積できるんだ。」

「それを利用して、足の筋力や腕の筋力、刀を炎纏化させてたりするんだ。」

「だから、俺が普段戦闘をするときに着ている上着にはエーテル燃料が付いてる。」

「非常時に飲んで一気に火力を上げるためにな。」

 

と俺が説明し終わると

 

「…もう意味がわからないよ店長。」

 

と苦笑した顔で言われた。

 

「大丈夫だ、俺もこの体質全く意味わかってないからな。」

「ま、気にすんな。別に対して困ってるわけでもねぇしよ。」

「…ならいいけど。」

 

俺達はその後、店の経営だったり、バイト代をいつ渡すかだったり…日常会話をして飯を食べていた。

 

十数時間後

 

「ありがとうございました〜!」

 

猫又がそうお礼を言って、店には客がいなくなった。

 

「いや〜、今日も忙しかったな!」

「バイト代も期待できるぞ!」

 

猫又がそう俺の隣で言ってくる。

 

「お前が店番やるようになってから儲けがとんでもなく増えたからな。」

「今日はいいもん食べに行くか?」

「いいのか!?やった〜!!」

 

…こう猫又に接していると、まるで娘みたいに思えてくるな…。

あれ、俺と猫又って家族だった?

 

「あ、そうそう。銀狐に伝えとかないとなんだけど。」

「!どうした?」

 

俺はいきなりエージェント名で呼ばれて面食らった。

 

「地下鉄再建プロジェクトあるだろ?あれを白祇重工が競り落としたんだって。」

「で、プロキシの力が必要だって言ってたからニコがパエトーンのアカウントを教えてたぞ。」

 

…あいつ、ちょっとお灸を据えないと行けないかな??

 

「なぁ猫又。バイト代なしでいい?」

「えぇ!?なんで!?」

 

俺がそう言い出すと、猫又は泣きそうな目で驚きながらこっちを見てきた。

 

「いや、なんか簡単に秘密をバラすあいつにお金流したくないなって。」

「その代わり好きなもの現物支給してやるから。バイト代+埋め合わせとして。」

「ならいいぞ!あたしも簡単に情報を流すのは良くないと思ってたんだ!いくらお金がないからって…。」

 

と、猫又はむむむ…という声が出そうな顔でそう言ってきた。

 

「ありがとな。よっしゃ!今日はお寿司でも行こうか!」

「え!?サバたっくさん食べていいの!?」

「おう!なんならサバだけじゃなく他の魚もたらふく食べていいぞ!」

「やった〜!店長大好き!」

 

そう言って抱きついてくる猫又。

 

「ごふっ。」

 

うん。可愛すぎ。

俺はその場に血を吐いてぶっ倒れた。

もちろん、ちゃんとその後起きて飯を食べに行きました。

幸せそうにお寿司を食べる猫又は天使と見間違うほど可愛かったです。

 

その日の夜

 

俺の携帯に電話がかかってきた。

 

「はい、夜月です。」

『あ、空。』

「あぁ、リンか。どうしたんだ?」

『実は白祇重工らしきところから依頼が来て…。一応来てもらえないかな?』

『明日の早朝5時に六分街の交差点で集合になってるの。』

 

そうリンから言われた。

あぁ、今日猫又が言ってたやつか…。

 

「わかった。ただ武装はしないでいくぞ。あと、多分猫又も連れて行くことになると思う。」

『うん、来てくれるだけで心強いから大丈夫!でも、なんで猫又?』

 

リンに聞かれた。

 

「いや…。うん。今一緒に暮らしてるんだけどよ。」

『一緒に!?ちょっと、どういうこと!?』

 

騒ぎ始めた…。

 

「…猫又は基本的に邪兎屋で何か急用がない限りうちの店で働いてくれてんだよ。それで俺と一緒に暮らしたほうが何かと便利だってことになったんだ。」

『そういうこと…。それで?』

「…あいつが可愛すぎて父性が爆発してる。」

『あー…。空って、子どもとかできると親バカになりそうだからね。』

 

うるさいな…。

わざわざ言われなくとも今の状況からわかるわ!

 

「まぁ、そんな状況だからもしかしたら猫又を連れて行くかもしれん。」

『OK〜。それじゃあ、また明日!』

 

そう言って通話を切った。

 

「んにゃ…ふあぁぁぁ…。店長、寝ないのか?」

「ん?あぁ、ちょっと連絡があってな。」

「明日、パエトーンと一緒に出かけるが…お前も来るか?」

「…むにゃ…行くぅ…。」

「ん、わかった。じゃあ早く寝な。明日は朝早いぞ。」

「…てんちょーも…。一緒に…寝るの…。」

 

猫又はそう言って俺の胸元に倒れ込んで寝た。

 

「ぐぅ…!!」

 

殺す気か!?こいつは俺を殺す気なのか!?

可愛すぎんだよくそったれええええぇぇぇぇぇぇ…。

 

次の日

 

猫又離れなかった。

一睡もできなかった。

朝起きたらビンタされた。

なして。

 

「おはよ〜空…ぷっ、あははは!派手にやったね猫又!」

 

ビデオ屋の前で猫又と待っているとリンが出てきてそう笑われた。

なんでかって?俺の頬に手の跡がついてたからだ。

 

「ううううるさい!リンちゃんだってアキ」

「わー!!わー!!ちょっと猫又、それは内緒って話でしょ!?」

 

猫又が何かを言おうとして、リンが止めた。

…アキラも大変だな。

 

「…ひとまず集合場所に行こうぜ。」

「う、うん。」

「あ、うん。」

 

俺はリンと猫又を連れて集合場所近くに向かった。

するとそこには、白祇重工の代表としてテレビに出ていた、アンドーという人物がブツブツと独り言を呟いていた。

すると、アキラからリンに対して通話が来ていた。

それが終わるまで待っていると

 

「よう、見つけたぜ!」

 

と、底抜けに明るい声でアンドーは声をかけてきた。

 

「く、くらえっ!!」

「ちょぉ!?」

 

リンは何を血迷ったのかいきなりスタンガンを振り回し始めた。

俺はそれを大急ぎで止めた。

 

「す、すみません!」

「い、いや。大丈夫だ。」

「悪い悪い…通話が終わるまで待ちゃ良かったな。けどよ、お前らがあの『パエトーン』なんだろ?なぜ邪兎屋の猫がいるかは知らねぇが。」

 

そうアンドーが聞いてくる。

 

「えぇ。あなたは、白祇重工のアンドーさんですね?あと、この子は私の家族ですので、お気になさらず。」

「うにゃ!?」

 

なんか猫又がすっごい顔赤くなってるけど無視無視。

 

「あぁ。ツラが割れてんなら話は早ぇ…は?その猫、お前の家族なのか?」

「えぇ。まぁそこは関係ないのでお気になさらず。」

「お、おう…。」

 

そう言って、アンドーは咳払いをして真剣な面持ちになった。

 

「『パエトーン』。初っ端からこんなふうに会うのは筋が通らねぇかもしんねえが…送った通り、我が社は今崖っぷちに立たされてんだ。事情が事情だけに、正体を知られるわけにも行かねぇ。」

「これは、俺らなりに考えた結果だ。いっそのことガチンコで、お互い秘密を握っちまうのが安全だってな。すまねえが、わかってもらいてぇ。」

 

そうアンドーは頭を下げる。

…まぁ、正しい判断だな。

 

「なるほど、それも一理あるね。」

「でも依頼の話をする前に、こっちの質問に答えて。あのアカウントが私達のものだって、どこで知ったの?」

 

リンがそうアンドーに聞く。

あー。

 

「はん、そいつぁ言えねぇな…。」

「あ、ニコだな。」

「猫又からタレコミあった。」

「…リン、制裁は加えてあるから大丈夫だぞ。」

 

少し怒りの波動が見えたリンにそう言っておいた。

 

「…制裁って?」

「猫又のバイト代は現物支給。」

 

俺は猫又と一緒にリンにピースした。

 

「あー。ならよし。」

 

リンは納得したらしい。

アンドーは唖然としてた。

 

「それで?白祇重工は一体何をして欲しいんです?」

 

俺が聞くと

 

「引き受けてくれんのか?そいつぁ良かった!」

「来いよ。今すぐ現場まで案内してやる!依頼の件はうちの社長が直々に説明してやっからよ!」

 

アンドーはそう言って踵を返して車に向かおうとする。

 

「待って!現場って…白祇重工が最近請け負った、地下鉄改修プロジェクトの?」

「あぁ!ヴィジョンの手に落ちてたら、あのあたりも木っ端微塵になってただろうが…。今は我が社の兄弟たちが汗水垂らして働く、漢の戦場だ!ハハハハ!」

 

そう高笑いするアンドー。

…むさ苦しそう。

 

「アンドーさん、こちらも仕事なんで、準備が必要です。」

「彼女と一緒にビデオ屋の駐車場で待っててくれませんか?準備できたらそちらに向かい、こちらの車で現場に向かいましょう。」

「おう、まぁいいだろ。そんじゃ、お言葉に甘えるとすっか!」

 

そして、リンとアンドーは先に駐車場に向かった。

するとアキラから電話が来た。

 

『ありがとう、空。』

「いいよ、別に。そろそろ裏の仕事もしたいと思ってた頃だしな。」

『猫又はどうするんだい?』

「ん〜…まぁ、聞いて決めるよ。下手に連れて行くわけにも行かない。邪兎屋所属なわけだし、下手につれてくとニコに金とられそう。」

『あはは…彼女は本当に悪い意味で信用があるね。』

「あいつが悪い。それじゃ、切るぞ。リンは任せとけ。」

『あぁ、よろしく頼むよ。』

 

そう言って通話を切った。

 

「で、猫又、お前どうする?来るか?」

「え?行くぞ?」

 

即答ですか。

 

「ニコからは特に仕事の召集がかかってる訳じゃないし、大丈夫!」

 

そう笑顔で言ってくる。

うーん。可愛すぎない?こいつ。

 

「わかった。なら用意して行こうか。」

「分かった!」

 

俺はそう言って幼z…猫又とアンドー、リンを連れて工事現場「黒雁街跡地」へ向かった。

 

黒雁街跡地

 

「もう着くぜ、社長はすぐそこだ。」

「まだ若えが、百獣の王って感じだかんな。存分に緊張しな!」

「『しなくていい』じゃないんだね…。」

 

ほんそれ。

俺とリン、猫又はアンドーの話を聞きながら前に進んでいた。

 

「どいてー!」

「ちょぉ!?」

「えぇ!?」

「にゃー!?」

 

すると目の前の鉄のフェンスをぶち破り、重機が歩いてきた。

 

「走れ!」

 

アンドーはそう言いながら重機を抑える。

上には女性が乗っていて、なにかタブレットをいじっている。

すると重機は女性を振り落とし、奥の足場の方に逃げていく。

足場とぶつかるか、といったところで上から角材が降ってきて重機が止まった。

 

「ふぅ、終わったか。」

 

そう言って進むアンドーと女性。

 

「…いや、終わったかじゃねぇんだけど。」

「なに、コレが日常なの?おかしくない?」

 

俺がそうツッコむと

 

「まぁまぁ、気にすんな!」

 

と言ってくる。

いや気にすると思うんだけど…。

と思っていると

 

「悪い、遅くなった。」

 

と重機の上から熊が降りてきた。

あー…。そういえば、白祇重工って8割の社員が熊なんだっけ。

ってことは…社長?

ふとリンを見ると、怯えてた。

猫又は俺の後ろに隠れてた。

うーん。かわいい。

 

「は、初めまして!」

 

そう言ってリンが手を差し出す。

すると…。

 

「ああ、これはこれは、プロキシさん!」

 

すっっっっっごい下手に出てきた。

さっきまでの風格どこ行ったんだよ。

 

「着いて早々申し訳ない。」

「社長と待っていたところだ。」

 

そう言って、奥に手を向ける。

社長ちゃうんや。

 

「え、じゃあ…あなたは…?」

 

そうリンが聞くと熊の後ろから

 

「何すんだグレース!降ろせ!」

 

と怒鳴り声が聞こえた。

あー…もしやロリ?

熊はその声を聞いてハッとしたような顔で横に避け

 

「こちらが我が社の社長だ。」

 

と言って、後ろのもがいている赤髪の女の子を差した。

 

「降ろせっつってんだろ!」

 

わぁ。すっごいロリ。

猫又と身長変わんないんじゃない?

そのロリはそうもがいているが、俺達に見られていることに気づいたのか、咳払いをして

 

「白祇重工社長のクレタ・ベロボーグだ!」

 

と腕を組んで胸を張っていた。

うーん。かわいい。

そう思っていると横と後ろから突かれた。

 

「…なんだよ。」

「「いやぁ〜?なんでも??」」

 

そう2人は声を合わせて言う。

 

「いいだろ!?ちっちゃい子好きなんだよ!かわいいだろ!愛でたくなるだろ!特にあの少しでも威厳を見せようと思って腕組んで胸張ってるとことか!!」

 

俺がそう吠えると、クレタは顔がみるみるうちに赤くなって涙を浮かべた。

 

「…あー。ごめんなさい。」

 

それを皮切りに、クレタはそこに蹲ってしまった。

 

数分後

 

俺は何も喋らないことを条件に、リンとクレタの話を聞くことになった。

解せぬ。

 

「銀狐、解せぬとか思ってる顔だけど、残当だからね。」

 

そうリンにジト目で見られる。

 

「そうだぞ。あれは誰が言われても恥ずかしいぞ。」

 

猫又からも責められる。

うぅ…。俺はただ可愛いものを愛でたいだけなのに…。

 

「改めて…。よう、『パエトーン』。色々みっともねぇとこを見せちまったな。うちへの信頼が揺らいでねえといいが。」

「アンドーから連絡は来てる。お前ほどのデキるプロキシが力を貸してくれると聞いて、みんな内心ホッとしてたとこだ。」

「それで、おたくもアンドーから聞いてるかもしれねえが…。うちは最近、地下鉄工事の請負を勝ち取ったんだ。これが「敵」のしつこい妨害のせいで、中々手こずっててな…。」

 

お?処す?処す?ちっちゃい子いじめるやつ全員処すよ?

その意志を示すために刀を繰り返し鳴らすと

 

「ステイだぞ、銀狐。」

 

と猫又に言われた。

…むー。

 

「…思ってたんだが、そいつらは誰なんだ?あまり部外者に情報は漏らしたくないんだが。」

 

とクレタににジト目で見られる。

ロリのジト目最高ですね。

 

「…銀狐、自己紹介。」

「ん?あぁ…。『パエトーン』直属エージェント、銀狐だ。今回の依頼に協力しに来た。」

「あたしは猫宮又奈!猫又って呼んでいいぞ!一応邪兎屋の従業員なんだけど、今回は銀狐の仲間として来たぞ!」

「そうなのか、それは助かる。」

「それで、話の続きなんだが…。」

 

とクレタが話し始めようとすると

 

「あー社長…。プロキシさんの前で、あいつらを「敵」呼ばわりするのはどうなんだ…。」

 

と熊が言ってきた。

 

「…ちょっと口出して悪いが、だいたいわかった気がするぞ?」

「多分状況的に、他の建設企業に嫌がらせされて、ホロウ内部に重機を持ち出されたんだろ。」

「更に詳しく言えば、確か白祇重工の目玉技術は高度な論理コアを搭載した『ホロウ用知能重工業機械』が目玉だろ?」

「おおかた、それがホロウ内にあるから、そこへのガイドが依頼ってところか?」

 

俺がそう話すと

 

「少し違うが…そういうことだ。」

「3台のうち、2台の場所はざっくりだがアタリがついてる。他に知りたいことがあればグレースやアンドーに聞いてくれ。」

「…ちょっとまってくれ、自己紹介聞いてねぇんだけど。」

 

俺がそう言うと

 

「そうだったな…。俺はここで経理を担当しているベン・ビガーだ。」

「私はここで開発を担当しているグレース・ハワードだよ。」

「改めて、うちが社長のクレタ・ベロボーグだ。」

「俺はここで作業長をしてるアンドー・イワノフだ。」

 

そう4人の自己紹介を聞いた。

なるほど、ベンにグレース、クレタにアンドー…。

よし、覚えた。

 

「よろしくな。」

「じゃあ…リン、早速行くか?」

「うん!じゃあまた後で!イアス置いていくね!」

「おう。運んでおく。」

「あたしもニコから招集かかったから帰るぞ。またな!銀狐!」

「おう、また後で。」

 

そう言って2人は車に乗って帰っていった。

 

「さてと…じゃあ早速仕事に移るか。」

「まずは何を回収するんだ?」

 

俺が聞くと

 

「まずはデュアルショベルを回収する。」

 

とクレタに言われた。

 

「じゃあ、行こうか。」

 

そう言って、俺たちはホロウへ向かった。

 

ホロウ前

 

「ちょっと待っててくれよ。連絡するから。」

「わかった。」

 

そう言って、俺はアキラに電話をかける。

 

「もしもし?」

『あぁ、銀狐か。到着したかい?』

「あぁ。イアスも待機させてる。」

『わかった。すぐに同期モードを始める。よろしく頼むよ、銀狐。』

「はいはい。」

 

通話を切り、

 

「じゃあ、行こうか。」

 

そう言ってホロウ内部へ入っていった。

 

ホロウ内

 

「…クリティホロウとは違って工事現場だなぁここは。」

『銀狐〜!来たよ!』

 

そうリンが言いながら入ってきた。

 

「それで?アンドー。この辺にデュアルショベルがいるのか?」

「おう!信号の感じだとな!」

「俺達はここのキャロットを持ってない。つうわけで、頼りにしてるぜ『パエトーン』!」

『任せて!依頼料に見合った仕事をしてみせるから!』

「ハハハッ、邪兎屋の連中も言ってたぜ。『パエトーン』は依頼料こそちっとばかし高いが、仕事は完璧だとな!」

 

そうリンと白祇重工が話していると、ドンドンエーテリアスが寄ってきていた。

…楽しく話しているみたいだし、サクッと切り刻んどくか。

 

「っと、出発か?」

「あぁ、ありがとな。」

「いいっての。」

『じゃあレッツゴー!』

 

クレタにお礼を言われ、そのまま出発した。

 

10分後

 

俺達がデュアルショベルのところにたどり着くと

 

『ハンッ、ようやくきよったな。待ちくたびれたで。』

 

と言って2つのショベルをかち合わせていた。

…なるほど手か。

 

「あ?なんかエラそうっすね…つうか、何だよそのボイスは?」

「お前、論理コアが壊れてんじゃねぇか?」

「帰って点検すんぞ。」

 

そうクレタとアンドーが言うと、デュアルショベルは岩石を投げつけてきた。

俺は瞬時に前に出て、グーパンで叩き割る。

 

『病院にガキ連れてくんとちゃうんやで!』

『オレちゃんは堂々たる漢なんや!』

 

そうポーズを決めるクソ機械。

こいつクレタに岩投げ付けやがったな。

よりにもよってクレタに。

幼女ぞ?守り愛でるべき存在ぞ?

…絶対にボコボコにする。

 

「漢?機械が何言ってんだゴラァ!!!!」

 

俺は土煙を吹き飛ばしそう吠える。

 

「お前ら、こいつは俺一人で殺る。」

『あー…銀狐、怒っちゃった。』

『程々にね〜!回収が目的なんだから!』

 

そうリンに言われる。

 

「わかってるよ。」

「漢、漢ねぇ…。雑魚がほざいてんじゃねぇよ。かかってこい。」

 

俺は刀を捨て、そう言い放つ。

 

『ほーん?じぶん言うやんけ…。』

『たかが人間が、機械に勝とうと思うなや!!!』

 

そう言ってデュアルショベルはショベルで殴ってこようとする。

俺はそのショベルを普通に避けた。

 

「おいおい、この程度かよざっこ。雑魚に謝れよ雑魚。」

『貴様あああああああああ!!!!!!!』

 

そう言ってもう片方のショベルを振り上げるが、その瞬間俺はジャンプ蹴りしてショベルのポンプをへし折った。

 

「ん〜?????????」

「君ぃ…なんて言ったっけ?」

「たかが人間が、機械に勝とうと思うな?その人間にボロ負けしてますけど。」

『きさごらぁあああああああ!!!!!!!!』

 

そう言って踏みつけようとするが、その瞬間足のポンプを全てへし折った。

 

「もう、動けないねぇ。」

「じゃあお前は引きずって連れて行くから。一応言っとくけど…。」

「次したら、てめぇを木っ端微塵にぶっ壊す。いいな?」

『ひっ…。』

「へ・ん・じ・は・?」

『は、はい!申し訳ありませんです!』

 

俺はそこから持っていたロープをくくりつけて引きずる。

 

「すまん、時間かかったな。じゃあ戻ろうか。」

 

そう5人に言うと

 

「「「「…………」」」」

『…銀狐、やり過ぎ。』

 

…うそぉん。

その後、グレースが点検をしている間お叱りを受けました。

 

数分後

 

「点検終わったよ。次の回収に行こうか。」

 

と、グレースに声をかけられた。

 

「ん、わかった。まぁ今度は俺は口出ししねぇよ。ヤバそうだったら参加する。」

「わかった、よろしく頼むよ。」

「あぁ。じゃあ向かおうか。」

 

そうして、俺達はさっきと同じようにもう一体の重機、「Ⅲ型ホロウ用デモリッシャー」グレーテルを回収しに向かった。

 

20分後

 

グレーテルの信号らしきものがある場所へ向かうと

 

『それ以上来ないで!』

『ここはあたしたちの秘密の花園!』

 

と女の声が聞こえた。

…まぁ、『グレーテル』という名前からして、デモリッシャーだろうな。

 

「そこだ!」

 

そうベンが指差す先には工事中で放棄されたように見えるビルとデモリッシャーがあった。

 

『わかってるわよ!』

『真白クンとの仲を引き裂く気でしょ?』

 

…なーにを言ってんだこの機械。

 

「デモリッシャー、会わないうちにいっぱしの乙女になって…!」

 

と、グレースは感慨深くなっている。

うーん。やっぱ思うけどこいつ頭のネジ吹き飛んでるな。

 

「グレース、おい…落ち着け。」

「だが『真白クン』とは?白いのか?」

 

ベンがグレースをなだめながらそう疑問を浮かべる。

 

「…まー十中八九、あの作りかけのビルだろ。白いし。」

 

俺がそう言うと

 

『作りかけですって…!』

『あたしね、真白クンと一生を添い遂げるの。』

『だから今の、取り消しなさいよ!そこの狐!』

 

そう言って俺にチェーンソーを向けてくる。

 

「あー…なぁ。これ、俺が相手したほうがいい奴?」

 

俺がそう後ろを向いて聞くと

 

「「「『…そうだろうな(ね)。』」」」

 

うげぇ…。怒られたくねぇんだけどもう…。

 

「どこまでやっていい?」

「なるべく壊すな、燃料切れまで耐えろ。」

 

俺が聞くとそうクレタが言ってきた。

 

「はいはい。」

「じゃ、始めようか。」

 

そう言って、俺は足にエーテルエネルギーをためて活性化。

 

『ふんっ!』

 

デモリッシャーは愚直にチェーンソーを頭の上に振り落としてくる。

横に避けて煽る。

 

「外してますよ〜。さっきの威勢はどうしたのかなぁ?」

『えい!えい!えーい!』

 

俺が煽ると、デモリッシャーは足をバタバタさせ、チェーンソーを1回転させる。

…重機って、こういうもんだっけ?

まぁとにかくそれを全て回避する。

 

「ほらほら、こっちだよ?君、目見えてる?」

『ちょこまかと…!うざいのよ!!』

 

そう言って彼女は俺に飛び付いてこようとする。

もちろん俺はそのまま股下をくぐって回避。

 

「ねーねー、ちょっとぐらい当てる素振りを見せてくれないかなぁ。」

「あまりに攻撃が単調でつまんないんだけど。」

 

俺はそう爪を弄りながら言う。

 

「あ、てかさ〜。」

 

俺はデモリッシャーを一気にブチギレさせるための最後の1手を口にした。

 

「君、作りかけのビルとか言う産廃に恋するとか、ふっつうに頭おかしいよね。というかそれを壊すのが君の役目でしょ?ほら、やれよ。」

 

俺がそう指を指すと

 

『てっめぇ…!!!!ぜってぇに許さねぇ!!!!』

 

そう言って、大暴れし始めた。

俺はそれを全て回避して燃料切れを待つ。

するとベンが

 

「まずい、戦いの音を聞きつけてエーテリアスが集まってきたぞ!」

 

と言ってきた。

えー…。メンドクサ。

 

『やだ!真白クンから降りてよ!ばっちい手で彼に触らないで!』

『あっち行ってよぉ!これ以上失礼なことされたらあたし、あたし…』

『滅多切りにしてやっからなぁ!!カビの生えたカスどもがああ!!!』

 

あ。ブチギレた。

 

「き、急に豹変しやがった…!」

 

クレタはその状況に驚いていた。

いや、俺が煽ったときに言ってた時点でこうなるのは目に見えてたと思うんだがなぁ…。

 

「驚いた、これが恋する乙女のパワーってやつ?」

 

とグレースは目を輝かせている。

 

「1.4トンのチェーンソーをぶん回してエーテルと電気のハイブリッドで動く乙女がどこにいんだよ!」

「ここにいるんじゃね?」

「うるさい銀狐!」

 

クレタのツッコミにボケ返すと怒られた。

なして。

 

『はああああ!!!』

 

そう言ってデモリッシャーはチェーンソーをぶん回す。

 

「待ってくれデモリッシャーさん!そっちは…!」

 

そう言ってベンがデモリッシャーを止めるが、もう遅い。

チェーンソーはビルにあたり、支柱を折った。

 

『ご、ごめんね真白クン!あたしってば取り乱しちゃって…』

 

そういうデモリッシャーにビルはのしかかるように倒れてきた。

あーあ。やったわこいつ。

 

『真白クウゥゥゥン!』

『しっかりして、真白クン!!』

 

そう騒ぐデモリッシャーを尻目に

 

「今の一撃で耐力壁が壊れたか…。」

 

と冷静な判断をするベン。

 

『そんな、真白クン…全部あたしのせいだ…。』

 

そう撃沈するデモリッシャーにグレースが近寄り

 

「自分を攻める必要はないさ。むしろ、私は君に『おめでとう』と言いたいくらいだよ!」

 

と言い出した。

…まずくね?

 

「お、おいグレース!自分が今何を言ってるのか、ちゃんとわかってるのか!?」

 

と慌てふためくベン。

それに付随して

 

「しまった!グレースはメカには強いが、恋愛は経験ゼロのド素人なんだ!」

 

とクレタも言い出す。

…終わったな。あのデュアルショベルみたいに片付ける用意しておこう。

そう思い、腕にエーテルエネルギーを回す。

が、グレースが言い出したのは斜め上の発言だった。

 

「顔を上げて、周りを見てごらん!真白クンが君を抱きしめているよ!」

 

…は???????

「これは建物にとって一生に一度しか交わせない「抱擁」さ。彼はそれを君に捧げた上、エーテリアスからも守ってくれた。」

「素敵な恋人じゃない。きみはビルを見る目があるね。」

 

????????????

 

「…なぁクレタ。あいつ、恋愛経験ゼロなんじゃねぇの?」

「そのはずなんだが…。」

「ここで奇跡のパーフェクトコミュニケーションまじかー…。」

 

メカに強いって、メカ(の感情)に強いでもあったんだな。

 

『ううぅ…。』

 

そう泣いた顔をディスプレイに表示させるデモリッシャー。

 

「大丈夫、これは永遠の別れじゃないさ…。私達がそうさせない。」

「ほら、一緒に帰ろう?みんなで力を合わせて、新たな土地に真白クンを建て直そう!」

『うわあああぁぁぁぁぁぁん!』

『…ぐずっ、うん、あだぢ、一緒にがえる!』

 

グレースの言葉で、デモリッシャーは一緒に帰ることになった…。

…いやラブコメじゃねぇんだから。

というか、機械とビルのラブコメって誰得すぎるだろ。

 

数分後

 

「さーてと…一旦はこれでおしまいか?」

「あぁ…助かった、銀狐さん。プロキシさん。」

 

俺の言葉にベンはそうお礼を言ってくる。

 

「別にいいよ。まだ残ってんだろ?それが終わってから言ってくれ。」

『そうそう!それで…最後の1機は?』

 

俺とリンがそう言って聞くと

 

「あぁ、それが…。実はまだ場所を特定できていないんだ。」

「また位置がわかったら連絡する。」

 

と言われた。

 

「わかった。じゃあ俺は…あ。」

 

帰ろうとしたが、車がないことに気づいた。

…まぁいいや。地下鉄で帰ろう。

 

「それじゃ、帰るわ。一旦お疲れ様〜。」

『またね!みんな!』

 

そう言って、俺とリンは地下鉄で家に帰ってきた。

さてと…数日の待ち時間だなぁ。

 

数日後

 

「もしもし。」

『あぁ、空かい?今ベンさんから連絡があった。』

「わかった。すぐに向かおう。」

「猫又は…寝てるな。」

 

彼女は数日間家を開けており、つい昨日帰ってきた。

相当疲れているのかぐっすりで、ご飯も食べていない。

 

「…帰りに、サバの寿司と刺し身買ってきてやるか。」

 

俺はそうつぶやきながら、用意をして、車で現地へ向かった。

 

数十分後

 

最後の1機、「Ⅲ型ホロウ用パイルドライバー」の近くに来たときアンドーが

 

「おぉ…このあたり、前のホロウより随分寂れてねぇか?エーテル濃度も馬鹿みたいに高ぇしよ。」

 

と言い出した。

 

「そうか?俺としちゃ違いは感じんがな…。」

 

ホロウ内活動時間10年の弊害よの…。

 

「それもおかしいが…まぁ、このあたりはホロウと化してもう何年も経つからな。」

「それに、ここはただ危険な場所というだけじゃなく、旧都にも近いんだ。長居するとろくな目に遭わないだろう…。早めにパイルドライバーを見つけよう。」

 

と、ベンが説明してくれた。

…旧都に近いってことは、零号ホロウが近くにあんのか。

なるほど、エーテル濃度が高いって言ってた理由がよく分かる。

 

「プロキシの話だと、パイルドライバーはすぐ前にいんだろ?そんなに時間はかからねぇはずだ。」

「アンドー、あまり楽に構えすぎるのも危険だぞ。」

 

そう話していると、エーテリアスが近寄ってきたためサクッと斬っておく。

 

「…またやってもらっちまったな。すまん。」

「いいよ、作戦会議だろ?露払いぐらいはやるさ。」

「行こうぜ。さっさと終わらせよう。」

 

こいつらの侵蝕も避けないといけないしな…。

 

10分後

 

「いたぞ!Ⅲ型ホロウ用工業パイルドライバー…『フライデー』!」

 

そうクレタが声を上げるとそいつはこっちを向いてきた。

 

「気づかれたぞ!どんな性格になってるか知らんが…。」

「なんの!もう問題児を2人片付けてんだ!こいつもどうにかしてやらぁ!」

 

そうアンドーが気合を入れると

パイルドライバーは俺達の頭上を飛び上がって、逃げようとした。

 

「おっと。逃さんぞ。」

 

俺がそう前に立ち塞がると、そいつは後ずさっていく。

 

「諦めろ『フライデー』。もう逃げ場はねぇ。」

「こいつ、さっきから一言も喋らねぇが…言語モジュールがぶっ壊れてるんじゃねぇだろうな?」

 

アンドーがそう言うと

 

「いや、それはねぇ。明らかにうちらの言葉を理解してやがる。」

「はぁ…。おい、もう小芝居はやめろ。お互い腹を割って話そうぜ。」

 

そうクレタが語りかけるが、パイルドライバーは黙ったまま。

 

「…逃走した3台の重機のうち、一台は自己実現にお熱なカタブツ。もう一台は恋する乙女…。」

「で?お前はナニモンだ。何が目的だ?」

「お前にも何かしらあんだろ?妙なキャラ付けがよ。」

 

そうクレタが語っていくと

 

『喝ッ!無礼者ッ!』

 

とパイルドライバーがキレた。

…武士?

 

「はあ?」

 

クレタもそう驚いている。

 

『「キャラ」だと?笑止千万!凡俗の徒ごときが無礼にも口を挟み、我が使命を阻むとは!』

『我こそは「明星の断罪者」。我が師の命を受け、この地の封印を固めに参ったのだ!控えろ!』

 

とパイルドライバーはペラペラと話す。

 

「武士口調の厨二病重機…。いやいや属性過多だわどうなってんだ。」

 

俺がそう呆れていると

 

『貴様は危機を理解しておらん!封印がひとたび破れた暁には、この地に破滅が訪れるのだぞ!』

『致し方なし、ここは問答無用で突破するのみ!』

 

そう言って動こうとするパイルドライバーの足を踏みつけた。

 

『なっ、なぜ飛べない!?』

「クレター。壊してねぇからいいよな?」

「あぁ、上出来だ。さっさと帰らねぇとうちらもまずいからな。」

「グレース!」

「はいはい、任せて!」

「お姉さん、想像力の豊かな子は嫌いじゃないわ?でも、続きは帰ってからしよっか?」

 

俺がパイルドライバーを取り押さえ、グレースが停止コマンドを打つためににじり寄っていく。

 

『よさぬか!封印が危ういというのに、なにゆえ我を拒むのだ!』

『ま、待て!話せばわかるって!だからやめてくれえええええええ!』

そう発狂し始めるパイルドライバー。

 

「ちっ、普通に喋れるじゃねぇか。」

 

そうクレタが悪態をつく。

 

『聞いてくれ!嘘はついてないんだって!』

『本当に我が師ホルスの声が聞こえたんだ!彼の期待に背くわけには行かないんだよ!』

 

その言葉に、白祇重工の4人に緊張した空気が走った。

 

「どういうことだ?なんでそいつの名前が出てきやがる…!?」

 

クレタがそう呟く。

 

「…?どういうこと?」

 

俺がグレースに聞くと

 

「…一度帰ろう。その後に話すね。」

 

数十分後

 

黒雁街跡地

 

「銀狐〜!来たよ〜!」

「おぉ、パエトーン。お疲れさん。」

 

あのあと、俺達はさっさと帰還。

依頼自体は達成のため、リンがボンプを回収しに来た。

 

「社長、社長!」

「あ…!呼んだか、ベン?」

「ああ。依頼が完了したから、プロキシさんがボンプを回収しに来た。」

「わかった。」

 

そう言って、リンとクレタが話し始めた。

俺はその間暇なのでアンドーと話していた。

 

「なーアンドー。」

「どうした?」

「さっき、「ホルス」って名前が出てきてたよな?確か白祇重工の前社長の。」

「確か会社の資金横領で行方不明になったって話だが…。実際のところどうなんだ?」

 

と俺が聞くと

 

「…俺は、実際に見たわけじゃねぇ。」

「だが、あの人はそんなことをするような人じゃねぇ。」

「だから、信じられねぇんだ。」

 

そうアンドーは話す。

 

「ふーん…。そっか。」

「まぁ、多分『封印』ってのが関係してんだろうな。」

「っと。そろそろ猫又に怒られそうだ。」

「またなんかあったら連絡くれよな。」

 

俺がそうアンドーに言うと

 

「おう。今回は助かった。ありがとな!」

 

とお礼を言ってきた。

 

「おう。じゃあな。」

 

そう言って、俺は帰宅…する前に寿司屋と魚屋に寄り、サバの寿司とサバを買ったのだった。

 

次の日

 

「…もしもし。」

『銀狐。白祇重工からの追加依頼だ。』

「内容は?くああぁ…。」

『プロトタイプの発見。』

『もしかして、寝起きだったかい?』

「んあ?あぁ…。問題ねぇ。すぐ動くよ。ルート送っといてくれ。」

『わかった。よろしく。』

 

俺はあくびを漏らしながら装備を着て、刀と銃を持ち、出発した。

…あ。猫又起こすの忘れてた。

 

Ⅲ型ホロウ内

 

「よーっす。いま来たぞー。ふああぁぁ…。」

『銀狐、起きたばっかり?』

 

リンにそう聞かれる。

 

「あぁ…。昨日、猫又を起こして連れて行かなかったことをすっごい怒られてな…。」

「ちゃんと動くから…。」

 

そう言いながら近づいてきていたエーテリアスをぶった斬る。

 

「任せろ。」

『おー、うん!任せた!』

 

そうリンと話していると

 

『もしもし、リンと白祇重工のみんな、そして銀狐。聞こえているかい?』

『君たちは今、新エリー都と旧都の境界付近にあるホロウの中にいる。』

『このエリアは、地下鉄改修プロジェクトの建設予定ルートの一部にあたる。』

『だけど立ち入りに関して、治安局からは何の許可も降りてないから…そこは気を付けてくれ。』

 

そう話すアキラ。

まぁつまりはいつも通りっつうこったな!

そう思っていると、アンドーとベン、クレタが話し始めた。

…まぁ、露払いして待っときますか。

俺は容赦なく近づいてきていたエーテリアスを目覚まし代わりにぶった斬りながら待機していた。

するとアキラから

 

『銀狐。君はグレースさんの護衛についてくれ。』

『今回信号の発動はグレースさんに任せることになる。』

『ほかの2人は何とかなるかもしれないが…。』

 

そう言い淀むアキラ。

 

「はいはい、理由がどうとかどうでもいいから。俺はお前らの駒ぞ?」

「好きに扱え。」

『…助かるよ。それじゃあ、グレースさんとパイルドライバーの持ち場はこの近くにあるから、僕が連れていこう。』

『リンは他の人と一緒に、あとの二台を指定位置に連れて行ってくれ。』

『それじゃあ、作戦開始だ。』

 

そのアキラの掛け声で一気に俺たちは動き始めた。

さてと。しっかり役目果たしますかね。

そこから20分ほど待機したのち

 

『よっしゃ、これで3台とも指定の位置についたぞ!』

 

と、アンドーの声が聞こえた。

その声を聞いてアキラは

 

『グレースさん、聞こえる?今からプロトタイプに信号を送ろう。具体的な操作は頼んだよ。』

 

と言い出した。

ふぅ…。どんだけ時間かかるかなぁ…。

 

『はいはい!それじゃあ子供たち、後は任せたよ!頑張って先輩に呼びかけるんだ!』

 

そうグレースは言いながらタブレットをいじり始める。

するとすぐに

 

『うん、デモリッシャーのところにリプライ信号が返って来た…。』

『よしよし、3台ともプロトタイプからの信号を受信したよ!』

 

そうグレースが言ったとき、エーテリアスが大勢来た。

 

『おいグレース、そいつぁ何の音だ?』

『大したことじゃないよ。エーテリアスが来ただけさ。銀狐君が次々と処理してくれている。発信機の高周波はプロトタイプだけじゃなく、エーテリアスにとっても刺激になるようだね。』

 

…そんなこと話してる暇あったら解読に集中してほしいんだけど。

 

『銀狐、強いエーテル反応を示す個体が近づいているよ。気を付けて。』

「はいはい、沈めるから任せとけ。」

 

そう言ってその方向を見ると

 

「ほーん…。デュラハンにメトロゴブリン。アーマーハティか。」

 

いつも通り、俺はエーテルエネルギーを刀に流し込む。

 

「じゃ、さよなら。」

 

そう言いながら一閃で敵を真っ二つにした。

…待て、一閃だぞ???

 

「…久しぶりに燃料飲んだ影響かなぁ。」

 

明らかに火力が上がってやがる。

まぁ、今回の戦いで多少は発散出来るだろ。

 

『銀狐、しばらくそのまま狩りを頼むよ。』

「あいあい、さっさと割り出してくれや。」

 

俺はそう言って、とにかくエーテリアスを狩りまくった。

 

10分後

 

エーテリアスを大半処理し、1度俺たちはリンの場所へ集合した。

するとグレースのタブレットに画像が送られてきた。

 

「あ、届いたよ!どれどれ…これが見取図みたいだね。」

 

そう言って見せてくれた画像には塔らしきものが見えた。

 

「うっ、解像度が低いなあ…。精々変な形のタワーが見えるぐらいで…。」

 

グレースがそういった時なにか引っかかることがあったのか、ベンが

 

「グレース、俺にも見せてくれないか?」

 

と言い出した。

そして、それを見ると

 

「なっ…これは…。」

 

と驚いた表情を見せた。

 

「どうした?ベン。プロトタイプの場所に何か問題でもあんのか?」

 

クレタがベンに聞くと、ベンは深刻な顔をして

 

「社長。当時先代が失踪する前に、白祇重工は新しい地区開発プロジェクトを請け負っていた。それが『パイオニア記念広場』の施工だ。」

「この見取図にある建造物は、タワーなんかじゃない。まさに、あの記念広場の中央にあったモニュメントなんだ!」

 

そうベンは言い切った。

その後も白祇重工の4人は話し合いを続ける。

ふむ…モニュメント、か。元から立ってたものか?

そして、封印…。

フライデーが厨二病なら分かるが、グレースは「論理コアが底上げされている」っつってた。それで厨二病になる…さすがに可能性が低いと思うんだよな。

だとするなら、なんかしらがあそこに埋まってる可能性がある。

…「2本」、覚悟するべきかもな。

そう考えているとアキラから通信が来た。

 

『空。何を悩んでいるんだい?』

「え?あぁ…って、お前名前…」

『個人チャンネルさ。問題は無いよ。』

 

…ビビらせんなよ…。

 

「…いや、フライデーが言ってたこと、あながち間違っちゃいないのかも、ってな。」

『…どういうことだい?』

「なんの確証もないがな?…なーんか、やな予感するんだわ。」

「例の記念広場…旧都の中だろ?つまり、零号ホロウに相当近いはずだ。」

「もしかすると…」

『…『あいつ』が、埋まってるかもしれない、と?』

「あぁ。」

『…その時は、よろしく頼むよ。』

「あぁ。命に替えても、全員離脱させる。」

『…すまない、空。』

「うるせぇ。お前は案内に集中しろ。」

『でも…!』

 

俺は、アキラにそれ以上話させず、通話を切った。

さて、用意しときますか。

俺はそう考えながら、エーテル燃料の残りを確認した。

…残り、5本。

ま、いざとなったら、だな。

 

「行くぞ、銀狐。」

「はいはい。」

 

クレタに声を掛けられて、俺たちはモニュメントへ向かって出発した。

さて…鬼が出るか、蛇が出るか、それとも何も出ないか。

何も出ないことを、祈るばかりだな。

 

数十分後

 

「着いたぞ。白祇重工が工事を請け負っていた、かつての記念広場だ。」

「おい見ろよ!モニュメントのとこに…なんだ?あの白くてでけぇのは?」

 

そうアンドーが言いながら指した場所には、白い筐体の重機があった。

 

「慎ましやかな配色、端整なシルエット…間違いない!あれがプロトタイプだよ!」

 

グレースがそう興奮気味に言う。

ほーん、あれがか…。

 

「だけど…この奇妙な状態は一体?」

「確かに不自然だな…まるで、プロトタイプがモニュメントを支えているようだ。」

「…ここで、何があったってんだ?」

「ベン、アンドー、銀狐。モニュメントの付近を調べろ。」

「あたしはプロキシと姉貴で操縦席を見てくる。」

「押忍!」

「はいよぉ。」

 

俺とアンドー、ベンはそのままモニュメント付近の探索に行く。

少しの間、探索していると

 

「お前ら!来てくれ!プロキシが、とんでもないもんを見つけた!」

 

そうクレタから声を掛けられた。

 

「どうしたんだ?社長。」

「これを見ろ!」

「これは…プロトタイプの引渡し指示書!ホルス社長のサインに、金額と日付まである…!」

「会社の帳簿から消えた金額とも合致してる!日付も、ホルスさんが失踪した日だよ!」

「つまり、ホルスさんがお金を持ち出したのは、プロトタイプの費用支払いのため…!」

「ハン!ホルスさんみてえに正義を重んじる漢が、そんなコスい真似するはずねえと思ってたぜ!」

「この引渡し指示書があれば、先代の汚名を晴らせるってもんだ!」

 

そう2人が騒ぎ立てるのをベンが止め、

 

「ま、待ってくれ!ということは、先代はプロトタイプをここまで操縦してきたのか?」

「先代は何故こんなことを?そのあと、どうやって姿を消したんだ?」

 

…あー、もろあれだ。『封印』案件だ。

俺はその瞬間アキラに連絡を取る。

 

「アキラ。もろだ。こっからは俺がやる。」

『…わかった。頼むよ。空。』

「あぁ。」

 

そう言って、通話を切る。

 

「…確かに疑問だが、今はまだ結論を出せそうにねぇな。」

「だが、キャビンの中には大量の弾痕があった。多分ここではなにかやばいことがあったんだ。」

「アイツが…親父が逃げたんじゃねぇならもうこの世にはいねぇかもしんねぇ…!」

「…クソっ!」

 

そう言いながら、クレタはプロトタイプを殴る。

 

「今になって思えば、あいつが家を出る前の電話だって、『見て見ぬふりをしろとでも』だとか、『あの中には一体何が』だとか…!」

「親父のやつ、きっと何か危ないことに巻き込まれちまったんだ!」

 

…!やっぱり、このモニュメントには…!

 

「けど、親父は一体何を見た…?どうして誰にも言わねぇで…。」

 

そう悔しそうな顔をするクレタにグレースが触れ、

 

「クレタ、落ち着いて。その答えはきっと見つかるよ。」

 

と言い出した。

 

「プロトタイプを確認したけど、論理コアの外部記憶素子は無事だった。」

「当時の映像記録が残っているかもしれない!」

「プロトタイプを見つけたら、すぐデータの分析にかかるよ。必ずや、ホルスさん失踪の真相をみつけよう!」

「そっすよ社長!何とかなりますって!」

「クレタ、『パエトーン』はいつだってあんたの力になるよ!」

 

そう次々にクレタを励ます。

 

「みんな…あぁ、そうだな!」

「社長がこんなんでどうすんだ!おし、ひとまずプロトタイプを会社まで引っ張ってくぞ!」

『おう!(ああ!)』

 

そのクレタの掛け声で、俺たちは一気に動き始めた。

 

数分後

 

その場にハンス、グレーテル、フライデーを連れて来て、俺、グレーテル、フライデーでプロトタイプを引っ張り出した。

その時支えていたモニュメントの一部は、ハンスによってその場所に置かれた。

そのまま引っ張っているとフライデーが

 

「ん…?」

「待たれよ、我は重大なことを忘れてはおらぬか…?」

「そう『封印』!我が師ホルスは、我に封印を固めよと…!」

「しかし…封印とは一体…?」

 

そう話すフライデーの後ろで、岩が落ちた。

 

!!!!

 

俺は一瞬で刀を抜き、uziを構え、クレタとグレースの前に立ち塞がる。

 

「なっ、銀狐!?」

「さっさと逃げろ!やばいのがでてきた…!」

 

空気でわかる。エーテルが震えている。

その、モニュメントから…

白い腕の、エーテリアスが、這い出てきた。

そいつは、俺の事をロックオンしたのか、いきなり飛び込んできた。

 

「チィ!」

 

その腕を刀で弾き、uziを叩き込む。

それに少しよろめくが、そいつは懲りずに飛び込んでくる。

 

「このっ!」

 

クレタとグレースに近づけないよう、詰めて、斬ろうとする、が避けられた。

そして、そのまま背中にグーパンを叩き込まれ、前に一回転する。

 

ごはっ…!にゃろ!」

 

その体勢からすぐに立ち上がり、足にエーテルエネルギーを流し込み、活性化。ドロップキックをお見舞いした。

するとそいつは吹っ飛び、ハンスのところに転がっていった。

そのままアンドーに飛びつこうとするが、ハンスが踏みつけ、そいつを止めた。

そいつはハンスの足の下でもがき、這い出そうとしている。

 

「…リン、こいつは?」

『…エーテリアスには見えない、人間の侵食体でもないし…。』

 

そうリンが調べていると、そいつがいきなり雄叫びを上げ、リンの声が聞こえなくなった。

すると目の前からエーテル結晶が大量に生えてきて、俺たちは全員吹き飛ばされた。

 

「マジか…!ハンス、フライデー!応えろ!」

「シグナルロスト!エーテル指数増大!気をつけて!」

 

アンドーとグレースがそう言い出した時、

目の前のエーテル結晶が割れた。

そして中からは一体の重機となったエーテリアスが出てきた。

そいつは雄叫びを上げ、俺たちに殴りかかってくる。

 

「あの野郎、重機を取り込んだ…!?」

 

そのままそいつはまた大きな雄叫びを上げた。

…あぁ。くそったれ。やるしかなくなっちまった。

 

「お前ら。今すぐ逃げろ。それか隠れろ。」

『銀狐…!?』

「パエトーン…もし、俺が戻らなかったら…。」

 

あぁ。サバの寿司、昨日もっと買っといてやるんだったな。

 

「猫又のこと、よろしく頼むよ。」

 

俺はエーテル燃料を飲んだ。

体に、強い痛みが走る。

多分、軽く侵蝕症状が出たんだろう。

だがな。こっちだって、プライドがあんだよ。

 

「さぁ。クソ野郎。てめぇの相手は俺だ。」

「楽しもうぜ…殺し合いをよぉ!!!!

 

そう言って、俺は刀にエーテルエネルギーを流し込む。

そして、そいつが振り下ろしてきたチェーンソーを弾く。

 

「おらぁ!!!」

 

uziを本体らしきところに叩き込む。

相手はそれにダメージを受けた素振りなく、尻尾らしきところからビームを放ってくる。

 

「スゥ…シッ!!!」

 

俺は回避のために一気に端から端まで走り抜け、脚の根元に蹴りを叩き込む。

だが、エーテル結晶が少し剥がれただけで、大したダメージにはならなかった。

そのまま蹴りを入れられ、後ろのエーテル結晶まで吹き飛ばされる。

 

ごふっ…。クソッタレぇ!!!!

 

もう一度、俺は前に出て、ドリルを弾く。

刀は刃こぼれし始めた。

…すまねぇな。九尾。

 

最後になるかもしんねぇ戦いだ…!殺るぞ!!!!

 

その声に呼応したのか、九尾の纏う炎が深紅の色に染まった。

 

「九尾魂炎…一閃!!!!!」

 

そして、俺は足と腕にエーテルエネルギーを流し込む。

その力任せとも言える刀の一振。

その力で、エーテリアスの接続部分である腕を片方斬った。

 

「GYAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!」

 

そいつは、さらに雄叫びを上げて俺の事をチェーンソーで吹き飛ばす。

 

「がっ…!」

 

その瞬間、俺は気を失いそうになる。

 

「銀狐!」

「大丈夫かい!?」

「起きろ!漢だろ!?」

「お前ら!とにかく凌ぐぞ!」

『起きてよ、空!!』

 

そう、みんなの声が聞こえる。

まだ…まだだ…!

 

「もう、いいだろう?」

 

目を開けると、そこは黒い空間だった。

 

「これはあいつらの問題だ。」

「お前が体を張る必要は何も無い。」

 

そう話してくる『俺』。

 

「…そうだな。」

「だろう?なら、このまま」

 

「だがな。そんなこと言ってたら、また失うだろうが…!

 

俺はそのまま目の前の『俺』にグーパンを叩き込む。

 

「…ならいいさ。せいぜい、地獄を見るといい。」

「はっ…地獄なんて、当の昔に見てんだよ。」

 

もう一度目を瞑り、目を開ける。

すると、エーテリアスがミサイルを発射していた。

瞬間、俺は燃料を飲む。

さらに強い痛みが走る。

気にしてる余裕はない。

足に力を込め、跳び上がった。

そして、一気にミサイルを叩き斬る。

 

『空!!』

「今は銀狐だろうがリン!!!」

 

俺はそう大声を上げて、エーテリアスに近づく。

目の前にはプロトタイプ。

おそらく、クレタが操縦しているんだろう。

プロトタイプとエーテリアスが殴り合いをして、いつの間に修復したのか、エーテリアスがドリルをプロトタイプに撃ち込む。

それにプロトタイプがよろめく。

その時、尻尾がチャージを始めた。

 

「させるかよ…!!!!」

 

俺はすぐさま尻尾を叩き斬る。

 

「おチビちゃん!銀狐!そのまま押すんだ!モニュメントに向けて!」

 

俺は跳び上がっているそのタイミングでモニュメントを見る。

丁度エーテリアスの部分に尖った部分があった。

 

「クレタ!」

「銀狐!」

「俺も押してやる!行くぞ!」

「よし!!」

 

そして、俺とプロトタイプで一気に押していく。

押して、押して、押し続ける。

しかし、ギリギリのところでエーテリアスはドリルを地面に刺して留まる。

 

「「もう一丁!!!」」

 

そうハモる俺とクレタ。

しかし、その時だった。

プロトタイプの稼働が止まった。

 

「なっ…侵蝕!?」

 

ここでか…くそっ!

俺はさらに出力をあげる。

体のことなんか気にしてらんねぇ…!

押せ…押せ…!!

 

その時。

尻尾がプロトタイプを殴った。

なっ…!

 

「クレタ!!!!」

 

俺が声を上げるが、反応はない。

エーテリアスがチェーンソーをプロトタイプに叩き込もうとする。

 

「させるかよっ!!!!」

 

俺は一時離脱して、チェーンソーを弾く。

その時だった。

 

「ゲローイ!!!!」

 

そうクレタの大きな声が聞こえ、プロトタイプが稼働を再開した。

 

「!!!!やってやらああああああああぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

俺もその稼働音に応じて、限界まで出力を上げる。

足の形が変わっていくのがわかる。

そして

 

「絶対、負けねぇんだよ!!!!!!!!!!」

と、クレタの声で、エーテリアスはモニュメントに刺さった。

 

「はは…くっそ…疲…れた…。」

 

俺はその場に座り込む。

…足には結晶が生えていた。

 

「あぁ、くそ。俺も、侵蝕されたか…。」

 

その瞬間、意識が飛んだ。

次目を覚ました時は

 

「…知らない天井だ。」

 

どういうことだ…?

俺は、侵蝕されたんじゃ…。

 

「起きた!起きたぞ!!」

うるさっ…!って、猫又?」

 

 

俺が目を覚ますと、隣には目を腫らした猫又の姿があった。

「そうだぞ、猫又だぞ…!店長…!!」

「また、1人で行って…!!ちゃんと連れてくって言ったのに…!!」

「す、すまん、完全に抜け落ちてたんだ…。それで、俺は何日寝てたんだ?」

「1週間ですよ。空さん。」

 

…マジっすか。

 

「そんなに寝てたのか?俺。」

「えぇ。それに、まさかそこまでお金に困っているとは思っていませんでした。」

 

ん???なんのこっちゃ???

 

「あー…すまん、記憶が混乱してる。説明してくれねぇか?柳。」

 

俺はそう目の前の女性…月城柳に言った。

 

「えぇ。分かりました。」

 

そしてしばらく話を聞くと、なるほど。

白祇重工が上手いこと誤魔化したらしい。

俺は金に困ってエーテル適応体質を利用し、白祇重工のバイトに来ていた。

そしてそこでの様々な出来事の影響で侵蝕が起こり、気絶。病院に運ばれてきた。と言う底らしい。

 

「…まぁ、どっかの課長が起きなかったから高級メロン奢る羽目になったり、どっかのサボり魔によく飯奢らされたりしてるからな。」

「…本当にすみません。」

 

俺が冗談で言うと、柳は本気謝りをしてきた。

 

「別にいいっての。やるって決めたのは俺だしな。」

「まぁ…今度のメンテの金額2倍でチャラにしてくれや。」

「えぇ。もちろんです。」

 

「では、失礼しますね。それと…白祇重工の方々も心配していましたよ。」

そう付け加えて、柳は部屋から出ていった。

 

「…猫又。」

「…何?」

 

そうツンとした態度を見せる猫又。

 

「……ごめんな。次からはちゃんと連れて行くよ。」

「約束だぞ。次破ったら、高い寿司食べ放題だからな。」

「…分かったよ。」

 

そう言って、俺はしばらくの間病院に拘束。

ゆったりとした時間を過ごす羽目になったのだった。

 

空がいる世界線のゼンゼロプレイヤー掲示板

01:化け物誕生。

02:空どうなったんですかねぇ…。

03:どうせ生きてる。

04:わかる。謎の信頼ある。

05:でもまさか、本当にエーテル燃料を飲んでるとは…。

06:あとびっくりしたのは猫又との同棲な。

07:空猫てぇてぇ。

08:それな。

09:まじてぇてぇ。

10:末永く爆発してろ。

11:てかぽまえら銀狐のステ見たか?

12:見るわけねぇだろ馬鹿じゃねぇの。

13:強すぎて使う気起きないから見る事ないわカス。

14:アクション弱者は回れ右してもろて。

15:あーあ!せっかくとんでもない情報持ってきたのになー!!

16:吐いて回れ右しろニート。

17:黙れニート。

18:はいはい。で?どんな情報よ。

19:銀狐の特殊スキル、操作増えてたぞ。

20:は?

21:は?

22:は?

23:は?

24:は?

25:コピペコピペ。強化特殊スキルをエネルギーがない状態で長押しするとエネルギー全回復効果が10回だけ使えるとよ。

26:バケモン。

27:元から。

28:磨きがかかって草。

29:まじで銀狐だけでよくて草。

30:さらに使う気なくなったんですがあの。

31:ただ、エーテル侵蝕起きてただろ?今後のストーリーどうなるん?

32:銀狐敵堕ちパターンある?

33:ありそうすぐる。

34:きっしょ、どんな予想だよ。

35:ハピエン厨羂索は帰れ。

36:まぁでもありそうよな。

37:今後が楽しみですな。

キャラ紹介(性能含め)欲しい?

  • 欲しいに決まってんだろ!?
  • キャラ設定だけ欲しいかなぁ。
  • 性能だけ欲しいわ。
  • どっちも要らねぇよばーか。
  • そんなことよりらあめん食べたい(閲覧用)
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