安価で祠をぶっ壊す   作:激辛党

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【謎の】宇美沢村探索スレpart5【因習村】

1:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:50 aILVNPYz

 立てたで

 

2:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:51 cbKmWhEq

 おいすー

 

3:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:52 YqCK81Bc

 ここが新たなパーティー会場ね

 

4:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:52 BBxLsUpi

 スネークどうしたんだ?

 なんか前スレで様子がおかしかったが。

 

5:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:54 OdLZB3Rg

 あいつが変人なのは元からでしょ。

 いまどき3ゲットロボで喜ぶような奴だぞ。

 

6:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:55 qROm7mtI

 祠クラッシャと合流したいって書き込んでたと思うが、そしたら弥彦氏の屋敷に向かったってことでいいんかな?

 

7:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:55 ylv3J61x

 どうだろ?

 村人が起き出す時間は20時だったよね。それまで待つんじゃない?

 

8:名無しさん 20XX/10/14 (火) 18:57 nKf3tBad

 三和戸神社の神主にも、ぜひ会うべきだと思うがね。

 しかしスネークくんは体力の限界が近いようだったし、今晩中にどちらも行くのは厳しいか。

 

9:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:01 l3YzCaBt

 おい!

 お前ら、俺がせっかく見つけてきた倉敷瑞希ちゃんの記事に対しての反応薄くね?

 こちとら一日費やしたんだぞ!

 

10:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:03 J7U3fL6p

 お前さんはとっととお家にお帰り。

 ママンがきっと心配してる。

 

11:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:05 BBxLsUpi

 あのさ、イジメはあんま気軽に弄っていい問題じゃないだろ。

 いくらネット掲示板でも、越えちゃいけないライン考えろよ。

 

12:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:06 znFxYdnl

 人死に、それも13歳の女の子のそれが出てるんだから、全く笑えない。

 茶化すヤツの神経を疑う。

 

13:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:08 OdLZB3Rg

 まぁでも、祠クラッシャが倉敷大悟くんだと証明できた点は大きいわ。

 そこだけは認めてやってもいい。

 

14:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:10 nKf3tBad

 そうかい?

 倉敷瑞希ちゃんだという線が消えただけだと思うがね。

 まっとうな常識の持ち主なら、TSなどという夢物語は信じない。

 

15:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:15 ylv3J61x

 宇美沢村の奇怪な風習や、浮遊する火の玉の存在は信じるのにか?

 都合の良い時だけ常識持ち出すなや。

 

16:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:18 aILVNPYz

 宇美沢村でも、そろそろ日は落ちたかな。

 スネークか祠クラッシャが書き込んでくれないと、スレがまじでどうしようもない雰囲気になっちまう。

 

===

 

 

33:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:31 tJekCp8g

 祠クラッシャが使ってるAIについて、運営側から返信がきたよ。

 

34:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:32 aILVNPYz

 そういや、AIライターが明らかにおかしいから調べるって言ってたね。

 どうだったん?

 

35:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:34 DcuVa4nH

 俺がスネークに伝えたヤツか。

 正規リンクじゃないのか、クリックしても該当ページに飛べないんだよな。

 でも、二人は問題なく使えてた。

 

36:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:36 nKf3tBad

 文章作成などの生成系AIは、使用者のスマホからの照合に対して、データセンターで演算を行い、その結果をデジタルデータとしてネットワークに乗せて送信する。

 よって基本的に、電波環境が無い限りはサービスを利用できない。

 

 にも関わらず、スネークくんも祠クラッシャくんも過不足なくAIライターを使用していた。

 見過ごしがちになるが、これも本件を構成する重要な課題だ。

 

37:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:38 YqCK81Bc

 スマホの中に、アプリが事前にインストールされてたとしたら、別におかしくなくね?

 ほらアプリゲームとかの中には、通信環境でなくとも遊べるヤツあるじゃん。

 

38:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:39 nKf3tBad

 分からないならいちいちレスしなくてもいいよ。

 

39:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:41 tJekCp8g

 運営からの回答そんままコピペで載せるわ。

 ------

 

 ご質問の件につきまして、回答させていただきます。

 ご提示いただいたリンク先を調査いたしましたが、現在、当社で提供しておりますサービスとは一切関係の無いものでございました。

 名称の類似性につきましては、おそらくフィッシング詐欺等を目的とした悪意ある模倣と考えられます。

 該当ページにはアクセスしないよう、ご協力お願いいたします。

 

 当社といたしましても、お客様が誤って該当ページをご利用になる事が無いよう、今後、協議と対応を進めて参ります。

 貴重なご報告、まことにありがとうございました。

 

 -------

 とのことでした。

 

40:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:43 phi74Y9h

 詐欺やんけ!

 

 大事なことだからもっかい言うね。

 詐欺やんけ!!!

 

41:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:44 ylv3J61x

 えぇ……(ドン引き

 

42:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:45 aILVNPYz

 ちょい待ち。

 >>39って確か、祠クラッシャたちの変なIDについて、4ch運営にも問い合わせてたよな。

 あっちはどうなった?

 

43:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:47 tJekCp8g

 掲示板の方はまだ返答無い。

 運営がやる気ねーんだろ。

 もしかしたらID開示系の質問だから、正当な理由ないとダメってことかも知れんが。

 

44:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:50 znFxYdnl

 掲示板関連って言えば、最初に三和戸神社のマップ座標を張った奴も結局謎のままだよね。

 ↑のAIの詐欺リンクも、アイツが持ち出してきたんじゃなかったっけ。

 

45:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:53 BBxLsUpi

 発端になったスレ見てきたが、a4V8eManってID?

 

46:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:55 aILVNPYz

 そいつだね。

 釣り目的で、詐欺サイトのリンク張ってたと考えるのが自然だが……。

 

 祠クラッシャも、スネークも問題なくAIライター(らしき何か)を使えてるし、いよいよ分からん。

 

47:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:57 nKf3tBad

 詐欺サイトでなく、宇美沢村に行った両名にだけ、正規の接続ができる仕様だったのかもしれない。

 

48:名無しさん 20XX/10/14 (火) 19:59 cmAXT2SC

 なんだその謎仕様……。

 サーバーレンタル代も無料じゃないんだし、詐欺でもないなら、そんなサイト用意して何の得があるんや?

 

49:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:00 exIDinject99

 鐘が鳴ってる

 

50:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:00 exIDinject99

 ここどこ?

 

51:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:01 exIDinject99

 穴の中?

 

52:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:02 tJekCp8g

 やっと戻ってきたか。

 どこにいるのか聞きたいのはこっちの方じゃい!

 

53:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:03 nKf3tBad

 やはり20時か。

 鐘は区切りの時刻でその都度、鳴らされるようだね。

 さて祠クラッシャくん、困惑しているところ悪いが、今の状況は?

 

54:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:05 exIDinject99

 全然分からん

 なんか洞窟の中っぽいとこにいる

 周り全部、土の壁 天井も

 床も地面

 

55:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:05 aILVNPYz

 もしかして閉じ込められてる?

 村人に監禁されたってこと?

 

56:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:06 ylv3J61x

 あーそれで朝方は急にレスしなくなったのか。

 

57:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:07 cbKmWhEq

 でも弥彦さんの話しぶりからして、村人は祠クラッシャにむしろ友好的じゃなかったか?

 

58:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:07 SYoqP33q

 祠クラッシュしたのがバレたんでしょ。

 バカなことしやがってホンマ……。

 

59:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:09 exIDinject99

 いや、祠壊したのはまだ誰にも話してないし、怒られてもない。

 

 今日の朝5時、鐘が鳴った直後、お手伝いさんっぽい人が部屋に来て「こっちへどうぞ」って連れ出されたとこまでは憶えてる

 別に普通の感じで、祠の話は出なかった

 

60:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:11 BBxLsUpi

 その場には誰もいないのか? 脱出できそう?

 

61:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:13 exIDinject99

 あれ

 

62:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:13 exIDinject99

 スマホのライトが点かねぇ

 壊れたか

 

63:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:14 exIDinject99

 クソが

 真っ暗だわ

 人は誰もいない でも扉はあった

 鉄? で造られた頑丈そうなの

 

64:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:15 DcuVa4nH

 お前のスマホは元から壊れてるようなもんだろ! いい加減にしろ

 

65:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:16 exIDinject99

 扉、意外と普通に開いた

 そしたら林の中に出た

 やっぱり、さっきまでいたのは洞窟だったみたい

 

 けど、外も相変わらず暗い

 とりあえず、屋敷を探してみる

 そんなに離れてないはずだから

 

66:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:17 l3YzCaBt

 おい待て。

 スマホのライトも無いのに、どうやって探す気だ? 何も見えないだろ。

 

67:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:18 J7U3fL6p

 星明りがあるんでしょ(適当

 

68:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:20 phi74Y9h

 AIライターも使えない? ぜひONにしてみて欲しいんだけど。

 

69:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:21 exIDinject99

 起動できた

 

70:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:22 exIDinject99

 皆さん、僕は今、宇美沢村の林道を歩いています。

 夜中ということで、辺りはひどく暗いですが、不思議と一定の視界は確保されています。

 問題なく、弥彦さんの屋敷を探すことができそうです。

 

 ――と、言っている間にも前方に見覚えのある立派な門が見えてきました。

 しかも、傍に誰かが立っているようです。

 背格好の低さからして、昨晩にも出会ったあの少年のようです。

 

 弥彦さんから名前を教えてもらいました。確か、彼は吉野くんと言ったはずです。

 

71:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:24 tJekCp8g

 使えてしまったか……。ここまで話が食い違うと、いっそ清々しいわ。

 

===

 

91:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:33 exIDinject99

 門の傍に立っていた吉野くんに手を振ると、彼もこちらにすぐさま気づいてくれました。

 

「倉敷さん! 待っていましたよ」

 

 吉野くんは元気な声で言うと、僕の方へと駆け寄ってきます。

 彼の恰好も昨晩と同じく浴衣でした。

 季節はまだ秋とはいえ、この山中で寒くはないのかという疑問が湧きます。

 

 僕のそんな心配など露も知らず、吉野くんは人好きのする笑みを浮かべ、話しかけてきました。

 

「初めて蔵に入ったとのことですが、何も問題はありませんでしたか?」

 

「いや……大丈夫」

 

 正直、いったい吉野くんが何の話をしているのかさっぱりでしたが、僕は反射的にそう答えました。

 現状には、腑に落ちない点が多いものの、身体の体調は悪くなく……むしろ絶好調と言って良かったからです。

 

 朝の5時から、この20時までずっと寝ていたからなのでしょうか? 

 すると、吉野くんの言う「蔵」とは、あの洞窟のことを指しているのかもしれません。

 

「お身体に問題が無いようなら、弥彦さまのところへ行きましょう。

 倉敷さん宛てに、ご用事があると申し付かっています」

 

 断る理由も無かったので、僕は一も二も無く頷きました。

 吉野くんの案内に従い、例の豪邸へと向かいます。

 

92:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:35 exIDinject99

 以前も通った中庭の横を抜け、玄関へ。

 広々とした靴脱ぎは、丁寧に掃き清められていて、僅かの泥も落ちていません。

 昨日、足を踏み入れた際も何人かのお手伝いさんを見かけましたから、そういった方々が日夜、掃除に勤しんでいるのでしょう。

 

 弥彦さんの書斎は一階の、廊下を真っすぐ行った突き当たりにあることは、僕も既に知っています。

 しかし吉野くんは玄関を入ってすぐ、右に曲がろうとしたので、思わず引き留めました。

 

「ああ、説明が抜けていました。弥彦さんは書斎ではなく、大広間にいらっしゃるのです」

 吉野くんはまた、柔らかい微笑みを浮かべて、そう答えてくれました。

 

「なんでまたそんな場所で?」

 大広間と言ったら、文字通り手広な部屋でしょう。そんなところで、独りぼうっと待っているのは不自然です。

 

 当たり前の疑問をぶつけると、吉野くんは少しイタズラっぽい表情になりました。

 

「逆に、僕の方からお聞きしますが……倉敷さんはお腹、空いていないのですか?」

 

 それで、ようやく合点がいきました。

 

 朝、寝床から覚めてからやる事と言えば、何においても朝御飯が上がるでしょう。

 でなければ、日中の活動に支障をきたします。

 そしてそれは活動時間の昼夜が逆転したとしても一緒です。

 

 つまり吉野くんは、弥彦さんとの朝食に、僕をお誘いしているのでした。

 

93:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:37 aILVNPYz

 もはや懐かしいわぁ、このくっそ長い駄文w

 

94:名無しさん 20XX/10/14 (火) 20:38 QWicYLwe

 スネークはちょいちょいAIの設定弄ってたぽいから、ここまでバカ丁寧じゃなかったのに。

 どれだけ悪ぶってても、所詮は高校生だな。機械に振り回されてる。

 

===

 

110:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 20:50 exIDinject99

 廊下をいくつか曲がると、そのうち戸襖のずうっと続くところに行き着きました。

 どうやら、これらの戸襖の向こうが大広間のようです。

 

 そのうち一枚に、吉野くんが手をかけ横へ引きました。途端に、かぐわしい匂いが僕の鼻腔をくすぐりました。

 それと一緒に、多数の人の話し声もが耳朶を打ちます。

 

 もしやと思い、吉野くんを半ば押し退けるようにして、襖の向こうを覗き込んでみれば――そこは宴会の会場と化していました。

 

 コの字型に、小さく足の低い机――膳がずらりと並べられていて、それぞれに老若男女がつき、畳に正座で座っています。

 膳の上にはご飯やお汁、それに焼き魚が載せられていて、まさしく和風の朝食といった様子です。

 ただし、まだ食事そのものは始まっていないようで、誰一人として箸を握ってはいません。

 

 腕組みをして、むっつりと口を真一文字に閉じているお爺さんに、きゃっきゃと楽し気に会話をしている若いお姉さんの方々。総勢にして、十一名もの人がいます。

 めいめい多種多様な振る舞いですが、『いただきます』の号令を待っている点だけは皆、全く同じようでした。

 

 先ほどコの字型と言いましたが、実際のところ、これには一つ不足があります。

 コの、棒で閉じられていない方には、ぽつんと一点、置かれた机があって、そこにも人が座っています。いわゆる上座というべき位置でしょうか。

 

 風格のある和服に身を包んだ五十代ほどの御仁は、恰好こそ昨日と変わっていましたが、弥彦さんだと一目で分かりました。

 なにせ、村を統べる地位にある人です。彼が上座にあらずして、誰を座らせると言うのでしょう。

 

 その弥彦さんですが、ほどなくして僕たちが襖を開けたのに気づきました。

 顔をこちらへ向けて、「お、来たか」と気さくに呼びかけてきます。

 

「皆、君が来るのを待っていたんだ。早く自分のとこへ座りなさい」

 

 変わらず、穏やかな口調ではあったものの、前提として拒否されることを度外視した言い方でした。

 

 生来の気性ゆえか、弥彦さんのそういった有無を言わせない姿勢に、僕は少しムッと来ました。

 しかし、これだけ大勢の人を前にして、大っぴらに逆らうことは得策ではないでしょう。

 

 大人しく、大広間へと入りました。

 

===

 

125:祠クラッシャ 20XX/10/14 (火) 21:14 exIDinject99

 中へ入ると、奥の方に座っている女性が一人、手を挙げて僕を招きました。

 旅館で言うところの『中居』のような着物姿をした、二十代ほどの女性です。

 

 彼女の隣にはちょうど、誰も座っていない膳が一つあります。

 そこが僕の席だ……ということでしょう。

 

 広間の端をいそいそと移動し、僕は指定された場所へと向かいます。

 その間、刺すような視線が方々から注がれました。老いも若きも、広間の中にいる誰しもが、痛いほどに僕を見つめているのです。

 

 全く見ず知らずの人々にこれほど注目されるのは、緊張を越えて、もはやある種の恐怖です。

 頼みの綱の吉野くんでさえ、いつの間に戸襖近くの膳に着き、僕を見つめる彼らと同化していました。

 まさしく、状況は孤立無援です。

 

 ようやく膳の前まで辿り着き、畳に腰を下ろしましたが、居心地の悪さに変わりはありません。

 むしろ皆と目線の高さを合わせた分、より一層、その刺すような強さが際立ちます。

 到底堪えきれるものでなく、僕は顔を伏せました。膳に並べられている香ばしい朝食たちを必死に睨みつけます。

 

 しかしそうした僕の努力は、間を置かず発された弥彦さんの号令で、すぐさま無に帰しました。

 

「皆、今日は良く集まってくれた。積もる話はあるのだが、せっかくの食事が冷めるのも悪い。まずはいただこう」

 

 彼が喋り終えるとともに、一同が揃って手を合わせました。自然と、僕も同じく構えます。

 明かりの一つも灯されない、真夜中の大広間。そこに集まった十数人もの人たち。

 かつて一度も味わったことの無いような、奇妙な朝食の始まりでした。

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