夏、今年の夏は入学した生徒が多いということで交流会とやらに人数合わせで出ることになった。
京都には可哀想な加茂家当主さん、魔女っ子西宮、ゴリラ男東堂、メカ、双子の妹、シン陰流門下生がいるらしい。
東京はギャンブラー秤、男の娘綺羅羅、シャーマン乙骨、パンダ、ゴリラ女マキマキ、ネクロマンサー棘、影使いの俺である。
うーん、向こうもこっちも変な役職持ちしかいない。
ゴリラに至っては被ってやがる。
なんだよ、五条の用意した相手の特徴。
メカってなんだよ、メカって。
「悪いな、嵐山行ってくるわ」
「適当にヨロー」
せっかくの京都だというので、早速パイセン達がフケた。
ガチぃ?ヤンキーってだから言われんだよ。
「あはは、行っちゃったね」
「いいか、1日目は団体戦で2日目は個人戦をやるんだ。等級の査定にもなるから大事なんだぞ。あと、3日目には観光あるからな!」
「楽しみだな、観光」
「おい、迎えが来たぞ」
3日連続観光してるパイセンもいるけど、俺は普通に戦ってみたい。
京都校は山の中にあり、リムジンで移動だった。
なので、到着するまで俺達は雑談していた。
「ってことは、やっぱり乙骨パイセンが呪ってんだな」
「思い出したんだ、だから里香を成仏させるんだ」
「ならよぉ、あのデザインもパイセンのイメージのせいなんじゃ」
「えっ?」
怨霊という形のない状態のそれを、呪力で繋ぎ止めてるのが現状だった。
リカちゃんは無限の呪力とか良く分かんねー永久機関みたいなので存在してるらしい。
存在すると国が滅ぶから顕現したら死刑らしいのだが、その出処は愛とか言うから意味わからない。
彼女のいない五条が、愛じゃよ……愛ほど歪んだ呪いはないのじゃ……儂には乙骨は救えない者じゃ、自力でどうにかしてと言ってたとか言ってないとか。
ちなみに五条調べで乙骨パイセンはコピー能力の術式があるらしい、主人公かな。
盗賊の極意みたいに複雑な制約のせいで術式はリカちゃんの物になってるし、自分で使えないし、大事な人間を成仏させないで使役するなど、自分にとって不利な縛りで無制限の模倣が出来るらしい。
なので、術式はリカちゃん、舐めとんのか?チートやんけ。
本人は存在するだけでパワーがあるけど引き止めてるのは乙骨パイセンであり、言う事を聞かせられるなら無限の呪力と模倣の術式が手に入るらしい。
「やはり、今の話を聞く限り化物であるのはおかしい。極論、幼女でも無限の呪力で強化したら化物地味たパワー出るし」
「でも!現にリカはあんな姿だし、会話も出来ないし」
「式神とかデザインは術者次第な所あるし、怨霊はこうってイメージだからかなと。呪われたと思ってたんだし、恐ろしい見た目ならそれっぽい。成仏しなけりゃ元の姿になれないと思ってない?呪われてても見た目が化物にならないかもよ」
大切なのは認識すること、できて当然だと思う精神力こそがスタンド使いには必須なのだ。
認識は大事、ジャンプにも書いてある。
「僕が、こんな姿にしてるのか……」
「具現化系の修行から始めなきゃな」
「具現化系の修行……うっ、だ、ダメだよ」
なんでだよ、別におかしなこと言ってないだろ。
なんで頬染めてんだよ。
そうこうしてるうちに京都校についた。
京都校、そこは対して東京校と変わらない作りだった。
はぁ、つまんなと思ってたら京都校の面々が現れる。
「君が伏黒恵くんか」
「平安貴族がいる……」
「申し遅れたな。私は加茂家の加茂憲紀」
俺を出迎えてくれたのは和服を着た時代錯誤の平安貴族だった。
そして、その横には箒を持った金髪ロリがいた。
間違いない、魔女だ。
「君とは前々から――」
『馬鹿な……コイツ、動くぞ』
「おい、メカだ!ほんとにメカだぞ!」
「マジかよ、パンダ!ホントじゃねぇか!」
そして、アイアンマンみたいなロボがいた。
外見は木人形のようだが、自立して動いている。
クロマティ高校みたいなもんだろうか。
「彼はメカ――」
『……メカ丸だ』
『キャァァァシャベッタァァ!』
「おかしい、中に人なんて入れるサイズじゃないのに、遠隔操作?呪力が持つはずが……」
加茂さんには悪いが俺達男子は大盛りあがりだ。
肩を組むとすごい嫌がる。
コイツ、人間臭いロボだぞ。
「騒々しい。いつからここは動物園になったのかしら?」
「むっ、おい遅れて――」
「真依、女があまりそういう事を言うもんじゃない」
「女とか言わないでくれる、気持ち悪い……」
そして現れるゴリラ。
懐かしいな、東堂だ。
なんかチャイナ服を着た女とかいたけど、マキマキと口喧嘩してるけど、知らん。
東堂しか俺の目には入ってないからだ。
「随分と強くなったようだな伏黒。好きな女のタイプは変わったか?」
「待て東堂、まだ――」
「テメェこそ、好きな漫画は変わったかよ?」
「知らんのか、時代はアイドルマスターだ」
「……はぁ?」
アイドルマスター?コイツ、今、アイドルマスターと言ったか?
戦いしか知らず、バトル漫画しか読まないコイツが、アイドル?
「だが許そう。雲しか知らぬものに空には星があるとを教えるように、教えを布く事こそが布教なのだ」
「な、何だそれは……何だというのだ……そんな物は漫画ではない」
「当然だ。そう、これはグラビア本だ!」
「グラビア本だと!?お前が!」
「いま、慄く要素あったか?」
「ほっとけ、アイツらにしか分からない世界があるんだ」
懐から東堂が出した、東堂らしからぬ本。
それは『高田延子写真集・放課後見下ろす君と一緒』だった。
「タイトルからして高身長……タッパか!」
「違う、ケツだ!」
「そこまでにしておけ東堂、そろそ――」
「いや、性癖開示されても……」
「だからお前はダメなのだ。好きな物を誇れずして何が男か!なんだ真依、何か言いたいことでもあるのか?」
あれが真希パイセンの双子の妹……似て……似て……なんか細いな。
「おい、なんか言いたいことでもあるのか?」
「いや、太いなって」
「もっぺん言ってみろテメェ!ブッ殺すぞ!」
「いや、俺も太いと思う、ゔっ……何で俺だけ……」
『パンダは位置が悪かったね……』
殴られるパンダ、口は災いの元って分かんだね。
とはいえ、交流戦である。
向こうの先生、なんか巫女服来た女とウチの五条がおじいちゃんを連れてやってきた。
あの年齢まで生き残ってるから、多分あの爺ちゃんより強い奴が現れなかったとかそんな設定とかありそう。
卍解しねぇかな?
「やぁ~、盛り上がってるね。若さっていいね、歌姫」
「先輩をつけなさいよ!クソ、無下限め!」
「おい、キレるなよ。更年期?あっ、年上だもんね」
「クソがぁぁぁ!誰が、更年期じゃぁぁぁ!」
なんか巫女の人が切れてた、こわぁ。
でもそれはそれとして、ウチの担任が来たということは団体戦が始まるってことだろう。
「ピチピチな若人の時間を浪費しちゃぁダメだよね歌姫、ピチピチだからね」
「キィィィィ!」
よく分かんないけど、可哀想な歌姫先生?多分先生、コスプレしてるから分からんけど。
あっ、お爺ちゃんがプルプルしてる。
なんか言いたげ、怒ってない?
「そこまでにしてもらおうか。ミス歌姫!俺はもう、待ちきれないんだ、さっさと始めよう」
「私は!先生なんだよ!問題児しかいねぇのか!」
「ブチギレてて草、皺が増えるよ」
「お前が煽るからじゃぁぁ、あぁぁぁ、なんでコイツが無下限持ってんのよ!」
「ほら、僕、天才だから」
うわぁ、マジで言ってんだろうな。
煽りにしか聞こえないけど。
「ほらほら、みんな会場に行くよ。騎馬戦とかいいと思ったんだけどダメって言われたからね。まぁ、ハチマキにポイントないからね」