このマホウトコロ卒業生に祝福を!   作:味八木

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今回最初の方だけ三人称を意識して書いてみました。指摘があったら教えて下さい。又、三人称か一人称のアンケートに答えてくれると嬉しいです。


2巻
冬将軍に祝福を!


 

 

―アクセルの街―

 

駆け出しの街と呼ばれるこの街はその名の通りこの地にいる冒険者は駆け出しの初心者ばかり。だが、この街の冒険者は好景気に沸いていた。何故なら魔王軍幹部ベルディア討伐というここ数十年無かった快挙を成し遂げたからである。故に冬になるとギルドに顔を出さない冒険者は皆無だが今年はお酒を飲みに沢山の人が来ていた。

 

 

………訂正しよう。お酒目的では来ていない冒険者も少なからずいた。

 

 

ベルディア討伐戦の一番の功労者であるにも関わらず3千万エリスの借金を背負ってしまったカズマパーティーである。

 

彼らは今後の方針をギルドで話し合っていた。

 

「………高額クエストを受けよう。」

 

「任せて!私が「お前には期待しない。」何でよ!」

 

「我が爆裂魔法を存分にお見せしましょう!」

 

「うむ。借金は早めに返して損は無いからな。」

 

「そうですね。賛成です。」

 

彼らが焦ってお金を集める理由、それは借金返済もあるが馬小屋暮らしのカズマ、アクアは凍死の危機に晒されている為早く宿を取りたいのである。

 

そういう理由もあってテーブル付近に比べ人が殆どいないクエストボードからクエストを見繕っていた。

 

ダクネス…一撃熊

 

めぐみん…マンティコアとグリフォン

 

ユメミ…お任せ

 

前回のゾンビメーカークエスト選択時と大して変わらないクエストにカズマは頭を抱えた。どれも高難易度だからである。

 

そんな中アクアがウキウキ顔で話しかけてきた。

 

「カズマさん!雪精討伐はどう?」

 

「雪精って何だ?」

 

カズマの質問にめぐみんが答えた。

 

「雪精は冬の代名詞です。魔物ではなく精霊の一種ですが一匹討伐すれば1日早く雪が終わると言うことで農家さんからよく討伐依頼が出されますね。」

 

「しかも一匹一万エリスよ!やるしかないでしょ!」

 

一万エリスと聞いてカズマは怪しんだ。

 

「なあ?雪精ってのは強いのか?」

 

「いえ、倒そうと思えば子供でも倒せます。しかし…」

 

めぐみんが話を続けようとするとアクアが喜びの声を上げた。

 

「そうこなくっちゃ!」

 

「雪精…雪精かぁ…」

 

ダクネスが頬を赤く染めて嫌な予感がしたカズマであった。

 

 

 

 

 

 

カズマside

 

俺達は近くの雪山に防寒着を着てやって来ていた。

 

カズマは緑色の頭巾のような物に藁を束ねた見た目の服。

 

アクアはレインコート風の防寒着。

 

めぐみんは紅魔族の紅色がある独特のパーカーとマントを合わせた服。

 

ダクネスは黒い防寒着とマフラーを着込んでいる。

 

ユメミはカズマと似たような服だが藁よりは暖かそうだ。

 

以上がパーティーの防寒着である。そんな格好で殆ど人がいない雪山で彼ら5人は雪精を相手にしていた。

 

「《エクスプロージョン》!」

 

「よし!めぐみん5匹もやったぞ!」

 

「我が爆裂魔法は全てを粉砕する…」

 

めぐみんは爆裂魔法で雪精を一網打尽にしている。

 

アクアは持参した虫網で雪精を捕まえて虫かごに放り込んでいる。

 

ダクネスはベルディアに破壊された鎧の修復の為軽装だ。ただ、相変わらずキャベツ収穫の時の様に剣は雪精に当たらず空振っている。

 

(※体のラインがくっきりでて着痩せするタイプ何だな。と、ギルドで考えていたのは秘密である。)

 

ユメミは《アクシオ(来い)》で呼び寄せて《インセンディオ(燃えよ)》で雪精を燃やしたり《ステューピファイ(麻痺せよ)》等で動きを止めて持ってきていた袋に入れていた。

 

暫く雪精を討伐していた所急に吹雪が吹いてきた。その様子を見てダクネスが真面目な顔をして剣を吹雪が吹いて来る方向に構えた。

 

疑問に思っているとアクアがお調子な声色無しで答えた。

 

「カズマ、ユメミ。貴方達は知らないだろうから教えておくわ。何故雪精という危険度の低い精霊が一匹一万エリスだったのか疑問だったでしょ?」

 

それについては同類なのでユメミと同様に首を縦に振った。

 

「この世界の精霊は人が考えた姿をしているの。サラマンダー(火の精霊)ならイタズラっ子。ウンディーネ(水の精霊)なら麗しの乙女。雪精は雪の精霊。そしてその集合体とも言える雪精のボスがいるの。」

 

「だけど冬は滅多な事が無いと外出する人はいないの。チート持ちの日本人以外は…そう。テレビの天気予報とかで聞いた事があるでしょう?何度も何千何万もの人々を退けてきた………冬将軍よ!!!」

 

「ほんっーとーにこの世界はクソッたれだ!じゃあどっかの日本人が冬と言えば冬将軍だよなとか言うノリで生まれたのか!?ええ!」

 

文句を散らかしている内に全身真っ白な純白の刀と鎧を身に着けており時々兜の間から雪の吐息が出ていた。

 

撤退しようとユメミに声をかけようと振り返るとユメミの目がアクアに向けられおりその先には日本の最上級の謝罪―土下座―をしていた。

 

アクアは小声で話しかけてきた。

 

「冬将軍は寛大よ!しっかり謝れば許してくれるわ!」

 

その言葉を聞いて嘘を付いてるのかと思いめぐみんとダクネスの方を見た。

 

めぐみんは爆裂魔法を撃った影響でうつ伏せに倒れていたが冬将軍が来ても微動だにせず死んだふりを決め込んでいた。後でしばく。しかし好戦的なのがダクネスだ。

ダクネスは剣を構え冬将軍とやりやう構えだ。

 

冬将軍がダクネスを敵と認識したのか刀を素人目でも分かる華麗な剣技で剣に刀を打ち付け剣を破壊してしまった。

 

「私の剣が………」

 

ダクネスは落ち込んでいるが直に切り替えて折れた剣先を冬将軍に向けている。

 

「おい!早く謝れって!」

 

「騎士たるもの目上の者以外に頭を下げるなど…」

 

「こんな時に騎士道に目覚めやがって!」

 

フンッ

 

俺はアクアの言葉を信じダクネスの元に走り謝らせるべくダクネスの頭を掴み雪に顔をぶつける位に下げた。

 

ダクネスが雪が冷たいと興奮しているが無視して続ける。

 

ユメミはそもそも離れた場所にいており頭は下げてなかった。その事に気付いたカズマは声を大にして叫んだ。

 

「おいユメミ!早く頭を下げてくれ!」

 

ユメミに声をかけると屈託のない笑顔で言った。

 

「私が頭を下げるのは世界でたった1人のみです!」

 

何故かユメミもダクネス同様謝罪拒否をしたのである。

 

「おい!早く頭を下げないと!」

 

ベルディア以上のヤバさが本能に囁いてる。

 

身の危険を感じ早くいなくなって欲しいと思っているとアクアが少し体を起こし声を上げた。

 

「カズマ!剣よ剣!貴方が腰に着けてる剣を捨てなさい!」

 

アクアの注意を聞いて意識を剣に向けようとして意識が暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

エリスside

 

 

私はエリス。幸運を司る女神として先輩が担当している地球で言うと剣と魔法の世界を担当しています。その世界には魔王と呼ばれるクソ野郎がいて人々の生活を荒らしているのです。その為仏陀様の教えで言うところの輪廻転生を同じ世界でする事に魂レベルでの拒否感を抱いており人々がいなくなる可能性が有りました。そこで私はクソに対象するべく上層部に相談して先輩の管轄世界の比較的温厚な人種である日本人に所謂チートを与えて対処させる事にしました。

 

しかし、数十年数百年経ってもクソ共の勢いは収まりはしましたが存在は消えませんでした。ホントにしつこいですね…

 

先輩に送り込んで貰った人の中には魔王軍にやられた者、寿命を迎えた者等を含めた現地の人達の死後の案内をしています。

 

そして今回日本人であるサトウカズマさんが私の目の前にいます。冬将軍に首を切られるとは…

 

死因に驚愕しているとカズマさんが目を開けた。

 

「初めまして。サトウカズマさん。私は幸運を司る女神、エリスと申します。残念ながら貴方の冒険は終わってしまいました。」

 

カズマさんは声が出せずにいます。無理も有りません。そして数十秒経過した頃に考えが追いついたのか声を出しました。

 

「そうだ!冬将軍は?他の皆は無事なのか?!」

 

「ご安心下さい。冬将軍はがカズマさんを斬った後ユメミさんの方を見てはいましたが直に消えました。」

 

「良かった。」

 

本来ここにきた方は混乱され話が続かないのですが仲間の方を心配なさるとは…いい仲間で良かった。

 

「所で俺ってどうなるんですか?」

 

神の都合で来てもらったのである程度の便宜を図る。これが私の基本方針です。

 

「貴方が望むなら日本で何不自由なく過ごせる様にします。」

 

それを聞いたカズマさんが凄い勢いでまくし立てて来た。

 

「じゃあお金持ちで顔が良くて妹がいる家庭に転生させて下さいお願いします!」

 

ええ…私の専門外ですよ。

 

「流石にそこまでは…

しかし先程言った条件で日本に転生して差し上げます。」

 

そう言って日本に転生準備をさせようとすると私にとって聞き慣れた声が聞こえた。

 

『カ〜ズ〜マ?今《リザレクション》って蘇生魔法をかけたからこっちに来なさい!』

 

私達神のみが干渉出来る神界に第三者の声がしました。しかもこの声は…

 

「えっ?!アクア先輩?本物?!先輩にそっくりなプリーストだとは思ってたけど…」

 

「戻れるみたいなので帰ってもいいすか?」

 

「いえ、カズマさんは既に2回亡くなっていますので天界規定によりこれ以上の蘇生は駄目です!」

 

そう。カズマさんは地球で1回蘇生なさっているので規定上蘇る事は不可能です。

 

「おーい!天界規定で蘇生出来ないってよ!」

 

『はぁ〜?!誰よそんな事を言った女神は?!』

 

「エリスって女神だぞ!」

 

『エリス?!この世界で国教として崇拝されてるからって調子こいてお金の単位にまでなった上げ底エリス!?!?』

 

先輩には分からない悩みですよ!というか何で知ってるんですか?!

 

「らしいので戻っても良いですか?」

 

そう簡単に規定はねじ曲げられません。お役所仕事ですから。

 

「いえ。そんな事を簡単に認める訳には…」

 

カズマさんと今後のやり取りで揉めていると先輩が干渉して来た。

 

「それ以上何かゴタゴタ言うのならその胸パッド取り上げて!」

 

「分かりました!分かりましたから!特例で認めますから!」

 

これ以上私の秘密をバラされてたまるものですか!そう思い私の隣に天界と現世の裂け目を開く。

 

「此方を通れば戻れますから。今度は気を付けてくださいね。」

 

私は内心ゲンナリしたのを顔に出さない様にして精一杯の笑顔で送り出す。

 

「パッドでも構いませんよ?」

 

現世に戻る際に何か言っていた様ですが無視しましょう。

 

こうしてここ最近一番びっくりした時間が終わった。天界規定違反の書類仕事に憂うつ感を感じながらカズマさんに目を向ける様にしようと考えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユメミside

 

 

カズマさんが亡くなってしまったが冬将軍はカズマさんを斬って攻撃をするまでも無く帰ってしまいました。

 

めぐみんさんが言うにはユメミの杖は珍しいので武器を持っていた事にならなかったのではとの事。

 

まあ…頭こそ下げませんでしたが武人としての敬意を持っていたからでしょうか?今となっては検証は出来ませんが。

 

そんな会話をしているとアクアさんがカズマさんの遺体の前で独り言?をしていた。

 

数分後には亡くなった筈のカズマさんが生き返った事に驚いた。不老の魔法はあれど不死や蘇る魔法はあっても生前とは別人なのでカズマさんの人格のままなのでアクアさんの凄さを改めて実感した。

 

しかしカズマさんが蘇って良かったです。

 

 

 

 

〜ユメミが考え事をしている最中〜

 

「感謝しなさいよ!私を選んでなかったらここで死んでたんだから!」

 

………チェ

 

「チェンジで」

 

「はあ〜?!何よその言い草は!」

 

「そもそもお前が借金こしらえなければ死んでないわ!」

 

こんな会話があったとか無かったとか。

 

 

 

 

 

 

 





袋に雪精を入れる…
精霊と言う前世じゃ見られない生物だったから後で研究したい。


冬将軍…
ナポレオン戦争や独ソ戦でもロシア側に勝利をもたらした大寒波。独ソ戦の戦死者は数千万と言われてるのでナポレオン戦争も含めれば間違いでは無い。

ユメミが謝らなかった理由…
設定上詳しく言えないが作者から1言…ユメミは華族であり家系上公爵家並である。

エリスが口が悪い理由…
悪魔倒すべし魔王しばくべし。とアクアが言っておりエリスは悪魔相手に口が悪くなったので魔王にもそんな態度を取るかな?と言う妄想。人前だと自重している。(敵が目の前にいるとなりふり構わなくなる)

不死、蘇る魔法…
分霊箱と蘇りの石のこと。ユメミが蘇りの石を知っているのはイギリスに行った時に三人兄弟の物語を読んだから。




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