負ける気せぇーへん、機械兵やし 作:長い犬
まさかここまで見られるとは小生予想外でした。こんなド素人の殴り書き妄想が伸びるとは……。
何回でも催促するけど皆もマルフーシャの二次創作書いて~!アフリカの子供と俺が飢えています!
ウィーースどうもバルスでぇーーす!最寄りの門に向かってたら、エリート兵の襲撃かまされてるのを発見したので急遽助けたらマルフーシャだった件について(55文字)。ラノベだと背表紙のタイトル欄がぎちぎちに詰まってそう。
思い立ったが吉日とはまさにこのこと。一発目で当てるとは思わなんだ。お天道様は見てるんやねぇ。
しかもタイミングギリギリやったな。後三秒遅れてたらゲームオーバー確定やったで。あの爆撃機からして今日が30日目やと推測できるが……。前日にチャンスカード下振れるとは運が悪い。
うーん、改めてみるとまんまマルフーシャですねぇ!茶色の長髪に赤い目。前世で見たゲームと全く同じ。俺はこの世界に転生したのだなぁとしみじみ思う。
「そうそう、さっきは質問されたから今度はこっちがしてええか?」
「ええ、どうぞ」
「君ってここ来て何日経った?」
一応前世の設定と相違がないか確認せなな。
「本日込みで30日です。それがどうかしましたか?」
「ああいや、ちょっと確認したいことがあってやな」
不思議そうに首をかしげるマルフーシャ。まだ確認できてへんけど、多分設定通りやな。そこは一安心や。折角の情報アドバンテージが消え去るところやったからな。
「次に基地って今何人くらいおる?そこに在住してる人だけでええよ」
「正確な人数は把握していませんが……100人程度だと思います」
「なるほどなあ」
100かぁ……これは押されんな、確実に。100の中には非戦闘員も含まれとるから実際の戦力はもっと少ない。こんなんで前線がもつわけない。
あ、あとアレ聞いてなかった。
「いきなりやけど門の修理費が給与から天引きされたことある?一回でも」
「いいえ、一度もありません」
「おお、やっぱ優秀やね」
ふむ、確実に内勤コースやね。よかった、万が一でも更生施設送りやったらスネジンカちゃんに遭わせる顔がなくなるとこやったわ。
「うん、大体聞きたいことは聞けたわ。ありがとな」
「……言い遅れましたがこちらこそありがとうございました。あの援護がなければ確実に門が破られていたので」
「かまへんかまへん。生きてることが一番や」
お礼を言える子マルフーシャ。久しぶりにお礼なんかされたわ。折角援護してもこんな体やから逆に警戒されんねんな……。結構辛い。
マルフーシャからのお礼を噛み締めていると、マルフーシャがこちらの様子を伺っている。何か聞きたいことでもあるのだろうか。
「どしたん?話聞こか?」
「そ、その。一度基地に来てみませんか?上官の許可がないので秘密裏にですが……」
「え!マジで!是非とも行きたいわ」
「先ほども助けて貰いましたし、ライカ監査官とお知り合いのようなので」
「ありがてぇ~!ライカにも会いたかったんだよな。ほんまにありがとうな!」
「命の恩人なので。これくらいはお安いご用ですよ」
すげぇ流石主人公。器が広すぎる。平気で軍の規則を破っていくその大胆な行動に惚れてまいそうになるわ。
「ほなこれ渡しとくな」
「これは……トランシーバー?一体どこから……」
ふふ、それ俺のパーツの一つやねん。まぁ言及するのは面倒なのでスルーさせていただきます。
「これ持って先に帰って。その後潜入できそうやったらそれで連絡寄越してな」
「はい。わかりましたが……基地にはレーダーや監視の目が大量にありますよ。どのように侵入するのですか?」
「大丈夫大丈夫。特殊な方法があるから。あと連絡するときできるだけ人目のない場所に案内してな。見られると厄介なことになるから」
「了解しました」
どこか釈然としない表情を浮かべたマルフーシャは、それでもバルスを信用した。実は今までのは全て演技で、基地に招いた瞬間攻撃されるとも考えたが……。あれだけの力を持っているなら正面衝突のほうが早いだろうとその可能性を否定した。
「では、また後ほど」
「頼んだでーー」
そうしてマルフーシャは帰っていった。そうなると俺は暫くの間手持ち無沙汰となる。特にすることが失くなってもうたからね。
「……暇やな。久々に自分の体のメンテでもするか」
こうして俺は連絡が来るまで、何でできてるのかよくわかってない新しい体をイジリ続けていた。
◇◇◇
陽も落ちた夕暮れ時。宿舎のマルフーシャの部屋。その中で二人の少女が話し合っていた。
「……今、何て言ったの?」
「『バルス』というヒト型の機械兵が門の防衛を手伝ってくれたと言いました」
「マルフーシャ、あなた疲れてるのよ。今日は大変だったらしいじゃない。早く寝なさい」
「ちなみにこの後ここに来るらしいです」
「嘘でしょ!?」
思わず天を仰ぐ。半信半疑だった都市伝説が、まさか本当だったなんて。しかもこの後来る?急展開すぎてついていけないわ……。
「本当ですよ監査官。証拠としてトランシーバーを貰ってきました」
動揺していると、マルフーシャが更に追い討ちをかけてきた。
これは夢なのかしら。頬を軽くつまむが、ちゃんと痛みが伝わる。どこまでも現実らしい。
「これでバルスさんに連絡できますよ。やってみますか?」
「い、いいじゃない。確認してあげるわ!」
トランシーバーの無機質なボタンを押し、反応を待つ。するとすぐに応答が来た。
[はい~こちらバルスでーす、どうぞ]
[ほ、本当にバルスなの?あなたは]
[あれ、ライカ?久しぶりやね。元気しとった?]
声は全然違っていた。機械音声が流暢に話していた。
けれど、その適当で気さくな雰囲気は。間違いなくあの時のあいつと同じで。
[……うぐっ、本当に、よかった。うっ、うぅ……]
[お、おいライカ。どうしたんや、急に泣いて]
[あなたが死んだって聞いてどれほど悲しかったと思うの!ばか、ビックリするほど馬鹿よ!バルス!]
[それはほんまにすまんかった。謝っても謝りきれんわ]
[本当よ!戦場にあなたの銀のロケットが落ちて、あなた本人が行方不明って言われて!……二度と会えないと思っていたのよ]
[約束守れんくて申し訳ない。ほら、この通り]
[通話越しで見えないわよ!]
苛つくけれど、そのふざけた感じも同じ。体は変わっちゃったけど心は何一つ変わっていなかった。
[ふぅ……。まぁこれは一旦置いておくけど。あなた、どうやってここに来るつもりなの?]
[ああ、それは見ればわかると思うわ。ほんで、今人目につかん場所ってある?ある程度広さのある]
[強いて言うならごみ捨て場かしら。あそこは朝以外用事がないし、特に監視する人もいないから]
[ほなちょっと手間なんやけどな。そのトランシーバーをそこに持っていってくれへん?そこの座標特定するから]
[……あなた本当に人間離れしたのね]
[いやぁ、それほどでも]
[褒めてないわよ!]
けど、座標特定してどうするのかしら?まさか転移するわけでもないでしょうに。
疑問に思いつつもごみ捨て場に向かう。ついでにマルフーシャも連れて。見張りをしてもらうためにだけど。
暫く歩いた後、ごみ捨て場に着いた。私もこの時間帯に来たのは初めてだけど、本当に人がいないわね。あいつと会うには絶好の機会よ。
[もしもしバルス。着いたわよ]
[おおきに。さてさて、そこね。多分十秒後に着くわ]
[え?どういうこと?]
[一瞬切るで~]
[ちょっと、バ]ブツッ
「ちょっとぐらい説明しなさいよ!」
そういうところは全く変わってないのね!精神は肉体に引っ張られるって嘘なのかしら。
そんなことを思っているとマルフーシャが私の肩を叩いてきた。
「どうしたの?マルフーシャ」
「あれを……空を見てください」
そう言って空を指差す。マルフーシャの指差す方向を見てみると、何やら赤い点がこちらに向かってきている。
「星かしら?……いえ、まさか」
あっという間に赤い点は私たちに近づき、その輪郭がはっきりとしてきた。それは人間のようで、しかし所々角ばった部分は機械のようだった。
それは私たちの真上に来ると、炎を逆噴射して静かに着陸した。
「こういうことや。便利やろ、これ?」
絶句した。こいつ、こいつ……。
「他の場所からも見えるでしょうが!」
「お、落ち着いてください。監査官。気持ちはわかるのですが、他の人にばれてしまいます」
……マルフーシャの諫言に冷静になる。そうね、自制心自制心。
「え、適してるかと思ったんやけどな……」
「……はぁ、もういいわ。バルス、面と向かい合って会うのはいつぶりかしら」
「少なくとも一年以上は前やね。元気そうで何よりや」
相変わらず能天気ね……!それでも、嬉しさが勝ってしまうのが悔しいわ。
「お、まだ着けててくれてたんやな。それ」
バルスは私の銀のロケットを見たらしい。
「当然よ。約束してたし、あなたから貰ったものなんだから」
「(ライカ監査官のそれって、この人のプレゼントだったんだ)」
マルフーシャがなんだか妙な顔をしているけど、どうしたのかしら?まぁいいわ。
「取り敢えず、今までのことを聞かせて貰えるかしら?」
「モチのロン。長い話になってまうんやけどな……」
それからバルスの生前から機械兵になったことまでいろいろなことを聞いた。
◇◇◇
ビックリするやろな~って思ってジェット噴射で来たんやけど、不評で泣きそう。地上の目を掻い潜れるからいい方法やと思ったんやけどなぁ。
それはさておき、ライカ!久しぶりに顔見たわ。なんかより凛々しくなってるし、相変わらず美人さんやね。機械の体やから興奮でけへんけどな。
そうそう銀のロケット。死んだ時に失くしてしまったんやけど、落としてしまってたんやな。最終的にライカの元に渡ったからなんか安心。約束破ってもうたし面目立たんわ。
けどまた戻ってくるとは思わんかった。ここに来るときに俺のロケットを一緒に持ってきたらしい。邪魔になるやろうに……。
斯々然々、自分の話をした後、ライカたちの話を聞いた。
「やっぱどこも人手不足なんや」
「ええ、私もマルフーシャもそれの影響よ」
「パン屋の子が戦場やからなぁ。世も末やで」
「……あの、何故私のことをご存知なんですか?」
「あっ」
やべっ、ボロだした。そうやん、俺が知ってるのはおかしいやん。どうしよ、ええと……。
「そっちは覚えてへんかも知れんけどな。昔君の働いてたパン屋に行ったことあんねん。その時会ったんやけど、まぁ覚えてへんわな」
「成る程、そうだったんですか」
あぶね~セーフ。バレてへんな、ヨシ!(現場猫)
なんかライカがジト目でこっち見てるけど多分オッケーやな!
「急に話変わるけどな。この先もっと戦争は激しくなる。もう前線もダメになったから、この先内部にも攻めてくるで。市街戦が始まるわな」
ま、いいわとも言いたげに溜め息を吐くライカ。追及しないでくれてありがとな。
「そうね、恐らくそれは正しいわ。その証拠にマルフーシャ、私と貴女は昇格したわ。これから内部の警邏をすることになるわ」
明日言う予定だったんだけどね、と溢すライカ。そうか、30日経ったからステージが変わるのか。
「……ちなみに言いたくないのだけど、この昇格で貴女と私の地位は同じになったから、今後敬語を使わなくていいわよ」
「そうなんですか。けど慣れないのでこのままでいきますね、ライカ」
「そこは変わるのね……」
う~んマル×ライ尊し。このペアは見てるだけで癒されるわ~。もうマフラーは編んであげたのかな?
「まぁ俺も可能な限り援護するからな。危ない目に遭ったら俺が三秒以内に駆けつけてくるよ!安心してね!」
「それは心強いですね。頼りにさせて貰います」
「あんた、市街を傷つけちゃダメよ?確か、持ってる武器って上級グレネードランチャーの改造版でしょ?間違っても更地にしないようにね」
「ハハッ、ワカッテルサー」
「振りじゃないわよ!本当に!」
ライカはいいツッコミやな。一番話してると楽しいし。変わってなくて何よりやで。
茶化してもうたけど、戦争が激化すんのは大マジや。
……何より、マルフーシャのトゥルーエンドは全員見捨てるという描写があった。恐らく、それはライカも含まれているだろう。
それだけは絶対にさせへん。勿論他の人も可能な限り救う。しかし、俺の第一優先はライカだ。マルフーシャに病んでほしくないが、ライカに死んでほしくないのも本当なのだ。
だから、これから市街に潜伏する。恐らく今から二ヶ月後、宿舎が襲撃される。ゲームだとそうやったからな。その時に俺がどれだけ機械兵を破壊できるか。それに全てがかかっている。
やったるわ、俺は『激甚』のバルスやからな。全て灰に帰したるわ。
ライカの顔を見て、そう改めて決意した。
おまけ
「それはそうとしてバルス。あんたの体泥だらけじゃない。ちゃんと洗ってるの?」
「いやぁ、水浴びたら壊れるかなって」
「普通の機械兵でも大丈夫なんだからあんたも大丈夫だと思うけど……。念には念を、特別にタオルで拭いてあげるわ」
「えっ、なんて大胆な……」
「そういうことじゃないわよ!」
赤面したライカが叫んだとかなんとか。
追記
私事なんですが、明日からテスト期間なんで更新が遅れると思います。誠にごめんなさい