レインは、悩んでいた。
ここ最近やることがないことに。
もちろんやることはある。しかし、そのやることが終わってしまえばレインの一日はそのまま終わってしまう。
そこでレインはモモトークを開く。
『暇です』
先生のモモトークを開き、一言つぶやいたあとレインは家を出た。
レインは、己の退屈を紛らわせてくれる大人、先生に頼ることにした。
...なお先生はいきなりのモモトークに?を浮かべながら書類仕事をしていた。
「...おはようございます、先生」
レインがシャーレのオフィスに入るとそこにはデスクに倒れている先生がいた。
レインはすぐに近づき呼吸と脈を測った。
「...寝ていますね」
呼吸と脈を測った結果、先生はただ寝ているだけであった。
「...仕方ありません」
レインはそういうと先生をお姫様抱っこで移動させる。先生はお姫様抱っこを、されても起きないほどに熟睡していた。
「...はじめます」
レインはそう一言呟き書類仕事を始めた。
“う〜ん....はっ!”
寝ていた先生が目を覚まして飛び上がる。
“仕事っ!”
「...おはようございます」
先生が起き上がると目の前にはレインが座っていた。
“れ、レイン!?”
「...覚えていてくださりありがとうございます」
先生は寝ていたソファから立ち上がる。
“ところでなんでここに?”
「...暇つぶし兼手伝いに」
レインがここにきた理由を話す。
“そうなんだ”
「...ご理解ありがとうございます」
レインが感謝する。
“でも、手伝えることってあったっけ?”
「...ご安心を先生が寝ている間に先生が目を通す必要がある書類以外はすでに処理しております」
レインに言われた先生はデスクに目を向ける。
そこには、山のようにあった書類がわずか2㎝ほどに纏められていた。
“い、いつのまに!?”
「...あそこに残っているのが先生が目を通す必要なものです」
先生が確認すると確かに自分が目を通さなければいけない書類だった。
“ほ、他の書類は!?”
「...私が処理できる程度でしたので処理しておきました」
先生はレインを信じられないような目で見る。
“あれほどの書類をたった一人で...”
「...どうしましたか?」
“な、なんでもないよ”
先生は残りの書類を片付けながらレインに聞く。
“それで、これからどうするの?”
「...」
レインは考えるような仕草を取りながら考える。
「...」
“...”
先生とレインの間に沈黙が起きる。
「...では、先生のお世話をさせてもらいます」
“待って、待って、レイン?レイン!?”
レインは早速先生のお世話を始めた。
「...先生、先ほど届いた書類です」
“...なんか少なくない?”
そこには1㎝にも満たない書類であった。
「...すでに私が処理できるものは処理してあります」
“優秀!すごい優秀!”
先生は渡された書類をすぐに終わらせると、
「...先生、こちらお昼ご飯になります」
“え?あの短時間にどうやって...”
先生は、疑問に思いながらも目の前にあったサンドイッチを食べた。
その後、先生は久しぶりにゆっくりと仕事を終わらせた。
“...久しぶりにゆっくりできる”
「...お疲れ様です」
レインは先生にコーヒーを入れて渡す。
「...これからの予定はなんですか」
“そうだねぇ”
先生はレインに予定を話す。
“今日は、ちょっと早めに帰ろうかな”
「...そうですか」
先生は一週間ぶりに家に帰ることにした。
シャーレを出て家に帰るが、
“ところで...”
「...?」
なぜかレインもいる。
“なんでついてくるの?”
「...先生のお世話です」
レインは先生をお世話するためについて行く。
“まだ続いてたの!?”
「...今日が終わるまで残り五時間です」
先生は家に見られたくないものがあるのか慌て始める。
“ほ、本当についてくるの!?”
「...」
“そこまでお世話しなくて大丈夫だから!”
先生は必死にレインを説得する。
「...冗談です」
“...ほ、本当?”
「...暇だったので」
“なおさらタチ悪いよ!”
レインは少し笑うと別れの挨拶をする。
「...それでは先生さようなら」
“さようなら、次はもっと砕けた感じで話そう”
先生はそういうと近くのビルに入っていった。
レインも先生を見送った後、家に帰宅した。
◯日後
先生のモモトークにレインから連絡が来る。
『先生、今お時間よろしいですか?』
『少し困ったことがありまして』
『助けてくれませんか?』
“レインが困りごと!?すぐ行くよ!”
『ありがとうございます』
『学校で待機します』
大体のことができるレインが困っていると聞いた先生は急いで向かう。
生徒が困っているということもあるが何よりレインが自分を頼るほど困る出来事が気になったからだった。
先生は学校に着くとレインを探す。
“どこにいるのかな?”
「...先生」
先生の背後からレインが現れる。
“わっ!?”
「...すみません驚かせました」
レインが一言謝りその後、本題に入る。
“それで困りごとって?”
「...勉強を教えて欲しいのです」
レインの困りごととは、勉強であった。
“何かわからないところがあるの?”
「...私の友人が留年の危機なので勉強を教えてあげたいのですが私もそこまで勉強が得意というわけではないので先生に教えてもらおうと」
レインが説明すると先生は、
“そっか、それなら任せて!”
「...お願いします」
先生は張り切りながら了承した。
レインと先生は自習室に向かった。
“そこはこの公式を当てはめて...”
「...なるほど」
勉強を始めて数時間、レインは絶好調であった。
“それじゃあちょっと休憩しようか”
「...そうですね」
レインはペンを置くと少し伸びをする。
“そういえばレインって何歳?”
「...16歳です」
先生が前から気になっていた話題を出す。
“それで今、何年生?”
「...一年生です」
レイン留年経験済み。
“...”
「...」
沈黙が流れる。
“勉強始めようか...”
「...そうですね」
先生はこの話題を出したことを少し後悔しながらまた勉強を教え始めた。
“...うん、完璧だね”
「...ありがとうございます」
先生が採点した用紙をレインに渡す。
「...先生、今日はありがとうございました」
“どういたしまして”
レインが先生に感謝する。
「...いつか困りごとがあれば言ってくださいいつでも手伝います」
“本当?ありがとう”
「...それでは先生さようなら」
“さようなら”
レインと先生は挨拶をした後、別れた。
◯日後
『今日は、私が当番だと伺っています』
“そうだよ、楽しみに待ってるよ”
『それでは先生の期待に応えれるよう頑張ります』
『では、後ほどお会いしましょう』
30分ほど待つとレインがシャーレにやってくる。
「...おはようございます」
“おはよう”
レインと先生は挨拶をした後、仕事を始めた。
仕事をしながら先生はレインに話題を振る。
“レインってなんか趣味ってある?”
「...趣味、ですか」
レインは話題を振られ考える。
「...強いていうなら料理でしょうか?」
“料理?どんな料理を作れるの?”
先生がレインに聞くと。
「...大体作れます」
“へぇ〜そうなんだ”
「...それならばお昼は私が作りましょう」
“え?いいの?”
レインはシャーレでお昼を作ることにした。
「...それでは仕事が終わったので買い出しに行ってきます」
“い、いつのまに...”
「...先生も帰ってくるまでに終わらせておいてください」
レインはそういうと買い出しに向かった。
レインが買い出しから戻ってきた。
“おかえりレイン”
「...ただいま戻りました」
レインはそういうとキッチンに向かっていった。
“何を作るの?”
「...最近、とある人に師事しましてその人が作るラーメンを今回は作ります」
レインはそういうと調理を始めた。
“あれ?この匂いって...”
キッチンから流れてくる匂いに先生は嗅ぎ覚えがあった。
レインがラーメンを作り終えラーメンを持ってくる。
「...お待たせしました」
“こ、これは...!”
そのラーメンはとあるラーメンに酷似していた。
“レインこのラーメンって...”
「...先生が思い浮かべている人で間違い無いです。師匠にはしっかりと認めてもらっています」
レインはそういうとラーメンを食べ始めた。
“それじゃあ、私もいただくよ”
先生も後に続くようにラーメンをすする。
“...!”
先生はラーメンを食べると驚いた。
“しっかりと再現されてる...!”
「...ありがとうございます」
レインと先生はラーメンを食べ切る。
“ご馳走様”
「...お粗末様です」
先生は満足そうにする。
“...とてもおいしかったよ”
「...ありがとうございます」
レインはお皿を片付ける。
その後、少し世間話をしてレインは帰っていった。
レインは自分の料理を食べてもらって嬉しそうにしていた。
◯日後
『先生』
『すみませんが遅れます』
“どうしたの?大丈夫?”
『大丈夫です』
『傘を持たずに外に出てしまい雨宿りをしているところです』
『少し遅れますが気にしないでください』
先生はモモトークを閉じると傘を持って外に出た。
外はまだ雨が降っており傘を持っていなければ全身びしょ濡れになるのは避けられないほどであった。
先生は雨の中レインを探す。
しかし、途中突然の突風により傘が飛んでいってしまった。
先生は傘を諦め急いで近くの橋の下に避難した。
ため息をついていると、
「...なぜ先生がいるんですか?」
声をかけられ振り向くとびしょ濡れのレインがそこにいた。
“レインびしょ濡れだけど大丈夫!?”
「...大丈夫です。それよりもなぜ先生がここに...」
レインは上着を脱ぎシャツが早く乾くようにする。
“レインが心配だったから探しにきたんだ”
「...そうですか」
レインは少し申し訳なさそうにする。
“でも傘が飛ばされちゃったから雨が止むまでここにいないとね”
「...すみません」
レインは先生に謝る。
「...私のせいで先生が濡れてしまいました」
“気にしてないよ!”
先生は落ち込むレインに元気よく励ます。
「...そうですか」
「...先生は優しいですね」
「...先生と話していると不思議な気持ちになります」
「...なんだかホワホワするんです」
「...このホワホワ、とても心地がよくて」
「...なんだか暖かくなるんです」
「...先生もホワホワしますか?」
「...私...いや、俺も先生をホワホワさせたいです」
「...暖かい気持ちにさせたいです」
レインがそういうと雨が止み始める。
「...止みましたね」
“それじゃあ戻ろっか”
先生とレインはシャーレに仲良く戻っていった。
...ちなみにどちらも風邪を引いた。
もっと文才が欲しい(血涙