シャンフロSS集〜小道に咲く花々〜   作:HIAMA

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原作者様twitterよりアイデアをいただきました。
創世さんがバレンタインイベントを実装しているわけがなかったので、ケニーさんとアンドリュー君に力を借りて考察論文を叩きつけたいと思います。

追記:自分の中で解釈違いが起きたのでベヒーモスの件を一部修正しました。


なろう範囲まで
親愛なるあなたに捧ぐ《サイナ》


 

「おいお前、ウィンプに変な物を渡したりしなかっただろうな」

 

「いやいやいや、怪しいものを渡したらサバさんに絞められますから……」

 

昨日はバレンタインデー、こいつら(着せ替え隊)が何をしてたのかは大体察しがつくし、ウィンプに聞いてみたところ案の定「せっかくのばれんたいんだからってみんなちょこれいとをたくさんわたしてくるし、ほかにもおかねとかふくとかなんなのもう……」だ。食べ物の中に異物が混ざってないかよく確かめるように言っておいたが。

 

「ところでツチノコさんって、サイナちゃんからはどんなお菓子を貰ったんですか?」

 

ん?お菓子?一体何の話だ。

 

「え、もしかして貰ってないんですか?征服人形と契約しているプレイヤーはお菓子を貰えたって聞いたんですけど」

 

「ああ、昨日はそもそもインしてなかったんだよなぁ……」

 

バレンタインイベント。一般的なゲームは勿論、クソゲーでも毎年恒例のイベントである。しかし、基本的にシャンフロでは現実世界とリンクしたイベントは開催されない。世界観への妙な拘りのせいだろうが、今回もサイトに告知は載って無かった。ということで昨日はずっと別のゲームをやっていたのだが、その結果がこれである。征服人形かぁ……アンドリュー君さぁ……

 

「昨日貰い忘れた奴はいいザマだと思っていたのですが、ツチノコさんはちょっとがっかりが勝つなぁ……」

 

俺もちょっと残念だが、それ以上にペンシルゴンにバレた時の煽りが酷いことになるのは火を見るよりは明らかだ。今からでも間に合ったりしない?

 

 

 

 

 

変質者(着せ替え隊)に邪魔されないようにクランハウスへ移動。(鉛筆)のオフラインは確認済み。さて、一日遅れだけどどうだ……?

 

「おはようございます契約者(マスター)。本日も当機(ワタシ)のIntelligenceは120%です」

 

「なんか発音滑らかになってない?」

 

肯定(とうぜん):インテリジェンスは100%を超えるとIntelligenceに進化しますので」

 

うーん、平常運転。これはフラグを逃しちゃったかなぁ……10ピザ留学ポイントくらいあるぞ、猛省。といっても、これからどうしよう。呼び出したからには即収納、という訳にもいかないし……

 

ピヨピヨ……

 

メールバード?差出人はキョージュ、考察班が俺に聞きたいことがあるらしいからベヒーモスまで来い、と。どうせ征服人形関連だろう、ライブラリまで俺をバカにしようとしてくるのかよ。この話題にサイナを連れていくのは気が引けるし……そうだ。

 

「サイナ、ちょっと買い物を頼めるか。これ、ウィンプにさっき頼まれたもののリストなんだけど、なるべくいい物を頼む。」

 

「了解:当機(ワタシ)の審美眼にお任せを」

 

 

 

 

 

「ライブラリに寄せられた情報だと、征服人形の契約者で()()()()()()()()()()全員お菓子を貰っています。」

 

はいはいそうですねログインすっぽかした俺が悪いですよ。

 

「それはどれも新大陸産の材料でできたものです。これは事務所(ドールフロント)の所在との関連性から征服人形に関する一連のイベントではないかと……」

 

俺がお菓子を貰っていないと分かった時の考察班(ド(ー)ルオタ)共のがっかりした表情は心にきたが、じゃあそれなら、と話し始めたこいつらの熱意は正直引いた。

 

「……というわけで、征服人形のバレンタインはチョコに限らず様々な贈り物をし合うベヒーモスの、すなわちロシアの風習が受け継がれていると思われます。で、ここからが本題なんですが、ツチ……サンラクさんに手伝ってもらいたいことがあります。具体的には……」

 

……ほう、なるほど。暇つぶしのつもりで聞いていたが、ちょっと俺も興味が湧いてきた。となると……

 

 

 

 

 

「お待ちしてました契約者(マスター)、指定されたアイテムの購入が完了しました」

 

待ち合わせに指定した蛇の林檎サードレマ本店、個室に案内された俺が見たのは……

 

「あの、これ何?」

 

「回答:アップルパイですが。インテリジェンスが不足しているようですよ?」

 

「いやそうじゃなくて、お前一人が食ってるならまだしも、何で二人分……?」

 

「一日遅れですが、バレンタインデーです。起源は神代より遥か昔に遡りますが、親しい間柄の相手に感謝を込めて贈り物をするという風習があります。これは当機(ワタシ)から契約者(マスター)へのプレゼントです。一緒に食べませんか?」

 

それ俺の金で払ってるんだけどな……まあいいや。ところでキョージュの話によると、ロシアではホワイトデーが無い代わりにバレンタインデーにプレゼントを贈り合うんだっけか。

 

「サイナ、お返しと言ってはなんだが、ベヒーモスで新しく出た衣装を買ってきた。大した物じゃないけど……俺もお前にお世話になってるし、ここらで感謝を伝えておこうと思ってな」

 

「……いいえ、契約者(マスター)からのプレゼント、というだけで当機(ワタシ)は幸せですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆

 

「ほいウィンプ、頼まれたもの買ってきたぞ」

 

ウィンプはそれを受け取ると、いそいそと厨房に入って行った。そんなに待ち遠しかったのか、一体何を作る気なんだろう。おいそこの着せ替え隊、こっち見るな。お前らには何も無いし、聖杯も意地でも使わんからな。

 

 

 

「できたわよ」

 

お、どれどれ…………これは……チョコケーキ?そういえば、ウィンプが頼んでたものって……

 

「きせかえたいのひとからきいたわよ。ばれんたいんにはたいせつなひとにちょこをあげるんでしょう?」

 

 

 




初投稿なので、変な部分があるかもしれませんが寛大な心で受け入れてくれるとありがたいです。
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