知り合いはさいつよ決闘代理人   作:秘境と聖杯ダンジョン

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クロリンデさんの色んな顔が見たいおと申します。

誤字報告ありがとうございます。

エスコフィエさんやっぱ星5でしたね。そんでナヴィアさんの復刻も来てしまいましたね。
石がないぞ!


ギャップって良いよね

「そういえばクロリンデ、あんたって今どこ住み?」

「ナンパか?」

 

これはテーブルトークシアター倶楽部での一幕。

敏腕ゲームマスターと自由奔放なプレイヤー達が珍しくシナリオの事前確認兼打ち合わせをしていた時のこと。

 

「そんなんじゃないって」

「住所は変更してないな。証拠書類は必要か?」

「そんな大事(おおごと)じゃないよ。ま、少し気になった事があってね」

「なんだ?」

「単刀直入に言うけど、あんたが彼の家に住んでるんじゃないかって思って」

「……根拠は?」

「この前、みんな一緒に彼の家でご飯食べたじゃない?」

「フリーナ様の演劇を観に行った日か」

「フリーナの演劇じゃなくて、フリーナが指導した劇団の演劇だったけどね。その時、あたし達の食器やコップは客用のだったのに、あんた達はお揃いの使ってたじゃない」

「彼の家でご飯を食べる事は多いからな。置かせてもらっているんだ」

「それだけじゃないよ。新品のソファ、あれは明らかに二人掛けしても余裕がある大きい物。一人暮らしの彼には必要ないよね」

「ソファで寝転がったりするんじゃないか」

「んー、可能性はあるか」

「雑談はこれくらいでいいか?」

「待って待って、聞きたいことまだまだ沢山あるんだから」

「はぁ……」

「溜息つかないでよ」

「冗談だ。次は何が聞きたいんだ?」

「えっとねぇ──」

 

ガールズトークは続いていく。

仲睦まじい事は良き事なり。

 

「そう思いません?リネさん」

「ははは、良い事ですね」

 

テーブルトークシアター倶楽部の一員として呼ばれていた僕は、ナヴィアさんとクロリンデさんが打ち合わせしているのを後ろの卓で小耳に挟みながら、同じく呼ばれていたリネさんリネットさん、そして二人に着いてきたというフレミネくんと一緒にトランプで遊んでいた。避難したとも言える。ああいうのに巻き込まれるといつも最後は傘で叩かれるかクラバレッタさんにどつかれるんだ。僕は詳しいからよく分かってるよ。今回フリーナ様はこの場に居ないけどね。

 

「たまにはババ抜きみたいなシンプルなゲームで遊ぶのもいいかもしれないね。次、リネットだよ」

「ん。……一枚だけ上に出して心理戦を仕掛けるのはやめて」

「なんでだい?こういうのもこのゲームの醍醐味だろう?」

「はぁ……じゃあそれにする。ペアあり。残数三枚。次、フレミネ」

「うん……って、リネットもやってるじゃないか……」

「この心理戦がこのゲームの醍醐味」

「さっきの発言からリネットがババを持ってないのは分かってるんだから意味無くない……えぇ……なんで?」

「トリック成功」

 

どうやらババはリネットさんからフレミネくんへ渡ったようだ。

フレミネくんとは今日初めて会ったけど、僕が想像していたような人じゃなかった。もっとリネさんみたいな、或いはシルヴァさんのようなタイプの人かと思ってたから、実際に会って驚いたよ。

 

「じゃあ次……どうぞ」

「はい、じゃあこれを……げぇ!」

 

僕が引いたカードはジョーカー。ババだよ。フレミネくんの手札はちゃんと見てたけど、引いたカードはババ以外のハズ……。

 

「すり替えた……というのか……」

「これでも、二人の兄妹弟(きょうだい)ですから」

「上手くなったね、フレミネ」

「上手」

 

二人からの歓声と拍手がフレミネくんへ送られる。もしかして、この場で一番不利なのは僕だったのか……?

 

「くそぅ、圧倒的アウェイだ……次、リネさんどうぞ」

「うーん、どれにしようかな……ところで、後ろで彼女たちが話していることの真偽はどうなんですか?よし、これに決めた」

 

僕の手札から一枚引いていった。勿論ジョーカーは僕の手札に残ったままだ。

 

「さー、どうでしょうねー」

「演技が下手。フリーナ様に指導してもらったら?ペアなし」

「あの人は演技が上手すぎる。それに暇してるワケじゃないからね、今日だって来れなかったし」

「この倶楽部って、フリーナ様も来るんだ……凄いところだなぁ……次、どうぞ」

「うい。お、当たり。残り二枚。どーっちだ?」

 

テーブルトークシアター倶楽部って、棘薔薇の会の会長ナヴィアさんと無敗の決闘代理人クロリンデさん、元水神で大スターフリーナ様、大魔術師リネさんと妹のリネットさん、たまに千織さんやシャルロットさんなど凄い人達が集まる場所なんだよね。

フリーナ様は今日は劇団の仕事があるって事で来れなかった。次回のテトシアではフリーナ様だけ完全初見でやることになりそうだね。

 

「ふむ……ではこちらを……おや」

「っし!」

 

ババが僕の手札から居なくなったぜ。これで後はペアを作れば僕の勝ちだ!

 

「何はともあれ、おめでとうございます。この幸せが末永く続きますように」

「きゃー」

「ぱ、ぱふぱふー」

「なに急に。ありがたく受け取るけども……」

 

仲良し兄妹弟(きょうだい)なだけあってこういう連携もお手の物か。

まぁ、祝福されて悪い気はしないね。さて、僕のターンだ。フレミネくんから一枚、ここでツモって僕の勝ち──

 

「っはぁ!?」

 

僕が引いたトランプの絵柄はジョーカー。ババ。さっき居なくなったはずのもの。

 

「ま、まさか……」

「おやおや、どうかしましたか?」

「いえーい」

「す、すみませんすみません……」

「こ、こんなことが……こんなことが許されていいのか?」

 

連携してジョーカーをフレミネくんまで回したのか。僕たちを祝福する裏で僕を陥れようとしてたなんて……!

 

「こ、この……こうなったら意地でも上がって──ぐえ」

 

誰かに勢いよく襟を引っ張られて変な声出ちゃった。バランス崩してたら椅子からひっくり返ってたんじゃないか?

下手人はナヴィアさん。有無を言わさず後ろの卓、つまり打ち合わせ(ガールズトーク)の場に引きずり込まれたよ。

 

「はは、いってらっしゃーい。トランプはこっちで片付けておきますね」

「ファイト」

「いいのかな……」

 

リネさん達は助けてくれる気は無いらしい。

 

「さて、ここからが本番だよ」

「本番も何も、今回の集会はシナリオの確認と打ち合わせだったはずだ」

「僕もそう聞いてました」

「細かいことは気にしなーい。さ、答えてもらうわよ」

 

楽しそうに腕を組んで僕たちと向かい合うナヴィアさん。尋問が始まるのかな?

クロリンデさんに視線を向けると、諦めたように目を瞑り首を横に振っていた。

 

「で、いつからなの?」

「何がだ?」

「とぼけないで。いつから一緒に住んでんの?」

「あー、僕が帰ってきた日の翌日です」

「師と弟子が同じ屋根の下で暮らすのはおかしい事ではない。私と彼の認識は大体同じだったからな」

「まぁ、はい。そんな感じです」

 

ナヴィアさんとフリーナ様には僕たちが恋人同士なことはまだ伝えていない。理由?クロリンデさんが恥ずかしいからって。可愛いよね。

そのうちクロリンデさんから話すって言ってたんだけど、それより早くバレかけてるんだよね。クロリンデさんはあの手この手で躱そうとしてるけど、もう無理でしょこれ。

 

「ふーん。まだ隠すんだ。へー……」

「クロリンデさん、これ以上は無駄だと思いますよ」

「……くっ」

 

珍しく顔がすこし紅くなってる。深い付き合いか長い付き合いの人にしか分からないだろうけど。

 

「その反応で十分だよ。まったく、なんであたしに教えてくれないのよ。あたし達、幼馴染で親友じゃない」

「それは……恥ずかしかったから……」

 

声小っちゃ。可愛い。ちょっと目線を逸らしてこんなこと言うクロリンデさんなんて滅多に見れないぞ。手元に写真機が無いのが残念だね。

 

「ふふ、あんたのそういう顔、初めて見たよ」

「やめてくれ……」

「フリーナにもちゃんと教えときなさいよ。もしかしたら気付いてるかもしれないけどさ」

「分かっている。今度会ったらちゃんと話すよ」

「それで良し。次はあんたね」

「え、僕?」

 

まさかお前なんかにクロリンデはやらん!的な?なんと言われても僕はクロリンデさんと生きていくつもりだけど。

 

「泣かせたりしたら承知しないよ」

「──必ず幸せにします。この国にはもう神は居ないから、母国の草神クラクサナリデビに誓って、必ず」

 

僕は決して良い人なんかじゃないけれど、それでも好きな人の事は本当に幸せにしたいって強く思うよ。

 

……ん?

 

なんだろう、なんか妙に静かだ。ナヴィアさんは失笑してる。

おかしな事は言ってないと思うけど……。

 

「そういうのは教会とかでやりなさいよ」

「……流石に、皆の前で言われると恥ずかしい」

「──あっ」

 

そう言われて、ここがそれなりの人達が集まっているテーブルトークシアター倶楽部であることを思い出した。

穴があったら入りたいね。誰かに言われるまでもなく爆発しそうだよ。

 




テトシア倶楽部で公開誓いの言葉した人
「日頃から思っていたことを口に出してしまった」

された人
「……嬉しかった」

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