知り合いはさいつよ決闘代理人 作:秘境と聖杯ダンジョン
編とか書いてますけど一発ネタなのでご了承くださいね
本日はインタビューにお応え頂き、ありがとうございます。インタビュアーを務めさせていただきますシャルロットです。
「どーも」
「よろしく頼む」
こちらこそ、よろしくお願いします。
一応先に言っておきますね、今回のインタビューはどこかに公開されるものではなく、表に出るようなこともありません。ここは舞台裏ですからね。これは形式的なものです。
「助かります、シャルロットさん」
いえいえ、こちらこそです。
では始めに、交際に至った経緯は?
「秘密だ。いくらシャルロットさんでも教えられない」
「ていうかこういうのって名前から聞くモンじゃないの?僕の名前は──」
あ、お名前はもう控えてありますので結構です。
では告白はどちらから?
「僕」
「彼から」
シチュエーションをお聞きしても?
「黙秘する」
「僕とクロリンデさんだけの思い出ということで。まぁ、そんな大仰な事はしてませんよ」
ははぁ、気になりますが……仕方ありません。
互いを好きになったキッカケは?
「キッカケ……色々ありますけど、思い返せば一目惚れだったかもしれませんね。クロリンデさんは?」
「そうだったのか……まぁ、私も……似たようなものだ」
「……はは、嬉しいなぁ」
「あなたの狩りの手際には目を奪われた」
「そこかぁ」
お熱いですね。では、お二人の出会いは?
「僕がフォンテーヌに来て初日、お昼頃でしたっけ」
「あぁ。獲物を横取りされた」
「狩りに横取りも何もないって言ったのクロリンデさんじゃないですか」
なにかあったんですか?
「恥ずかしい話だが、その日は前日から忙しくてな。まともに食事を摂っていなかったんだ。仕事終わりにそのまま狩りをして食事をするつもりだったんだが」
狙った獲物をとられたと。
「そんなところだ」
「見事に追い立てるものだからつい……」
フォンテーヌって凄いところだなぁ。
大きい街に入ったらいきなり服屋に連れ込まれて来てた装束剥ぎ取られたよ。
代わりの服は貰えたし、装束も返してくれたから良かったけど。
次この狩装束を着てフォンテーヌ邸を歩いたら容赦しないって言われたから、いっその事あの服屋さん……千織さんにオーダーメイドで僕の服を頼もうかな。璃月からフォンテーヌに来るまでにモラも十分稼いだし、そうしよ。
旅館……ホテルも取れたし、散策してみよっかな。ここに来るまでは船と巡水船だったから、景色を見るばかりでウズウズしてたんだ。
散歩するならどこがオススメか、メリュジーヌさんに聞いたらエピクレシス歌劇場の方が良いって聞いたからそこに向かってみるよ。
「うっはぁ……」
初めて見る鳥、見慣れたイノシシ、道行く機械。
凄いなぁ。これがフォンテーヌかぁ。
マシナリーって言うんだっけ。街中でも見かけたけど、凄いよなぁ。閑雲先生が対抗意識を持つだけはある。
整備された道からは外れるけど、ちょっと野山も歩きたい。
というか、狩りがしたい。移動ばっかりだったし、ホテルのレストランは満席だったからご飯食べれてないんだよね。
歩いていると、パンッという小さな花火のような音がした。
なんだろう。なんの音かは分からないけど、この音を出している人の狙いは分かる。
音に驚いた獣たちが、音から離れんと移動を始めた。
それこそが狩人の狙いとも分からずに。
「上手いなぁ……」
思わず口に出てしまった。無闇矢鱈に脅かすんじゃなくて、指向性を絞ってる。誘導してるんだね。
これだけ追い立ててまだ手を出さないってことは、慎重なのかな。
音の主さんの狙いがどいつかは分からないけど、僕もおこぼれに預かろっかな。こんな見事な追い立て手法を見せられて手を出さないのは逆に失礼でしょ。
アイツにしよ。一頭だけ群れからはぐれたイノシシ。この辺の野鳥はまだ狩っていいやつかどうかわかんないしね。捌き慣れてるのほうが早く調理できるし。
剣の仕掛けを動かし、右手から左手へ持ち替えながら弓へ変形させる。
弓に矢を番え、引き絞り、穿つ。いつもと同じように。矢は獲物の脳天に突き刺さった。
仕留めた獲物を回収したら香菱ちゃん直伝の調理場作成術の出番だね。薪と火打石で火を起こして、鉄鍋を火にかけて、十分熱くなったら獣肉をドーン。ソースには夕暮れの実とバブルオレンジを合わせた物を作ってみるよ。
色々作ってたら誰かがこっち向かって歩いてきた。なんだろ、女の人みたいだけど。
「すまない、先程弓矢でイノシシを射抜いたのはあなたか?」
「えぇ、まぁ。なにか?」
「狩りに横取りも何もないのは承知の上だが、そのイノシシは私が狙って追い立てたものだったんだ」
「あ、そうだったんですか。なんか、すみません」
「構わない。普段だったら私も別の獲物を狙っていただろう。ただ、あなたの作る料理の匂いに釣られてしまった。もし不都合なければ分けて欲しい。訳あって昨日から食事ができていないんだ」
「構いませんよ。元々はあなたが狙ってたものですし、僕は乗らせて貰っただけですから」
「ありがとう。私はクロリンデ。あなたは?」
「僕は──」
名乗ろうとしたところ、ぐぅ、と鳴る音に遮られた。
音の方を見ると、お腹を押さえてそっぽを向くクロリンデさん。
かわいいな、この人。
「はは、先にご飯にしましょうか」
「……すまない」
なるほど。そういったことがあったんですね。
「可愛かったですね」
「はぁ……やめてくれ」
「はは、すみません」
これがお二人の出会い、と。
「はい。その後は一緒にご飯食べながら、互いの狩りの手法や、弓剣や銃の事を話しましたね」
「ああ。懐かしいな」
「もうあれから大分経ちますからね」
なるほど……。
では次、現状のお話をお聞きしてもいいですか?お二人でどのように暮らしているのかとか、
「黙秘する」
「はい、この話おしまいで。ありがとうございましたー」
ああちょっと、待ってぇー!ごめんなさーい!縛って吊るしたまま帰らないでー!
狩りの収穫で料理してたら運命に会った
「人生何があるか分からないよね」
不躾な質問をされた決闘代理人
「答える訳がないだろう」
不躾な質問をした記者
「痛くはなかったんですけど、一瞬で縄で巻かれて天井から吊るされちゃって。恐ろしい早業でしたね」
インタビュー部分は『Mr.&Mrs.スミス』という映画のパロディです。面白いので是非観てみてください。私の好きな映画のひとつです。