暗黒錬金術師伝説11 暗黒!ライザのアトリエ3   作:dwwyakata@2024

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4、燃え上がる死地

一晩中戦いが続いた。

 

あたしが叩き込んだ熱槍が松明になって、大量の魔物の死骸を照らし続け。その死骸を踏み越えて、どんどん魔物が来る。

 

そしてある程度疲弊した所を見計らって子鬼がわっと集まってくる。とどめという訳だったのだろう。

 

これらに、此処に踏み込んだ調査の侍も忍びも対応できなかったのだ。ましてや今までは、超ド級もいただろうし。

 

だが。

 

今回はあたし達がいた。

 

子鬼は集中攻撃を浴びせて、各個撃破。大軍は忍び衆にもある程度受け持って貰ったが、セリさんの植物魔術による防壁と、何よりも地下からの奇襲を防ぎ。

 

空から来る相手にはクリフォードさんが率先して対応。

 

更にはあたしの薬で無理矢理疲弊を押し潰しながら交戦。

 

夜明けが来る頃には。

 

あたしが主戦場に選んだ平野には、うずたかく魔物の死骸が積み上がっていた。

 

「点呼!」

 

「ぶ、無事れす……」

 

フェデリーカがへたり込んだまま手を上げる。

 

この戦いでは、鉄扇を振るって接近戦を挑んできた鼬の頭をたたき割ったり、かなり頑張っていた。

 

神楽舞だけではなく、接近戦も出来るようになったのはすばらしい。

 

これで支援、近距離、遠距離、全ていけるようになったわけだ。

 

ただ、体力がまだ周りに比べて見劣りするが、此処までやれれば充分である。

 

あたし達はまだ余裕。

 

忍び達も、全員生還していた。

 

クリフォードさんが、覇王樹の上から声を掛けて来る。

 

夜闇を音もなく飛来する巨大なアードラを、ずっと一人で捌いてくれていたのだ。

 

「これで一応第一陣は片付いたんじゃねえかな。 嫌な気配は消えたぜ」

 

「やれやれ、やっと休めるな」

 

レントが嘆息して腰を下ろす。

 

パティは先にさっきの簡易拠点を見にいって。どうにか無事である事を確認してくれていた。

 

あたしは魔物に死体に紛れて奇襲されるのがいやだったので、先に全部焼き尽くしてしまう事にする。

 

ちょっと素材がもったいないが。

 

悪いが、此処は敢えてこういう措置を執ることにより。

 

舐めた真似をすれば、生かして返さないのはこっちだと言う事を、示しておかなければならない。

 

人間の味を覚えた魔物は、絶対に殺さなければならない。

 

これは鉄則だが。

 

この地では、その鉄則を守る余裕さえなかった。

 

だが、あたしが来た。

 

だから、害獣はまとめて駆逐する。それを害獣にも示す。それくらい、苛烈に振る舞う必要が此処ではあるのだ。

 

仮設住宅で、交代して仮眠を取る。

 

午前中は動かない方が良いだろう。伝令を送るかと伊賀さんが聞いてくるが、止めた方が良いと言っておく。

 

これは下手に分散すると、数が少ない方から魔物が狙い撃ちに来る。

 

この地は本当に危険だ。

 

出来るだけ、全員でまとまって動いた方が良いだろう。

 

あたしも風呂に入ると、疲れを取っておく。そうして、昼少し前まで休んでから、外に出て。

 

改めて、昨晩の凄まじい戦いの跡を見やった。

 

死地だった場所が、燃え滓の山になっている。どれだけ殺したのか、あたしにも分からないレベルだ。

 

本来だったら、あれらは生態系を守る存在なのかも知れない。だが今は、揃って人間を殺しに来ている。

 

神代が手を入れた魔物も多いだろう。

 

だが、本当にそれだけなのか。

 

とにかく、この血に染まった最果ての中の最果てで。

 

早めに、活路を見つけないといけない。

 

遺跡はどこか。

 

地中に分かりづらく偽装されているかも知れない。ともかく、総当たりで調べる覚悟がいるだろう。

 

死体が挙げる膨大な煙を横目に、戦場跡を抜ける。

 

この後も、こんな感じの苛烈な戦闘を、何度もこなさないといけないだろう。

 

此処は、最早人が住む土地ではない。

 

だからこそ調べ上げなければならないのだ。この地に潜んでいる、邪悪の権化と。それが作りあげた悪夢を。

 

忍び衆も全力で周囲を警戒してくれている。セリさんが植物魔術で、植物を出来るだけ避けてくれるおかげで、かなり移動はしやすい。

 

また、クリフォードさんが強い気配を確認。

 

まだまだ魔物が集まってきているようだ。

 

定期的に間引くとして、何度戦えば、多少はマシに探索出来るのか。それすら分からない。

 

ただ、今は。

 

北の地に眠る超巨大魔物どもを全部駆逐し。

 

二度と災厄をもたらさないように、手を打たなければならなかった。

 

 

 

(続)








生還がどうしてもかなわなかった土地。その理由。

ですが、それですらもはやライザをとめる事はできません。
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