都市が絡んで生きれると思っているんですかねぇ
~外郭・旧研究所近辺岩場~
夕陽が都市で見る血のように赤い時間
岩場で一人の男性と機械の女性が座り、今日の成果を言い合っていた。
「アンジェラ、そっちに人影はあったか?」
「いいえなかったわ…ローランは?」
「なかったが賞味期限切れの食品はあった。これで俺の生命時間が増えた」
彼ら二人は"図書館"事件後外郭に逃亡し"都市では出来ないこと"を求めて歩いていた
とはいえ彼、ローランは人間だ。人間は食料がないと生きてはいけない。
その食料を探すのと同時に人間の集団が居ないかと考えて探していた
「ここまで見つからないものか…」
しかし外郭には全くと言っていいほど食べ物がない
人も飯も見つからないまま時間だけが経過していた
その間の食料はというと
「アンジェラ…今日は?」
「今日もチヂミね」
図書館の力を光がなくてもある程度使用できるようになったアンジェラにすべてを任していた
チヂミの理由はローランの想像力の足りなさでチヂミしか光で再現できないのだ
アンジェラが本を開くとその中からはチヂミーと鳴くチヂミが現れた
ローランは手袋から出したデュランダルで倒し口に運ぶ
「味は旨いんだがな……」
本から出したチヂミは味、空腹感が満たされるが栄養がない
その為定期的に手に入る缶詰めやナニかの肉がローランの栄養源になっていた
その日ローランは何故本から出たチヂミが喋るのかと思いながら夕飯を終わらせ明日に向けて休憩する、体力は回復しておかないといけないから
~都市・W社巣内部、翼合同研究所~
2つの翼所属研究者が互いの特異点を使用しW列車に並ぶ新たな物を作り出せないかと走り回っている研究所
そしてここでは新たなプロジェクトが進んでいた
「○○さん、W社の特異点のここと……」
「はい、出来ると思います」
「はぁ……上も無茶言うよな」
「んあ?なんだっけ?」
「お前話聞いてなかったのかよ?」
「研究ばっか考えてたわ……」
「無茶ってのはよ、人が多すぎて巣の面積が……」
「裏路地とか……もしくは外郭とか使えばいいんじゃないのか?」
「それがダメなんだと、だからあそこに頭の下っ端がいるんだよ……」
「俺らがどっか見つけると思ってるのかね?」
「そこ!!私語は控え、研究に集中しろ!」
「「すんません……部長」」
「確か使える時間はW列車30回分1回約80万として……5億8000万ちょっとですよね?」
「はい」
今日も技術の進歩の為、W社とT社、監督役のA社職員が忙しそうにしている。
そんな時に事故が起こった。実験内容は"ワームホール"実験
「んと……Wで別次元に開けて……間をTで早めて……」
簡単に言えば簡易W列車だ、W列車は駅を用意しなければ行けなかったがワームホールは携帯出来るサイズであるためもっと資金や時間を得られると考えられ実験されてきた
「最後に全員で確認するぞ!」
全員が手元の資料を見て、最終確認をする
W社特異点で別次元への扉を開き、扉に入った後はT社特異点で時間を早めて別次元から戻る
簡単に纏めればこのような感じだ
メリット、デメリットはW列車と比べると高く・使い捨て・記憶にある場所ならば自由に何処でも移動でき・あまり時間を回収出来ない、そして現状復旧を使用するには小型過ぎるため傷を負ってしまった場合治せないのだ
そして"時間あまり回収出来ない"ここが一番痛かった
通常W列車なら平均して78万日分回収出来るがワームホールではたったの25秒である。
これに関しては理由があり別次元で生身の人間が出ると身体に急激な負荷が現れる為"普通の人間"なら最大でも35秒。
それ以上いたW社2等級研究員サンラは負荷に耐えきれずに狂い、2時間30分後に身体が紙のようにペラペラになって死亡した。
客を殺す訳には行かない為生身は25秒、これは会議で"上"が決めたのだ
「それじゃあ……起動します」
研究員の一人が装置のボタンを押す
すると目の前の地面に直径80cm程の黒色の穴が出現した
「行ってきます」
開いた穴に研究員が一人、白衣を来たままほぼ生身で……カメラを持って飛び込んだ
その時
プルルルルと誰かの電話から音が鳴る
鳴っているのはどうやら研究代表の携帯のようでその相手を見て代表は慌ててとる
「はい、翼共同研究代表の△△です」
「なっ!?本当ですか!?」
代表から研究員達へ命令が飛ぶ
「今すぐホールを閉じろ!」
「何故ですか!?予定まであと8秒はあります!」
「頭からだ!A社の巣でホールが開いたらしい……巣に空いたくらいなら何も言われなかったが場所が最悪だ、A本社地下で開いたらしい…職員が巻き込まれかけたと」
目の前に広がる大きなモニター
そこには先程入っていった職員のカメラその視点が映っていた
職員がホワイトホールから出た事をモニターで確認しすぐにホールを閉じた
モニターにはT社の本社が映っており実験は成功だと全員が確信し代表のみが責任は免れないと頭を抱えていた
そして研究員達は情報を纏め上層部に提出する準備を始めた
そしてホールを閉じる少し前まで遡る
二人の男女は何かがないか周辺の探索を開始していた
「ローラン、これ何かしら。突然現れたのよ」
「……なんだ?これ」
目の前には黒い穴が開いていた
「触れない方がいい。また面倒ごとに足を突っ込むのか?」
ローランは身を翻し穴から離れようとした……しかしアンジェラはそんなローランを止めた
「ローラン、私は行ってみたい」
「……本気か?」
「この先から光の気配を感じるの、この先で光を得ることが出来れば復讐だって近まるでしょう?」
ローランはため息一つに返事をした
「あーはいはい、アンジェラさん……館長に従いますよ」
「あら、あなたを召使いに戻した記憶はないけど?」
「少し思い出したからな、また同じようなことするんだろうし……な?」
いつ穴が閉じるかわからないと思ったローランは心の準備をすぐ終えた
「アンジェラ、準備出来たか?」
「ええ、本は持った。行くわよ」
二人は共に穴に飛び込んだ
(ここは……どこだ?)
飛び込んでから目を開くとそこは辺りが星のように白く輝く物が沢山ある空間だった、目の前をみれば飛び込んだ時の穴とは違う白色の穴があった。
少し離れたところにアンジェラがおり、白い穴に吸い込まれていく
気が付けば俺も少しずつ白い穴に吸い込まれるように近付いていて残り15M位だ
少し水圧と同じ圧力のような物を感じたが白い穴に入った
~???自治区内・白樺樹海、雪原地帯~
ブュォォォォと風の音、身体に激しく雪が当たっていく
「寒いな……」
「……」
アンジェラは雪の被った木の前で悩んだ顔をしながら何やらぶつぶつと呟いている
「アンジェラ、どうした。機械に戻ったくせに寒いのか?」
冗談を交えながら聞く
「ローラン、ここら辺に図書館を建てようと思うのだけどあなたが気絶していたからここら辺にある木を見ていたのよ」
「俺…気絶してたのか…」
何気にショックを受けているローランを置いてアンジェラは少し離れて雪の積もる地面に手を突っ込む
「E.G.O…私の野望をもう一度……」
そう口にすると図書館が目の前に現れた
一気に立つのではなく地面からニョキニョキと
木が一瞬で育つような感じだった
「やっぱりE.G.Oってのは便利だな……」
そう言いながら図書館、第二図書館の扉を開けた
~~
少女達は仲のいいメンバーで固まっていた
皆も学生の頃あったろういつメンと呼べる面子だ
その時一人がポケットに違和感を覚える
「?なにこれ」
「黒い封筒?」
「招待状って書いてあるよ?」
「面白そうじゃん……行ってみようぜ!」
少女らは招待状にサインをする
最後の娘がサインを終わらせると最初にサインを書いた少女の前に扉が現れた
全員が驚き、固まるが
「行くぞ」
リーダーのその一言で全員体を動かし扉をくぐった
その先が地獄とは知らずに
今日も招待状を送りつけている館長とサインを書いた挑戦者が話す
「あなたの本が見つかりますように」
都市で行っていたいつもの台詞を話して接待が開始される
好評なら続き書きます