「しゃおらぁぁぁ!」
天元が、拳を上げていた。
ゴスロリ衣装の美少女が両手を上げて喜んでいた。
コロンビアとコメントが流れてきそう、コラ画像作れるな。
天元はその有り余る金を使って動画配信サイトを買収。
俺は知らなかったんだが、運営してるところは本屋の会社だった。
俺もラノベよく買ってたけど、そうなんだ。
へぇー、フロムとかもこの会社な……何ィ!?アイルー村もフロムが作ってんの!
「負けてるのは物量と画質と回線!サーバーの強化もするし、広告もいらん!これで配信が出来るぞ!」
「お前は何と戦ってんだよ」
祝、復活と初配信を成功させた天元。
仕様がまんま同じなんですが、パクリだって言われない?
訴訟起こされても俺は知らんぞ。
「私がただ配信したいだけだと思っていたのかな?」
「えっ、そうだろ」
「そんな事はない。簡単な呪霊を帳で見つけ、式神で対抗できるようにするためだったのだ。そして手の回らない呪霊を呪術師が祓う、そのために買収したのだ!」
嘘である。
眼の前ではしゃいでいたのを見ていたので、後から理由付けしただけである。
呪術師希望はダイレクトメールでアポ取れとか、窓として働きたいなら連絡寄越せとか、それっぽいことをしてるけどね。
「さて、これで結界の外の呪霊はどうにかなる目処がたった。次は余裕によって生まれた戦力の投入だ」
「ほんとにそれっぽいぞ」
これから俺達の目標は死滅回遊の無効化だ。
まず入ると出れない、結界の出入りの自由化をルールに入れる。
次に得点の譲渡もしくは倒した相手のポイントの奪取。
最後に結界の外に出て天元を殺す事でベースとなっている浄界を壊し、死滅回遊というゲームを強制終了すると脅し、仕方なく終了をルール追加させる。
100点取ったら終了とかそんなんだ。
「私が渡した獄門彊・裏は伏黒、君が持つんだ。何だかんだ君との時間は楽しかったよ」
「遺言かよ」
「そうかもしれないね。羂索、奴は必ず私の下に来る。私の魂を弄ることで日本人全体を対象に何かするだろうね、きっとそれは死滅回遊というゲームの終了、慣らしが終わった頃だ」
だから、ゲームが奴の手によって終わらせられてない慣らしの済んでないうちに無効化し、儀式自体を台無しにするのだ。
「じゃあな、終わったら記念ライブしようぜ」
「ハハハ、私の記念ライブは1クールに一回あるぞ」
「ソシャゲのイベントかよ」
ハーフアニバーサリーのハーフやってるんじゃないよ。
悠仁が目覚めた。
一週間ぶりの目覚め、東堂の術式により無理矢理起こした形になる。
本人は何をしていたかというと、自分でもよく分からないらしい。
両面宿儺とは会えず、地元のような場所を九相図とサバイバルしていたらしい。
何だそりゃと思ったら、無人の町中をずっと彷徨ってたらしい。
「俺の領域は岩手かもしれない。心にいつも、岩手!」
「意味分かんねぇよ」
人が心配してたら、兄弟と言ってもいいのか分からないが同じ顔の奴らとゲーセン行ったり焼肉食ったり、なんか遊んでてムカつく。
とはいえ、起きたことには変わりないのでこれから一緒に戦いに赴くメンバーを紹介することにした。
「いいか、こっちが秤パイセンでこっちが綺羅羅だ」
「押忍!虎杖悠仁、好きなバンドは9ミリです!」
「おう、俺は秤。好きな新台はグレンラガンだ」
「私は綺羅羅だよ、好きな男は……ヒミツ!」
なに可愛い子ぶってんだよ、お前弓親枠やろがい。
「おい見ろよ、不良三銃士だ」
「やめとけやめとけ、パンダ。アイツは素行が悪いんだ」
「日下部さんの言うとおりですよ、さぁ行きますよ」
離れた所にはパンダと日下部さんと七海がいる。
京都校の奴らは京都なのでこっちに来てはいない。
別のコロニーに行く予定だからだ。
さて、全員で東京第1と第2コロニーを攻略し、いるであろう天使を見つけ出す。
こっちは俺、悠仁、七海。
向こうは、秤パイセンと綺羅羅、パンダ、日下部さん。
二手に分かれて結界に侵入する予定だ。
俺もあっちが良かったな、こっち真面目な雰囲気だしな。
「行きますよ、結界の近くでは式神が確認されています」
七海の言う通り、移動して結界に近づくと虫みたいな式神が現れた。
「よぉ、俺はコガネ!この結界の中では死滅回遊っていう殺し合いゲームの最中だ!それでもお前は結界に入るのかい?」
それは羽の生えた芋虫に骸骨をくっつけたようなデザインだった。
「あぁ!」
「えぇ」
参加を宣言、そしてそのまま眼の前で結界に入った瞬間、悠仁と七海が一瞬で消える。
何だ、何かされたようだな。
「よぉ、俺はコガネ!」
ガン無視していると相変わらず話しかけて来る式神。
なるほどな、コイツに応えると何処かに飛ばされるみたいだな。
ゲームのデバッグしてるな、フラグが立たないから進行してないのか。
ガン無視しながら散策するが、敵は見つからなかった。
そりゃ広い結界の中だ、プレイヤーも何人いるか分からない。
合流は諦めて夜になったら呪霊を狩っていた。
翌日の事だ。
俺についていたコガネが騒ぎ出す。
「リンゴンリンゴン!泳者によるルールの追加が行われました」
「うわっ、びっくりした……あっ」
眼の前の景色が変わる。
しまったな、返事をしたと認識されたのか。
ルールも聞きそびれたし、瞬間移動は困るな。
「まぁ、いいか。今から聞けば」
「ルール説明はもう一回するか?」
「さっきとキャラ違うな」
「そりゃアナウンス用でこっちは伏黒用だからな。追加されたルールは簡単だ、プレイヤーの得点、ルール追加回数、名前といるコロニーが分かるんだぜ」
なるほど、ステータスオープンみたいな感じだな。
得点は強さの指標、追加回数は得点が低くても強いかどうかを判断するためか。
そして、名前と居場所は誰かを探して……違うな強い奴を探してるんだ。
特定の誰かなら得点は知らなくていい。
戦闘狂の類が追加したルールか。
「この鹿紫雲ってのは頭おかしいな、そんで日車ね」
どっちも相当殺してる。
最低で術師は5点だから20人か。
「やぁ!」
「あ?」
人が考え事をしていたら、何やら髪を伸ばして攻撃してくる女がいた。
反射的に俺の影が女の腹を貫く。
「えっ?」
「髪を硬質……武器に出来る術式か?」
「あぁぁぁ!?熱い熱い、痛い!助けて!助けてぇぇ!」
「うるせぇな」
のたうち回る女の顔面を足で潰す。
何度も何度も、歯が何本か折れて声も小さくなってきた。
「グレイ、治せ」
「ッ……うぅ……」
反転術式の光で女の傷が治ってくのを見ながら、女の指を思い切り踏み砕いた。
またしても耳障りな悲鳴が聞こえる。
「よし、俺の質問に答えろ。日車を知ってるか、知らないか」
「知ってる!知ってます!」
「いいや、お前は知らない。だから俺はお前を殺さないといけない」
「本当です!案内します、許して!許して!お願いします」
うーん、判断に悩むが脅したら素直になったな。
殺して5点にしてもいいが知ってたら簡単に100点のルール追加が手に入るかもしれない。
脅して殺せばポイントが奪えるようにルール追加させれるからな。
コイツがグルなら、雑魚狩りでもしてる輩だろうか。
「拷問は得意なんだ。女、騙そうとするなよ」
「はい、こっちです。日車は池袋にいます」
女の誘導に従い池袋まで移動する。
さて、どうしたものかな。
5人、女を含めて4人が俺を囲んでる。
「はぁ、辞めだ。変身」
「えっ?あっ……な、なんで……」
俺はグレイを纏ってから女を背中から攻撃し、心臓を握り潰した。
『伏黒恵に5点追加されました』
「いるんだろ、日車なら名乗れ。違うなら殺す」
「女の子にヒデェことしやがるね……」
女の死体を放り捨ててたら、物陰から全身にレシートを着けた変態が現れた。
多分……過去の呪詛師だ。
センスが壊滅的すぎる。
「お前、日車か?」
「まぁ待て、まずは話をしよう。なに、悪い話じゃない。話を聞いてから判断してくれたらいい」
「もういい、殺すわ」
「疾風迅雷やね」
コイツ、ヤンジャン読者か!