ドラゴンボールIF〜実現することのなかった戦い〜   作:星メガネ

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あらすじにもありますが、完全不定期の作品です。
自分が書きたくなったシーンが浮かんで、それが書き終えたら投稿します。

今回のifはドラゴンボール超〜宇宙サバイバル編〜からになります。
まずは本編とは違う点をいくつか提示しておきます。
①フリーザは破壊神トッポに敗北して脱落。
②ベジータはフュージョンの流れをトランクスから聞いている。
以上になります。それではどうぞ!


究極の聖戦!其の弐

 力の大会最終戦。第7宇宙のゴジータvs第11宇宙のジレン。互いに譲れない信念を持った者同士の戦い。クライマックスかつ大会に出場している戦士の中でもトップクラスの二人の激突に、無の界全域にかつてない程の緊張感が漂っていた。

 

 

「どちらの宇宙が勝つか。これで…ついに決まる」

 

「フュージョンの持続時間は30分。その間にジレンを倒せれば…!」

 

「逆に合体が解ければ…」

 

 

 フュージョンが解けてしまうと、満身創痍の悟空とベジータの二人になる。そうなるとジレンの体力次第にはなるが、勝率は低くなると見ていいだろう。だがジレンの体力を激しく消耗させられれば、合体が解けた後でも勝機はある。

 

 観覧席の者達の視線が武舞台中央へと集まる。柱に立つゴジータと、それを見上げるジレン。神々を驚かせ続けてきた戦士の衝突を前に武舞台の瓦礫が震え、大気に稲妻がはしる。

 

 

『……』

 

 

 動くことなく睨み合いを続ける二人。激しい振動でゴジータの立つ柱に大きくヒビが入った瞬間、金と紅の戦士はほぼ同時に距離を詰め、その拳をぶつけ合った。とてつもない力の衝突に爆発が起こり、衝撃が直ぐに爆煙を突き抜け、連鎖するように大爆発が発生。

 

 その衝撃波は観覧席、そして全王や大神官の元まで届いていた。

 

 

「始まったよ!」

 

「始まったね!」

 

「力の大会もいよいよ大詰め。これまで神々を驚かせ続けた者達による最後の戦い。皆さん一瞬たりとも見逃さないといった心境ですね」

 

 

 打ち合いを続けるゴジータのジレン。二人を中心に蒼電が絶え間なく弾け、攻撃の余波が武舞台を粉々に打ち砕く。互いに一歩も譲らない一糸乱れぬ攻防の果てに、ゴジータの攻撃がジレンを弾き飛ばした。追撃をはかるゴジータだが、それを許すジレンではない。体制を整えながらノーモーションの拳圧攻撃を放ち、ゴジータを迎え撃つ。

 

 腕をクロスして防ぎながらも、あまりの数に押し出されていくゴジータ。武舞台に着地し、同じく追撃は許すまいと構えると思いきや────

 

 

「……」

 

「はあああああッ!!!!」

 

 

 目を瞑り、その場で立ち尽くしている。そんな無防備なゴジータへジレンは攻撃を仕掛ける。他の戦士では避けることも難しい圧倒的な一撃だ。だがゴジータはそんな攻撃を───

 

 

「…!」

 

「なにっ……がはッ!?」

 

「…はぁッ!!!!」

 

 

 ───目を開くことなく紙一重で避け、そこへカウンターを合わせたのだ。もろに受けたジレンは吹き飛ばされ、瓦礫の山へ叩きつけられた。そのゴジータの一連の動作を見た神々、特に破壊神は驚愕する。

 

 

「お、おいウイス……!今のあいつの一撃は、まさか!」

 

「ビルス様の思っている通りだと思いますよ。あの者は先程のベジータさん同様、ジレンを相手に試しているようです。身勝手の極意を」

 

 

 身勝手の極意。それはこの力の大会中に孫悟空が二度踏み込んだ領域。一度目は初めてのジレンとの戦いの果てに。二度目は第6宇宙の合体戦士であるケフラとの戦いで限界を超えて発動した。

 

 それを見たベジータはジレンを相手に身勝手の極意の動きを再現しようとしたが、ジレンの脅威的な力に対応出来なかったのと自身に合わないことを確信する形で、それ以降この力の大会で身勝手の極意が日の目を浴びることはなかった。それをまさか二人が合体した戦士が使うとは誰もが創造していなかった。

 

 

「それもベジータさんより再現性が高いだけでなく、身勝手の極意を発動している悟空さんやビルス様よりも格段に精度が高くなっています。おそらく、天才的な戦闘センスを持った二人が合体した故でしょう」

 

「それでは、あの合体戦士は既に……」

 

「えぇ。既にあの者はビルs…」

 

「おいウイス!余計なことは言わなくていいだろぉッ!」

 

「あらあら。これは失敬」

 

 

 この状況でも陽気なやり取りをする第7宇宙に対して、第11宇宙は誰一人として喋らずに部舞台を見つめている。ここにきてジレンがもろにダメージをくらっている場面が多くなっているためか、先程まであった精神的な余裕が少しずつ無くなってきているのだろう。

 

 瓦礫の山から抜けてきたジレンは、珍しく感情剥き出しの表情でゴジータを睨みつけた。自分が押されていることに、怒りを露にしているのだろう。

 

 

「身勝手の極意…。このまま続けようとは微塵も思わねぇが……ふっ、届かねぇ領域じゃねぇな」

 

「くそっ…!信頼の力なんぞに…ッ!!」

 

「ジレン。言っておくが、俺の力はまだまだこんなもんじゃないぞ。まさかついてこれないなんて言わねぇよな?」

 

「俺は負けんッ!負けるはずがないッ!!」

 

 

 声を荒げながら自身を鼓舞するジレンが一気にゴジータへ詰め寄るが、ゴジータは空へ飛び上がって回避。そして頭上へ掲げた両手にエネルギーを溜めていく。解き放つと、無数の光弾が雨のようにジレンへ降り注いでいった。

 

 それに対して全力の連続拳圧を撃って相殺していくジレン。光弾と拳圧がぶつかる衝撃で火花が弾け飛んでいく。

 

 

「なんて激しい撃ち合いだ…。こんなの、見たことないぜ…!」

 

「あぁ。悟空とベジータの合体、そしてジレン。あの二人だからこそ、これ程の規模になっているんだろう」

 

 

 究極(ゴジータ)最強(ジレン)の果てのない競り合いに、地球人の中でも五本の指に入る実力を持つクリリンと天津飯はそう評する。破壊神でさえ息を呑むような戦い、二人がそう思うのも当然だろう。

 

 壮絶な撃ち合いはジレンが咆哮と共にバリアを広範囲に展開したことで、ゴジータの弾幕を全て掻き消した。ジレンはそのまま飛び上がり、自身の気を拳にまとわせてゴジータへ肉薄する。

 

 

「……ふっ、はああああッ!!」

 

「ぐッ…!?」

 

 

 だがゴジータはその拳を真正面から受け止め、ジレンがまとわせている気に自身の気をぶつけることで爆発させて打ち消した。後退するジレンに、ゴジータは追撃を仕掛ける。まずそのまま殴り飛ばし、一度浮いてる瓦礫を経由して背後に回って上への蹴り上げ。

 

 

「かめはめ…!!」

 

「がっ……俺は、負けん!でなければ、全てを…!」

 

 

 両手を腰に構え、かめはめ波の体制を取る。ジレンも強引にその場で体制を整え、瓦礫に着地して右手にエネルギーを装填する。

 

 ジレンの脳裏によぎるのは、怒りではなく二度と体験したくない過去へのトラウマ。かつてジレンは、自分の住んでいる集落を極悪党に両親もろとも滅ぼされた。そして師匠となる男に拾われ、その悪党を倒すための力と正義の意志を極めようとした。一人また一人と仲間が増えていったジレンの元に、かつての悪党が現れた。だがジレンは強くなったことによる自信に加え、仲間と師匠がいる。ついに奴に勝てると────そう思っていた。

 

 

「(失うことになる…ッ!)」

 

 

 極悪党はあまりに強く、ジレンの仲間だけでなく、師匠の命をも喰らっていった。それでもジレンは諦めずに生き残った仲間と反撃を試みたが、あまりの力の差にジレン以外に立ち上がる者は誰一人としていなかった。ジレンはまた一人となり、仲間そして信頼が無価値であることを悟ったのだ。

 

 信頼を否定し一人で強くなってきた自分が、信頼の果ての形とも言える合体によって生まれた戦士に敗北するわけにはいかない。その執念が獄炎となり、気となってジレンの手中に収まっていく。

 

 

「波ぁぁぁぁぁッ!!!!」

 

「俺は絶対に……負けんッ!!何があってもなッ!!!」

 

「…ッ!?ぐっ……!!」

 

 

 放たれたゴジータのかめはめ波に対して、ジレンは灼熱の気を纏わせた拳を振りかざし、拮抗の果てに四方へ跳ね除けた。そのままゴジータとの距離を詰め、拳を胸部へと打ち付けた。そして拳を開き、内包していた気を光弾として再成形してゼロ距離での追撃。

 

 武舞台に荒く着地したゴジータの前に、同じくジレンも着地する。先程までゴジータ優勢に見えたが、たった一撃で戦況を振り出しに戻したジレンの力は、やはり侮れない。

 

 

「はああああああああああッ!!!!!」

 

 

 けたたましい雄叫びと共に真紅の気を解放するジレン。それは炎のように燃え盛り、どんどんと勢いを増していく。力の増幅に肉体が膨れ上がり、プライド・トルーパーズのユニフォームが消し飛び、上半身が露わになる。凄まじい気の圧力が嵐と共に無の界全域に響き渡っていく。

 

 それは二人の全王が見る宮殿を衝撃から守るために、大神官が動き出す程に強烈なものだった。ただ一人目の前に立つゴジータだけが、何の動作も取らずにジレンを見据えていた。

 

 

「……」

 

 

 獄炎のような気は激しく煌めき、武舞台一面に残滓がバチバチと燃え盛っている。第11宇宙最強の男の秘めたる真の力、その姿はメンバーのトッポやディスポはもちろん、破壊神のベルモッドでさえ片鱗すら目にしたことがないだろう。

 

 

「へっ、そうこなくっちゃな。さっきまでのが全力だってんなら、正直がっかりしてたところだ」

 

「キサマもいつまでその姿でいるつもりだ。全力でこいッ!!俺はそれを真正面から叩き潰すッ!!」

 

「ふっ、お前のその気前の良さ、嫌いじゃねぇぜ。ッ……!はぁぁぁ…!!!」

 

 

 不敵な笑みを見せたゴジータが、その身に力を込める。黄金色の気が徐々に蒼に変わっていき、とてつもない力の流動に大気には白い稲妻が迸る。ジレンの全てを押し潰すような変身とは違い、静かに力が極限まで上昇していく。

 

 完全に蒼へと染まった瞬間、極光が周囲を埋め尽くした。高まっていく奇蹟のパワーは、真のサイヤ人の力の証明。

 

 

「この気の上がり方…!まるで気の上限が読めん……!?」

 

「第6宇宙の合体戦士とは格が違う……!!合体戦士とはいえ、これが人間の放つ気だと言うのか……!?」

 

 

 ゴジータの際限なく増幅していく気に、この上ない驚きを見せる上位宇宙の破壊神達。神々でさえ慌てふためく力は、まだまだと言わんばかりに激しく上昇していく。ゴジータがジレンにそうだったように、ジレンも一歩たりとも動かずにゴジータの変身を見据えている。

 

 蒼の極光に亀裂がはしり、少しずつ崩れていく。その先には、超サイヤ人ブルーへと変身したゴジータが立っていた。

 

 

「待たせたな。ジレン」

 

「……」

 

「さぁ第2ラウンドだ。とことんまでやり合おうぜ!!」

 

 

 お互いが最高の形態となり、ゴジータとジレンの戦いは次の次元へ。果たして勝利を掴むのは第7宇宙か、それとも第11宇宙か。




個人的に超サイヤ人ブルーの変身シーンで一番好きなのは復活の「F」です。あの殻を破る演出が凄い好きなんですよね。何なら見た目もかなり好き。
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