「...リオ様」
「何かしら?」
レインがリオに話しかける。
「...休暇を何週間か下さい」
「...今度はなにを学びたくなったのかしら」
レインがリオに休暇を申請する。
リオの反応でわかるがレインは今までも自分が学びたいものを見つけた時は、休暇を貰い学びにいくことが多々あった。
「...ラーメン」
「...いいわよ。その代わり私とトキに振る舞いなさい」
「...了解」
レインが部屋を出ていく。すれ違ったトキはリオに聞く。
「今度は何を学びに行ったのでしょうか」
「ラーメンを学びに行ったわ」
そのことを聞いたトキは、
「楽しみですね」
「えぇ」
と嬉しそうな雰囲気を纏っていた。リオもそれに同意する。
二人ともレインが作る料理に胃袋を掴まれていたのであった。
「おお!あんちゃん久しぶりだな!」
「...久しぶりです」
レインは柴関ラーメンの屋台に来ていた。
「すまんがまだ準備中なんだ。少し待っててくれ」
「...大将」
「どうした?」
レインが大将に頭をさげる。
「...弟子にして下さい」
「...あんちゃん」
大将が頭を下げたレインを見る。
「どうして弟子にして欲しいんだ?」
レインは、今までで一番ラーメンがおいしかったからその技術を学びたいと大将に告げる。
「そうか...」
大将は腕組みしながらレインを見る。
「そんなに求められちゃあ仕方ねぇ!おい、あんちゃん名前は?」
「...レインです」
大将が名前を聞く。
「そうか、レインか。いい名前じゃねぇか。そんじゃあレイン!今からスープを作る所を見せるからメモしろよ!分からないところがあったらなんでも聞け!」
「...お願いします。師匠」
レインは大将に弟子入りしたのであった。
「大将!こんにちは!」
「おお!セリカちゃんか!」
セリカがバイトにやってくる。
元気にやってきたセリカだったがレインを見ると声をかける。
「あれ?なんでお客さんが大将の隣に?」
「こいつか?俺のラーメンの味に惚れて弟子入りしてきたんだよ!」
大将がレインをセリカに紹介する。
「...レインです」
「セリカよ。ちなみに私の方がバイト先輩だからね!」
セリカがレインに先輩風を吹かすとレインは、
「...姉弟子」
「だ、誰が姉弟子よ!」
「仲良さそうで良かったぜ。セリカちゃんそろそろお客さんが来るから準備しな」
セリカは顔を赤くしながらバイトのユニフォームに着替える。
「私がお手本を見せるからよく見てなさいよ!」
「...了解」
セリカがレインにお手本を見せる。
「いらっしゃいませ!こちらの席にお願いします!」
セリカが客を席に案内する。
「注文が決まりましたら呼んでください!」
「あぁ、ありがとう」
客が感謝しながらメニューを開く。
「こんな感じよ。お客さんが手をあげたらすぐに向かって、ほら手をあげたわよ!」
レインは手をあげた客に近寄り注文を聞く。
「...注文は決まりましたか」
「塩ラーメンを頼むよ」
「...師匠。塩ラーメン一丁」
「あいよ!」
注文を聞き大将に伝える。
「レイン、良かったわよ」
「...ありがとうございます」
その後も客が来ては対応し、いない時は、ラーメン作りのコツを聞き一日が終了した。
「...師匠。おはようございます」
「レインか、おはようさん」
朝早くからレインはやってくる。
「レイン、とりあえず一杯作ってみねぇか」
「...いいんですか?」
大将が提案をしてくる。
「まずどんだけの腕前か確認したいからな」
「...了解」
レインは早速作り始める。
昨日メモした材料で出汁を作り、材料を切っていく。
ラーメンのスープを杯に入れ麺を茹でる。
水をきり、スープに入れ切った材料を添えていく。
「...どうぞ」
「おう。ありがと」
大将は、レインが作ったラーメンを食べ始める。
「...」
「...うん。ラーメン素人にしてはおいしいほうだ」
だが、と続けて
「まだまだ未熟だな。出汁が少し薄いのと、麺が硬い。他にも問題点はあるが大きくあげるとこの二つだな」
大将は、レインの作ったラーメンを批評する。
「要するにまだまだってことだ!」
「...精進します」
「おう!分からないところがあったらバンバン聞けよ!」
レインは早速スープの作り方を聞き始めた。
レインは、ラーメンを作り続けた。
日々ラーメンを作ることにより腕前はメキメキと上達する。
たまにセリカにも食べてもらい味の評価をもらったこともあった。
そして、ある日の夜。
「レイン」
「...なんですか」
大将が呼びかける。
「おまえに教えることはもう無い」
「...」
教えることがなくなったと言わる。
「明日、アビドスの嬢ちゃんたちが来る。嬢ちゃんたちには既に事情を話してあるからお前の全力のラーメンを嬢ちゃんたちには食べてもらって評価してもらえ。最後の試練だ」
「...押忍!」
レインは気合を入れる。
今まで学ばせてもらったものを出し尽くし最高のラーメンを作るために。
「大将〜来たよ〜」
「ん、ラーメン評価する」
次の日の昼。アビドス全員がやってくる。
「...注文をどうぞ」
レインが注文を聞く。
「私は、チャーシュー麺でお願いします!」
「ん、私は塩」
「それじゃあ味噌でお願いします」
「私は、いつも通り特製味噌ラーメン!チャーシューのトッピングも!」
「なら私は醤油にするわ」
上から、ノノミ、シロコ、アヤネ、ホシノ、セリカだ。
注文を聞いたレインは手を動かし始める。
手は迷いなく動き、ラーメンを作っていく。
そして各々のラーメンにスープを注ぎ麺を入れて切った具材を添える。
「...お待たせしました」
レインは完成したラーメンを置いていく。
そしてアビドスメンバーがラーメンを、
「「「「「いただきます」」」」」
食べた。
そして味わうように食べる。
「...」
レインはそんな五人を見つめる。
最初に口を開いたのはホシノだった。
「おいしいよ〜、ちゃんと大将のラーメンを再現できてるね」
そして、手で丸を作る。
次はノノミだった。
「おいしいです!いつも食べてる味です!」
ノノミも手で丸を作る。
続いてアヤネも手で丸を作りながら。
「しっかり再現されていておいしいです!」
次にシロコ。
「ん、おいしい」
シロコも丸を作る。
最後にセリカ。
「...」
セリカは無言で食べる。
そんなセリカを全員が見つめる。
「...」
レインもドキドキしながらセリカを見る。
「...レイン」
セリカが名前を呼ぶ。
「最高においしいわよ!」
とレインに向かってサムズアップする。
「...師匠」
「レイン、短い間だったが最高の時間だった。いつでもここにこいよ」
大将は、レインに微笑みながらそう告げた。
「...ありがとうございました!」
レインは頭を下げる。
「また来なさいよ!」
セリカもレインに声をかける。
「...姉弟子もありがとう!」
「だから誰が姉弟子よ!!!!」
セリカのツッコミがあたりに響いた。
「...戻りました」
「お帰りなさい」
成長したような顔付きになってレインが帰ってきた。
「それじゃあ、早速で悪いけど私とトキのラーメンを頼むわ」
「...了解」
リオからのオーダーによりレインが部屋を出ていく。
リオとトキはレインがラーメンを持ってくるのをワクワクしながら待つ。そして、
「...お待たせしました」
ドアが開き二杯のラーメンを持ったレインが入ってくる。
「それじゃあいただくわ」
「いただきます」
リオとトキが箸を使ってラーメンを食べる。
レインは二人の感想を待つ。
「...確かにこれはレインが学びたいというほどにおいしいです」
トキがラーメンを食べながら感想を言う。
「そうね。カップラーメンよりもはるかにおいしいわ」
「リオ様、カップラーメンと比べるのは失礼かと」
リオも満足そうにラーメンを食べる。
レインはそんな二人を見て心の底から大将に感謝した。