知り合いはさいつよ決闘代理人 作:秘境と聖杯ダンジョン
注意してても間違えたり変なとこに文入れちゃったりがあるんですよね。今後ともよろしくお願いしますね。
僕は本来、起床時間は早く寝起きも良い方だよ。大体鳥の囀りが鳴り始めるくらいには起きるかな。
この前のはお酒を呑み過ぎたからあんな醜態を晒してしまっただけ。
──だと、思ってたんだけどなぁ。
「おはよう。良く眠れたみたいだな」
「……おはようございます、クロリンデさん。体感なんですけど、今昼前とかですか?」
「ああ。そろそろ宿を出ないと余裕を持って離島に着けないな」
おおう、なんてこった。まさかの大寝坊。
午前中は城下町を観光するつもりだったのに。
「……ホント、ごめんなさい」
「構わない。君がゆっくり眠れたなら、ここまで来た甲斐があるというものだ。それに、私も楽しませてもらったからな」
「……?あ、そうだ。お土産、狛荷屋──」
団子牛乳をお土産にできないか相談するつもりだったのに。どーしよ。
「それなら今朝、辺りを散歩している時に綺良々さんに会ったんだ。配達帰りのようだったが、頼んでみたら快く引き受けてくれたよ」
「そうだったんですか、ありがとうございます」
「どういたしまして。私は店員さんに挨拶してくるから、君も着替えて出てきてくれ。少し早いが、お昼ご飯を食べて離島へ向かおう」
「あ、はい」
クロリンデさんが部屋を出てから、急いで着替えて合流したよ。
早めのお昼ご飯は志村屋で食べたよ。なんでも一週間休まず営業しているらしい。いいね。
離島まで戻って来たよ。
あっという間の稲妻旅行だったね。観光らしい観光できてないけど。本当に申し訳ないです。
「もうすぐでスメール行きの船の時間ですけど、良かったんですか?大して観光できなかったのに」
「構わないよ。元々は観光というより、慰安旅行のようなものだったんだ。身体を休められればどこでも良かった。それに、君とここまで旅をするのも楽しかった。今回はもう帰るだけだが、また機会があれば、今度はゆっくりとスメールを案内してもらいたいと思っている」
「……奇遇ですね。僕も次の機会があればスメール旅行も良いかもと思ってたんですよ」
「ああ、奇遇だな」
なんか、考えが一致したこともそうなんだけど、二人きりだったこの旅行を楽しいと行ってくれて、なんだか嬉しい。顔がニヤケちまう。
そろそろオルモス港行きの船が出る時間だね。
スメールに着くのは夜頃の予定だ。オルモス港で一泊して、明日中にフォンテーヌに戻る予定だよ。
クロリンデさんは七日分の休みを取ったって言ってたから、余裕を持った行程となっているよ。予備日一日とフォンテーヌに帰ってからの休み一日。
この予備日を使ってもう一日稲妻観光するか聞いたけど、クロリンデさんはもう十分だって。
オルモス港に着いた……。時間もいい感じに夜だ。
「じゃあ夜ご飯でも食べましょうか」
「それは構わないが、向こうでこちらを……正確には君を睨んでいる者がいる。知り合いか?」
「へ?」
クロリンデさんが指す方を向いて見て、そこに誰が居たか確認した僕はすぐクロリンデさんに向き直ったよ。
あの耳を見間違えるハズがない。なんでここに居るんだよ。
「クロリンデさん。僕は今から泳いでフォンテーヌに帰ります」
「君、泳げないだろう。向こうのあの人は知り合いか?」
「ええまぁ、知ってる人ではありますけど……」
「何を、コソコソしているんだい?」
「ひぇ!」
いつの間にか背後に迫っていたレンジャー長。心臓止まるかと思った。
「村に戻ってきたならなんで僕に声を掛けないかな」
「いやレンジャー長、死域の除去で出てたんでしょ。僕にも僕の予定があったんすよ。てか村長に言伝残したでしょ」
「その事についてはちゃんと聞いているよ。お前が適当な挨拶だけ残して稲妻に行ったってことをね」
「ンなこと言ったって……」
「お前の事だ、どうせ帰りは村に寄るつもりはなかったんだろ?だから僕から会いに来てやったんだ」
「ぶっちゃけ僕は会いたくなかったです」
「チッなんか言った?」
「いえ、何も」
ガチ舌打ちやめて……一種のトラウマなんです……。
「で、そちらの女性は?」
「あぁ、こちらクロリンデさん。フォンテーヌで知り合いました。クロリンデさん、この人が前にちょっとだけ話したレンジャー長のティナリさん」
「どうも」
「ああ、どうも。お前、フォンテーヌに行ってたのか。砂漠越えはディシアに頼んだのかい?」
「いや、村を出た後は璃月に行きました。そっからモンド行って、璃月の沈玉の谷の方から行きました」
「ああ、そうだったのか。それらも含めて、お前には聞きたいことがたっぷりある。近くにキャンプを作ってるから、話はそこで聞かせてもらうよ」
「えー……」
「置き手紙一枚残して突然村から失踪して、村中がどれだけ心配したと思っているんだい?」
余談だが、レンジャー長がどんな感情をしているかは耳を見れば分かる時がある。
普段は抑えているんだけど、それが効かなくなるくらい感情的になっている時は分かる。
今?めっちゃ怒ってる。
あー、嫌だなぁ。隙を見て逃げ出したいけど、僕がスメールでレンジャー長からよーいドンで逃げ切れるワケないんだよね。
クロリンデさんが嫌がってくれればなんとか逃げれるか?
「く、クロリンデさんが──」
「私は構わない。昔の君の事を知れる良い機会だ」
「ああ。昔話に花を咲かせようじゃないか」
終わりだ……。
レンジャー長の野営地に来てしまったよ。
あー嫌だなぁ。
「さて、洗いざらい吐いてもらうよ」
「拷問?」
「まだ質問だ。それに、お客さんがいる前でそんなことはしないよ」
クロリンデさんがいなければしてたって事?
流石に冗談か。レンジャー長の冗談は大マハマトラの冗談と違って笑えないからな。
「で、なんで急に村を出ていったんだ?何か不満でもあった?」
「いや、不満とかでは無くて……ただ、あの頃の僕は、自分を変えたかったんですよ。あなたや大マハマトラ、熾鬣の獅子に稽古付けて貰ってたのもその一環っていうか……神の目を授かったのが良い機会だと思ってそれで旅に」
「なるほどね……ま、あんな事をやってしまったお前がそう思うのも分かる。だけど、あれば事故だ。お前は決して悪くない」
「分かってますよ。僕ももうガキじゃない」
──分かってるさ。そんなこと。だから僕の狩りの意味を変えたんだ。
「背だってレンジャー長より高いでしょ」
「──チッ、お前は余計な事言うから必要以上に怒られるってことは理解できてないみたいだね」
「あっゴメンナサイ……」
ガチ舌打ちやめてね。
「あの、聞いてもいいか?その、事故っていうのは」
僕とレンジャー長の話を黙って聞いていたクロリンデさんが、話の中にあった事故のことを聞いてきた。
僕としては、あまり話したくないんだけど……。
「昔ちょっと、やらかしちゃったことがありまして……」
「僕から彼女に話してもいいけど?」
「いや、心の準備が……。クロリンデさん、いつか必ず話すので、今日はすみません」
「……分かった。君がそういうのなら、これ以上は詮索しない」
「……助かります」
あれは、僕の中で一生癒えることの無い傷だ。
傍から見たらきっと、そんなことをそんなに引き摺ってとか言われるかもしれないけど、アレは僕が狩りにのまれたから起きた必然だ。
これを他人に話すのは、まだ無理だ。
果たして、僕のこの傷を誰かに話せる時は来るのだろうか。
「じゃあ次は、今までの君の旅の話を聞きたい」
「それは僕も興味があるなぁ。神の目を授かったばかりのお前が、村を出た後どうやって層岩巨淵を超えたのかとか」
「なんも面白いことはないですよ。表層に出たところをすぐ千岩軍の人に保護されてそのまま璃月港に連れてってもらっただけで」
「ハハッだっさい!」
「フフッ」
なにおう。
しばらく、僕の旅の話をした……。
璃月で知り合った人達のこと、モンドで知り合った人達のこと、フォンテーヌで知り合った人達のこと。いまどんな風に暮らしているか。
それを聞いていたレンジャー長は、時々冷やかしながらも、終始穏やかな笑みを浮かべていたような気がする。
夜もいい具合に更けてきたので、交代で見張りを立てつつ、睡眠を取る事にした。最初の見張りはジャンケンで負けた僕。次がレンジャー長でその次がクロリンデさん。時間的に次の僕の番が来る前に朝になっちゃいそうかな。
見張り中、特に何も無く交代の時間になった。
「代わるよ」
「お願いしますね」
「ああ。──最近は良く眠れているか?」
「へ?あー、昨日はよく眠れましたよ。寝坊しちゃったくらいで」
「そうか。じゃあ今日も良く寝ることだ。おやすみ」
「うい、おやすみなさい」
妙にレンジャー長が優しい。なんか逆に怖い。
朝だね。
引き続きぐっすり良く眠れたような気がする。僕よりあとに休んだはずのレンジャー長より起きるの遅かったからね。
「今日中にフォンテーヌに戻るんだっけ?」
「はい、そのつもりです」
「じゃあ村に寄る余裕はないか。僕もやることがあるし、ここでお別れかな」
「なんかお世話になっちゃって、ありがとうございます」
「ありがとう。有意義な時間だった」
有意義?僕の過去話、そんな面白かったかな。
「お前の世話なんて今更だよ。たまには手紙くらい送るように」
「うい」
テキパキと野営道具を纏めたレンジャー長は颯爽と去っていったよ。
「じゃあ僕たちも行きましょうか。まずはオルモス港でお土産ですね」
「だな。スメールシティでも買いたい物がある。少し急ぎになりそうだ。フォンテーヌに着くのは夜遅くになりそうだな」
オルモス港、スメールシティでお土産を購入し、バイダ港に着いた頃には夜になってしまっていたよ。
ロマリタイムハーバー行きの船は、旅行の思い出や買ったお土産のことを話していたらあっという間に到着したよ。
そこからはいつものように巡水船に乗ってフォンテーヌ邸に帰るだけだね。
「またいつか、一緒に旅行をしよう」
「ですね。必ず」
フォンテーヌ邸に帰ってきた僕たちは、それぞれの帰路に着いたよ。
なんかぐっすり眠れるようになった
「朝スっと起きれない事が多くなった」
旅行楽しかった決闘代理人
「彼が魘されることなく眠れているようで良かった」
レンジャー長
「ま、元気そうで良かったよ。減らず口もそのまんまだったしね」
これで恋仲じゃないってマジ?
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知り合いですよ
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いや無理があるでしょ