呪霊と呪詛師が放たれた。
同時刻、後に分かるのだ結界が各地に発生、羂索の言う楽しい催しだと思われる。
首都圏は壊滅、政府は大阪に移転し、呪霊の存在と羂索というテロリストの仕業だと公表した。
東京しか発生しないとの公式発表だが、外国にサーバーがあるネット関係のサイトは規制できず、元より夏油のせいで認知されていたから全国で呪霊が発生した。
今じゃ政府は東京だけと言ってるが嘘だろとネットで批判される始末、ちゃんと報道しろよとか言われてて草。
吹っ切れた天元なんか、呪術系VTuberとして呪術界を暴露して色んなことをネットでぶち撒けて垢BANされて、復活したりしていた。
もう、アカウント消される度にまた作り直してるよキリストかよとツッコまれる始末。
アイツ、収益の外側で生きてるのスゲェな。
あと、現世に干渉しないとか言うのどうなったの?
五条にぶっ壊されてた総監部は一部入れ替えしてたものの、権力争いに明け暮れてるので虎杖悠仁と夏油傑を殺せ、今回のは五条のせいなので封印を解こうとしたら死刑、夜蛾学長は軍隊作れるから死刑、加茂家と五条家は御三家から除外して禪院家が呪術界を牽引するなどと申しており、キレた乙骨先輩が大暴れした。
正義は議論の種になるけど、力は議論の余地すらなく承認されるのだ。
力なき正義は無力だが、正義なき力は強力である。
かくして無限のパワーを持つ乙骨パイセンが呪術界をブッ壊してテッペンを取った。
やっぱスゲェっす、憂太さんって奴である。
そして俺の個人的な問題だが、津美紀が起きた。
起きたのはいいのだが、術師タイプか受肉タイプか分からなかった。
なので、分からなかったから心を鬼にして俺は襲うことにした。
「恵……」
「津美紀、身体の方は大丈夫か?」
「えぇ、今まで」
呪術高専の保健室、入院患者用の別室にて寝たきりだった津美紀の身体は支えなしでは立てないリハビリが必要な状態だった。
だが、俺が奴の前で変身した瞬間に表情が変わる。
優しそうな顔から忌々しそうな顔にだ。
最悪なパターンの方だ。
「ッ!」
『動くな』
「残念だよ、津美紀」
棘先輩を連れてきていたから良かったものの、一瞬だが呪力が増えた。
溢れ出すほど増えた事から呪力が使える、つまり受肉タイプだ。
元の人格は悠仁の例もあるが生きているかは不明、今は治療法がない。
「グレイ」
「十種影法術か!忌々しい!」
「お前は……誰だ?」
貴方のお姉さんよ、等と宣う平安の呪詛師の言葉は聞くに耐えない物だった。
それこそコイツを封印した方が良いだろうと、例の封印部屋に監禁することを決定した。
乙骨パイセンや悠仁が入れられてた部屋だ。
そして、こっちの件は一旦終わり……解決策は心当たりがあった。
さて、乙骨勢力などというワンマンチームによる派閥争いが勃発。
総監部とか、そこに従う呪術師は羂索と繋がってる認定して乙骨パイセンが殺した。
やっぱりヤクザではないだろうか、普段から現場に出てるからか敵に容赦ない人であった。
まぁ、それだけ知り合いを殺そうとしたのが良くなかったのだろう。
で、俺達は乙骨先輩の指示の元に謎の結界について知るべく二手に分かれた。
都内の呪霊から市民誘導するグループと高専地下に行って天元に話を聞くチームだ。
「おい、恵。早くするぞー」
「あぁ!じゃ先輩、そういうことで……」
「電話してたんか、秤か?」
電話を切って、俺はパンダと合流する。
パンダの言う通り連絡相手は秤先輩だ。
最初は信じてなかったが、五条が封印されたと報告したのがガチと分かったら合流してくれることになった。
戦力は多くて困ることにないからだ。
「私も向き合わないとね、天元と」
「なぁ、天元様ってどんな?」
「オタクだぞ」
「アイドルやってる」
俺とパンダの言葉に、一緒に行くこととなってる九十九と悠仁が困惑していた。
まぁ、見せたほうが早いだろうと連絡をスマホからして扉を開けると単行本とかグッズが所狭しと置かれている部屋に来た。
うわぁ、アーカイブのお部屋訪問配信の時より物が増えてる。
「やぁ、よく来たね」
「うわぁ、超美少女!」
俺達の前に、フリフリのメイドさんが現れた。
そして、九十九由基が膝から崩れ落ちた。
結界術の応用ででっかい和風建築に案内された俺達はメイド服の天元ちゃんニューバージョンにお茶を出されていた。 なお、最近お披露目した新衣装である。
「あっ、登録者300万人国内トップおめでとうございます」
「うむ。最近の呪術トレンドがブーストじゃの。実際に簡単な結界術と式神が出来る動画がバズったのじゃ」
「お前は誰だ!」
「儂が今を時めく呪術師アイドル天元ちゃんだゾ!」
ガン!っと頭をテーブルに打ち付ける九十九、なんだコイツ情緒不安定か?
生理か更年期だろ、近寄らんとこ。
「うお、ホントだ。他の人と違って配信メインなんだ、動画じゃねぇんだな。あっ式神の動画ある」
「呪術規定はどうした!お前、干渉しないって」
「総監部の奴らが儂を消せる訳がないからの、そんな事より垢BANの方が怖いし」
「あかばん……なんだそれ……」
頭を抱える九十九、おい話が進まないから黙ってろ。
なんか言いたげだが後でにしてほしい。
「それで、五条の封印と津美紀に関してだね」
「おう、あくしろよ。事前に聞いてたから分かんだろ」
「ここに用意したのが獄門疆の裏門」
「そんなのあったのかよ!?」
「ハッハッハ、まぁバックアップがあるおかげで封印の強度は保証されてるんだ。ご都合主義だよね」
九十九がなんか唸ってるが放置して話を進める。
後はこれを何とか解除すればいける。
方法としては呪具なので術式を中和するとか相殺するとかして開ける。
俺が羂索なら表の方の呪具はカーズみたいに宇宙にでも飛ばすからこっちから助けるしかない。
術式を無効化できる上条当麻的な無効化系能力者を見つければ解決だ。
「あと、受肉した術師の中に天使の受肉体がいるんだけど、彼女ならきっと無効化出来るだろう」
「マジで!RTA並みに話が進むな!」
「ハッハッハ、宿儺の受肉体よ。私は日本の結界内の事は大体把握出来るんだよ」
「なら!あの謎の結界も分かってるんだろ!私はお前が羂索と結託してても驚かないぞ」
「言うじゃないか、夏油を唆して呪詛師を生み出した戦犯特級術師九十九由基。君こそ結託してるのでは?」
何やら復活した九十九が食ってかかる。
そして悔しそうに黙ってしまった。
やめとけネットで鍛えられてる、レスバの面構えが違う。
でもお前にしてはいいこと言うじゃん、そうだよ結界だよ。
「あぁ、あれに関しては何やら儀式を行ってるようだ。私の日本に張った結界である浄界をベースに10箇所の結界が作られた。死滅回游と呼ばれる殺し合い、プレイヤーの呪力とコロニーとコロニーで結んだ境界を使ってこの国の人間を彼岸に渡す儀式だ」
「つまり、どういうことなんだ?」
「日本中に呪いを掛けるつもりなんだ。まぁ、人の結界をベースにしてるから解除すればそれまでなんだが、それが奴の目的なのだろう」
「なんかまずいの?」
「私の千年分のノウハウがなくなる。帳は降ろせないし、今より呪霊は出るし、災害も起きたりするだろうねぇ……」
HUNTERXHUNTERを読んでる俺とパンダは頭から煙を出してる2名を除いてルールを聞いて理解した。
簡単に言えば、ゲームを開催してその呪力を使ってコロニーの端から端を繋いだラインが日本を上から下になぞって全員に呪いを掛ける。
掛けた後は、両面宿儺を使って術式が使える脳に無為転変するつもりじゃないかと予想された。
日本人への呪いが今回のマーキング、天元様は結界扱い、天元様を無為転変したら天元様は世界と同一になってるらしいから日本中が対象になる……そうだ。
「つまり、天元様が狙われてる!?」
「だろうね。具体的にはセントラルドグマにいるのが私で、使徒が羂索だね」
「分かりやすい!」
「それで、受肉タイプの方はどうなんだ?具体的には津美紀の方」
「彼女の方は天使の術式で解除出来るだろう。ただ、そのままでは死んでしまうね」
だから、と天元が俺と悠仁を見る。
「異界の魂が混ざった伏黒、魂が2……11もある宿儺の受肉体。君達は唯一魂の輪郭を知覚し捉える事ができる。その力を持って過去の術師にダメージを与えるのだ。そうすれば剥がしてから解除できる」
「俺って魂がそんなあるの!?」
「俺って魂が混ざってるの!?」
「恵って異世界転生だし、悠仁ってヴォルデモートなの!?」
「お前から過去の同化した人物を剥がせるのか!?」
天元のせいで滅茶苦茶になった。