呪術じゃねぇって!念能力だろ!   作:nyasu

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三次元じゃないかもしれない

五条から仕事を貰った。

何でも使われなくなった廃屋に俺が妖怪だと思ってた呪霊とやらがいるらしい。

ぬらりひょんみたいに、術式持ってれば特殊な能力が使えるらしい。

っていうか、なんかBLEACHの四十六室みたいなのがウチにもあって総監部って言うらしいのだが、五条によってジャンプが確認対象になって漫画家の調査が入ったらしい。

特に師匠なんかは呪術関係者で自分達に恨みがある奴じゃないだろうなと疑ったらしいの草。

あと、俺の大好きなHUNTERXHUNTERも呪術師が描いてると思ったらしい、頭腐ってて草。

まぁ、人間性も腐ってそうだねに対する五条の回答が、既に殺されてても気にしないだったので、お察しである。

 

「どんなのいんのかな」

「まぁ、術式も持ってない雑魚だと思うよ。準一級までは基本能力ないからね」

「ほーん、あっ戻ってきた」

 

今回相手する呪霊は、何でも民家から食べ物と子供を攫っては監禁する呪霊らしい。

襲われた民家では何故か大人だけが殺されていて、残穢しか残ってないらしい。

その残穢をシロに覚えさせて索敵させてた。

窓とか言う、スピードワゴン財団みたいな人達でも見つけることが出来てなかったらしい。

大体の場所は絞れたらしいけどね。

 

「おぉー、よしよし」

「モテちゃうかもよ」

 

何の話だと思ったら、なんかバス停の所に小汚い餓鬼がいた。

あれか、呪霊の被害者か。

ウチのシロが見えるのか?念能力者かスピード財団に入れる素養があるか。

そんな事を考えてたら、五条が俺の頭を掻きむしる。

やーめーろーよー、髪が乱れるだろ。

 

「無視するなよ」

「うるせぇ」

 

そんなことより呪霊とやらを倒してゲーム買うんだよ。

キンハーとモンハンが俺を待ってんだよ。

着いた廃屋は、昔は寮とかに使われてたらしい。

ニートとか強制的にぶち込んで、日常的に虐待とかあったらしい。

その時に世話してた人に対する負の感情とやらで呪霊が生まれた説を道中に窓の人が言ってた。

五条?アイツはお前の術式ってペイン六道より弱いよなって言ったら、漫画喫茶でNARUTO見るために帰ったよ。

 

「それでは、帳を降ろさせてもらいます」

「いーよなー、俺、帳とかまだ出来ないもん」

「それなりの呪術師でも苦手な人もいますから」

 

そう言って窓の人が呪文を唱えると、どういう原理か黒いドームのようなものが形成される。

結界術の基礎らしいけど、いまいちイメージが出来ないから上手く行かない。

向き不向きがあるらしく、周りから見えなくして立ち入り出来なくするらしい。

あと電波とかも遮断されるから電話が使えないらしい。

 

「よーし、暗闇の潜伏者(ハーミットタイム)!」

 

いつもお馴染み、自分の影に潜って影空間に移動する技。

息が続く限り、俺は影の世界にいるぜ!

どこかのキメラアントみてぇだなとか言ってきた五条は知らん。

どっちかと言ったらクラピカだし。

 

影の世界を泳いでいると、デカイ白い影が見えた。

その白い影からはボロボロの子供達が見える。

あぁ、なるほどな、呪霊の影と見た。

 

影分身(ドッペルゲンガー)

「おん?ご、ごはははん。ご飯よぉーよぉー」

 

呪霊が俺の生み出した俺と瓜二つの存在に向かって近付いていく。

その隙に背後に這い出て、シロを呼び出す。

 

「孤独な影(アイシャドー)!」

 

白い犬だったシロが溶け出して、黒いドロドロとした犬の形になる。

それが破裂する寸前のように膨らんで、そのまま巨大な呪霊に伸し掛かる。

呪霊が振り向くと同時に、呪霊の足元が波立ち、そのまま呪霊が真下に落ちた。

ちゃぽん、と音のしそうな見た目に影が揺らいで、それでおしまい。

 

「ハイ終わり、解散解散」

 

後は窓の人が解決してくれるだろ。

ところで、呪霊って人と違って窒息とかしたりするんだろうか。

今のところ落とし続けてる訳だけど……あっ、動けねぇ……。

 

「いや、影の世界なら媒体はたくさんある。中でシロ達に食わせれば……」

 

いや、真っ暗すぎて影絵が作れないから無理かもしれない。

無理って思ってる時点で、多分無理だ。

 

「だったら俺が殴るんだよ!」

 

影の中にダイブする。

影の中には落ち続ける呪霊の姿がある。

地面を蹴るように、白い影の部分を蹴った俺は、真下に向かって落ちていく。

この影の世界に奥行きはないと思う。

閉じられた空間で、多分黒い球体みたいな形をしている。

出口は俺が干渉しないと生まれない。

 

「だったらよぉ、俺が出口を設定してもいいよなぁ!閉じられてるなら内側から好きに決めてもよぉ」

 

念能力だろ!だったら意味不明な空間は解釈次第で俺が色々出来んだろ。

普通に認識してたけど、何だよ影空間とか影の世界ってよ!三次元の俺が二次元の影に入れる訳ねぇだろ!入ってるやろがい!ほな、三次元を二次元に変換してるんやろ!じゃあ、平面の存在なんだろ!

 

落ちていく呪霊の背後、果てしない闇だと思われてた場所に白い影が出来上がる。

深海とかって上下が分かんなくなるらしいからな、俺の認識次第で上も下も決めれるだろ。

黒い球体なら内側から出口を作れると思ったら案の定だ。

だって平面の世界だからな、上とか下とかあるわけねぇよ。

 

「俺達は、上に落ちてんだよ」

「ごごご飯だよぉおおお!」

 

白い影は建物のような角張った物だ。

そこに呪霊が吸い込まれ、俺も後を追うように吸い込まれる。

目の前には廃屋に斜めからぶつかった呪霊。

廃屋の斜め後ろには太陽があり、俺達が出てきたのは縦に伸びた廃屋の影なんだろ。

そして壁から剥がれるように自由落下し始めた呪霊に向かって、俺自身が飛び出す。

 

「顔に手足ついてて気持ち悪いんだよ」

 

そのまま呪霊に、念を纏った俺の拳が肉を押し潰しながら叩き込まれる。

ブチブチ、グジュ、グギィっと、リアルな感触と共に呪霊の身体が抉れていく。

そして内側から破裂して肉片となって飛び散った。

飛び散った肉片は、溶けるように黒いモヤになって蒸発していく。

良し、勝った。

 

自分でやったとはいえ、歩けなくなったときは焦ったぜ。

いやでも出来るとはいえ、三次元を二次元にするっておかしいよな。

いや、遊戯王でカードに閉じ込められてたし出来るかもしれない。

うん、よく考えたらアイテムとかカード化してるし、念能力ならアリやな。

疲れたので呼び出した玉犬に乗って、窓の人のとこまで帰った。

 

 

 

呪霊と戦って数日後、学校で五条から術式とやらの説明を受けたりしながらジャンプを読んでいた時の事だった。

 

「ってことで、これを順転と言って、おい聞けよ」

「実技ばっかで座学とか、あんま意味ねぇじゃん」

「僕の新しい必殺技、地爆天星してやろうか」

「パクリじゃん」

「いいや違うね、座標指定して相手を中心に引力を発生させてるから」

「お前質問しても数学出来ねぇじゃん。自分でも無限がマイナスってフィーリングで説明してるし、理屈分かってねぇじゃん」

「術式を理屈で語ろうとするなんてナンセンスだね」

「はいブーメラン、お前知ったかでアキレスと亀とか言ってた癖に」

 

順転とか反転とか何だよ、ニュートラルが静止する力でマイナスの力をガンガン入れるから順転で引っ張ります、二乗してプラスの力をガンガン入れるから反転で押し出します、じゃねぇんだよ。

 

念をマイナスの力って定義してるから変な理屈で混乱すんだろ。

負の感情だからってマイナスって考えが安直なんだよ、負の感情から謎エネルギーである呪力が出来るってどうやって実験したんだよ。

絶対経験則からの憶測だろ、まだ念の方が分かりやすいだろ。

 

「恵、そろそろ何でもかんでも自分が分かる漫画のネタに変換して理解するのをやめなよ」

「頭固てぇな、おーえー!裸エプロン先輩見習えよ、マイナス思考の極地だぞ、呪力ってんなら最強だろ」

「いや、多分負けるって天与呪縛だろうし、勝負事には勝てなさそう」

 

馬鹿野郎、パイセンは勝つぞ!勝つぞこの野郎!手ブラジーンズだってやるぞ!

 

そんなこんなで、教室で五条とダベってたら、教室の扉が吹き飛んで窓ガラスを割りながら校庭に落ちてった。

うん、ドアが吹っ飛んで窓に落ちた。

 

「はぁ?」

「お前が伏黒恵だな。問おう、どんな女がタイプかな?」

「誰だお前?」

「いいから答えろ!でないと、俺は、お前を殴らないといけない」

 

お前はトウジかよ、俺はエヴァには乗らない。

 

「今の趣味は萩原 なつきだ」

 

眼の前に拳、早い、ガード、いや、頭突きの方が早い!

頭部に念を纏って迫ってくる拳を向かい撃つ。

激痛と、たらりと気持ち悪い感触、額から血が出ていた。

 

「知らんな、そんな2次元の女」

「知ってんじゃねぇか!ハッ、テメェの好きな漫画は何だよ!」

「猿渡哲也による日本の漫画、TOUGHだ!」

 

ヤンジャンだと、大人じゃねぇか!

よくわかんねぇけど喧嘩だよな、喧嘩売ってんだよな!

やってやろーじゃねぇーか!クソゴリラがよぉ!

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