安価で祠をぶっ壊す   作:激辛党

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【謎の】見ろ宇美沢村を探索す見ろpart10【因習村】

776:snk 20XX/10/15 (水) 12:40 exIDinject00

「ワシはミカゲ。見ての通り、この神社の巫女を任されておる」

 

 両袖を失った白装束で、少女――ミカゲは堂々と胸を張って見せた。後ろで一束に括られた黒髪が、馬の尾のように跳ねる。

 

 相手が名乗ったならば、こちらもそうせねば失礼でござろう。

 拙者は居住まいを正し、名前を伝えた。

 

 そこまでは別に何も構わないのだが、問題なのは拙者がここにいる経緯について聞かれることだ。

 それを明け透けにミカゲに伝えることは、絶対にダメだと容易に知れた。

 

 拙者の第一の目標は行方不明の祠クラッシャを発見し、街へと連れて帰る事だ。

 しかし、東西南北のかなめ祠が外界への移動を妨げているため、それら全ての破壊を当座の目標としている。

 

 ――といったことを、まさか神社の巫女を務める者に明かして良いはずが無い。

 どうにか上手く誤魔化さねばならないのだが……さて。

 

「ふぅん。それで、どうしてお前はあのようなことに?」

 案の定やってきたミカゲからの質問に、拙者はとりあえず、

「むしろそれはこっちが聞きたいくらいだ」と、お決まりの文句で返した。

 

「ただ山中を散策していただけなのに、突然にあの大蛇らしき何かに襲われた。何が何だか、てんで分からない」

 

「なるほどのう」

 6割強の嘘を混ぜた拙者の話を、ミカゲはひとまず聞き入れてくれた。

 

「腕の傷は?」

 

「……これは逃げている最中に転んで、その際に」

 

 しかし、この言い訳はかなり苦しかったようで、ミカゲの発する雰囲気がやや硬くなる。目元が露わであったなら、おそらく瞳は糸のように細まっているに違いない。

 

 とはいえ彼女は真っ向からの否定はしてこなかった。少しの間を置いた後、

「して、お前は何用でこの地へ?」

 と、更に追及を重ねてくる。

 

 これも答えづらい質問だった。

 特段の目的も無い一般人が、このような山奥に紛れ込むはずもない。

 必然的に、宇美沢村に来る外部の人間は、強い動機を持っていなければ不自然だ。間違っても、「ちょっと山を散策しようかと」など通らない。

 

「……人を探している」

 一瞬の逡巡を経て、拙者が編み出した答えはそれだった。

 

「知り合いが一人、この村を訪れて最後に消息を絶った。彼を見つけるまでは帰れない」

 

「ふむ、人探しとな」

 

 この機転は上手く働いてくれたか、ミカゲは合点がいったように頷いた。

 この調子で押せると見た拙者は、更に説明を加えることにした。

 

 それに巫女である彼女ならば、村の内情にも良く通じているだろう。あわよくば祠クラッシャへと繋がる手掛かりを得られる。

 

 喜び勇んだ拙者は、祠クラッシャが失踪した状況や、彼の人相、服装などをできる限り詳細に伝えた。

 

 無論、それら情報はスレッド内で出てきたものを参考にした。

 彼が、現段階では倉敷瑞希という女性として行動していることを前提としたものである。

 

 拙者の説明を聞き終えたミカゲは「ほうほう……」とどこか感慨深げに声を漏らした。

 

===

 

782:snk 20XX/10/15 (水) 12:55 exIDinject00

「その……倉敷瑞希なる少女についてなら、ワシは良く知っておるぞ。なんせ昨夜に出会ったばかりじゃ」

 

「本当!? どこで!?」

 拙者は飛び上がりそうになった。自然と声が裏返る。

 あまりにそれがうるさかったか、「よせ、傷口が広がるぞ」とミカゲに頭を抑えつけられる始末でござる。

 

「お前が先ほど、登ろうとしていた小山の向こうじゃ。そこにミワトさまの本殿がおわす。そこな境内にて、昨晩に出会ったおなごが、まさしく倉敷瑞希本人じゃろう」

 

「……そう、なんだ」

 後は言葉にならなかった。

 

 ――良かった。心底そう思えてならなかった。

 安堵の波が一気に押し寄せて、それは拙者の中に降り積もっていた不安と恐れをあっさり吹き飛ばした。緊張の糸が弾けて飛んでいく。

 

 気付けば拙者は地面にへたり込んでいた。

「大事ないか……?」 なぜかすぐ傍から――耳元で、ミカゲの声がする。

 

「えっ……。あ、ああ」

 拙者と同じ視線までミカゲは屈み込み、抱すくめるようにして、囁きかけているのであった。それこそ幼児でもあやすかのように。

 

 さすがに恥ずかしくなって「心配ない!」と拙者は声を張って立ち上がった。

 

「瑞希ちゃんが生きてるって聞いて安心しただけ。……何ともない」

 

「そうかえ? ワシはもっと休んだ方が良いと思うが……怪我もしておることじゃし」

 最初の印象では大胆な性格の女性に見えたがその実、ミカゲは案外、心配性らしかった。このままでは埒が明かないと見た拙者は、強引に話を進めた。

 

「で、瑞希ちゃんはどこに?」

 ミカゲの両肩を揺さぶって、問い詰める。

 

「落ち着け。別にあやつは逃げも隠れもせん。お前にその気があるなら、すぐに会えるとも」

 

===

 

801:snk 20XX/10/15 (水) 13:20 exIDinject00

「その気ってなに? こっちはずっと本気なんだけど」

 

「どうどう……。まぁ聞け」

 肩を掴んでいた拙者の腕を、ミカゲはそっと横へと除けた。見かけは楚々とした挙動だったが、結構な力が加わっていたため、否応なしに腕を振りほどかれる。

 

「お前の意中の相手である倉敷瑞希は目下のところ、この宇美沢村においては渦中の人となっておる。

 別に上手いことを言いたかったわけじゃない。本当の意味で、あやつを中心に村人の多くが動いとる、という次第なのじゃ」

 

 ミカゲはそれから倉敷瑞希が村の住人からどういった評価を受けているか、またどういった扱いを受けようとしているかについて、拙者に事細かに教えてくれた。

 

 その内容はおおむね予想していた通りのものであり――付け加えるなら、最も当たって欲しくない範疇のものでもあった。

 

「どうして?」

 話を聞き終えた拙者はまず問うた。

 

「なんで瑞希ちゃんがそんな目に遭わないといけない?」

 

「難しいようで、簡単なことよ。しかし裏を返せば、分かり易そうに見えて複雑じゃ」

 詩でも歌うかのようにミカゲは言った。

 

「はぐらかすなっ!」

 拙者は怒鳴った。いい加減に限界だった。

 ミカゲはきっと悪い人では無いのだろうが――瑞希ちゃんに関わることで、冗談を口にされるのは、誰が主体でも許せない。

 それはスレッドの住人だろうが、新聞記者だろうが同じことだ。

 

「言えっ! 言えよぉ! 誰だ、誰が瑞希ちゃんをまたイジメてるんだ!?」

 

 明るい……熱い……。熱い? 火が灯っている。

 一つ、二つ、そして三つ。また灯る。頭上に眩い光点が瞬いている。

 

 木々に隠され、力なく陰った太陽に代わり、仄明るい球体が浮かぶ。マンマルくん……拙者が命名したあの怪異らが、四つ五つと林の中に浮かんでいるのだった。

 

「やっと会えたのに! やっと!」

 マンマルくんはふわふわと、林の最中を戯れに飛び交う。うちの間抜けな一つが、うっかり木の葉にぶつかった。

 

 するとたちまち、ぽおっと真っ白な炎が立ち上った。木の葉から枝、枝から幹へと伝わって、一本の樹木はあっという間に、不可解な白いオブジェへと変貌を遂げる。

 

 木を襲う現象は燃焼さながらだったが、しかし実際にはそうでない。真にそれが炎であったなら、森はたちどころに紅蓮に包まれているはずだから。

 

 マンマルくんが楽し気に着火して回るのは、ただ白く、明るいだけの概念のようだった。白色のLEDよりも、もっと眩しく鮮烈な光が、暗闇だったはずの木立を塗り替えていく。

 瞬きの内に、辺りは目も開けていられないほどのフラッシュに包まれた。

 

「ぎっ……!」

 眼前のミカゲは苦悶の声を漏らし、黒帯の巻かれた目元へ、さらに自らの両手を被せた。

 それでようやく、なぜ彼女がそのようなおかしな恰好をしていたか、遅まきながら拙者も理解した。

 

 彼女の眼はきっと、暗闇に慣れ過ぎているのでござろう。ああでもしなければ、昼間に出歩くことはできないのだ。

 となれば、マンマルくんが火――というか明かりを点けて回っているこの現状は、まさしく彼女にとっては拷問に近しい。

 

 哀れには思ったが、所詮は怪異のやること。拙者には為す術も無い。手をこまねいていたところ、ミカゲは突如として大口を開けて、

「ノウマクサマンダ、バサラダン、カン!」

 と、例の呪文を放った。

 

 瞬間、木々の間を飛び交っていたマンマルたちが、蝋燭の火のように吹き散らされた。白色の燭台と変化していた木も、元通り緑色の葉を宿す。

 

 ミカゲのたった三節の詠唱で、異界と化しかけていた林は正常へと戻った。まさしく魔法のような光景に、拙者が言葉も無く感動していたところ、当の彼女が激憤した様子で叫んだ。

 

「貴様ぁっ! どうもおかしいと思うたが、やはり混じっておったか!」

 

===

 

811:snk 20XX/10/15 (水) 13:43 exIDinject00

 そう頭ごなしに言われても、拙者としては何のことやらさっぱりでござる。

 

「はぁ? 何を――」

 訊き返そうとしたその時、ぬっと視界にまろび出てくるものがあった。

 それは真白い靄で構築された巨体。先ほど振り切ったはずの、あの大蛇が林冠の上からこちらを睥睨しているのだった。

 

 なぜここに――? なぜ今になって――?

 驚愕より先に数々の疑問が湧き出たが、それらには割と早く答えが導き出された。あのマンマルたちのせいだ。

 木々に灯された光を目印として、大蛇がここまでやってきたのであろう。

 

 両者の因果関係が特段、立証されたわけでもないが、なぜだかどうして拙者には分かった。マンマルくんはつまり、大蛇の出づる前触れでござる。

 

「ちくしょうめが!」

 ミカゲは子女にあるまじき悪態を吐くと、拙者の右腕を引き、走り出そうとする。

 この場から逃れようとする意図は強く伝わってきたが……しかし。

 

「何をぼうっとしておる!? 着いてこい!」

 

「どうせ無駄だよ」

 口角泡を飛ばすようなミカゲの声に、拙者はそう被せた。

 

「あれからは逃げきれない。どこへ行ったって同じこと」

 

「やかましい! お前ごときに何が分かるというのじゃ!

 良いから黙ってついてこい!」

 

 ミカゲは気丈にも言い切ると、拙者の腕を強引に引き、林の中を駆けだした。

 初め、ここへと到着した時と同様に、より木々の密集した、暗き地へと潜っていこうとする。

 

 だが残念ながら、彼女の目論見は早々に失敗した。

 木々を押し退け、大蛇が這い迫ってくるにつれ、先ほど散らされたはずのマンマルくんがまた集ってくる。

 

 宙をさ迷う彼らはランタンのように、行く先々の闇を白く照らした。ミカゲが逃げ込もうとする暗がりは、次々と雲散霧消する。

 

「ノウマクサマンダ、バサラダン、カン!」

 あの呪文を唱えれば、マンマルくんは確かに消え失せる。ただしその効力はあくまで一時的なもののようだった。数十歩も行かないうちに、あちこちに再び白球が生じる。これではキリが無い。

 

 それも呪文は詠唱されるたびに、むしろ効き目は弱まっているようで、中にはそれを全く意に介さない無敵のマンマルくんすらも現れ出していた。

 

 一方、大蛇は確実にこちらまでの距離を狭めつつあった。あの忌まわしき大口が、拙者らを捉えるまであとどれほどか――しかしそれは一分も、ともすれば数秒の暇も無いように思えた。

 

 状況はまさに絶体絶命以外の何物でもなかった。にもかかわらず、拙者はどこかしら安心感を覚えていた。

 ――なるべくしてこうなる。宇美沢村も、そして拙者も。燃えるべくして燃えるのだと。

 

 安価>>815

 

812:名無しさん 20XX/10/15 (水) 13:44 7NkAbCc0

 いや何用の安価?

 

813:名無しさん 20XX/10/15 (水) 13:44 DB9aFKLG

 普通に考えたら、どう対処すればいいかって意味だろうけど……。

 

814:名無しさん 20XX/10/15 (水) 13:44 Xu84YI5l

 スレの中頃からずっとそうだったが、スネークの様子がおかし過ぎるだろ。

 もうどっから突っ込んでいいか分からんレベルだぞ。

 

815:名無しさん 20XX/10/15 (水) 13:45 nywgVYo1

「ノウマクサマンダバサラダンカン」を自分で唱える。

 

816:snk 20XX/10/15 (水) 13:46 exIDinject00

「づっ……!」

 突然、鋭い頭痛が襲ってきた。頭蓋の内側に針が貫入し、それが所かまわず大暴れしているような、酷い痛みだ。

 

 ミカゲが必死に叫んでいる呪文が、何度も意識にこだまする。そう言えば、あれを拙者自らが唱えようとした例は無かった。

 

 この絶望的な状況で、それでも逃げ道を探してくれている彼女に一つでも報いたいなら、たとえ無意味だろうと一度は試すべきではないか?

 

 我ながらそれは非の打ちどころののない正論に思えたので、取り急ぎ一度やってみることにした。

 深く息を吸い込み――「ノウマクサマンダ、バサラダン、カン!」叫んだ。

 

 その――途端――頭が――もっと痛――やめ――嫌

 

===

 

830:名無しさん 20XX/10/15 (水) 13:55 a9KAUSg1

 続きまだ?

 

831:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:00 bcpQiQL9

 どうなったんだよ、結果を教えろよ。

 

832:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:05 3VSbNnck

 これもしかして、>>815が大正解だった感じ?

 

===

 

835:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:11 NIJr1WEI

 どっちかというと、失敗だった雰囲気じゃね?

 

===

 

849:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:26 Xu84YI5l

 てか、無知な俺にも、そろそろ例の呪文がどういう意味なのか教えてくんね?

 検索しても良く理解できん。

 

850:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:27 sodUwhfj

 だがあえて何度でも言おう。ググレカスと。

 

851:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:28 pM9yHp6K

 不動明王様のお力を借りる、有難い真言やね。

 揺るぎない決意によって邪なるものを退け、全ての人を導き救う仏さまや。

 

 日本ではとりわけ密教に深く根差していて、その御利益としては「自らの迷いを断ち切る」だとか「災難や悪運を退ける」等々があるとされている。

 

 あと当たり前だけどこれ仏教の話だから、巫女さんが唱えて、あまつさえ縋るのは本来ご法度。

 

852:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:30 sO5yCQCJ

 >>801での、ミカゲの指摘からして、スネークって何らかの悪霊に憑りつかれてたんじゃ?

 AIの誤訳を加味したとしても、ここ最近の書き込みは変だったしさ。

 その霊に真言が作用した……みたいな?

 

853:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:32 DB9aFKLG

 仮にそうだとして、なんで急に落ちたんだ?

 もう一時間近く何のレスも無い。

 

854:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:33 749EntrA

 知らねーよ、そんなの。自分で調べろ。

 

855:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:36 b6x8bPV4

 無茶振りで草

 

856:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:38 NIJr1WEI

 今更なんだけど、ミカゲってやっぱり三和戸神社で祠クラッシャと会ってたあのミカゲと同一人物だよね?

 村人って、日中には出て来られないはずでは?

 

857:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:41 sodUwhfj

 全村人の動きを常に監視しているわけでも無し、やろうと思えば外出なんていくらでもできるでしょ。

 ただマンマルくんに襲われでもしたら即死だろうから、非力な一般人はしないんじゃない?

 

858:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:42 TRnSHhVQ

 逆に言ったら、ミカゲちゃんは異常なゴリラってことですね。

 

859:名無しさん 20XX/10/15 (水) 14:42 qMDLWK0r

 そこは強力な霊媒能力を持った巫女と言って差し上げろ。

 

===

 

892:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:02 WArH6Gpd

 おい!!

 お前ら、また俺が大発見をこのスレにもたらすぞ! 心して聞けwww

 

893:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:03 a9KAUSg1

 あ? なにこの勘違い野郎、ウザ……

 

894:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:03 7NkAbCc0

 >>892

 凸ってた人だよな。

 比上山の次は、郷土資料館に行くって流れだっけ? 収穫でもあったか。

 

895:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:05 TRnSHhVQ

 あのさぁ……誰だか知らないけどスレの空気くらい読んでレスしようよ。

 今いいところなんだって。せめてスネークが戻ってからにしろ。

 

896:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:07 WArH6Gpd

 延々、実家の子供部屋に引きこもってママに契約してもらったスマホ弄る事しかできないニートが負け犬の遠吠えしてて草

 一人で他県にドライブもできねぇくせに粋がんなよ? 悔しかったら車一台でも買ってみろ

 

897:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:07 F9SSRLDQ

 効いてて草

 ローン組んで中古のお車買えて偉いでちゅね~

 

898:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:09 nUOUl1Eu

 信じられんバカどもだよ。

 程度の低い口喧嘩でスレを消費するよりも先に、まずは指を動かせ。

 >>892 発見とはなんだ?

 

899:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:09 WArH6Gpd

 よくぞ聞いてくれた!

 比上山から遠路はるばる移動すること、片道一時間以上を掛けて、街の郷土資料館に辿り着いたんだけどさ、そこで比上山の縁起? 由来? みたいなのが書かれた古文書を見つけたんだよ。

 

 もちろんそれは重要文化財だから、一般閲覧は普通はできない。

 でも、俺が「どうしても無理ですか?」って頼み込んだら、受付のオジサンが話の分かる人で「撮影や機器での読み取りをしないなら」の条件で、許可が下りたわけ。

 

 俺が迫真の演技で、「○○社から来たものです」だなんて名乗ったファインプレーの賜物だわ。マジで記者か、でなけりゃ役者の素質があるかもしれん。

 

900:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:10 qMDLWK0r

 いいからあくしろ

 誰もお前には興味ないよ

 

901:名無しさん 20XX/10/15 (水) 15:11 WArH6Gpd

 そんなに俺の聞いた話が楽しみってかwww

 まぁ、あんまりもったいぶっても良くないし、さっさと書き込むわ。ちょっと待ってろ。

 

===

 

 

989:名無しさん 20XX/10/15 (水) 16:02 a9KAUSg1

 ちょっととか言って一時間経つじゃねぇか! おせぇよ無能が

 

990:名無しさん 20XX/10/15 (水) 16:03 DB9aFKLG

 これだから4ch民は信用ならねぇ

 

991:名無しさん 20XX/10/15 (水) 16:03 DB9aFKLG

 てかお前ら減速しろ。1000言ったらWArH6Gpdの全力の打ち込みが無効になるだろ。

 

992:名無しさん 20XX/10/15 (水) 16:03 TRnSHhVQ

 ところがぎっちょん!

 

993:名無しさん 20XX/10/15 (水) 16:03 b6x8bPV4

 やだこの流れ前にも見た……

 

===

 

998:名無しさん 20XX/10/15 (水) 16:10 WArH6Gpd

 ~比上山に建立された水際戸神社の由縁~(地域に住む人々の口伝を、分かりやすく口語訳したもの)

 

 以下、本文ママ

 むかーしむかしのことじゃった。比上の山が、そう呼ばれるよりもずうっと前の話じゃ。

 

 この五十鈴の地より遠く離れた所に、とんでもない暴れ川が一つあった。

 その暴れ具合と言ったらもう手に負えず、橋を掛ければ流されて当たり前、船を渡しては覆って当たり前という酷い有様じゃった。

 

 しかし水というのは人にとって欠かせぬものじゃ。世にはそれさえ預からんような、不毛の地などいくらでもある。

 いかに暴れ狂う川と言えども、田畑を潤してくれるのだからと、その地には多くの農民が集い、村を成しておった。

 

 とはいっても、年に数度起きる洪水ばかりは誰しもが頭を悩ませた。

 掛けた木橋を流す程度なら、大工の骨折り損で話が済むが、手間暇かけて育てた作物をみな台無しにされては、泣き寝入りで終わらすのも無理がある。

 

 村の衆はみな寄って集って知恵を絞り、何とか暴れ川を鎮めようと苦心したが、成果は一向に出なかった。

 治水と言えば、お殿様の指揮の下、数千の人が汗水垂らして堰を築き、ようやっと成し得る大事業じゃ。たかだか百人もおらんこの村では、やりようがあるはずも無かった。

 

 はてさて、にっちもさっちもいかんので、やはり川水を諦めてでも、別の土地に移るしか無かろうかと、みなが意気消沈しておった頃、一人の村娘が手を挙げた。

 真っ白い肌に、ぬばたまの黒髪をしたそれは美しい娘だった。

 

 みなが息を呑んで見つめる中、娘は車座の中心に立って堂々と言った。

 

「みなさん、わたくしが水神さまのところへ嫁入りします。自分で言うのもなんですが、わたくしはこの通り美しい見た目をしております。きっと水神さまもお気に召してくれることでしょう。

 首尾よく妻となれた暁には、水神さまにお願い申し上げます。どうか、村の田畑を呑み込むほどに暴れるのは止してくださいまし……と」

 

 村の衆はみな驚き、涙して、娘の勇気と知恵を寿いだ。

 村の女たちはこぞって嫁入り道具と着物の準備を整え、男たちは縄を編み木を組んで御輿や旗を作る。

 早晩にも盛大な花嫁行列ができあがった。

 

 白無垢に角隠しで着飾った娘は、御輿に担がれ、水神さまのおわす源流の山へと登って行った。

 やがて大本の滝つぼに辿り着く頃、神妙な顔をする一同の前で、御輿から出た娘は言った。

 

「ここまでどうもありがとうございました。村に残った父と母のことをどうぞよろしくお願いします」

 そう告げるが早いが、娘は白無垢姿のまま、滝つぼの底へと消えた。あっという間のことじゃった。

 

 それからというもの、これまでが嘘だったかのように暴れ川は鎮まった。一年経っても二年経っても、十年後もそれは変わらない。

 橋はボロでもずっとそこにあり、穴が開いた船でも悠々渡れるほどじゃった。

 

 村の衆はもろ手を挙げて喜んだが、器量よしの娘に先立たれた父母は悲嘆にくれた。

 食う物も喉を通らん二人の有様を憐れんだ当時の村長は、嫁入りした娘と、その願いを聞き届けた水神さまを祀って、神社を建立すると約束した。

 

 しかし、いざ滝つぼの近くに社を立ててみると、すぐに異変があった。

 立てて三日もしないうちに、滝つぼから溢れた水によって、社が突き崩されてしまうのじゃ。

 もしや、社が神さまのお気に召さなかったのではと、改めて豪華な装いで立て直すも、しかしやはり三日としないうちに滝つぼに呑まれ、消えてしまう。

 

 これはいったいどうしたことかと思い悩んだ村長の夢枕に、ある日あの娘が立った。

 十年を超す月日が経ったというのに、嫁入り時の白無垢姿のまま、一つも衰えない美しい姿の娘は、涙ながらにこう訴えたそうな。

 

「あなたのお気持ちは大変嬉しいのですが、どうかわたくしたちの寝所の近くに、お社を立てるのは止めてくださいませんか。

 今は水神さまにお仕えする身となりましたが、わたくしも元は人の子でございます。故郷を思わせる社を傍に立てられては、郷愁が立って堪らない。それを妬んだ夫が、猛って社を潰すのです。

 今はまだそれだけで済んでいますが、事が進めば村まで怒りが及ぶやもしれません。どうか、考え直してはくださいませんか」

 

 これは娘に申し訳ない事をした。村長はいたく省みて、滝つぼのある山には今後一切、水神さまを祀る社は建てぬこととした。

 だが父母と約束を交わした以上、それを反故にすることはできない。

 

 そこで考えた妙案が、遠く離れた別の山に、神社を建立することじゃった。

 その山こそが、今の比上山である。

 山中にて、建立された水際戸神社は、かの水神さまとその妻を今の時代もこうしてお祀りしているのじゃった。

 めでたし、めでたし。

 

999: 20XX/10/15 (水) 16:22 exIDinject00

 嘘つきはみんなしね

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