「そんな魔法が実在するとは思えないけど……」 作:明日〜今日よりも好きにな〜れ〜る〜♪
捏造が多々あるぜ!
そして大体こう終わりたいな、的な構想が練れたぜ!
書くかは別としてなぁ!
短編で色々端折るからわかんない所は完結してから纏めて聞いてくれな!
━━━━勇者ヒンメルの死まで残り約1099年━━━━
何十万という年を生きているが、私は全能ではない。記憶の消去も出来ない事は無いが直接触れる必要がある。フランメやゼーリエ、フリーレンの記憶からノインを消去する事は難しいだろう。ノインが生きてきた痕跡を記憶以外完全に消す事も出来たが、それをするとゼーリエ辺りが不審に思って色々勘繰られるだろう。だからあえてある程度の痕跡は残るようにした。流石に死体の偽装は......他人のならば可能だろうが、自分の死体となればてんでダメだ。作れない。
腐ってもノインは2万年生きた記憶を持つ俺の片割れであり、記憶を覗いた限りだが、流れとはいえゼーリエの弟子*1だ。
フランメは寿命で死に腐れるだろう。長い目で見れば問題はゼーリエだ。エルフな時点でまず俺がゼーリエに殺される事は無いだろうが、彼女の弟子は危惧すべき種族、人間だ。
「
「恐らくノインが死んだ。」
「......は?」
「何度も言わせるな。恐らくノインが死んだ。推定調なのは状況証拠からで、死体は見つかっていないからだ。」
ゼーリエ様の口から発せられたその言葉は、私達を驚かせるに足りる言葉だった。
大魔法使いノイン。【摂生の魔法】を使う我々と同じゼーリエ様の弟子のお1人。我々の兄弟子にあたり、ゼーリエ様との付き合いも長く、我々も慕っていた。本人は「そんな大それた人間じゃない」と言っていたが......
「ノイン様はまだ112歳では? 摂生の魔法ならば後2〜300年は生きてもおかしくない筈ですが......」
「寿命ではない。理由は不明だが住居から見て殺害されたと見るのがだろう。」
「......方法は? お言葉ですが、ノイン様がそこらの魔族に遅れをとるとは思えません。」
「私も同感だ。だからノインの住居を徹底的に洗った。結界を解除され、粉々に破壊されていたが、そこから分かる事もある。ノインとノインを殺した者の魔力の残滓を追った。」
「......ゼーリエ様自らですか。」
「何かおかしいか?」
「いえ......何か分かったのですか。」
「ブーフ。魔法使いが魔法使いを殺す時、行使された魔法から分かる事はなんだ?」
何を今更......
「使った場所を初め、使われた魔法やある程度どこに行ったかの追跡が出来ます。」
「90点。実に教科書通りの答えだな。つまらん男だ。」
何故私は一部とはいえゼーリエ様の緊急収集で集まった世界に散らばる弟子達の前で辱めを受けねばならないのだ?
「残りの10点はなんでしょう。」
「魔法を行使した者の【
「癖......ですか。」
「そうだ。ノインの住居に張り巡らされていた結界は解除されていた。この時点でノインを殺したのは魔法使いで確定だろう。【破壊】ではなく【解除】だからな。そして破壊の様相を見て恐らくだが......【悪魔】の仕業かもしれん。」
「ッ」
【悪魔】。凡ゆる伝説や神話に語り継がれる存在だが、ことゼーリエ様の口から発せられる【悪魔】の意味合いは一般的なそれとは違う。悪魔という存在の起源は、昔々の、神話に出てくる実在したとされる存在だ。それがいつか【地獄】という概念が生まれ、悪魔はそこに住む者を指した。ゼーリエ様の言う悪魔とは、その起源となった存在の事。
「私の弟子ならば皆知っての通り、【悪魔】は何十万年か前の神話の時代に実在した存在だ。私の生来の研究テーマでもある。今でこそ【神話の悪魔=現代の魔王】説が定説となっているが、私はどうにも引っかかっている。」
聞くものが聞けば異端者として爪弾きにされる言葉だ。裁かれはしないだろうが、大魔法使いとしての地位が半端に邪魔をして名に汚泥が付く。
「何故でしょうか。」
ゼーリエの弟子として信頼はされているが、未だ他と比べ日が浅い弟子の1人が口を出す。
「簡単な事だ。魔族、魔物とは人を喰らう化け物。その長である魔王もそれなりの破壊衝動なりを持っているだろう。そんな存在が何十万もの年をただの【魔王】という称号で満足し、尚且つ表舞台に姿を表さないのは魔族として不自然だ。人間に例えるなら、財も力も地位もある人間の王が、その一切を使わず、侍女も誰も連れず城に籠るようなもの。ありえるか?」
「それは確かに......ありえませんね。」
「その通りだ。ありえん。つまり【悪魔】と【魔王】は別物であると考えるべき、というのが私の研究から導き出された説だ。そしてここからが本題だが、【悪魔】の魔法行使の残滓で【癖】は分かっている。それを見るに、ノインを殺したのは【悪魔】でほぼ間違いない。そして問題は基本表舞台に現れぬ【悪魔】が何故ノインを殺したのか、だ。」
ゼーリエ様の仰る通りならば......魔王以上の力を持ち、けれど表舞台にも歴史にもほぼ現れぬ存在が、我らがゼーリエ様の弟子の1人、【摂生の魔法】使いノイン様を殺した......
「道理で考えるならば、【悪魔】にとってノイン様が何か不都合な存在だった。或いは不都合な存在に
「私も同じ意見だ、ブーフ。相手は何万年かに1度現れるか否かという程神出鬼没な存在だ。故に、この機を逃したくない。今回お前達に集まって貰ったのは【悪魔】探しに協力させる為だ。ノインの住居を中心に、【悪魔】が逃げたであろう北方に7割、その他東方、西方、南方の3方向に残りの3割を1割づつ向かわせる。私も北方に向かう。これより名を呼ぶ3名をそれぞれ北方以外の3方向の別働隊の長とし、指揮を任せる。
まずは東方。【悪魔】の進路方向からして2番目に可能性の高い方向である事を考慮し、指揮をゼーゲ、以下攻撃力の高い弟子で固める。
次に西方。分析力の高いブーフを指揮とし、以下調査・隠密に長けた弟子で固める。
そして南方。北方に向かった【悪魔】とは反対方向だが、一応の警戒として調査及び警邏にあたれ。指揮はルフト、お前に任せる。恐らく戦闘はないだろうが警戒はゆめ忘れるな。メンバーは私の弟子の中でも比較的若い者を集める。
最後に言っておくが、これはここにいる者達のみで行われる極秘事項である事を忘れるな。もし【悪魔】の存在が公になれば魔王とは比にならん被害が出るだろう。なんせ相手は自分の存在を気取られぬよう細心の注意を払っている。最悪私達だけではなく、統一帝国が......いや、人類種が滅びかねん。」
「了解しました......最後にひとつよろしいでしょうか、ゼーリエ様」
「なんだ。」
恐らくこの場にいる全員が気になっていて、話の流れから聞くタイミングを逃した質問をする。
「何故今回の作戦に1番弟子の大魔法使いフランメ様をお呼びにならなかったので?」
私のその質問に、ゼーリエ様は少し考えるように目を逸らす。
「......そうだな。理由は大小様々あるが、最もな理由を1つあげるのならば、【悪魔】と戦いになった場合フランメは真っ先に死ぬ可能性が高い。それこそ南方に送る若い者達よりもだ。」
「それは......何故、でしょうか?」
「フランメは確かに強い。だがお前達も知っての通りフランメは通常時魔力を10分の1以下にセーブしている。対軍魔法戦において、最も弱い奴で相手軍の力量を図るのはお前達にも教えているな。その戦法は対軍魔法戦において定石と言ってもいい。【悪魔】もそうだろう。【悪魔】の力を弱く、フランメの力を強く見過ぎているとしても、突発的な対軍魔法戦が行われた時真っ先に狙われるのはフランメだ。周りの魔法使いと比べ10分の1以下の魔力量の奴から狙われるのは当然。ならば最初から軍に組み込まず、軍の最低魔力値を一定以上にし、意識を分散させるのが得策だろう。」
「なるほど......出過ぎた真似を失礼致しました。」
「良い。指揮を任された3名はこれよりすぐ出立せよ。北方の指揮は私が執る。全員行動開始。」
━━━━数週間後━━━━
「フランメ」
「
「今日はなんだか魔法使いが少ないね」
フランメとフリーレンはいつも通り買い出しの為、帝国の首都に赴いていた。そこでフリーレンは魔力探知で探っても魔力量の多い存在が首都に少ない事に気付く。居るには居るが、王宮や神殿にポツンポツンと居る程度だ。
「確かにそうだな......」
「師匠は何も聞かされていないの?」
「あぁ。なにも聞いてねぇな。」
少しだけ理由を考え、王宮へと足を向ける。
「付いてこい、フリーレン。」
「どこ行くの?」
「王宮だよ。忘れたのか? 私は宮廷魔法使いだ。ここまで大きな作戦なら国王なら何か知ってるかもしれねぇ。聞きに行く価値はある。」
......しかし、フランメの思っていた答えは返って来なかった。帝国の国王はあくまでも一般人であり、魔法使いではない。故に王都にどれ程魔法使いが居るのかなんて知る術はない。宮廷魔法使いであるフランメにも分からないならば、国王として応えられる事は「私は何も聞いていない」と言うことだけ。更には「人類の魔法の開祖はお前だろう」と小言まで言われてしまった。
「ハズレだな。」
「ゼーリエなら何か知ってるかもしれない。」
「そうだな。これは多分
「なら」
「聞きに行く、なんて馬鹿なことはしないぞ、フリーレン?」
「なんで?」
「今回裏で師匠が動いてるのは確実だが、私には何も話が上がってない。つまり宮廷魔法使いの私はいらねぇ、もしくは邪魔って事だ。師匠が何してんのかは知らねぇが横槍を刺すつもりはねぇよ。」
その言葉を聞いたフリーレンは、納得は出来ないが理解はした。師匠がこういうのだからそれ以上追求するべき事でもないのだろう。
一抹の不安を覚えながら、王宮の出口から王都の街並みを見下ろす。
━━━━一方その頃、大陸最北端にて━━━━
「............ゼーリエめ。動いているな。」
【不死の魔法】使いはノインを始末した地点から北に十数名、更に他3方向に向かう数名の大きな魔力を探知していた。【不死の魔法】使いとして生きてきた経験と、彼の【遠方の魔力を探知する魔法】で大陸最北端に居ながらも、大陸の中央諸国にいる魔力の大きい存在達を探知していた。
「ふむ......
少し割いていたゼーリエ一派への思考を中断し、分身の対応処置に戻る。
【不死の魔法】使いは人間種を「自分を殺しうる存在」として危惧しているつもりだが、心の奥底では「