呪術じゃねぇって!念能力だろ!   作:nyasu

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クソゲーかもしれない

黒閃、それは術師としてのステージを一段階上げる謎の現象。

発生した瞬間、謎の爽快感と共に悟りが開かれて覚醒する。

最近で言ったらアニメが始まったヒロアカとか、リゼロとか、ジョジョの4部とか、ユニコーンとか。

あの感覚が忘れられず、俺はあの日から感謝の正拳突きを始めた。

学校の木に向かって、構える、呪力を纏う、殴る。

初日から日が暮れる前に終わった。

大体8時間くらい、ボクサーみたいに殴ってるのに黒閃は出ない。

 

あと、ヤンキーが入学した。

秤パイセン、術式が現代風の最新テクノロジーでコンプラ違反とか言う話を五条から聞いた。

ほら、やっぱり念能力だ!昔からあるのが術式なら今風なのおかしいもん。

 

「よぉ、お前が伏黒だな。ホントに正拳突きしてんだな」

「そういうアンタは、秤金次……パイセン」

「ほぉ、俺のこと知ってるのか。随分とヤンチャらしいな、面貸せよ」

 

こ、これは……入学当日に殴り込みに来るやつだ!

俺はヤンキー漫画も読んだりするから分かる、俺は詳しいんだ。

 

「その前に、パイセン。好きな漫画は――」

「アカギとカイジだ」

「――な、食い気味!?」

 

何か聞く前に答えてきただと、驚くべき速さだ!

しかもギャンブルの漫画だ、術式がコンプラ違反って五条が言ってたからラップかと思ったけど、もしかしたらギャンブル関係かもしれない。

 

やって来たのは体育館だった。

模擬戦はどんと来いである、やはり戦いの中でしか人は覚醒できない。

特に命掛けなピンチじゃないと、ジャンプを読んだ上での俺の推測だ。

 

「俺はよぉ、お前のこと気に入ってんだぜ。お前、漫画が好きなんだってな。好きなもんが、熱くなれるもんがあるってのは良いもんだ」

「まぁ、ジャンプはバイブルだからな」

「自分の好きな物を好きだと言い張れるのは中々出来ることじゃねぇ、言いたいことも言えない世の中だからなぁ!」

「急に、ポイズン!」

 

秤パイセンの身体から呪力が溢れ出し、そして全身を包む。

無駄遣いにも程があるだろ、ガス欠になるぞ。

 

「お前もテメェの術式を好きなように弄ってんだろ。見せてみろ、俺とお前どっちの熱量が上か勝負だ!勝った方が相手より好きなもんに対する情熱は上って事だ!」

「勝てばいいんだな、シンプルでいいな、おい!シロ、憑依合体!」

「シャーマンキングかよ!」

 

俺の影から白い犬が現れ、俺の身体に巻き付いてくる。

そして身体がドロリと溶け、俺の身体を白い鎧のように包みこんだ。

 

「カッケェな、魔戒騎士かよ!牙狼みてぇじゃねぇか!」

「どっちかって言うと仮面ライダーなんだが」

「細けぇ事は気にすんな!」

 

秤パイセンが駆ける。

真正面から殴りに来るか。

術式は分からんが、強化系みたいな戦い方だ。

性格的にも何か単純バカっぽいから小細工なしだろ。

迎え撃つように構え、俺はカウンターを仕掛けるように殴られるタイミングで拳を打つ。

 

「甘ぇ!」

「はぁ?」

 

ガゴン、と開閉音がする。

ゴンッ、と拳が扉を殴る音がする。

見れば、俺の首の真横に電車のドアがあり、俺はドアを殴っていた。

小細工だと!?あっ、ヤバい!

 

「喰らいな」

「ブベッ!?」

 

ドアに挟まれた無防備な頭部に向かって、秤パイセンの拳がアッパーのように下から上へと叩き込まれる。

顎に重い一撃、仰け反り、そして激痛。

 

「痛ったぁぁぁ!」

「悪いが、俺の呪力は荒くてな。ザラついてんのよ」

「そんな見た目して、変化系なのかよ」

 

オーラをザラザラした物にしてるのか?

削られたみたいに皮膚がヒリヒリする。

 

「術式の開示なんてつまらねぇだろ、だが教えてやるよ。俺の術式はわかりづらいからな」

「電車の術式か?」

「鉄オタじゃねぇよ、俺の術式は坐殺博徒!領域一体型の術式で、俺と敵を賭場空間に飛ばし、賭場の結果次第で自身を強化する術式だ。まぁ、昔からあるが俺は最新式だ。そう、パチンコだ!」

「生まれながらの術式がパチンコ……生まれた時からパチンカス!」

 

そ、それってチンチロとか花札じゃダメだったんか?

だからコンプラ違反なのか、未成年はパチンコだめだもんな。

 

「馬鹿野郎、俺はパチンコとスロットのハイブリッドだ。つまり、パチスロだ、間違えんな!」

「怒るところそこなのか、っていうか領域一体型とは」

 

なんだ、相互協力型みたいな新しい念能力の設定みたいに生えてきた奴は……領域と一体ってことは領域展開してくるってことか?

固有結界使えるとかすごくね?

 

「まぁいいさ、理解させてやる」

 

秤パイセンが手印を構える。

まずい!食らったら最後、俺は死ぬ!

 

「させるか!」

「遅せぇ!領域展開、坐殺博徒!」

 

瞬間、頭の中を流れる爆音のインパクト。

頭から爪先まで、情報が駆け巡る。

なんだコレ……もう少しで、もう少しで辿り着けるんだ。

 

「ゲームスタートだ、伏黒」

「ブチ込まれたぁぁぁ!?」

 

真理の扉よろしく、頭に流れてくるパチンコの知識。

大当たり確率は約1/239、確変突入率は約75%のライトミドル機。

確変ループ機で奇数柄で確変。偶数柄は基本的に時短(70or30回転)。もちろん時短潜伏による確変継続もあり得る。

保留玉とシャッターは緑、赤、金の順に色分けされており、色が上がるほど期待度が上がる。金色の上には更に虹色が存在し、これは出た時点で大当たりが確定する。

疑似連は1回目で大当たり率20%超えの激アツ演出で、4連続なら大当たり確定となる。

 

「読み飛ばしたくなるような訳分からん知識が入ってきただけで、何も食らってない!」

「ったりめぇよ!博打の結果は運次第、互いに結果には干渉出来ない。出来るのは結果が出る前に博打打ちを狙うことだけよ」

「汚ねぇ、当たったらお楽しみってなんだよ!」

 

チカチカと点滅する景色、煩いくらいの爆音、演出でパチンコ玉とか電車のドアが飛んでくる。

飛んでくるパチンコ玉やドアを殴るが演出は止まらない。

変化系でも強化系でもない。

これじゃ具現化系だが、どう考えてもおかしい。

よく分かんねぇもんは特質系だ。

 

「そうか、必中と術式開示のみの領域。必殺足り得ないから術式が焼ききれる分だけ、不利になることで縛りになって難易度が下がってるんだな。いやでも、訳わからん情報を与えられても、リーチが分かってると相手がヤバい状況が分かるから有利になることでバランスが取れてんのか!」

「いや、単にやってること知らねぇ奴は話しててもつまらんだけだ」

「そんな理由で!」

 

よく考えられた術式だと思った俺が馬鹿だったよ!

っていうか、いつの間にかリーチアクションだ!

 

「当たるとどうなるんだ……」

「当たるとなぁ!」

 

秤パイセンの呪力が数倍に跳ね上がる。

スーパーサイヤ人のように溢れまくってる。

 

「4分11秒!俺の呪力量は無限になる!」

「すげぇ、ズルじゃん!勝てるかよ、バーカ!」

 

無限の呪力で襲い来る、秤パイセン。

全身に電気の性質を帯びた呪力を纏って戦っても、反転術式が使えるからかノーガードで殴ってきやがる。

なんて蛮族スタイル、クソゲーだろ。

常に全回復する無敵のボスと戦わされてる気分や!

 

「うおおお!オラオラオラ!」

「フハハハ、無駄無駄無駄!」

 

呪力が尽きるまで殴り合ったけど、結局先に尽きたのは俺だった。

理由は当たりが終わったら焼き切れた術式が回復して、継続入ってまた当たりやがったからである。

つまり、無限パチンコ編開幕である。

打つな!戦え!煉獄さんは打たなかったぞ!卑怯者!

 

「ハァハァ……2度とやりたくねぇ」

「ギャンブルで負けた奴はみんなそう言ってまたやるんだぜ」

 

知りたくなかった、そんなこと。

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