「みんな、準備は良い!?」
「ん、いつでも行ける」
「すぐに助けちゃいますからねー!☆」
「……大丈夫。何かあっても、おじさんに任せてよ」
『こっちも準備はできてる』
「それじゃあ――」
『副部長! 各地から色彩の反応!』
『なんですって!?』
「アロナ、それは一体!? クッ……アロナ! みんなに連絡! ヴェリタスとエンジニア部を死守! この二つが無事なら飲まれても!」
「ホシノ先輩!」
「ノノミちゃん!?」
「マズい、先生……!」
街に入り、一旦私達は落ち着くことができました。
「それじゃあ、改めて自己紹介をしようか」
プレナパテスはこちらへと振り返り、私達へと挨拶を促します。
私は困ったようにこちらを向くセリカちゃんへ一つ頷いて、前に出ました。
「私は、アビドス高校の生徒会長、奥空アヤネと言います。そして……」
「黒見セリカよ。まあ、よろしく」
「なによ。まだ私達のこと信頼できないってわけ? 感じ悪いわね」
「そんなの当たり前でしょ。そんな満身創痍の二人抱えてる奴が居て、落ち着いてられるわけないじゃない」
「うんごめん」
「まあまあ……それで、皆様は? 確かあなたは……」
「改めまして、わたくしはコッコロと申します」
「キャルよー。んで、私の背中に居るのがぺコリーヌ」
「お、おいす……」
「ねえ、ソイツ大丈夫なの?」
「大丈夫よ。腹減ってるだけだから。この後ご飯食べに行くわ」
「では、そちらの方は?」
「こっちは貧弱でやられちゃっただけよ」
「こちらは、わたくしの主、ユウキ様でございます」
「おいっすー」
「元気があるなら、そろそろ歩きなさい」
「いえ、わたくしにお任せくださいませ」
「自分がお世話したいからって甘やかすんじゃないわよ」
「そんなわけで、この四人が、美食殿のメンバーだよ」
美食殿……少々クセが強いような気もしますが、なんとなく良い人達だということは感じられます。この先何かあれば、頼るという選択肢も考慮して良いかもしれません。いつか先生も、頼ることは大事だと仰っていましたし。
っと、なんとなくユウキさんを見ていたら、どこか懐かしさを覚えました。それがなぜなのか、どこで見たことがあるのかは分かりませんが、それでも、私は彼のことを知っていると、ハッキリと言い切れます。
「あの……」
「ど、どうされましたか? 主様に近づいて」
「んー?」
やはり、こののほほんとした笑顔。私の知るあの方に、ここまで幼いイメージはありませんでしたが……
「気づいたかな、アヤネ」
「えっ、なになに? そいつと知り合いなの?」
「プレナパテス……さん。私やあなたがここに存在する以上、こういうこともありえない話ではない。ということで、良いんですね?」
「うん。彼は間違いなく……過去の私だよ」
「ええっ!? じゃあコイツ、先生なの!?」
何かあった世界線の先生。世界が滅んだ世界線の先生がプレナパテスであり、私達の世界線に住んでいるのが、よく知る先生。そして、過去に何か変化があり、ランドソルで暮らすようになったのが、ユウキ、さん。
「ありえる話だとしても、異常ですね」
「そうだね」
「でも……私達がこの世界に来るという異常との関係性も、あるかしれません。今は情報が手に入ったことに感謝します。それに……私達の先生は先生だけ。何も気にすることはありません」
「えっと……とりあえず、どっちでも良いってわけね!」
「なにその結論。じゃあ、私達そろそろ行って良い?」
「うん。またね」
「プレナパテス様。この度は助けていただき、ありがとうございました」
「ううん。また何かあったら、いつでも言って」
そう言って、美食殿の皆さんは去っていきました。
「……で? 私達はどうするわけ?」
「うーん、できれば学校にも通わせてあげたいけど……まずは、クエストの受け方を教えようか」
それから、私達も移動し、ギルドというところに入りました。
「この紙に書いてあるクエストを受けるんだ。みんななら、こういうの慣れてるよね?」
「ふふっ、そういうことなら楽勝ね! なんたって私達、毎月840万稼いでたんだし!」
瞬間、背後からとてつもない音が聞こえてきました。
振り返ると、そこでは青髪の女性が膝から崩れ落ちています。
「わ、私が、効率で負けた……?」
「ど、どうしたんですか?」
「彼女はミフユ。バイト戦士だよ」
「なにそれ。私と同じじゃない」
「どうやって、どうやってそんなにも稼いでるの……?」
「えっ、賞金首捕まえたりとか? でも、言っとくけど、あんまり羨ましいとか思わないでよね?」
「なんでよ……毎月それだけ稼いでれば……」
「私達の借金、9億だもん」
「あなた達今いくつ!?」
「いくつ……? 9億6235万ですけど……」
「そうじゃなくて歳よ! まだ大人ですらないじゃない! なんでそんな借金抱えてるのよ!」
「私達の住む土地が、突然砂漠で覆われてしまいまして」
「あの時まだ中学生だったけど、やばかったわよねー」
「やばすぎるわよ!」
「ミフユ。私達今、クエストの受け方を勉強しているんだ。良かったら付き合ってくれるかい?」
「もちろん! さすがの私もこれは見逃せないわ! 子供を守るのは大人の役目。私達メリクリウス財団に、どーんと頼りなさい! ……あっ、さすがに借金は肩代わりできないけど……」
「大丈夫。とりあえず今は気にしないで」
「じゃあ、まずはクエストの選び方から行くわよー!」
また実感しました。この国は、良い人ばかりですね。