呪術じゃねぇって!念能力だろ!   作:nyasu

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改造魂魄かもしれない

五条に連れられて、俺はパンダを見に来た。

パンダはパンダだ。

 

「パンダです」

「お前のようなパンダがいるか」

 

喋るちっさいパンダがそこにいた。

正確には独立した呪骸とやらで、ぬいぐるみが動いてるらしい。

ただ、コイツはそれ自体が呪力を生む、ぬいぐるみだけど、人と同じように呪力を生み出せるらしい。

つまり、作れば学長の呪力と関係無しに呪力を生み出す存在が兵隊として生まれるらしい。

 

「ホムンクルスみたいなもんか」

「いやパンダですけど」

 

いっぱい作って、一つにまとめたら賢者の石とか出来ないかな。

偶然出来たから作れない?そうなのか。

 

「パンダは増設できるの?内側に魂とぬいぐるみを固定する魔法陣みたいなのあるの?学長の腕とか持ってかれたの?」

「質問が矢継ぎ早すぎる……」

「呪力で筋肉の代わりにしてるのか、操作系と変化系の複合かな?綿を詰めてそこから呪力が浸透したら肉体なるのか、なら腕とか増やしたら」

 

俺がパンダを捕まえようとすると、距離を取られた。

解せぬ、ただ魔改造しようと思っただけなのにな。

 

「ゴリラモード!」

「ほぉ、サルサルの実モデルゴリラか。ゾオン系だな」

「驚いてない、だと……」

 

おっ、やんのか?悪魔の実もモデルにしてるのいいな、パンダみ薄れるけど、何?他のもある、お前の体に兄貴と姉貴がいる?

 

「あー、はいはい。兄弟でね、3人は知らないけどそれって殺人鬼?」

「うぉー、なんでだよ!発想がこえーよ」

「お前の元の身体とか、パンダの魂込められてるの?」

「俺、人間だったのか?頼むから会話してくれ、バッティングセンターだよ」

 

いや、足担当と腕担当の兄弟いるから、違うのか。

あと、猫かぶってたな大熊猫だけに、お前にはワンピースを見せてやろう。

 

「うぉぉぉ、正道ー!たすけてー!」

「ちょっと借りてくな」

「やぁ、友達できて良かったね」

 

図書委員の学生を丸め込んで作った漫画コーナーで最新刊を借り、そして図書室の誰も来ない資料室に行く。

昔の呪具とか呪霊の話の大した事ない資料が、まとめてあるエリアだ。

ちなみに漫画コーナー以外は、よく見る呪霊とか呪具の資料のエリアである。

浮いてるけど学生ウケはいい。

 

「おい、漫画持ってどこいくんだよ」

「秘密基地」

 

資料室の奥にはあかずの間がある。

単純に、掃除用具があるから開けても意味ない部屋なだけだけど。

そのドアを開けると、居間に辿り着くのだ。

 

「えぇぇぇ!?」

「天元様、遊びに来たぞー」

 

そう、天元ワープである。

漫画持ってないと普通に掃除道具部屋。

 

「天元様?あっ、ヘッドフォンしてるな」

「この人が、人?天元様?」

 

天元はヘッドフォンしながらポケモンしてた。

バンギラスとメタグロスが炎タイプに一撃でやられてる。

三タテされそう。

 

「最近はグローバルな時代だからね、私も色々なものを取り入れてるよ」

「現に干渉しないって……」

「天元はほっておいて、こっちだよ」

 

俺が任務の報酬で揃えた漫画部屋を見せてやろう。

天元も暇な時に読んでるからWin-Winである。

 

「うぉー!すげー!」

「パンダだし、ガオガイガーとかいいんじゃないか?ガンダムも捨てがたい」

「お前はどうして外付けアタッチメントを付けたがるんだ」

 

合体は男のロマンだからだよ、分かってねぇーなぁー。

実際、パンダは自己の認識がある部分が肉体化するんだと思うので、外付けアタッチメントも自分の身体の延長だと思ったら行けると思うんだよな。

手とかに鉄の鉤爪入れるとかウルヴァリン出来そう。

 

「勇気で戦うのか、俺達は怒りとか悲しみなんだよなぁ」

「馬鹿だなぁ、サイヤ人みたいで俺等のほうがカッケーじゃん」

「ハハハ、分かったぞ。さては馬鹿だな、お前」

 

違うわい。世の中が賢ぶってんだよ。

もうこちとら、30と11よ。

 

「パンダに術式とか付けれないかな」

「一応、術式持つ呪具とかはあるけど高いからな」

「なぁ、ああいうの作れないもんかね」

「原理が分かんねぇしなぁ」

「外付け嫌なら身体に仕込もうぜ」

「嫌だよ、内側から破けるじゃん」

 

でもなぁ、綿が筋肉になってるってことは別の物になってるってことだもんな。

いや、待てよ……術式がなければ出来るんだよな。

 

「帰刃なら出来るのでは?」

「帰刃ってなんだよ」

「お前ジャンプ読まねぇとか、それでも男の子かよ」

「俺、オスだし……これか、この棚のやつだな。なんで最初と最後で絵が違うんだ」

「パンダ……それは言ってはいけないよ」

 

誰にでもそういう時代があるんだよ。

早速、パンダが最新話まで読んでから学長の所に行った。

パンダみたいに呪力が発生出来るような呪骸を作れないか、どうやって作ろうとしたら出来たのか聞きに来たのだ。

 

「普通の作り方と一緒だ。疑似的な魂の複製を、まぁ肉体情報から算出した偽物なのだが、それを核として埋め込んだのだ。ここまでは試みた先駆者がいる。ただ、パンダのように安定することは偶然に過ぎない」

「恵……俺、改造魂魄だったんだ」

「マジかよ、確かにぬいぐるみだもんな。安定しないのは魂魄自殺みたいなもんなんかな」

「お前達は何を言ってるんだ?」

 

いやでも、パンダみたいじゃなきゃいけるんじゃないか?

自我のない奴らならたくさん作ってるわけだし、呪力ないと動かないけどさ。

二人で書いた、改造案を学長に見せてみる。

 

「なるほど、しかし起点となる呪力は……パンダに縛りを……自我さえなければ」

「ほんで……ここを……そんで……」

「うおぉぉ、ほんとに変身できるのか?」

 

試しに俺の肉体情報から魂の情報とか複製してもらったりした、何か頭に計器つけてピピピって、記憶を元に作ってんのか、なるほどなぁ。

製作期間1ヶ月、普段より素材に厳選した。

パンダへの入れ込みすごいな。

 

「てかさ」

「うん」

「パンダの中には兄ちゃんと姉ちゃんいるんだろ?」

「タカとかトラじゃないけどな、タトパしない」

「それが安定してる理由じゃね?」

「まさか、えっ、俺言っちゃったよ兄弟が中にいるって!」

「まぁ、そしたら学長大量生産してるから、んな訳ないかー」

「焦らせんなよ、エヴァのMAGIみたいなもんだよ。たぶん」

 

そんなこんなで試運転の日がやってきた。

面白そうだからと来た目隠し野郎、五条が相手だ。

 

「いいかパンダ、お前ならあの最強を倒せる」

「僕はここから一歩も動かないであげるよ。ハンデさ」

「あの野郎、舐めやがって……」

「無理だよ、俺は術式もないパンダなんだぞ」

 

いいや、俺の理論が正しければいける。

愛があれば拳は届く、ガープも言ってた。

 

「お前の最弱であの最強をぶっ飛ばすんだ」

「出来るかなぁ」

「いいか、オサレだ。オサレだったら勝てる、弱気じゃダメだ」

 

俺はいつでも投げれるようにタオルを首にかけ、パンダに話しかけて発破を掛けていた。

硝子先生がゴングをチーンと鳴らす。

その横には机とマイクを持った学長、賑やかしの窓の人達は周りでパンダを応援してる。

 

「うおぉぉ!」

「行くんだパンダ、俺達の夢と希望を乗せて」

 

パンダの拳が叩き……込まれない。

 

「残念、さよなら、また来週」

「おいおい、いつからパンダの攻撃が終わりだと言った?」

 

無下限に阻まれるパンチ。

それを見て俺は学長の横からマイクを取った。

 

「ここで五条の無下限が決まる!みんなの希望を打ち砕く絶対殴らせないバリアだ!だが、パンダのターンは終わりじゃないぜ」

「へぇ……何を見せてくれるのかな?もしかしてそのでっかい盾の呪具かな?」

「こいつの名は究極大熊猫、奥の手さ。普段から俺の呪力を食らってチャージしており、俺の合言葉と同時に本来の姿を見せる」

「術式開示みたいなやつだ!初見の相手に説明することでオサレになるぞ!」

 

パンダが盾を前に持ってくる、身体を覆い隠す、ワイヤーで編まれた縫いぐるみの盾だ。

 

「オサレ……まさか……」

「融合しろ、究極大熊猫!」

 

ピカーンと盾から呪力が溢れ、それが半分に分かれてパンダの腕に付く。

ガントレットのような、そんなデザインの呪具が腕と一体化したのだ。

 

「卍解……だと……」

「違う、帰刃だ!解説の学長!」

「うむ……普段から溜めている呪力を稼働時間とし、敵の前で特定の言葉を言う手順を踏む縛りを用いて一体化してる呪具だ。肉体の延長として傷口が塞がるように癒着する形でくっついている。外すときは破けるのが確定してる縛りによって、頑丈さも上げている」

 

パンダが戦闘後に綿詰めたり縫わなきゃいけない、だから奥の手なのだ。

 

「でもそんな武器つけたくらいで何が出来るって?僕さ、最強だから」

「知ってるよ最強、だが、俺の最弱はちょっとばかし響くぞ」

「はぁ?早っ!」

 

滑るように、五条の近くまで構えたパンダがスライド移動する。

両方のガントレットからはジェットエンジンのように呪力の炎が溢れ出し、推進力を生み出してるからだ。

 

「まずは、その術式をぶっ殺す!」

「まさか!?ぐっ!」

 

下からのアッパーが、五条の腹に叩き込まれて五条を殴り飛ばす。

そう、殴り飛ばしたのだ。

 

「そう、私の生み出した大盾にはそれ自体が簡易の領域を内包していて、その術式の含まれてない領域を常に維持しているだけの力しかない!」

「ただの綿の詰まったガントレットだが、その効果は術式の中和による術式の無効化だ!」

 

わぁぁぁと集まって窓の人達に胴上げされるパンダ。

馬鹿め、油断するなんてダサい真似するからだ。

これだからオサレバトル素人はよぉ。

 

「フフフ、久しぶりだよ。誰かに殴られるなんて」

「レフェリーストップだ!はい、試合終了!」

「えっ?」

「よしこれでパンダが呪術界最強だ!今日から特級って名乗っていいぞ、はい勝ち逃げしたので、お前はパンダの下でーす」

「あっ、そのためにタオルを!恵、こっち来なさい」

「嫌でーす。畜生に負けるとか人間以下だよね、あっやべ、キレた」

「怒ってないよ、術式順転・蒼!」

 

壮絶な鬼ごっこが始まった。

逃げるんだよー!

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