安楽の証明ー祈りの果てにー 作:ナオミ・ペンバー
深夜。夜神家の一室。
夜神月はデスクの前に座り、デスノートを静かにめくりながら、そのページに目を通していた。
最初は好奇心から始めた実験だった。
デスノートに名前を書くだけで、即座に死が訪れる。その簡単さ、確実性に月はひどく興奮した。
と、同時に新たな考えも芽生えていた。
「これがただの力に過ぎない訳がない。」
月はその力を使うたびに、次第に冷徹な思考を深めていく。
死がこんなにも簡単に操れる世界に変わる。これほどの力があれば、誰が裁かれるべきかを決めれるのは、自分だけだ。
だが、その一方で「これが本当に世界を変える力になるのか?」という疑念も月の心を占め始めていた。
単なる力では足りない。現実とは常に理想通りに動くとは限らないのだから。理想を現実にするためには、使えるものは全て利用せねばあるまい。
月はデスノートを閉じ、パソコンの画面に目を向けた、その目には冷徹な計算が浮かんでいる。
その名を見た瞬間、月の心にひとつの疑問が生まれた。
「安楽様…。やはり所有者か」
最初は思っていた。
ただの噂、ただの信仰に過ぎない。
だが、それにしては、あまりにも現実的すぎる情報が飛び交っている。
実際に死んだ人間がいる。
ネット上の掲示板に、安楽様に関する書き込みを見つけた瞬間、月は直感的にその情報が真実であると感じ取った。
安楽様の名前が出てきた人間が本当に死んでいる。これはただの偶然ではない。
月は深く息を吸い込み、再び考えを巡らせる。安楽様が持っているのは、確実に何らかの力だ。
そしてその力とは、間違いなくこのノートだろう。……安楽様がノートの所有者であるなら、月はその意図が知りたいと強く思う。
しかし、調べるほどに安楽様への疑念が浮かぶ。安楽様が本当にそのノートを持っているのなら、信者たちに伝えられるべき「意思」は一体何なのだろうか?
信者たちの言う「救済」その先の意図が見えないことが月には違和感であり、同時に懸念だった。
「安楽様の意志…。」
月はその言葉を呟き、再びノートを手に取る。
信者たちにとって、安楽様は「救済者」だという。だが月はその考えに賛同できずに居た。
この世界の歪んだ正義を正すために「死」は裁きであり、目的の為の手段なのだ。
つまり安楽様にとっての「救済」も単なる手段でしかない筈だ。しかし月は、安楽様がその力を用いて何を達成しようとしているのかを確信できずにいた。
月は再度考える。
「安楽様が本当に救いたい者は誰か。安楽様が目指しているのは一体何なのか。」
その答えを出すためには、安楽様がどんな意図でノートを使っているのか、その背景を追い詰める必要があった。
安楽様の目的を知れば、その力を利用できるかもしれない。
腑に落ちない部分はあるが、新世界を作る為にも他の所有者の動向は探らねばならない。
「リューク、ひとつ頼みたい事がある」
____その頃、Lもまた安楽様を認識していた。
Lは、安楽様の信者たちが安楽死を神聖視していることに疑念を持つ。
「安楽様か…。信者たちが信じるその力が、どこか歪んでいることは感じる。」
教団の思想は、Lの倫理観に合わない。
死を与えることが「救い」だと信じるその考え方に、Lは反感を抱いていた。
「安楽様のような存在が広がることは、社会にとって有害です。いずれは社会倫理すら揺るがしかねない…」
Lはその思想を強く否定しつつも、安楽様の影響力を無視することはできなかった。
安楽様がキラ事件の進展にどう関わるのか。
それを突き止めるために、Lは安楽様を調査していた。
Lは改めて思考を巡らせる。
「安楽様がキラ事件にどう関与しているのか。」
Lの頭の中には、安楽様とキラの関係性についての疑念が拡がる。
「キラ……安楽様……私の考えが正しければ、両者ともに’‘死を操れる’’のは確実…いえ、おそらくその手段すら共通しているのでしょう…しかし時期のズレがある……ここから繋がるか……」
ブツブツと呟きながら角砂糖を頬張り始める。ジャリジャリとした食感と共に糖分が脳に沁みていく。
「…やはり危険度はキラが上ですね」
安楽様の事も調査はする。しかしそれは、キラ事件の解決を目指す為の手段の一つ。
キラの逮捕が最優先事項、それがLの判断だった。
昨日ね、なんかデスノート書きたくなって。
アニメ流し見しながら書いてるんですけど、「私はLです」のシーンで爆笑しました。今作と別にいつか松田を病ませたいです。