暗黒錬金術師伝説11 暗黒!ライザのアトリエ3   作:dwwyakata@2024

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原作だとサルドニカの北側、道がわかりにくいんですよね……

周回プレイしているとき、プレイに間隔を開けたこともあって何度も迷子になっています(苦笑)


1、サルドニカ北部へ

サルドニカの大通りを通ってサルドニカという都市の北側に出る。此方は重点的に戦士が配置されていて。

 

更には三人も、例のメイドの一族の人がいた。

 

敬礼してくる。

 

かなり貫禄のある見た目の戦士だ。顔も背丈も他と変わらない筈だし。この一族の戦士はみんな例外なく強いのだけれども。

 

手にしているハルバードが非常に威圧的で。

 

着込んでいる鎧はなんだろう。

 

皮とゼッテル、それに木で出来ているようだが。軽く強く、しなやかに動けるように仕上がっているようだった。

 

あたしは思わず感心して、観察させて貰う。

 

「ウィルタと申します。 北方面の防衛部隊の長をしています」

 

「錬金術師ライザリンです。 ライザとお呼びください」

 

「分かりましたライザどの。 北に魔物の討伐に本格的に出るのですね」

 

「はい。 アドバイスや注意などあったらお願いします」

 

すぐにメモに手を掛けるタオ。

 

こういうのは、タオに議事録をとって貰うのが確実だ。

 

幾つかの話を聞く。

 

まずこの先には橋があるのだが。綺麗な橋だが、既に魔物に制圧されていて、とても通れないという。

 

他にも幾つか集落の残骸がある。

 

これらについては、例のフェンリルが出てから放棄したものであるらしい。

 

まあ、この人らは賢明だよな。

 

そう思いながら、頷いて状況を飲み込んでいく。

 

「現在は北部は完全に守勢に徹していて、基本的に攻勢に出ることはありません。 此方は此方で、鉱山が存在しているのですが」

 

「此方にも」

 

「はい。 古代クリント王国時代……いやそれ以前のものですね。 内部は基本的に危険すぎて踏み込めないので、ほぼ放置されている状態ですが。 魔石を中心に、貴重な鉱物が多く残されています。 放棄された理由はよく分かっていませんが」

 

「なるほど……」

 

ふんふんと頷いた。

 

これであらかた、情報は聞かせて貰った。

 

ついでなので、鎧を見せてもらう。

 

人体急所をしっかり守る作りになっていて、個性的なデザインだ。

 

「これは……雰囲気的に東の土地のものですか」

 

「よく分かりますね。 これは当世具足といって……」

 

「ふむふむ」

 

全体的には軽鎧に属するのか。

 

パーツを外すのが容易で、取り回しがしやすい上に軽い。触らせて貰うと。植物性の塗料を上手に使っていて、それぞれのパーツの強度を跳ね上げている。

 

恐らくこれは、対人戦を主眼に置いた装備だ。

 

実の所、鎧、とくに金属主体の重装甲のものは現在はすっかり魔物相手の戦闘が原因で廃れてしまったが。

 

この鎧は、最適解かも知れない。

 

相応の防御力を有していて、それでいながら軽い。ただこれは、作るのに工数がとても掛かるかも知れない。

 

「ウィルタ警備長。 ライザ様。 そろそろ……」

 

「ごめんフェデリーカさん。 もう少しで解析できる」

 

「えっ……」

 

「すげえだろ。 空間把握はライザの得意技なんだ」

 

レントが苦笑しながら説明し。

 

そしてあたしは、把握した。

 

「よし、把握できた。 誰か、これ着てみたい?」

 

「俺は興味があるかな」

 

「よし、いいよ。 当世具足だったね。 あたしだったら、それほど手間を掛けずに作れるかな」

 

実に興味深い鎧だ。

 

クリフォードさんが興味があるというので、作る事を約束する。

 

クリフォードさんは常にマスクをつけているが。それに近い構造の面頬というものもある。

 

実際ウィルタさんも、怪物か何かを象っているらしいものをつけていて。

 

相当な威圧感があった。

 

今、セリさんにはサルドニカの空気対策でマスクを渡しているが。

 

面頬には興味があるようだったし。

 

セリさんにも当世具足を作るか。

 

ウィルタさんに手を振って、その場を離れる。

 

さて、もう橋が見えてきている。

 

警戒度を上げる。

 

フェデリーカが話しかけてくるが。あたしも警戒しながら応じる。

 

「ライザさん、色々興味津々ですね……」

 

「何かに興味を失ったら、その時から人間は年老い始めるからね。 最悪速攻で老害になる」

 

「……心しておきます」

 

「あの当世具足って鎧は実に面白い。 構造とかにも色々と心を引かれたよ。 後であたしなりに調べて見るかな」

 

フェデリーカが、当世具足は主に鎧よりも兜で個性化を図ること。

 

更には、そのリストなどがある事も教えてくれた。

 

頷きながら、すっとハンドサインを出す。

 

魔物だ。

 

青ざめて、構え直すフェデリーカ。

 

わらわらと現れたのは、真っ黒いぷにぷにである。それだけ色々な相手を補食してきていると言う事だ。

 

相応に立派な石造りの橋なのに。

 

上を通るのは魔物である。

 

向こうには家屋が見えるが。あれだって。この橋を中心に、物流を促進しようとして作ったものだったのだろうに。

 

「橋を傷つけないように気を付けて」

 

「任せろ!」

 

レントが飛び出す。タオとクリフォードさんが続く。ボオスも前衛に出た。

 

黒いぷにぷにとの戦闘経験はみんな積んだことがある。ボオスはまだあまり積んでいないが、それでも今の実力なら遅れを取らない。

 

ただ、数が多い。

 

あたしも前衛に出る。襲いかかってきた一体を、蹴り砕く。文字通り破裂した黒いぷにぷに。

 

酸の体液をまき散らすが。

 

それを浴びるほど鈍ってはいない。

 

「ちょっと数が多いな……」

 

「どうする、誘い出すか?」

 

「いや、この地点で戦う。 此奴らも縄張りに誘いこんだと思って、次々来るし!」

 

「了解だ!」

 

レントとクリフォードさんが、前衛で暴れ回る。ボオスも前に出すぎない程度に、しぶく立ち回る。

 

タオも両手の短剣を振るって、もうこの程度の相手だったら寄せ付けない。

 

しばらく、無心に撃退を続ける。

 

叩き潰され、切り裂かれ。

 

体液をまき散らしながら、黒いぷにぷにが死んで行く。

 

いずれもが、不定形の黒い巨体だが。

 

それも、潰れてしまえばみんな同じだ。

 

熱槍はできるだけ使わないようにする。

 

大量の死骸や血の臭いに引き寄せられたのか、遠くから見ていた走鳥が乱入してくる。

 

これは討伐作戦なんか上手く行かないわけだと、あたしは苦笑いしつつ、迎撃を指示。

 

ふいにセリさんが出現させた、大きな植物。

 

それがぶつんと凄い音を立てて、種を射出。

 

人の頭ほどもある種が、走鳥の頭に食い込んで、半ばまで吹っ飛ばす。

 

速射を続けていたクラウディアが、凄いと呟く。

 

遠距離戦もセリさんは研究していることを知っていたが。

 

この精度。

 

やるな。

 

フェデリーカさんはひたすら舞い続ける。それでいい。

 

舞いには色々な効果があるようで、皆の力を底上げするだけじゃない。更に体力の常時強化も行い。

 

ついでに戦意も高揚させるようだ。

 

飛びかかってくる走鳥。

 

あたしは空中に出た事を、そのまま熱槍を叩き込んで後悔させる。

 

爆発。

 

地面に落ちた走鳥が、悲鳴を上げながらばたばたともがいていたが。すぐに動かなくなる。

 

頭を踏みつぶしてとどめを刺すと。

 

斜め後ろから襲いかかってきた黒ぷにぷにを、回し蹴りで破裂させる。

 

フェデリーカを守りながら陣形を組んで、それぞれの得意武器で半刻以上戦い。二百を超える黒ぷにぷにを叩き潰し。三十を超える走鳥を始末すると。

 

ようやく辺りは静かになっていた。

 

「敵沈黙」

 

「流石に多いな……」

 

大剣を背負い直すレント。

 

あたしは周囲の様子を一瞥して、これは修理がいるな、と思う。

 

橋の裏側を確認。

 

橋の裏側が酷く痛んでいる。

 

これは恐らくだが、橋の裏側。つまり下に黒ぷにぷにが貼り付いて。上を獲物が通るのを待っていたのだろう。

 

まだ何匹かいたので、クラウディアが速射して叩き落とす。

 

クラウディアの矢も、この大きさの黒ぷにぷにくらいだったら、もう確殺である。破裂した死骸が下の川に落ち。

 

一瞬で魚が寄って、バシャバシャと音がして。食い尽くされてしまった。

 

落ちたらああなったのはあたし達だ。

 

魚がああしていると言う事は、頻繁にエサが落ちてきていると言う事。

 

あたしは無言で、顎をしゃくる。

 

橋の状態を、確認しておく必要があるだろう。

 

調査はタオとクリフォードさんに任せる。しばらくは護衛だ。

 

その間に、ボオスはサルドニカの方に戻り。

 

さっきのウィルタさんと、数人の戦士を連れて来ていた。

 

「橋にいた魔物の掃討は完了した。 すぐに修復のための手配をしてくれないだろうか」

 

「工房長」

 

「私も見届けました。 お願いします」

 

「分かりました。 何人かつれて来てください。 見積もりが出次第、工房長へ予算を申請します」

 

戦士達に指示するウィルタさん。

 

戦士達も敬礼して、すぐに戻る。この橋が北側の要で。それすらどうにも出来ていなかった事。

 

それをあたし達がどうにかしたこと。

 

それらの事実を見て。半信半疑だったのをすぐに改めたのだろう。

 

タオとクリフォードさんが戻ってくる。

 

「案の場傷んでいやがる。 ぷにぷに共が腐食させたんだな。 特に金属部品は色々と致命的だ」

 

「うん。 人が通るだけなら大丈夫だけれども、馬車が通ると底が抜ける可能性があるよ」

 

「そうなると、川の方も掃討するか」

 

「ライザ様?」

 

人前だから、フェデリーカも様をつけてこっちを呼ぶ。

 

あたしも、さんをつけてフェデリーカに応じる。

 

「今日はこの橋の周辺だけで終わりそうかな。 わるいねフェデリーカさん」

 

「いえ。 何度かの掃討作戦に失敗して、大きな被害を出した重要な戦略拠点です。 ライザ様をよんで本当に良かった。 すぐに川の方もどうにかしましょう」

 

「うん」

 

ウィルタさんも一緒に降りるという。

 

橋の下に降りられる階段があるとかで、其処を通る。先頭を行くのはクリフォードさん。いきなりブーメランを振るったのは、横殴りに黒ぷにぷにが飛んできたから。それを一閃して、川に叩き落としていた。

 

普通、川に叩き落とせる重量じゃない。

 

ぷにぷには見た目よりずっと重い。

 

内部が水分だから、それだけ重いのである。

 

風呂なんかも、小さくても水を満たすと、相当な筋力がないと持ち上げられなくなるが、それと同じ理屈だ。

 

それをブーメランで一撃、更に川にまで飛ばす。

 

なかなかに凄い。

 

橋の下の河原に降りると、川はすぐ其処だ。

 

かなり大きな魚が多数泳いでいるのが見える。あれはどれも危険な肉食種である。実際今川に叩き込んだ黒ぷにぷにも、瞬く間に彼等の腹の中だ。

 

詠唱開始。

 

セリさんが、壁を作る。

 

反撃を即座にしてくる可能性があるからだ。

 

クラウディアは少し下がって、階段の所で狙撃戦の準備。

 

ウィルタさんも、前衛に出る。

 

当世具足での戦い方、見せてもらおう。

 

詠唱を終えると。

 

あたしは。五千ほどの熱槍を出現させ。

 

そのまま、川に叩き込む。

 

凄まじい高熱に仕上げてあるから、即座に大爆発が連鎖する。それで落ちるようだったら、最初から橋は作り直した方が良い。

 

耳を思わず塞いでさがるフェデリーカ。

 

濛々たる水蒸気が収まる前に、飛び出してくる巨大な魚。当然、陸上戦にも適応しているというわけだ。

 

サメだけが陸上を歩ける訳では無い。

 

川でも放置しておけば、こんな強力な魚が育つのである。サメ以外にも。

 

今の時代は。

 

あらゆる意味で、人間に逆風が吹いている。

 

そう言えるのだろう。

 

凄まじい巨体の突撃に、セリさんが張った植物の防壁が軋む。凄いパワーだな。感心する。

 

水中の生物は大きくなる事が多い。

 

まず最初の一匹を、出会い頭にウィルタさんが、鋭い叫びとともに頭をたたき割っていた。

 

ひゅうと口笛を吹きながら、次々と来る巨大魚に、レントとクリフォードさんが前衛で応戦。

 

横からも、小さいのが来る。

 

てか、魚が空を飛んでる。

 

水上を跳ねる魚はあたしも見た事がある。漁をしている最中に、湖面をぴょんぴょんと跳ねて。しかも短時間でなら飛べていた。

 

これは違う。

 

多分ドラゴンなどの大型の飛行魔物と同じで。

 

魔力を使って飛んでいるのだ。

 

それが、横薙ぎに襲ってくる。

 

ボオスとタオが飛び出して、次々にそれを切り裂く。数匹、その斬撃を抜けたが。クラウディアが容赦なく撃ちおとしていた。

 

フェデリーカの舞いが止まっている。

 

「フェデリーカさん!」

 

「は、はいっ!」

 

完全に恐怖で足が止まっていたのだろう。

 

だけれども、あたしが叫ぶと、また舞い始める。

 

大丈夫、まだ経験が浅いだけ。

 

あたしは更に詠唱。

 

この様子だと、灼熱地獄に変えた川の中は、まだまだ魚がいるとみて良いだろう。続けて、熱槍を集中。

 

川に連続して叩き込んでやる。

 

爆発が何度もまき起こり。その度にセリさんが覇王樹を展開して、壁にして蒸気を防ぐ。

 

魚が次々に飛び出してきて、その覇王樹を軋ませるほどに襲ってくるが。レントもクリフォードさんもしっかり対応できている。

 

上空高く跳ねた魚。

 

頭に鋭い角が生えている。

 

それが、あたしに突貫してくる。凄まじい速度と圧だ。

 

それも、直線じゃない。

 

残像を作りながら、飛んでくる。

 

「フィー!」

 

「よしっ!」

 

あたしは爆弾を投擲。

 

さがりながら、それを起爆した。

 

超高速で動きながら迫ってきていた、角のある巨大魚だが。

 

その全身に、雷撃が直撃したのはその時だ。

 

空中で、凄まじい絶叫を上げる巨大魚。

 

躍りかかったウィルタさんが、ハルバードで首を叩き落とした。それでも魚は死にきれず、地面でばたばたともがいていた。

 

跳ねた首の切り口から、大量の寄生虫が蠢きながら出てくる。

 

あたしはそれを、魚もろとも熱槍で焼き払うと。

 

まだ続いている戦闘に、集中し直していた。

 

 

 

辺りが凄まじい臭いに包まれている。

 

川は地獄だ。

 

戦闘に巻き込まれた魚が大量に浮いているが。大型の危険な奴は、あらかた仕留めたとみていい。

 

更には、近隣にいて、血に誘われて寄って来たラプトルや走鳥、鼬なんかもあらかた仕留めておいた。

 

一度、橋の上に上がる。

 

既にかなりの石材、金属が運ばれて来ている。

 

戦闘が近くで行われているというのに流石だ。

 

もう二人いた例のメイドの一族の戦士が、人夫達の方に来た魔物を片っ端から始末してくれていたらしい。

 

あたしはそれらの魔物の死骸も、すぐに血抜きして、使えそうな素材は回収しておく。

 

荷車は一度、タオとボオスにアトリエに運んで貰った。

 

それくらい大量だった。

 

魚は、そのまま市場に売れそうなものはすぐに運んで貰った。

 

いたんでしまうと、売り物にならないからである。

 

近くの木は、下が血だらけだ。

 

血抜きをして、どんどん魔物を捌くからである。

 

それを見て、フェデリーカは青ざめて、戻しそうになっていた。まあ、慣れていなければこうだろう。

 

「大丈夫、影で吐いてきたら楽になるよ」

 

「す、すみません。 ちょっと行ってきます」

 

「最初は誰でもこうだからね」

 

フェデリーカが物陰で吐き始める。

 

それを責めるものはいない。

 

あたしだって、水に落ちて酷い目に遭った時の事は覚えている。トラウマというのは結構簡単に体に染みつく。

 

だから、早い内に吐き出した方が良いのだ。

 

角の生えていた巨大魚は、角を貰って。体内にあった強力な魔力の塊を貰っておく。

 

セプトリエンほどではないが、かなりいい魔力の塊だ。

 

これはいいなと思っていると。

 

サルドニカの戦士の一人が、あっと声を上げていた。

 

「こいつは……」

 

「レリック、知っているんですか?」

 

「は、はい。 何年か前に、この辺りで俺の子供をさらって川に消えた奴です。 顔についている傷が同じで……」

 

「そうでしたか。 仇はとれましたね」

 

ベテランの戦士だが。

 

涙を拭い始める。あたしは頷くと、大きなひれを切り取って、渡す。

 

「どうぞ。 墓前に」

 

「ありがとう。 ライザ様といったな。 俺はあんたの事は絶対に忘れない。 何かあったら、必ず助けになる」

 

「……」

 

ウィルタさんが、先に帰るように促す。敬礼をすると、男泣きに涙を拭いながら、レリックさんは戻っていった。

 

そのまま、夕暮れまで死体の処理をして。

 

売れそうな肉などは、サルドニカ側に渡してしまう。

 

皮などのうち幾らかは貰った。

 

フェデリーカも途中から体調を戻して、作業に加わる。血の量が多すぎたのだ。それで、ある意味酔ってしまった。

 

全ての処理を終えた後、アトリエに戻る。

 

サルドニカの北門で、戦士達に敬礼を受けた。

 

ウィルタさんとも其処で別れる。

 

多少、気分も良かったかも知れない。

 

タオが話しかけてくる。

 

「それでライザ、どうだった。 当世具足という東の防具、戦い方が分かった?」

 

「うん。 非常に実践的な装備だね。 ただ、はっきりいって作るのに工数が尋常でなく掛かると思う。 指揮官級の人間が装備出来れば良い方だろうね」

 

「パティに作ってあげたあの胸当てみたいな高級装備ってこと?」

 

「そうなるね。 だとすると……」

 

フェデリーカを一瞥したが。

 

フェデリーカは前衛で戦闘するタイプじゃないか。

 

タオ用に作っておくかな。

 

というのも、今後タオはヴォルカーさんが引退すると、アーベルハイムのナンバーツーになる。

 

相応の格に相応しい防具が必要になるだろう。

 

武具は問題ない。

 

あたしがグランツオルゲンを用いて、短剣をどっちもしっかり強化するからである。

 

タオ用にこの当世具足を仕上げておけば。

 

戦場では、それなりに目立つはずだ。

 

「クリフォードさんも欲しがってたよね」

 

「おう。 かなりロマンのある装備だぜ」

 

「またそれね……」

 

「少しは分かって欲しいもんだな」

 

セリさんが呆れて、クリフォードさんがロマンの素晴らしさを語る。まあ、それについてはいつもの光景だ。

 

というか、セリさんとクリフォードさん。

 

前よりも距離が近い気がするな。

 

まあ、他人の事はどうでもいい。

 

ただもしもくっつく気配があるようだったら、先に話はしておくべきだろう。

 

人間とオーレン族が交配した場合、母胎に大きな影響があって。最悪寿命を縮めるという話は。

 

アトリエに到着すると、さっと皆で手分けして動く。

 

コンテナに荷車から荷物を移す組。

 

クラウディアはキッチンに。

 

あたしは湯沸かしだ。

 

フェデリーカは少し悩んでから、キッチンを手伝う事にしたようだ。走鳥のうち、腹に人間の死体が入っていなかったものの肉を使って、料理する。

 

それとセリさんが薬草を用意してくれる。

 

前はあまり美味しいものではなかったが、最近はどんどん味を改良してくれている。

 

セリさんのためにあたしが色々した恩返しらしい。

 

この人も、相応に義理堅いのだ。

 

風呂を沸かした所で、クラウディアとフェデリーカが料理完了。良い香りである。

 

すっかり疲れているが。

 

アトリエの中は、余程の事がない限り安心だ。ゆっくり休みながら、団らんをとる。

 

ちょっとまだフェデリーカは緊張しているようだけれども。

 

それでも、少しずつ馴染み始めているのは分かった。

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