呪術じゃねぇって!念能力だろ!   作:nyasu

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死後強まる念かもしれない

「死後に強まる念か」

「念?」

「そんな事も知らねぇのか!HUNTERXHUNTER読みなさいよ!」

「ご、ごめんなさい……」

 

復帰したパイセンと授業中に術式についての考察をしていた。

殆ど学校に来てなくて、稼いだ金で遠征してる秤パイセンやストーキングしてる綺羅羅とは別のタイプの人間だった。

なんていうか、欲がないのである。

なので余った金を使わせて電子書籍を買わせた。

紙の本を読みなよと思うが、手軽にすぐに見れるのは電子書籍やろ。

 

「僕のこれは呪いだって五条先生が」

「死人が負の感情なんか抱く訳ないじゃん。やっぱり念なんだよ」

「えぇ、でも……」

「死んだ際、深い恨みや執着があると念が強く残る場合がある。行き場のない念は対象に対して強まったり、人間の体内から出るエネルギーだから人同士は効きやすいし」

 

当時の状況を聞くと二人で遊んで結婚の約束をして、そして事故で死んだらしい。頭をトラックで轢かれて即死、ただその後リカちゃんの手が動いて呪われたそうだ。

 

「いや、可笑しくないか?頭がないのに呪えるのか?」

「パンダ分かってねぇな、心って奴じゃないですか?」

「た、確かに!上条さんが言ってた!」

「てか、パンダだって綿しか詰まってないじゃん」

「えっ……俺、どうやって……」

 

なんかパンダが頭を抱えだしたが、五条が悩めるのは若人の特権とか言ってたから大いに悩んでほしい。

ところで、パンダの指摘は鋭い着眼点だと思った。

 

「乙骨パイセンは呪力あるけどさ、リカちゃんはあったの?」

「わ、分かんないよ……僕のだって、呪われたからであって」

「呪われたくらいで呪力は使えないぞ。念じゃあるまいし」

「えぇ……さっき念って」

 

それは昔から議論されている難しい問題なのだ。

俺は念だと思ってるけどね。

まぁ選別を受けて念に目覚める例があるし、いやでも呪われたって言うには当時の状況は呪念に近い。

オーラを奪われてないし、やっぱりおかしい。

 

「呪われたくらいで目覚めたら、俺の姉ちゃんもマキパイも呪力使えるようになるよ」

「誰がマキパイだ!略し方に悪意があるだろ!」

「ねぇよ、思春期かよ。ラブコメしてる奴はよぉ……急にスカート履いて、盗み聞きですかぁ?あっ、ヤベ!」

「逃げろ恵!ブチギレたノブナガみたいな顔になってるぞ!」

『フェイタンになれる才能あるよ』

 

顔を真っ赤にした真希がパンダを引き摺りながら走ってきた。

パンダ、現物基準で綿と違ってマジで重いのになんで動けるんだよ、キッショ。

なんか禪院家でも珍しい、生まれながらの縛り天与呪縛によって身体能力が強化されてるらしい。

絶状態である間、身体能力が上がる、みたいな。

んな訳ねぇーじゃん、どういう原理で強化されてんだよと思う。

強化されるためのエネルギーはないのに、肉体は強化されるって何だ?

 

「や、やめようよ真希さん」

「そうだそうだ!」

「どけ、ゆ……乙骨!」

「おい、聞いたかよみんな!今、憂太って下の名前で呼ぼうとしたぜ」

「ヒューヒュー!うわぁ、ワシントン条約が黙ってないぞ!」

『ヒューヒュー!あっ、パソコンは壊しちゃらめぇぇぇ!』

 

壮絶な鬼ごっこの開催だった。

乙骨パイセンに関しては後日と言うことになった。

 

 

 

最近、やたらと動き回っている五条。

なんか乙骨パイセンが原因らしい。

まぁ、いつもの殺されそうになってるの防いでるんだろ。

そんな老害ども殺せばいいのに、そんな選択肢をしない五条は善性の塊なんだろ。

 

今日の任務は謎の宗教団体の調査だ。

公安の職員が見張ってたりする施設なので潜入調査しなきゃいけない。

ただ、その公安の職員も謎の不審死をしており残穢から呪霊の仕業ということになっている。

非術師しかいないはずの団体なので呪詛師の特定と非術師に呪術がバレないように振る舞わないといけない。

 

「なんだこの罠依頼みたいなの」

 

よく思いつくなと思うのだが、呪詛師と戦闘になったら秘匿はその限りでないとかそういう感じか?

それともまとめて死ね、みたいな感じだろうか。

怪しすぎる、いつもと毛色が違う依頼だ。

 

信者として侵入したが、異常なくらいに異常なしな団体だった。

いや、頭おかしいセミナーとか謎の御香とか自分の駄目出しされてはお互いを褒めるとかカルトっぽいけどそれだけだ。

たまに教祖の所に若い女がつれてかれたり、生意気だった奴がつれてかれて消えてたりするけど、ただのカルトだ。

そんなことより、雑魚呪霊すらいない環境が異常だ。

俺のクロやシロが食べてるような、そんな環境に近い。

 

「ったく、反抗的なガキは貴様らしいな」

「まだ初日とはいえ、もう帰りたいとは」

「我々の教えを理解出来てないうちに、えっ?」

 

取り敢えず、よく分からないのでカルトから帰ろうとしたら信者に引き止められる。

やっぱり罠依頼じゃねぇーか、メシアか?ガイアか?取り敢えず肉体言語で話すしかない!

 

「コイツ、いきなり暴れ出したぞ!」

「いや、これは説得なんで。いきなり囲まれたから逃げなきゃ」

「殺せ!異教徒だ!コイツも畑の肥料にしちまえ!」

 

目の色を変えて俺の方を見てくる信者達。

うーん、これは洗脳されてますね。

普通ならリンチされて終わりですね。

 

「試してみたかったんだよな」

 

いざとなったら術式で逃げれるからと、自分に制約を掛ける。

自分が非術師だと思う奴を殴る場合、呪力を制限する縛りだ。

その代わり、身体能力の強化をするという呪いが掛かるように念じる。

七海のように制限と制限後の恩恵についての方向性の指定。

天与呪縛の例から真希のように身体能力を指定。

あの女にしては、というか人間にしては、呪力なしの動きと思えないフィジカル。

あれが意図的でない縛りで出来るようになってるなら、意図的な縛りとやらで出来るはず。

念なら絶だが、呪力なら……出来た。

 

「コ、コイツ泣きながら殴ってくるぞ!」

「鬼滅の刃かよ、岩柱かよ!」

「念は存在してなかったのか?そんな、なんでだ!嘘だ!」

 

信者を殴る、数メートル吹っ飛ぶ。

壁を蹴ったり、天井を蹴ったりしながら、移動する。

握っただけで骨を折り、突くだけでコンクリートに穴が空く。

あかん、絶じゃ説明できないパワーすぎる。

あのゴンさんだって子供の頃は多数決の道とか道具で掘ってたんやぞ。

 

「ふひぃ!物音がしてきたと思えば、どうなってるんだ!」

「ナンバープレートはないけど、全員倒したから合格でいいよな?お前が教官だな」

「何の話だ、ワシは雇われ教祖にしか過ぎない。ええい、どうなってる!」

「いや、分かったから大丈夫」

 

教祖は太ったおじさんだった。

そんでもって、その後ろに嗅いだことのある呪力を纏ったデカい蚊のような呪霊がいた。

おじさんには見えてないが、横に侍るようにいる。

守護念獣みたいだな。

 

「あんた、袈裟着た変なロン毛に会った事あるな?」

「何の話だ!いちいち覚えておらんわ!そんなことより、どうにかしてくれ!起きろ!」

「使えねぇな、えいっ」

 

腹パン決めて教祖の意識を奪って、適当な所を影から取り出した灯油を掛けて燃やす。

腹パンくらいで意識を無くすとか、内臓に強烈な痛みが走ってるから結構首トンくらい重症だけど、仕方ないね。

うめき声を上げてる信者さん達が助けてくれるのでは?

 

「うわぁ!火事だ!」

「放火しやがった、逃げろ!」

「ひぃ、ひぃぃぃ!」

 

みんな怪我してるのに我先に逃げてて草。

さて、公安が火事に気付いて突撃してくるだろうな。

俺は人気のないところなら影を通って脱出するとしようかな。

 

「それにしても、夏油さんの匂いのする呪霊が付いてるって」

 

最近、五条が忙しいのはこれのせいか?

俺は匂いで分かるけど、あいつは目で人より残穢が見えるらしいしな。

 

「恵、腹、減った」

「呪霊いないし、丸一日何も食ってねぇもんな」

「コイツ、食べていい?」

「あぁ、もういいよ」

 

シロが蚊の呪霊を食べてる間、俺は終了の連絡をいれるのだった。

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