時間が進みウトナピシュティムの本船内にてヒマリが
「私、「トキ」と「レイン」のことに関しては絶対にリオを許せないんです」
「...」
ヒマリが呟き
「
「まだ、トキとレインは親密な関係でしたが二人とも友人と呼べる存在はいません。なぜだか分かりますか?」
「...リオが彼女らに一切の交流を禁じたからです」
「.....禁じていないわよ?」
「...はい?」
「二人とも交流は禁じていないわよ、レインに至っては他の自治区に向かって技術の習得もしに行ってたわ。トキはわからないけど」
「...そ、そうですか」
ヒマリが驚く。
「で、ですが彼女らは可愛い後輩の拉致を命じられ、遂行しました。この任務が意味することを、彼女らは理解できているのでしょうか?」
「そ、それは...」
ヒマリが話を戻す。
「リオは、「人を殺める任務」の片棒を彼女らに担がせたのです」
「「生命では無い」?いくら、命に対しての観点が異なるとしても、絶対に許されることでは無いと、なぜ理解できなかったのでしょうか?」
「それを知った時、彼女らは何を思ったのでしょうか...時間の全貌を知るはずの偉大なるビッグシスターは、気が付かなかったのでしょうか!」
「...」
ヒマリの問いに
「彼女らを巻き込むべきではありませんでした。トロッコ問題を例に挙げ、彼女は悲劇のヒロインを気取っていましたが...実際にトロッコのレバーを引いたのは、トキとレインです」
ヒマリが
「トキとレインは私にこう言ったのです。「なんでもやる」と、「皆んなの役に立ちたい」と」
「トキは今も、戦っています。己の負傷など気に留めずに」
「レインも怪我した体を引きずりながら戦っています」
「...本当に彼女らはできたメイドと執事ですよ」
「...遠方に不自然な光を確認データ上、測定不能な位置....」
トキは不自然な光を確認する。
「万が一に備え、調査を実行します」
トキが不自然な光を調査しようとしたとき、
「...トキ」
「レイン!?なぜここに!?」
レインが現れる。
「...遅れた。俺も今から手伝う」
「...そうですか」
レインはトキに同行しようとする。
「ありがとうございます」
「...」
トキがレインに微笑む。
「...行きましょう」
「そうですね、急ぎましょう」
レインが不自然な光の方に向かう。それを追うようにトキもついていく。
...なぜかレインは顔をトキに見せないように。
「...ヒマリ部長、捜索中に新しい「サンクトゥム」を発見しました」
光を追ったレインとトキ、そこには新たなサンクトゥムタワーがあった。
「今までに観測されたことのないものです。このままでは顕現してしまうかと。迅速な対応が必要です」
トキがヒマリに連絡している間、レインは辺りを警戒していた。すると、
「...!」
「座標を送信し...!?」
敵が現れトキを攻撃しようとするがレインがそれを庇う。
「大丈夫ですか!」
「...大丈夫だ」
トキがレインを心配するが幸い致命的な怪我ではなかった。
「...それよりも」
「えぇ、顕現が始まってしまったのでしょう」
敵の大群が現れ始める。
「これが敵の切り札なのであれば..,すぐにでも顕現を阻止しなければ...」
「...でも撤退できない」
二人は敵の大群を警戒しながら解決案を探す。
「レイン離れてください。...パワードスーツシステム「アビ・エシェフ」へ移行します」
レインが少し離れるとトキはパワードスーツに着替える。
「...レイン、頑張りましょう」
「...あぁ」
トキがパワードスーツの銃で敵を次々と倒していく。そんなトキを囮にレインはトキが倒しきれなかった残党を処理していく。
そこに、連絡が届く。
「...トキ!!!」
「「武装」と繋ぐことができましたか、よかった」
ヒマリがトキの心配をする。
「と、トキ?」
「ご無沙汰しております、リオ様。ご無事で何よりです」
「...ご無事で」
「...レイン、あなたもいたのね」
トキ、レインがリオと久しぶりに顔を合わす。
「ッ!撤退してください、トキ、レイン!!あなたたち二人でその数は」
「えぇ...すぐに支援部隊を送ります。一時退却なさい!」
が、感動の再会とはならずすぐに撤退するように呼びかける。だが、
「...できません」
レインとトキは退却しない。
「ここはミレニアム自治区から離れた場所です。一番近い部隊でも、到着までに時間を要するでしょう」
「...私たちが時間を稼ぎます。その間に、このサンクトゥムの阻止を...!」
レインとトキは時間を稼ぐために敵の大群に突撃した。
トキが大勢を攻撃し、レインが残った敵を潰す。
しかし、時間が経てば経つほど敵は増えて行き、比例するように二人の傷も増えていく。
「はぁ...はぁ...」
「...ゲホ...はぁ...はぁ...」
パワードスーツが無い分レインの消耗が激しくレインは膝をつきながら呼吸を整える。
呼吸を整えた二人は、傷ついた体に鞭を打ちながら敵を倒していく。
もうどれだけここで戦ったのかさえわからなくなり二人の体が限界を迎えた時、
「...トキ、レイン、その「サンクトゥム」はもうじき消滅するわ」
「えぇ、ですのでそれまでに...」
「だからもう、戦わなくていいわ。二人ともそこから早く撤退なさい」
リオとヒマリの通信が入り、撤退するよう指示する。
「...申し訳ありません、リオ様。撤収は...難しいです」
トキが倒れる。
「トキ!?」
「...トキ!!」
レインがトキをパワードスーツから引き出し支える。
「...これ以上...身体が、動きません...まだ、敵が残っているというのに。...レインあなただけでも逃げてください」
「...嫌です」
トキがレインに逃げるよう伝える。
「...あなたなら...ここから逃げれるでしょう...私は、もう...無理なようです」
「...断る」
レインはトキを休めるように座らせる。
「だめです...!逃げてください.....!」
「...トキ」
レインがトキに話しかける。
「...俺は、トキと一緒にリオ様に仕えることができて嬉しかった。だから」
レインは近づく敵を見る。
「ありがとう」
「レイン!」
レインはそういうと敵に突撃した。
レインがトキを生き残らせるために覚悟を決める。
しかし、そんな覚悟は裏切られる。
...いい意味で、
「ターゲット確認。目標を捉えた」
「....!?」
突如として目の前の敵が撃ち抜かれる。
「せ、先輩方...?」
二人の目の前にC&Cのメンバーが現れる。
「やっほ〜二人とも!助けにきたよ!」
「えぇ、なんとか間に合いましたね」
「そうだな、危ないところだった」
アスナ、アカネ、カリン。そして、
「おい、そこの新人二人」
「よく持ち堪えたな」
部長のネルが救援に現れる。
「ふぅ...なんとか間に合いましたか」
「の、ノア.....!?貴女、一体どうやって...!未来予知でもしない限り、こんなことは...!」
ノアが通信で現れる。
「ええ、この状況になる前に出発したんですよ。.....ミレニアム随一のスピードを誇るヘリを使って」
「い、一体何を...」
そこに通信が入る。
「...私が望んだのだよ」
セイアが喋る。
「「予知夢」...とまではいかないが、限りなく近い能力...もしくは「勘」とでも形容すべきか...」
「こうなる予感がしていたのだよ...言葉として正確に紡ぐのは難しいが」
「確信はなかった...だがノアは信じてくれた」
「ふふっ、とんでもないです。私にできることをしたまでです」
セイアがノアに頼み、ノアもその勘を信じ、C&Cを救援に向かわせた。
「それでは、C&Cのみなさん。トキさんとレインさんをよろしくお願いしますね」
そういうとノアは通信を切った。
「.....ひとまず、「お掃除」を始めますよ!」
「ああ、残党を処理する」
「おらぁ!いくぞ!!」
「イッツショータイム!」
C&Cのメンバーは残党処理を始めた。
レインは安堵したせいか身体から力が抜ける。
トキの隣に座り残党処理を眺めた。
「...よかった」
「そうですね、先輩方にはあとで感謝しないといけませんね」
二人は残党処理するメンバーに感謝の念を感じる。
「...トキ」
「...なんでしょうか」
レインがトキに話しかける。
「...これからもよろしく」
「...ふふっ。ええ、こちらからもよろしくお願いします」
レインとトキは疲れからくる眠気に身を任せて目を瞑る。
そこには、手を繋ぎながら眠る二人の姿が。
キヴォトスの危機も終わり、平穏が訪れたキヴォトス。
ゲーム開発部がセーブデータについてヒマリに聞こうと部屋に入るとそこには、
「ゲーム開発部のみなさん、ご無沙汰しております」
「...ご無沙汰しております」
トキとレインがゲーム開発部を出迎えた。
「あ、あれっ?どうしているの!?」
「C&Cの...」
「リオ会長の...」
ゲーム開発部はトキとレインがここにいることに驚く。
「...はい。飛鳥馬トキです。ピース、ピース」
「...音無レインです。グー、グー」
トキは手をピースの形にしながら挨拶し、レインは手をグッドの、形にしながら挨拶をする。
「えっ?なんかピースとグッドマークしてない!?」
「サムズアップだよ、お姉ちゃん...」
モモイの発言の間違いを指摘するミドリ。
「部長がまた変なこと教えたんだね...」
「変なことではありません。キャラクター性を逆手に取り、相手の隙をつく...いわば一種の戦法です」
トキは一種の戦法だと説明する。
「...リオ様は、未だ失踪中のため私たちは絶賛無職です」
「そうでしたか、つまり料理人さんとメイドさんは今は無職なんですね。よければ私たちとパーティーを組みませんか?」
アリスはレインがサンドイッチを作り与えたせいか料理人と覚えられていた。
「ちょっ!?」
「あ、アリスちゃん...」
ミドリとモモイがあわてる。
「お誘いありがとうございます。ですが、今は別の任務がありまして...また今度、機会があれば是非」
「ありがとうございます!料理人さんもいいですか?」
アリスがレインに聞く。
「...俺も是非」
レインもアリスの誘いにいつか乗るという。
その後は、ヒマリがやってきてゲーム開発部が要件を言ってる間にトキとレインは部屋を出た。
「とりあえず、ご飯が食べたいです」
トキがレインにそういうと、
「...食材買ってくる」
「ついて行きます」
二人で食材を買いに行くことになった。
...なぜか温かい目で見られる二人であった。