暗黒錬金術師伝説11 暗黒!ライザのアトリエ3   作:dwwyakata@2024

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此処よりライザ達を大苦戦させる新規の敵が出現します。

原作だとどうってことがない相手なのですが、せっかくですので超難敵に仕上げて見ました。

以降、この敵はライザ達に警戒される相手となります。


1、隠蔽鉱山

サタナエルと戦った辺りから、更に奧へ踏み込む。魔物の質は、それほど上がってはいない。

 

この辺りにいた強めの魔物は、サタナエルがあらかたぶつけてきたのだろう。だが、それはあくまでこの辺り、だ。

 

短期決戦で片付けたから、あの程度の数を相手にするだけで済んだ可能性も決して低くは無い。

 

警戒を厳重にしながら、奥へ進む。

 

フェデリーカは支援の要だし、ついに相手を完全拘束する奥義も身に付けた、と既に聞いた。

 

だからフェデリーカを真ん中に陣列を組む。

 

荷車は二つに増やした。

 

一つをレントが、もう一つをボオスが引いて歩く。

 

基本的に何処から魔物が来ても対応できるように魚鱗陣を組んでいるが。

 

最前衛には、今はパティに出て貰っている。

 

これはパティの技術が上がってきていて、特に速度に関してはもうタオを越えたと判断したからだ。

 

タオは元々戦士としては皆の中では其処まで優れていないとカミングアウトしている事もある。

 

それでも充分強いが。

 

パティはタオを超えた事を何となく悟り。

 

複雑そうだが、同時に戦士としての血がたぎるのだろう。

 

嬉しそうでもあった。

 

座標を集めながら進む。

 

この辺りでも座標を集めるのだが、座標はあればある程いいらしい。今は人数がいるので、タオは座標集めの位置指定に集中して貰う。あたしは求められれば鍵に魔力を再充填する。

 

同時に、クリフォードさんとアンペルさんが、周辺を見る。

 

前のサルドニカ滞在時も、この辺りの鉱山は調べたのだが。恐らく問題になる神代の鉱山はもっと奧だ。

 

クリフォードさんがいきなり跳躍。

 

奥の方を確認して、それで降りてくる。

 

最近はブーメランが短時間滞空するようにもなっていて。ブーメラン操作の魔術に、更に磨きが掛かっている。

 

その内ブーメランに乗って飛ぶかも知れない。

 

割とこれはありうる話だ。

 

「この辺りを中心にした、千歩四方の何処かに入口があると思うぜ。 鉱山と言っても、山の中にあるとはかぎらねえから注意してくれ」

 

「私の音魔術では、反応がないわ」

 

「ふむ、そうなるとわしは音以外で探るか……」

 

「あたしの熱魔術では……あんまり気配はわからないかな。 近付けばクリフォードさんが分かるかも知れない。 歩き回ろう」

 

座標集めもある。

 

ときどきかなり大きめのワームが姿を見せて襲いかかってくるが、この面子の敵ではない。

 

さくさくと仕留めて次に。

 

もっと大きくて数がいると危険もあるかも知れないが。

 

場合によっては、地中から迫っているのに対し、あたしが地面を蹴りつけて衝撃を叩き込み、地中にいる間に仕留めてしまう。

 

人食いワームはどうもこの辺りの土の成分を好んでいるらしく。

 

あの湖を越えて、サルドニカ側に進出する個体は希のようだ。

 

こっちにいるのも、サタナエルが連れてきた個体ほど大きくなる奴は希、ということなのだろう。

 

魔物の世界も、色々と大変なのだ。

 

探索には最初から四日時間を見込んでいる。

 

歩きながらフェデリーカは、ずっと考え込んでいた。

 

多分街灯の事だ。

 

そういえば、硝子と魔石の融和の象徴として、フェデリーカの父が作ったものも、ランプカバーだった。

 

そう考えると、フェデリーカの専門は、硝子と魔石が産み出す光なのかも知れない。

 

それが人を惑わす妖光にならなければいいのだけれど。

 

まあ、それはいい。

 

ディアンが手をかざして、何かみつけたようだ。

 

「ライザ姉、なんだか変なのがあるぞ」

 

「どれ。 みんな、警戒して。 魔物が用意した撒き餌の可能性もある」

 

「分かった!」

 

散開して、皆が戦闘に備える。

 

クリフォードさんが先行して、様子を見てくる。

 

どうやらトロッコのようだ。

 

トロッコか。

 

今は別に必要ないと言いたい所だが。近付いて見て、無言になる。

 

これは、今サルドニカで使っているようなトロッコじゃないな。

 

車軸からして、テクノロジーのレベルが違う。使っている金属も、かなり高度なものとみて良い。

 

あたしが改良を続けている荷車に近いものだ。

 

それが壊れずに残っている。雨風に晒されていただろうに、錆びている様子もない。

 

タオも即座に興味を持ったようで、クリフォードさんと二人で調べ始める。その間、みんなはもう慣れたもので、周囲を警戒する。

 

「これはロマンだぜ!」

 

「持ち帰ってもそのまま使えますね。 高度テクノロジーの産物だ。 ライザが作る荷車と、品質は大差ない!」

 

「そうなると、あるなこの辺りに。 とりあえず、此処にはマーキングをしておくぞ」

 

「それがいいですね。 帰路で持ち帰って、ライザの解析が終わったらサルドニカに譲渡しましょう」

 

タオとクリフォードさんが盛り上がっているが。

 

まあ、それはいい。

 

タオが咳払いすると、解説してくれる。

 

「車軸なんかの形状からして、千三百年以上前のものだよ。 間違いなく神代の遺物だと判断して良いだろうね」

 

「お、当たりか」

 

「ああ。 この辺りに間違いなく入口がある」

 

そういって、クリフォードさんが棒を地面に突き刺す。

 

これで、トロッコの位置が遠めにも分かる、ということだ。

 

あたしはトロッコに触ってみるが、これそのものには悪辣なトラップなどは無さそうである。

 

魔術が構造そのものに刻まれているが。

 

乗せている鉱石などの重さを緩和したり、或いは車軸を滑らかにしたり、自動で埃や砂を排除したりといった機能で。

 

戦闘向けだったり、トラップだったりはしない。

 

それがわかれば充分。

 

後は持ち帰ってから、エーテルに溶かして全解析する。

 

それよりも先に。

 

まずは鉱山の入口の調査だ。

 

周囲にはちいさな山が幾つかあるが、クラウディアがどうも普通の山に過ぎないっぽいと言う。

 

だとすると、何処かの地面から、真下に掘り進めている可能性もある。

 

カモフラージュがされている可能性も高い。

 

古代クリント王国の時代や、それから千年前くらいまでの神代の後の時代にも。神代のテクノロジーを利用したカモフラージュのテクノロジーは存在していたのである。

 

それを考えると、どこに巧妙に入口が隠されていてもおかしくはないだろう。

 

位置転換。

 

フェデリーカの側にパティを。

 

他の皆は大きめに魚鱗の陣を拡げ、ゆっくり移動しながら、総当たりでしらみつぶしに調べて行く。

 

この辺りは緑も少なく、荒野がちで、隠れる場所がないが。

 

逆に言うと、地下と上空以外から、魔物に奇襲される可能性も小さいとみて良いだろう。ならばいい。

 

今なら、返り討ちにするだけだし。

 

返り討ちに出来ないようだったら、神代の連中に勝てっこないのだ。

 

範囲を割り込んで、徹底的に調査しつつ。

 

トロッコを中心に、螺旋を描くように動きながら、丁寧に調べて行く。

 

タオには座標を取って貰うが。それ以外の皆は、それぞれ出来る方法で、周囲を徹底的に探って貰う。

 

昼が過ぎて、一度昼食にする。

 

二交代で、持ち込んでいるサンドイッチをぱくつく。

 

みんな結構食べるから、傷まないように色々と工夫が必要だったが、まあそれでも関係無いくらい美味しい。

 

この間手伝った病院から話が行ったらしく。

 

アトリエに何人かが、礼の物資を届けてくれたのだ。

 

新鮮な卵などもあり。

 

それらを使っているから、とてもサンドイッチは美味しかった。

 

食事を終えてから、調査を続行。

 

リラさんが何かに気付く。ただの山肌の側にある岩に見えたが。呼ばれて近付くと、クリフォードさんが頷いていた。

 

「びりびり来やがる。 ロマンの気配だぜ」

 

「お、ロマンですか。 となると……」

 

「岩をどかせば良いか」

 

レントが出る。ディアンも呼んで、二人で岩を動かし始める。

 

もうパワーでもザムエルさんを超えたな。

 

そう思いながら、様子を見守っていると、大岩をうちの力自慢二人は、容易にどかすことに成功していた。

 

そして其処には。妖しい光を放つ魔力の壁があった。

 

かなり大きいが。

 

例の手帳にあったのと、だいぶ状況が違うように思う。カラさんが調べて、そしてふむと呟いていた。

 

「この壁は最近張り直した形跡があるのう。 恐らくは、あのサタナエルとやらの仕業であろう」

 

「この岩も、最近動かした形跡があるぜ」

 

クリフォードさんが、近くの岩肌などにある傷を示す。

 

なるほど、この岩そのもので入口を隠したと言う事か。或いは、本来此処の入口はもっと広かった可能性もある。

 

タオが調べ始める。

 

アンペルさんが壁に空間切断の魔術を叩き込むが。

 

魔術の壁は砕けても、即座に修復されていた。

 

「即時再生か。 恐らくは神代の技術だな。 それもまだ生きているとみて良いだろう」

 

「この位置だと、サルドニカの人はこないよねフェデリーカ」

 

「少なくとも当面は、フェンリルが出たばかりなので来られないと思います」

 

「そっか。 じゃあ開けちゃおうかな」

 

鍵を取りだす。

 

これはグランツオルゲンで強化したものだ。

 

鍵はどうしても魔術的に作るものということもあるし。多分頭に直接送り込まれたレシピに欠陥もある。

 

それでどうしても物理的な強度に問題がある。

 

グランツオルゲンはサルドニカに来てからも調査を続行しており、これは改良を加えたものだ。

 

壁に鍵を差し込むと。

 

しばしして、魔術は停止。

 

すぐにタオとクリフォードさんが。土砂で半ば埋もれた入口を調べて、安全の確保をしてくれる。

 

「大丈夫、魔術の再発動は、この装置を弄らないと無理みたいだ」

 

「こっちにもおなじものがあるぜ。 だが普通の魔術師の魔力程度では、多分びくともしないだろうな」

 

クリフォードさんが岩陰から手を振る。

 

さて、これは入口付近を調べて終わりかな。

 

セリさんが、多数の植物を展開して、入口付近の地盤を固めてしまう。大量の覇王樹が林立する様子は、ちょっと威圧的だ。

 

「これでもう土砂崩れは平気な筈よ。 根を張り巡らせたから、簡単に土砂が流れる事はないわ」

 

「ありがとうセリさん。 じゃあ、今日は入口付近を調べたら戻ろう」

 

無理はしない。

 

此処は無理をするべき場所では無い。

 

まずは、鉱山に足を踏み入れる。入口近辺はそこそこ広い穴がずっと地下に向けて伸びていて。

 

坂が緩やかに地底に続いていたが。

 

ある程度潜ると、平らになった。

 

というかこの坑道、恐らくは手堀りじゃないな。あまりにも四角四面に坑道が作られていて。

 

まるで建物の中だ。

 

あの手記にも、この世のモノとは思えないというような記載があったが。

 

これを見ていると、露天掘りの鉱山しか知らない人間が、そう考えても不思議では無いと思う。

 

というかこれは鉱山なのか。

 

「少し暑くなって来たな」

 

「排熱の仕組みが生きていないのか、動いていないのだと思います」

 

リラさんにそう返す。

 

王都近郊の「北の里」でも、排気関係のシステムはかなり高度だった。これは見た感じ確定で神代のものなので、もっと高度な気温調整、排気のシステムがあってもおかしくはないだろう。

 

「ライザ!」

 

ボオスが警告してくる。

 

壁の当たりにフェデリーカがランタンの光を当てると、人型がずらっと並んでいた。

 

これは、幽霊鎧か。

 

だがそれにしては、なんというか非常に滑らかなフォルムだ。そもそも鎧の形状をしていない。

 

いずれにしても、接近は止めておくべきだろう。

 

少なくとも今日は。

 

「タオ、入口付近のマッピングは出来た?」

 

「問題ない!」

 

「よし、今日は引き上げるよ。 あのトロッコは持ち帰って解析しよう!」

 

「分かった!」

 

点呼してから、それから撤収する。

 

パティはずっと大太刀に手を掛けていたが、ちょっと耳打ちする。

 

「そうだパティ。 帰ってから頼みたい事があるんだ」

 

「どうしたんですか」

 

「今東の地に行く時に、現地の人達と関係構築をするために大太刀を量産しているんだけれども。 色々な大きさのを作っていてね。 それで問題が無いか、ちょっと振るって欲しいんだ」

 

「ああ、空いた時間で作っている奴ですね。 私で良ければ、幾らでも確認します」

 

快くパティは引き受けてくれる。

 

東の地に行く事は既に予定で決めてあるし。

 

彼処が人外の地であることも分かっている。

 

だからこそ、現地で苦闘を続けている人達の力になる武具でなければ意味がない。

 

神代の連中に通用する武具を揃えるためにも。

 

あたしだけの視点ではだめだ。

 

プロフェッショナルに成長した仲間に、頼る所では頼る。

 

鉱山を出ると、壁は張り直しておく。

 

中に流れ者とかが入ると面倒だからだ。ついでに岩も動かして、カモフラージュをしておく。

 

此処にあたし達以外の人間が入るのは、もっとずっと後の時代にするべきだろう。

 

少なくとも、大都市ですら身を守ることが満足に出来ていない今の時代に、するべき事ではない。

 

夕方になっているので、急いで戻る。

 

荷車が三つに増えたが、三つ目のは何が起きるか分からないので、側であたしがつきっきりで見張る。

 

走り回るのに飽きたのか、カラさんは魔法の絨毯みたいなのを作り出して、それに乗って移動を始める。

 

フェデリーカが息を切らしながらそれを見るが。

 

カラさんは、残念だがと、先に釘を刺す。

 

「すまぬのうフェデリーカよ。 これは一人乗りでな」

 

「その、私にもそんな風なことが出来ますか?」

 

「うーむ、そなたは此処に集った豪傑に比べると、体の構造的にもどうしても肉弾戦に向かぬし、身体能力も低い。 確かにこういったもので移動したくなるのは分かるが。 これは魔術の粋を極めて作り出したものでな。 三百年ほどわしの元で修行すれば、出来るようになろうぞ」

 

「……すみません。 無理です」

 

いっそあたしが不老の技術を教えようかと思ったが。

 

不老になると、多分生物として完成に近い存在になるからか、子供を作ろうという意欲である性欲が消えて無くなる。ついでに子供も産めなくなる。これは調べたが、あたしだけではなさそうだ。

 

子供を産んで次代につなぐと言う事にあたしは価値を見いだしていないが。

 

他の皆に、この思想を押しつけるつもりはさらさら無い。

 

だからがっくりしているフェデリーカに、その話をするつもりはなかった。

 

あたしも色々な人の髪の毛やらを貰って、錬金釜でエーテルに溶かして調べて、人間の生物としての構造は調べているのだ。これはオーレン族に関してもそうだし。他の魔物や、家畜なんかの動物についてもそう。

 

調べた結果、生物というのは根本構造をいじる事が出来。神代はそれを悪用したらしい事も分かってきている。

 

あの群島奧の宮殿地下にあったホムンクルスのしがいも、それだろう。

 

神代にとっては奥義だったらしいが。錬金術は才能の学問だ。たまたまあたしには再現が難しく無かった。

 

そしてそれが故に馬鹿馬鹿しい。

 

あたしが子孫を作ったからと言って、錬金術の才能を継ぐかは別だし。

 

錬金術を正しく使えるかも、もっと別だからだ。

 

走りながら、そんな事を考える。

 

程なくして、サルドニカに到着。走り抜けて、アトリエに向かう。

 

「す、すみませんライザさん! ちょっとギルド本部に寄ります!」

 

「ボオス、支援してあげて! クラウディアも!」

 

「分かった。 任せておけ」

 

「パティさん、料理はお願いね」

 

三人が離れる。

 

アトリエに戻ると、パティが手を洗って、頭巾を被り、すぐに料理を始める。

 

息が上がっている者はいない。

 

クリフォードさんがパティを手伝い始める。他の皆は、それぞれ自分がやるべき事を始めていた。

 

それはあたしも同じだ。

 

大太刀を調合して増やしておく。

 

体格に合わせて、色々作る。

 

扱いが難しい武器だ。基本的に大きめの武器というのは玄人向けの武器で、ナイフとかの方が使いやすいのである。

 

それはそれとして、魔物と戦うのに、小型武器では話にならないことも多いし。

 

ましてや魔界と聞く東の地ではなおさらだろう。

 

基本的に飾りは殆ど入れない。

 

人斬り包丁として作る。

 

淡々と大太刀を作っていると、フィーに袖を引かれる。食事か。丁度クラウディア達も戻って来たようだった。

 

クラウディアは大きめの肉を買ってきていたので、コンテナに入れて明日の食事にする。コンテナに入れておけば傷まない。

 

食事をしながら、軽く話す。

 

「タオ、座標は足りそう?」

 

「東の地の状況にもよるけれど、此処から更に東の地、ネメド、それにウィンドルで座標を集めれば、座標の示している数字をある程度的確に調べる事が出来ると思う。 ライザ、それより鍵の強化はいけそう?」

 

「もう少しかな。 グランツオルゲンは合金にして輝くんだけれども、合金の素材がちょっとね……」

 

「それなら鉱山探索は急務だな。 明日からはあの得体が知れない鉱山に、本格的にアタックか」

 

気が進まない様子のボオス。

 

食事を早々に終えると、パティに完成品の大太刀を一本ずつ見てもらう。

 

きっちり分解して、隅々まで調べて行くパティ。

 

自分の大太刀も、徹底的にいつも調整しているのは知っているが。武器を見る鋭い目は。もう完全にひとかどの武人だ。

 

「これは少し重心を下げてくれますか」

 

「ふむふむ」

 

「此方は、刃の此処が少し造りがあまいですね。 強化出来るようならお願いします」

 

「ありがとう、とても助かるよ」

 

やはり少し問題があるか。余暇を見ながら調整した武具だ。それは本職から見れば、問題も出ておかしくない。

 

全てそうやって見てもらって。

 

その後、パティが大きく嘆息した。

 

「少し意見は言いましたが、どれも国宝級の品ばかりです。 私が貰っている大太刀もそうですが、いずれも代わりが効かない最強の武器ばかりだと言って良いかと思います」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

「東の地では、もっと勉強する事になるんでしょうね」

 

「あのフロディアさんがとめるくらいだからね。 その前に、少しでもあたし達ももっと強くなっておこう」

 

パティは頷く。

 

後は、もう何本か大太刀を増やしておく。

 

いずれもがグランツオルゲンを贅沢に使った品だ。

 

東の地でも、恐らくは気に入ってくれるだろう。

 

風呂に入って、汗を流す。

 

風呂から出ると、今度はクラウディアに話をされた。

 

「東の地に、先にバレンツの名代を派遣しておいたわ。 現地に着いたら、その手引きで色々と便宜を図れると思う。 でも、今の時点で、色々と良くない話が出ていてね」

 

「現地で権力争いが深刻とか?」

 

「ううん、そうじゃないの。 とんでもない魔物が出て、大暴れしているようなの。 強力な魔物と戦い慣れている東の地の戦士達ですら、苦戦する程の相手なんだって」

 

「……それは厄介そうだね」

 

ならば、なおさら大太刀は必要か。

 

それとバージョンを更新した結果、必要なくなった装飾品類も譲ってしまうのが良さそうだ。

 

色々作った結果、もう必要なくなった装飾品は相応の数があるが。

 

これらも身に付ければ、それなり以上の戦力になる筈である。

 

あと、幾つか話した後。

 

フィーに急かされたので、寝る事にする。

 

出来るだけ急いであの神代の鉱山を攻略し。

 

内部を調べて、出来れば技術を解析しておきたい。

 

敵は強大だ。

 

だからこそに。

 

その手の内は、しっかり把握しておかなければならない。それが目を覆うような非道の果ての行為であっても。

 

あたしには、知る義務があるのだった。

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