「八囚人のワイ、配信します」   作:猫侍二十二世

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初めましての配信

脱走した後にブラックマーケットにあるアジトに入る

久しぶりの部屋に入り、L字のソファーに腰を下ろしマスクを外してテーブルに置く

このマスクは特殊な手順で動かすと外れるようになっている、収容されている時に没収されなかったのもそのおかげだ

そして机の棚からお香を取り出して焚く

捕まえる前に落ち着きたい時によく使ってた山海経の少しお高めのお香だ

 

「ふぅ………懐かしい匂い」

 

お香の香りもありそのままソファーで寝てしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ん……ん、ンー!」

 

目を覚ましてから上半身を起こして伸びをする

カーテンを開ける

雲一つ無い憎らしい程に青い空が広がっている

すると窓の鉄柵に1匹のカラスが止まっていることに気づいた

窓を開けて、腕をカラスの前に出すとカラスが乗ってきた

このカラスの頭を優しく撫でてあげると気持ちよさそうに目を細める

 

「よしよし、いい子だ」

 

「カー」

 

烏を優しくソファーのひじ置きに移してから座りテレビをつける

しかしすぐに消す

全てのニュースがやれ治安が悪化しただの、やれ矯正局から囚人が脱走しただのと同じような事ばかりだったからだ

 

「ふぅー…暇だな」

「……よし、やるか!今日と言う日が俺にとっていい日になりますように」

 

そうして着換えを済まし、ペストマスクを付けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

「はぁ…」

 

私はヴァルキューレ警察学校に所属しています

最近矯正局で大規模な脱走事件が起きたんです

そのせいで後処理が大変でした

 

「お疲れ様~」

 

「あ、お疲れ様です」

 

後ろから先輩に声をかけられた

 

「つめすぎもよくないし1回休憩しよ?」

 

「…そうですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても後処理疲れたね~」

 

「そうですね」

 

先輩がスマホをいじりながらぼやいている

私はお菓子を食べながら合いの手を返す

 

「特に八囚人に逃げられたのがかなり痛手だよね」

 

「折角捕まえたんですけどね」

 

八囚人

脱走した囚人達より危険度が高い8人だ

厄災の狐なんかがいい例だ

SRTの部隊を使いようやく捕まえられたのに、再び捕まえるとなると本当に骨が折れる…

そんなことを思いながら口にお菓子を入れた時

 

「ぶぅー!」

 

「うわぁ!?」

 

お茶を飲んでいた先輩がいきなり吹き出した

 

「けほ!けほ!」

 

「だ、大丈夫ですか先輩!?」

 

「だ、大丈夫じゃない…ある意味」

 

「え?ど、どうしたんですか?」

 

「はぁはぁ、こ、これ!これ見て!」

 

バッとスマホが私の顔の前に突き出される

そこに映っていたのは

 

【死の八咫烏:初めての配信するよ】

 

その文字列を見た時、時が止まったような感覚が私を襲った

 

「………???」

 

目を擦りもう一度画面に目を向ける

 

【死の八咫烏:初めての配信するよ】

 

「……???」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあー、聞こえてるかこれ?」

 

『八囚人が配信してるの草』

『聞こえる』

『うわマスクかっこよ』

『厨二病が見つかったなぁ?』

 

モモッターで告知していたお陰か初配信なのに既に同接が3桁になっている

そしてカメラはミレニアム製の小型ドローンを使っている

 

「いいだろこれ?さて、挨拶をしよう」

「みんな知ってるだろうが八囚人の一人、死の八咫烏の2つ名を持つ者だ、名前は〜…そうだな、適当にカラスって呼んでくれ」

 

『安直だ』

『カラスなんで配信してるの』

 

「いい質問だ、俺は運悪く捕まって矯正局に入れられた、独房の中じゃ暇の一言につきるような生活ばっかりしていた」

「そんな生活をしていたら急にこんな考えが頭をよぎった」

「「あ、配信してぇ」てね?」

 

『草』

『独房に入れられたショックで頭可笑しくなったか?』

『てか脱獄犯が配信してていいの?』

 

「あぁ、それに関しちゃ問題ない来てもごていねい送り返すだけだ」

 

『発言が強者のそれ』

『草』

 

「あぁ、そうだそうだ始める前にこれを言っておこう」

「キヴォトスにはハッキングが得意な奴が何人か居るらしいんだけど」

「もしハッキングで配信を途切れさせたり、ドローンを動かなくさせたりなどの配信を邪魔する行為をしたらその日の内に消すから止めるように」

「ただ配信を邪魔しないのならばokだ、ドローンの所在地を把握したりとかな?まぁがっつり背景見えるからすぐ分かると思うけど」

 

『完全に煽ってて草』

『むしろ捕まりにいってる』

『何この戦闘狂』

 

「いやね?矯正局内だと暴れたりして刑期延びるの面倒くさかったから思いっきり戦えてないのよ、暴れた囚人ボコしたりぐらいしかできなくて色々溜まってたのよ」

「さて、そろそろこれぐらいにして俺は今アビドス砂漠に来てる」

「ここにはどうやら巨大な蛇がいるって噂があるんだ」

「今回はソイツを見つけに行く」

 

『蛇?』

『嘘乙』

『ないでしょ』

 

「わからんぞ?キヴォトスには大量にオーパーツがあるからな…あ、因みにこのローブとマスクもオーパーツの一種なんだ」

「…ん?」

 

『カラス!戻ってこい!』

『絶対ヴァルキューレで草』

 

「ハハハ、嫌だね」

「戻って来てほしけりゃ捕まえに来い」

「喜んで相手する」

「さぁ、そろそろ出発しよう」

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